粟津温泉にて

猛暑の夏


 7月はずいぶんと長かったような、それでいてあっという間に過ぎ去ったような?あまりにいろいろ事件がありました。一年前の「2017年8月近況」を見ると「全国各地で異常気象な豪雨。九州も新潟も東北もタイヘンな自然の猛威になす術もありません」とあって、今年は6月地震に加えて西日本一帯(+お隣岐阜県)に記録的豪雨、昨年を上回る悲惨な被害。こちらなんということもなくて、せいぜい”荷物が届かない”お仕事トラブル発生、お詫び対応程度でした。天変地異だから許してもらうしかない。

 被災地に追い打ちを掛けるように”殺人猛暑”、文字通り熱中症で多くの人が亡くなって、豊田市では小学生が哀しい犠牲になりました。財政的に豊かなはずのご当地・長久手市(平均年齢38.8歳、全国一若い)小学校にはエアコンなし。”冷房は虚弱児を生む”とかトンデモ理論を宣(のたま)う爺さんがいたらしくて、さすがにこの暑さに来年導入を決めたそう。さらにさらに逆行する台風12号・・・最悪の7月也。不安な世情に安倍ちゃん強採決連発(カジノも議員増も要らないっしょ)挙げ句、オウム真理教関係者一気にまとめて全員死刑実施。タガが外れたみたい。

 半分引退のサラリーマン(=ワシ)は日々のマシン・トレーニング+エアロビクス、7月は16回実施。お仕事やる気はさっぱり出ないけどね。左膝の不調は騙し騙しやり過ごして、睡眠不如意少々あっても、寝込んだり、食欲をなくしたり、典型的な夏バテ症状は幸いありません。半年に一度の健康診断結果もまずまず。猛暑絡みの需要変化、商品調達に苦慮してお仕事に追われても、日常生活にさほどの変化はありません。

 月末(一昨日)食洗機(象印ミニでか食洗機 BW-GX40 2011年製)わずか7ヶ月にて故障したのは残念でした。息子は昨年結婚して小松転勤在住、結婚式は遅れ馳せ9月金沢、北海道より93歳の爺さんは足腰立たずに参列できないから(ノーミソは健在)生きているうちに挨拶に行け、可愛いお嫁さんを紹介しろと言いつけて、無事それも果たしました。爺婆孝行できたかな?

 

 先月のヴェリ・ベスト。猛暑に集中力を失っております。

名古屋シンフォニア管弦楽団 第73回演奏会(2018年7月29日(日)豊田市コンサートホール)に行ってまいりました。引き隠って録音ばかり聴いていても仕方ないのは当たり前。お気に入り作品、立派な演奏、素晴らしい会場。

SMK52594Bach ゴールドベルク変奏曲 BWV988〜グレン・グールド(p)(1955年)・・・泣く子も黙る名曲+鉄板名演奏。少年時代レコード屋にて試聴して、音質の悪さにがっかり、ヘルムート・ヴャルヒャ(cem)のLPを購ったのも懐かしい思い出、やがて幾星霜半世紀を経、愛聴盤に至るとは思いもよりませんでした。月一回以上は聴いているMy Favorites作品、イメージとしては延々と眠くなるような(!?)大河のような流れを感じて精神が落ち着いて・・・ところがグレン・グールドは快速テンポ、繰り返しなし、スタッカートを基調とするリズミカルなタッチ・・・あれよあれよと終わってしまって、馴染みのストーリーを早回しにしたような感慨に襲われます。これはこれで現代のBachを感じさせる、時代の表現に感銘がありました。

SONY SX10K 89765/10Rachmaninov ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品36/前奏曲 嬰ト短調 作品32-12/楽興の時 ロ短調 作品16-3/練習曲集「音の絵画」変ホ短調 作品33-6/ハ長調 作品33-2/ニ長調 作品39-9〜ウラディミール・ホロヴィッツ(p)(1968/67年)・・・2年ほど前にコメント*があって、曰く”魂が揺れるような凄い説得力”。Rachmaninovのピアノ・ソロ作品は昔、イディル・ビレットにてトライして挫折、以来ピアノ協奏曲+交響曲くらいしか聴いていなかったけれど、ホロヴィッツに出会って妖気漂う演奏に魅了されました。上記リンク先*前後にあるように、他の世評高い演奏を聴いてもほとんど、別な作品に思えるほど彼のピアノはしっとり洗練され美しくセクシー。レパートリーの幅は狭いのかな?テクニック云々は当たり前、その先でっせ問題は。表現の幅(デフォルメ?)ニュアンスの多彩なこと、作品の様式云々に非ず、どれを弾いても彼の個性一色に染めてしまう驚き。(更に)・・・D.Scarlattiのソナタを数曲(大昔のモノラル録音)に痺れておりました。そして”崩れ落ちるようなイケナイ快感”を求めてピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調再度拝聴。

EMI 6356572Wagner 演奏会用序曲「ファウスト」/歌劇「リエンツィ」序曲/歌劇「さまよえるオランダ人」序曲(ロンドン・フィル1974年)/歌劇「タンホイザー」序曲(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団1971年)/大行進曲(ロンドン・フィル1974年)/歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団1971年)〜エイドリアン・ボウルト・・・Adrian Boult(1889ー1983)の立派なWagnerを聴きました。ロンドン・フィルとの1973年録音は音質極上、自然な会場空気感堪能いたしました。飾りのない剛直な表現にロンドン・フィルの金管が鳴り響くといった風情を堪能いたしました。ニュー・フィルハーモニア管弦楽団はもうちょいと細身な、キレのあるサウンド。夏にはWagnerでっせ。

ARTENOVA 74321 63641 2 @400Ravel バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲〜ミヒャエル・ギーレン/南西ドイツ放送交響楽団/ヨスハルト・ダウス/ヨーロッパ合唱アカデミー(1997年)・・・久々の拝聴。これは真夏にピッタリの涼しげ怜悧緻密なサウンド、記憶以上のクリアな音質。但し、この音源は”全曲57:56、1トラック”のみ、大好きな作品だしほとんど一気聴きするけれど、部分確認不可というのも不安な感じ。仏蘭西系指揮者によるメルヘンな表現、みたいなイメージの作品だけど、細部一切曖昧さを許さぬ透徹したMichael Gielen(1927ー引退)の指揮ぶりは綿密厳格そのもの。馴染みの作品をたっぷり堪能して、これはヴェリ・ベストかも。オケのアンサンブル、色彩にも文句ありません。

Weitblick SSS0108Mahler 交響曲第3番ニ短調〜ジュゼッペ・シノーポリ/シュトゥットガルト放送交響楽団/放送女声合唱団/ヴァルトラウト・マイヤー(a)/シュトゥットガルト賛美歌児童合唱団/ケルン放送女声合唱団(1996年ライヴ)・・・フィルハーモニア管弦楽団全集とは別のライヴがいくつか残されて、これは自分にとって馴染みのもの、サイト内検索では言及なし。大好きだけど、なんせ超大、夏になると聴きたくなる・・・往復二時間ほどの社用車移動にはぴったりの作品でしょう。第1楽章「力強く、決然と (Kraftig. Entschieden.)」だけで30分掛かる長丁場、冒頭ホルン8本のシンプルな斉奏から一気に引き込まれて、延々とメーデーの行進が続く熱気に心躍らせるもの。この時期のオケは首席指揮者不在?(ジョルジュ・プレートルが首席客演)現在は南西ドイツ放響と統合されてしまったオケは好調なアンサンブル、第4楽章「きわめてゆるやかに、神秘的に 一貫してピアニッシシモで(Sehr langsam. Misterioso. Durchaus ppp.)」に於けるWagner歌いWaltraud Meier(1956ー)は深淵、第5楽章「快活なテンポで、大胆な表出で(Lustig im Tempo und keck im Ausdruck.)」はこども達+女声の無垢な歌声に心洗われ、終楽章「ゆるやかに、安らぎに満ちて、感情を込めて(Langsam. Ruhevoll. Empfunden.)」は万感胸に迫る人生の終焉を連想させる・・・文句ありません。

BBCMendelssohn 序曲「美しいメルジーネの娘」/Haydn 交響曲第46番ロ長調/Schubert 交響曲第3番ニ長調〜イラン・ヴォルコフ/BBCスコティッシュ交響楽団(2002年)・・・Ilan Volkov(1976-)はイスラエル出身のイケメン若手も残念、最近の写真はすっかりオッサン化していて、2014年にアイスランド交響楽団を降りてから、どこのオケに行ったのやら情報が探せません。閑話休題(それはさておき)これは当時20歳代の若者に相応しい選曲揃えて、グラスゴーのオケも快調です。首席指揮者を務めたのは2003-9年とのこと。そういえばStravinsky辺りを聴いていたっけ。

可憐なメルヘン風情漂う爽やかな「メルジーネ」(10:49)。Haydnの第46番は「疾風怒濤(Sturm und Drang)」期の作品、珍しい調性の作品は明朗闊達な主題が陰影深く躍動する第1楽章「Vivace」(5:36)、ほの暗いシチアーノである第2楽章「Poco adagio」は優しく静謐(5:21)、典型的に牧歌的なリズムを刻む第3楽章「Menuet-Trio,Allegretto」は(2:51)途中Mozart風暗い旋律も登場します。ホルンのノビノビとした活躍が印象的(次楽章も)。終楽章「Finale,Presto e scherzando・・・」型通りの細かい音形が暗転して「L'istesso Tempo di menuet〜Tempo I 」ラスト、テンポを落として大団円、変化に飛んだ名曲であります(4:20)

Schubert18歳の交響曲第3番ニ長調はMozartやHaydnの影響色濃い青春の作品。第1楽章「Adagio maestoso - Allegro con brio」は2分弱の堂々たる序奏を経、軽妙闊達な第1楽章が躍動します。(9:15)第2楽章「Allegretto」まるっきりHaydn、淡々とした風情にティンパニはお休み。(3:38)第3楽章「Menuetto. Vivace」はヴィヴィッドなメヌエットが力強いリズムを刻みます。途中優雅なトリオ(木管の絡み合い)も印象的(3:46)。終楽章「Presto vivace」。元気の良い”タランテラ”風リズムとはこんな感じなんですね。疾走する青春!それに相応しい若者の躍動が続きました。

(2018年8月1日)

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written by wabisuke hayashi