2010年10月白水の水源/美しい水も枯れたそうな

運・不運・ほんのめぐり合わせ・明日は我が身


 GW真っ最中、好天。

 やれヒマだなんだ、緩みきった土俵際のサラリーマン(=ワシ)に活を入れるように、2016年4月に発生した熊本大分を中心とした大地震の被害。心痛むものがあります。都市直下型地震に6,000人が亡くなった阪神大震災、大津波が根こそぎ街も人もさらった東日本大震災、それとはまた姿は違って、相次ぐ余震、連続する激しい揺れに慄く住民、耐震対策は遅れ気味であったと今更報道がされても仕方がない家屋倒壊、400年の歴史を誇る熊本城、歴史的建造物さえ、大きな被害が出ていることに自然の威力を実感します。

 400年前にも似たような震災(慶長大地震)はあったそうな・・・先人の教えは謙虚に受け止めなくては。明日は我が身でっせ。しかも、今回は家族で幾度訪れたお気に入りの阿蘇地方、彼(か)の美しい景色、水、温泉、美味しいもの、あれはすべて消えてしまったんでしょうか。素敵な観光地であるがゆえにGWの損失も多大なものでしょう。避難所生活の苦しさに、亡くなった人も相次いでいると伺っております。

 命を落とした方々、負傷された方、家族、家を財産を失った方、それは運・不運・ほんの哀しいめぐり合わせです。日々真面目に過ごしてきた人々にも、自然の猛威は容赦なく襲いかかって、人間の力の小さいことを痛感しました。自分が毎日、安閑と暮らせていることも、たまたまの偶然なのでしょう。ちょいと無常を感じないでもない。1995年阪神大震災をお隣・大阪にて目の当たりにして爾来、物欲はぐっと減って人生観が変わったことを思い出しました。

 じゃ、自分はどんな対策をしているか?じつはな〜んもしていない。お仕事的に備蓄食料(サンプル?)はたくさんあって、倒れるとおおごとになりそうな嫁入り家具はほぼ処分して、背の低い安物に替えております。高いところから崩れると困るのはCDくらい、これもずいぶんと減らしたんだけどな(最盛期の1/4くらい?)もっともっと身軽にしたいもの。

 

命さえあれば。

 今回は馴染みの九州、条件が整ったら応援に出掛けるつもり。2-3月と体調不良に苦しんで、先月4月はまずまず、週2回のスポーツクラブも休まず通いました。精神的には微妙に落ち着かぬ日々。(以上、我ながらオモロない一文ご容赦)

 先月のヴェリ・ベスト。相変わらず音楽に集中が足りません。

BRL93081/1Arensky(1861-1906) ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 作品32 /弦楽四重奏曲第2番イ短調 作品35 (v,va,2vc)〜ジェローム・ロウェンタール(p)/クリスチャン・ボー(v)/ナタニエル・ローゼン(vc)/マティアス・マウラー(va)/ゴドフリード・ホーヘフェーン(vc)(1989年)・・・”Treasures of Russian Chamber Music”と題する6枚組。Arenskyは知名度さておき、いくつか拝聴する限り、適度に甘やかな劇性、美しくも懐かしい旋律が魅力的。ピアノ・トリオは第2楽章「Scherzo: Allegro molto」第3楽章「Elegie: Adagio」辺りまさにそれ。濃厚から遠いやや薄口の表現も悪くありません。チェロ2という変則的なカルテットは、終楽章「Andante sostenuto - Allegro moderato」は古典的(古代風?)に荘厳な主題から躍動するフーガに至って素敵な作品でした。

FOOL-23070Sibelius 交響曲第2番ニ長調〜ウラディミール・アシュケナージ/フィルハーモニア管弦楽団(1979年)・・・5年ぶりの拝聴。お気に入りSibeliusは幾種音源手元に取り揃えて、アシュケナージの全集を忘れておりました。以前のコメントはオケのコントロールとかアンサンブルの精度を気にして(ジョージ・セルが基準)辛口の評価、現在なら表現意欲が勝って、清潔なザ・フィルハーモニアから、いつになく粗野な迫力サウンドを引き出していることに感心いたします。指揮者として初期の録音、ピアニストの余技かと思っていたら、この人の録音はどれもよく歌って”オモロい”演奏に仕上がって意外とお気に入りに。この演奏も前のめりのアツさ、スケールと情熱を感じさせて聴き応えたっぷりな成果を上げております。音質も良好。

00028947883449Beethoven ピアノ・ソナタ第21番ハ長調「ヴァルトシュタイン」/Schubert「さすらい人」幻想曲/Stravinsky 「ペトルーシュカ」からの三章〜イレーナ・ヴェレット(p)・・・Ilana Vered(1943-)はイスラエルの女流、1970年台に英DECCA録音があって、最近噂を聞きませんね。Phase4録音はいま聴いても現役、なかなかスゴイ曲を揃えてしっかりとした技巧必須、明晰なタッチは”テクニック一辺倒”に非ず、「さすらい人」第2楽章「Adagio」の詩情に溢れた表現はしっとり優雅そのもの(先日拝聴したマルティン・ファン・デン・フックよりもっとエエ感じ)。超絶技巧を以てスカッと弾いた「ペトルーシュカ」も悪くないけど、こちらややテンポも落として細部明晰に旋律の揺れを歌うのも味わい深いもの。

CD/8887510858-2Sibelius 交響曲第2番ニ長調(1972年)/悲しきワルツ/トゥオネラの白鳥(1973年)/フィンランディア(1972年)〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団・・・これは新しいRCA録音のほう。旧録音(1957年)とあまり変わらない、あちらもけっこう良好な音質でした。作曲者激賞だったらしいから、こんな豊かに朗々と鳴り響くスケールは理想的なあり方のひとつなのでしょう。輝かしい厚み、瑞々しいサウンドは基本ストレートな飾りのない表現、ふだん好んで聴く北欧英国系清涼な演奏とは姿は違っても、この演奏に違和感はありません。著名な小品集含め、ほとんど盤石な印象を得ました。音質も良好。

UCCG-90384Prokofiev 交響曲第5番 変ロ長調〜ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル(1968年)・・・帝王カラヤンも亡くなってぼちぼち一世代、残された膨大な音源をじっくり愉しめる時代がやって来ました。この作品は駅売海賊盤(たしかMade in Korea)にて25年ほど前入手、そのユルくも盛り上がらない風情にガッカリしたものです。当時”巨人カラヤン卵焼き”と云われ、野球にすっかり興味を失った現在、それでもジャイアンツが負ければ溜飲を下げ、卵焼きはけっこう好きだけど、アンチ権威としての”アンチ・カラヤン”も昔話となりました。ここ最近、拝聴機会のあった音源はどれも、ほとんど納得できます。

やがて幾星霜、この作品はすっかりお気に入りとなりました。Prokofievの乾いてシニカルなユーモア、みたいな風情を好ましく感じるように。荘厳なる決意や夜明けをイメージさせる第1楽章「Andante」から例のレガート奏法全開、分厚くセクシーなベルリン・フィルのサウンドはゆったり余裕に雰囲気たっぷり。若い頃、こんな表現を”ユルい”と勘違いしたのか。第2楽章「Allegro marcato」は切迫したスケルツォ楽章、もともと妙にユーモラスな風情を感じさせる楽章に、カラヤンはいっそう優雅に、美しく対峙しておりました。第3楽章「Adagio」の甘美(過ぎ)な弦の雄弁さにベルリン・フィルの威力を見ました。第4楽章「Allegro giocoso」はゆるゆると流したような・・・全然盛り上がらないうちにストンと終わる・・・ように記憶しておりました。これが、あまり力まずに各パート極上の技量に聴き惚れてしまう・・・

ちょいと”カラヤン節”全開な味付けに、作品より指揮者の個性前面を感じてしまうけど、耳の贅沢もエエかな、と宗旨替えでございます。

(2016年5月1日)


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written by wabisuke hayashi