萩2025年7月

2026年半分過ぎていよいよ猛暑の夏へ


 2026年も半分過ぎました。華麗なる加齢に時の流れが速く感じるようになるのは、科学的にも証明され、皆自リアルに痛感していることでしょう。先月末に台風の影響から大雨が降って、あちこち地震も連続して不安だけど、昨年より猛暑突入は遅くて、水不足もないでしょう。欧州では40度C超え!巴里からの動画とか露西亜辺りの様子の報告でもいつになく気温は高いらしい。あちらは日本ほどエアコンは普及していないし、生活はタイヘンでしょうね。

 今年は台風の当たり年っぽいし、7月は恒例猛暑がやってくるのでしょう。こちらは千年一日の如く代り映えせぬ日々を過ごしております。

 6月早々月初のネット回線をNUROひかりより〜AUひかりに変更、ようやく支払い手続き登録が終わって、解約手数料請求やらキャッシュバック?とやら、他細かい諸手続き、宿題は未だ残っております。ネットの稼働は順調です。

 一年前はやや体調を崩したとの記録が残ってたけれど、前月の健康診断はほぼ無罪放免。引き続き、大きな治療を覚悟した歯の問題も、一部処置してなんとかクリアできました。 鼻詰まり痰の絡みに睡眠不如意は続いているけれど、毎朝のストレッチや短いYouTubeエアロビクスは継続中、隔日ゆる筋トレは16回実施して(年間累計89回)なんとか体調を整えたけれど、体重は微増中(残念)
 女房殿は平日四日婆さん(96歳)宅に泊まって介護中、夜はちゃんと眠れないから、体調の維持が心配です。熟年夫婦、来るべき猛暑の夏をなんとか乗り切りましょう。

 世間ではワールド・カップが話題だけれど、自分はバレーボールのファン。男女とも快進撃に盛り上がっているけれど、夜9時からのBS放送は自分の生活パターンにはちょっとツラい、たいてい第1セット終了くらいでダウンする生活リズムが残念でした。とくに男子は全勝で大阪ラウンドへ、関田が休みなのを心配したけれど、ヴェテラン深津の活躍が光りました。引き続き大阪ラウンドが楽しみ。

いつもの恒例、前月の振り返りヴェリベスト。

ERATO B15D-39059 Mozart レクイエム ニ短調 K.626〜ミシェル・コルボ/リスボン・グルベンキアン財団管弦楽団/合唱団/エリー・アメリンク(s)/バーバラ・シェーラー(a)/ルイ・デヴォー(t)/ロジェ・ソワイエ(b)(1975年)・・・Michel Corboz(1934-2021瑞西)の旧録音。後年古楽器奏法に接近したとの話を伺ったけれど、こちら豊かな残響に音質極上、技量高く分厚い合唱中心の響きに充たされて、器楽アンサンブルは目立たない。清潔な浪漫表現に心打たれる敬虔穏健な演奏でした。
「Requiem aeternam(レクイエム エテルナム、永遠の安息)」胸に染みる合唱の始まり、オルガンの響きが浮き立って印象的。
「Kyrie(キリエ、憐みの賛歌)(併せて8:36)
「Sequentia(セクェンツィア、続唱)
「Dies irae(ディエス・イレ、怒りの日)(1:53)
「Tuba mirum(トゥーバ ミルム、奇しきラッパの音)」茫洋としたトローンボーンに始まり、端正なバリトン、テンションの高いテナー、清潔な女声ソロが続きます。(3:38) 「Rex tremendae(レクス トレメンデ、偉大なる大王)」魂揺さぶられる感動的に雄大、デリケートな合唱の押し出し。(2:18)
「Recordare(レコルダーレ、思い出されよ)」天上より遠く、そっと静かにバセットホルンと弦が始まり、声楽ソロが真摯に、心を込めて歌います。(5:56)
「Confutatis(コンフターティス、呪われし者)」ごりごりと力強いリズムを刻む低弦と合唱、そして優しい女声合唱が間に挟まって対比を際立たせました。(2:59)
「Lacrimosa(ラクリモーザ、涙の日)」哀しみと涙に濡れて、抑制を効かせて重く、そっと静かな歩みはアクセントしっかり。これほど美しく、気高い合唱の旋律を聴いたことはない。(3:40)
「Offertorium(オッフェルトリウム、奉献唱)
「Domine Jesu(ドミネ イェズ、主、イエスよ)」この辺りからSussmayr作。師匠より旋律和声に霊感が不足すると感じます。コルボの仕上げは誠実、しっとり。(3:45)
「Hostias(オスティアス、いけにえ)」平和な落ち着きも、いまいち凡庸。後半の厳しいリズムも単調と感じるけれど、作品の完成度を損なうものでもない。(4:20)
「Sanctus(サンクトゥス、聖なるかな)」晴れやかにスケール大きな合唱も、Mozartのテイストとは異なると思います。(1:38)
「Benedictus(ベネディクトゥス、ほむべきかな)」清楚なソプラノ・ソロを先頭に声楽の絡み合いは上々の出来、感動的な高揚が待っておりました。締め括りはちょっとありきたり。(5:38)
「Agnus Dei(アニュス・デイ、神の子羊、平和の讃歌)」神妙に誠実、敬虔な風情な合唱にオルガンも静かに響いて・・・極上のアンサンブル・・・だけど旋律がシンプルに過ぎる感じ。(4:47)
「Communio(コムニオ、聖体拝領唱)」これは師匠による冒頭の「Requiem aeternam」繰り返し、旋律の高貴さは桁が違う。途中弟子の労作に文句付けたけれど、コルボのしっとり抑制した、滑らかな表現は感動的でした。(6:19)
モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ(エクスルターテ・ユビラーテ)」 K. 165〜ロートラウト・ハンスマン(s)/テオドール・グシュルバウアー/ウィーン・バロック・アンサンブル(1966年)・・・1773年ミラノでの作品、こんなシアワセな音楽とは滅多に出会えない。こちら懐かしいTheodor Guschlbauer(1939-墺太利)の演奏。オーケストラはようわからない。喜びに充ちて軽快、清潔端正が歌声が堪能できます。Rotraud Hansmann(1940-墺太利)はバロック辺りの録音に多く参加して、しっとりと優しいコロラトゥーラを堪能できました。
「Aria: Exsultate, jubilate」(4:41)「Recitative: Fulget, amica dies」(1:00)「Aria: Tu virginum corona」(6:47)「Aria: Alleluja」(2:38)

RCA LPVaughan Williams 交響曲第7番 ホ短調「南極」/交響曲第8番ニ短調〜アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団/ヘザー・ハーパー(s)/アンブロジアン・シンガーズ/サー・ラルフ・リチャードソン(朗読)(1968年)・・・Andre Previn(1929-2019独逸→亜米利加)がロンドン交響楽団の音楽監督を務めたのは1968-1979年、この時期にオーケストラの技量を飛躍的に上げたとの評判でした。就任時はまだ30歳代だったのですね。音質はかなり良好。そして緻密なアンサンブル。
LP時代の豪華装丁(定価2,300円也)も懐かしい録音。映画「南極のスコット」(1948年)への音楽を素材にした交響曲。オリジナルは「世界最悪の旅: スコット南極探検隊」。こどもの頃に「スコットとアムンゼン」とかなんとか、南極への到着を競って英国と諾威の先陣争いの物語は読んでおりました。映画を見る機会は得なかったけれど、絶望的な書籍「世界最悪の旅」はしっかり読みましたよ。もう居たたまれなくなるくらい悲劇的な結末でした。長じて英国音楽を大好きになって、このつかみどころのない、淡いエピソード連続みたいな作品もすっかりお気に入りとなりました。日本じゃ英国音楽の人気はさっぱり、コンサートの演目に見掛けたこともほぼ皆無でしょう。
初演は1953年ジョン・バルビローリ。三管編成にチェレスタ、ピアノ、オルガン、11種の打楽器にウィンド・マシーン、ソプラノ・ソロと女声合唱(ヴォカリーズ)が入る大掛かりなもの。ここでは昔のLP通り英国往年の名優Sir Ralph Richardson(1902-1983英国)による渋いナレーターが楽章前に入りました。第3楽章第4楽章は続けて演奏される指示なので、間にナレーターが入るのは邪道なんだそう。ちなみに「交響曲第7番」というのも慣例的なもの「南極交響曲」が正しいらしい。オリジナルの映画音楽の録音も存在して、さほどにイメージは変わらなかった記憶もありました。よほどのことがない限り、どの演奏を聴いてもあまり変わらぬ感銘なのが正直なところ。
第1楽章「前奏曲(Andante maestoso)」氷の世界を表現するメインテーマ。絶望的に冷たい世界を進む重い足取りを感じさせ、金管が重厚に怜悧に鳴り渡ります。きらきらとした冷たい空気に、妖しい女声が幻想的に響き渡って、それはまるで雪女の誘いみたい。ウィンド・マシンも登場しました。(11:02)
第2楽章「Scherzo: Moderato」は氷原を移動するようすを描写したところらしい。クールだけどちょっぴり明るい、そしてダイヤモンドダスト(細かい木管音型)から強烈な金管と弦が緊張感たっぷり、時にユーモラスにカッコ良く呼応します。(5:46)
第3楽章「風景(Landscape: Lento)」静寂が支配して、浮遊する木管、静かに継続する金管は雄大、息を呑む南極の情景?!そんな容赦ない自然の威圧に人間の小ささ、無力さに息絶え絶えの歩みを感じさせる緩徐楽章。壮麗なるオルガンが絶望的な氷壁を連想させます。(10:13)
第4楽章「間奏曲(Intermezzo: Andante sostenuto)」大自然の静謐と寒さの中で、探検者は精神的に追い詰められていく・・・ほとんど動きのない、いっそう絶望深まるところ。(6:33)
第5楽章「エピローグ(Epilogue: Alla marcia, moderato ,non troppo allegro)」勇壮な金管の始まりは悲劇の結末への不安なファンファーレ。メインテーマは激しく変貌して、女声合唱は絶望的な冷たい風のよう。第1楽章冒頭が雄弁に回帰、極点への足取りはいっそう重く、金管の絶叫は生命のラストの輝き〜再びの雪女の誘いにウィンド・マシンは永遠に眠りを表現いたしまた。(9:10)
交響曲第8番ニ短調は1956年初演、二管編成だけどティンパニ以外に5人の打楽器奏者が9種(複数の鐘も)扱っている短い作品。最近、初演者であるバルビローリの1961年ライヴを聴いたばかり。こちら音質がよろしく、作品風情はわかりやすく感じたもの。金管のキレ、アンサンブルも優秀。
第1楽章「Fantasia(Variazioni senza tema/主題のない変奏曲)」きらきらと静謐に美しい始まりから、自在に闊達雄弁な変奏曲は寂しげ。ユーモラスな緊張感が続きます。(10:14)
第2楽章「Scherzo alla marcia (per stromenti a fiato/行進曲風スケルツォ/管楽器のための)」管楽器のみによるユーモラスにリズミカル、快活なスケルツォ。ロンドン交響楽団の名人芸が堪能できます。(3:44)
第3楽章「Cavatina(per stromenti ad arco/カヴァティーナ/弦楽器のための)」愁いを含んで寂しげな弦は瞑想。弦だけの演奏は前楽章との対比を狙ったものでしょう。後半に向けて旋律に動きがあって情感は高まりました。(9:24)
第4楽章「Toccata」グロッケンシュピール、シロフォン、マリンバ、チェレスタ、鐘、総出演して不思議に華やかなサウンドに朗々と賑やかに金管が鳴り響きます。バルビローリ(1961年ライヴ)とは印象がらりと変わって、多種多様な楽器のデリケートな絡み合いが堪能できました。(5:16)

PentaTone PTC5186363Berg 3つの小品/5つのアルテンベルク歌曲/7つの初期のリート/J.Strauss II/Berg編 ワルツ「酒、女、歌」〜マルク・アルブレヒト/ストラスブール・フィル/クリスティアーネ・イヴェン(s)(2007-8年)・・・日本でもお馴染みMarc Albrecht(1964-独逸)はオペラ畑に活躍して、2008-2011年l'Orchestre philharmonique de Strasbourgの音楽監督。実演に接した方の評によるとパワフルな音楽を演る人らしい。Christiane Iven(1965-独逸)は既に舞台より引退して、現在は教育者とのこと。これはPentaToneの優秀録音。演奏歌唱云々の判断は付かないけれど、整った迫力アンサンブルを堪能できました。
Three pieces for orchestra, Op. 6は巨大な(拡大された)四管編成、もちろん多種多様な打楽器必須。1923年初演(「Marsch」は演奏不可とされたらしい)全曲初演は1930年とのこと。現在では録音や頻繁に演奏会に取り上げられる人気作品に至りました。
「前奏曲(Praludium)」怪しく重く巨魁、そして凶暴的に静謐。(4:51)
「輪舞(Reigen)」ここも神秘に蠢く巨大な風情。混沌とした中にワルツが垣間見えます。(5:38)
「行進曲(Marsch)」地面を這いずるような・・・どこが行進曲?絶叫する金管(まるで「運命の動機」?)激しい打楽器の乱舞、不気味に激昂する混沌も爽快な大爆発と感じます。のちの「ヴォツェック」に一脈通じているそう。響きはクリアに濁らず、オーケストラの実力を発揮しておりました。(10:02)
Altenberg Lieder, Op. 4の一部初演は1913年(Scho"nberg/男声ソロ)警察沙汰裁判沙汰になるほどの大騒動だったとのこと。全曲初演はずっと後年1952年(ヤッシャ・ホーレンシュタイン)三管編成+6種の打楽器にチェレスタ、ピアノ、ハーモニウム、グロッケンシュピール、シロフォン、もちろんハープも入る大掛かりな編成。クリスティアーネ・イヴェンの声質はしっとりとしたメゾ・ソプラノ。短い知的な旋律が妖しく続いて不安、大管弦楽は静謐透明デリケートな響きに支えます。
「心よ、おまえは吹雪のあとではさらに美しく(Seele, wie bist du schoner)」(2:42) 「きみは夕立のあとの森を見たか?(Sahst du nach dem Gewitterregen den Wald)」(1:24) 「きみは宇宙の果てを瞑想し(Uber die Grenzen des All)」(1:33) 「わたしの心に訪ねるものはなく(Nichts ist gekommen)」(1:29) 「ここには安らぎがある(Hier ist Friede)」(4:07)
Seven early songsは1905-1908年の作品を1928年管弦楽伴奏に編曲したもの。全曲初演は1931年、既に「ヴォツッェク」の成功によりBergの評価は上がっていて、大好評だったとのこと。二管編成+6種の打楽器。こちらは後期浪漫の甘い残滓たっぷりにわかりやすい旋律、R.Straussを連想いたしました。のびのびとした女声ソロは優雅そのもの。
「夜/Nacht (Carl Hauptmann)」(3:54) 「葦の歌/Schilflied (Nikolaus Lenau)」(2:11) 「夜の歌/Die Nachtigall (Theodor Storm)」(2:16) 「夢のひととき/Traumgekront (Rainer Maria Rilke)」(2:52) 「部屋の中で/Im Zimmer (Johannes Schlaf)」(1:14) 「愛の讃歌/Liebesode (Otto Erich Hartleben)」(1:52) 「夏の日/Sommertage (Paul Hohenberg)」(1:49)
Johann Strauss Jr.「Wein, Weib und Gesang」は客寄せのため1921年「ウィーン私的演奏協会」用編曲。弦楽四重奏+ピアノとハルモニウムの編曲。もともとの素朴なウィンナ・ワルツの風情に戻て、優雅に親し気でした。(11:43)

BRILLIANT 6515Mompou 「歌と踊り」/「キューバの子守歌」/「魔法の歌」/「マドリードの風景」〜フェデリコ・モンポウ(p)・・・Federico Mompou(1893-1987西班牙)はカタルーニャ地方の作曲家。彼のピアノ作品を集めたCD3枚組の2枚目。所謂馴染みの西班牙の情熱のリズム!風情に非ず、どの作品もほとんど弱音。寂しげな空気を湛えて静謐に透明、素朴に暖かく、枯れ切ったタッチはとつとつ、心洗われる旋律に癒されました。俗っぽい表現だけど”西班牙のChopin”みたい。音質も作為のない自然な響き、使用楽器は明記されないけれど、スタンウェイのような華やかな響きではない感じ。
1992-3年放映された旅番組「旅に夢中」に熊本マリさん(1961-東京/大阪芸大教授)が出演され、そのテーマ音楽が「歌と踊り」(第6曲変ホ短調)でした(記憶では管弦楽伴奏付?たしかCDも出ていたはず)それ以来その哀愁の旋律はお気に入りでした。(アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリがアンコールに好んで演奏したそう/Wikiより)とくにその第6曲変ホ短調と第8曲ト短調がお気に入り。
歌と踊り(Cancons i danses/1921-1962)」前奏曲とフーガみたいに各々「歌と踊り」が続きます。調性は「歌」のみ記載したけど、明示されないものも有、第13−15曲も存在するそう(別楽器?とか)
I 嬰ヘ長調(1921/3:02) IIト短調(1918-1924/3:14)III(1926/4:03)IV(1928/4:06)V嬰ハ短調(1942/4:14)VI変ホ短調(1942/ 3:40)VIIイ長調(1944/3:04)VIIIト短調(1946/3:35)IX変ホ長調(1948/4:43)X(1953/3:28)XIニ短調(1961/3:45)XII嬰ヘ短調(1962/3:50)

キューバの子守歌(Cancion de cuna/1951)」 これもとっても寂しげに哀しい。(5:18)
魔法の歌(Cants magics/1917-1919)」こちらも儚く短い嘆きが続いて、きらきらとデリケート。
Energic(力強く/1:46)Obscur(闇/1:35)Profond-lent(深く、そしてゆっくりと/2:16)「Misterios」(神秘/1:58)「Calma」(安らかに/2:10)*「Glorieux」は含まれない。
マドリードの風景(Union Musical Espanola. Madrid Paisajes /1942-1960)は神秘な哀しみ漂って、気紛れに自在なつぶやきでした。
「La fuente y la campana(噴水と鐘)」(1942/3:38)「El lage(湖)」(1947/4:12)「Carros de Galicia (ガリシアの荷車)/1960/4:37)

Hyperion CDS44061/3Debussy ベルガマスク組曲/ピアノのために/版画/こどもの領分〜リーヴィア・レーフ(p)(1995年)・・・Livia Rev(1916-2018洪牙利→仏蘭西)による79歳!の記録。スピード感、明晰正確なタッチとリズム、技術的な危うさや衰えは寸分も感じさせない驚異の演奏でした。独逸に教育を受けたとのことらしいけど、力みのないデリケート、落ち着いて淡いタッチは仏蘭西音楽に相応しい、味わい深いピアノを堪能いたしました。CD3枚分の録音からの一枚目。音質も雰囲気たっぷり。
Suite Bergamasque」は1890年頃作曲された初期作品とのこと。先人の影響があるらしいけれど、これは気紛れに剽軽、そっと甘い風情に揺れる魅惑の作品集。ちょっぴり切なく濃密な「月の光(Clair de Lune)」がもっとも有名でしょう。
「Prelude」(4:10)「Menuet」(3:44)「Clair de Lune」(4:32)「Passepied」(3:35)
Pour Le Piano」の初演は1902年。表題はバロック風だけどDebussyの個性前面、大胆な躍動に充ちて華やかに疾走する「Prelude」から始まって(4:04)寂しげに消えそうな「Sarabande」にはRavelによる色彩豊かな管弦楽編曲が存在します(5:33)目まぐるしく細かい音型が疾走して流麗な「Toccata」は淡々としたテイストに揺れました。(4:15)。この作品はLP時代、ウェルナー・ハースによる明快な演奏の記憶も鮮明、こちらには沈思黙考するような落ち着きがありました。
Estampes」初演は1904年。
Pagodes(塔)」ガムラン音楽の影響を受けて、ペンタトニック・スケール(五音階)なんだそう。この辺り、Debussyの唯一無二の天才、神秘に妖しい風情を堪能できます。(4:54)
La Soiree Dans Grenade(グラナダの夕べ)」は西班牙情緒たっぷり揺れて、息を潜めてそっと呟くところ。(4:45)
Jardins Sous La Pluie(雨の庭)」これは仏蘭西の庭園に降りしきる雨の描写なんだそう。(3:56)
Children's Corner」は1908年、3歳の娘のための、愛に充ちて微笑ましいユーモラスな作品。ゆったり目のテンポにアクセントしっかり。
「Doctor Gradus Ad Parnassum(グラドゥス・アド・パルナッスム博士)」これはつまらない練習曲のパロディらしい。夢見るような風情に変貌しております。(2:13)
「Jimbo's Lullaby(象の子守歌)」五音階にゆったりとした歩み。(3:16)
「Serenade For The Doll(人形のセレナード)」これも五音階?こちらは可愛らしい躍動。(2:39)
「The Snow Is Dancing(雪は踊っている)」窓の外に音もなく大粒の雪がふわふわ。(2:40)
「The Little Shepherd(小さな羊飼い)」ちょっぴり不安にデリケートに揺れる、呟き(2:14)
「Golliwogg's Cake-walk(ゴリウォーグのケークウォーク)」絵本のキャラクターによる楽し気な踊りは、ゆったりと躍動しておりました。(3:06)

(2026年7月1日)

●歴代「近況」保存分●最新の「近況」
2026年6月2026年5月2026年4月2026年3月2026年2月2026年1月2025年12月2025年11月2025年10月2025年9月2025年8月2025年7月2025年6月2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月2009年11月2009年10月2009年9月2009年8月2009年7月2009年6月2009年5月2009年4月2009年3月2009年2月2009年1月2008年12月2008年11月2008年10月2008年9月2008年8月2008年7月2008年6月2008年5月2008年4月2008年3月2008年2月2008年1月2007年12月2007年11月2007年10月2007年9月2007年8月2007年7月2007年6月2007年5月2007年4月2007年3月2007年2月2007年1月2006年12月2006年11月2006年10月2006年9月2006年8月2006年7月2006年6月2006年5月2006年4月2006年3月2006年2月2006年1月2005年12月2005年11月2005年10月2005年9月2005年8月2005年7月2005年6月2005年5月2005年4月2005年3月2005年2月2005年1月

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●2024年愉しく、とことん味わって音楽を●2024年
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi