2016年1月冷えて、しっかり降りました

音質を(それなり)気にするようになった


 華麗なる加齢+あちこち微妙な体調不良にたった今、原因不明のアレルギー症状らしい激しい鼻水に、意欲も記憶力も減退気味です。一番寒い時期ですから。暖冬だったのに、先月はしっかり雪も降りました。そうえいば中村梅之助さん亡くなったそうな。残念。息子(梅雀)より色男でしたよ。

 ここ数日久々、往年の名指揮者ディミトリ・ミトロプーロス(Dimitris Mitropoulos/1896ー1960)のMahler を聴いておりました。Mahler 交響曲第3番ニ短調〜ディミトリ・ミトロプーロス/ニューヨーク・フィルハーモニック(1956年)・・・初耳、第1楽章のみ。彼(か)の長大なるギネス級交響曲がCD一枚に収まる!そんな噂を裏付けするように快速!馴染みの美しい旋律あちこちカット!バッサリ。でも、なんかアツくてテンション高いノリノリ、音質を忘れさせる爽快なる手応え感じましたよ。ここ最近、贅沢病極まって音質を気にするようになって、歴史的音源拝聴の機会は減って、その辺りCDは既に九割ほど処分済、たいていネットから音源入手できます。これは.mp3/192kbpsといったレギュラーmp3としては最低ランクのもの。(もっと低いのもあるけれど)

 引き続き、ARIOSO 105-CD1 第6番の他には第1/8/9/10番「アダージョ」を含む4枚組1,654円。お買い得!Mahler 交響曲第8番 変ホ長調〜ディミトリ・ミトロプーロス/ウィーン・フィル/ウィーン国立歌劇場合唱団/ウィーン楽友協会合唱団/ウィーン少年合唱団(1960年ライヴ)・・・第1部を久々拝聴してみました。(同じく.mp3/192kbps)もともと阿鼻叫喚混沌混迷の響きに惑う巨魁なる作品、たしかに鮮明とは言い難い音質、いくら明晰モダーンな表現を旨とする人でも時代相応の重さ、声楽の時代がかった表現も気になります。それでも、記憶よりずっとまとも、ちゃんと聴けることに少々驚き、感慨有・・・ふ〜んと感心して【♪ KechiKechi Classics ♪】サイト内検索掛けたら2009年のコメント出現Mahler 交響曲第6番イ短調(1959年)へも言及しておりました。昨年2015年中盤には自主CD制作を卒業(データそのまま拝聴に)し、それでも在庫を確認するとけっこう「歴史的録音」はたっぷり〜聴いていた、という証拠でしょう。

 少々の音質云々は”別耳”で聴いていて、一方、比較的新しいディジタル以降の音質には細部気にして臨んでおります。音楽なんてほんの生活の慰み、嗜好品なんだから好きに聴いたらよろしいのはあたりまえ。LPやらCDが高価だったり、選択肢が少なかったりした時代「究極の一枚」とか「最後の巨匠」なんて、そんな言葉も死語となりました。なるべく幅広く音楽を聴くように心掛けて、オーディオにもさほど費用を掛けない現状はいつも正直に「音楽日誌」にも書いております。

 そんなこんな+耳鳴り盛大に弱まった耳前提に・・・ここ最近いっそう音質が気にしております。ネットからの音源入手も(もともとの音質優劣前提に).mp3より.flac、.ape優先に宗旨替えして既に3年ほどになりました。.mp3はファイルサイズが小さくてダウンロードや保存に便利、5-6年ほど前に入手した音源を再確認して、愕然!ビットレート(正直なところ意味は理解していない)192kbpsだと相当苦しい感じ。再入手可能な音源データであれば可逆圧縮データ(.flac、.ape)を探したり、.mp3でも最大規格320kbpsを前提として保存しております。ぼんやりして同一音源ダウンロードは日常茶飯事、.mp3(320kbps)と可逆圧縮ファイル(.flac、.ape)を比較する機会があると、微妙なところで細部劣化が気にならんでもない・・・なんかすっかり贅沢癖が付いたみたい。でもね

 自分はオーディオマニアじゃない。世評には興味があって、なんせ生来の天邪鬼、ボロカス云われているものこそ聴きたい!評価が割れているものなんか、人それぞれの嗜好がモロに出ていて、オモロいなぁ、と。オーディオ的な評価も割れるのですね、ド・シロウトには”エエ音”なんて、誰が聴いてもわかるんじゃないか、そう思うけど、違うのか。

 つい最近、youtubeよりモーリス・アブラヴァネルによるMahler 交響曲全集(オリジナルCDは優秀録音であった記憶有).mp3変換ダウンロードして数曲拝聴、その音質劣化にがっかりしたものです。けっこう稀少価値(?)なマタチッチBeethoven 交響曲全集(イタリア放送ミラノ交響楽団1962年ライヴ)は、ちゃんとした.flacファイル入手するも2曲のみ聴いて、継続断念。ムリして聴くような音質水準に非ず(マニアの世界か)。時に「この音質は高級オーディオじゃないと真価は引き出せない」〜そんなオーディオマニアの言葉は、きっと一理も二理もあるのでしょう。なんせこちら貧者のオーディオ。ま、音質にも趣味嗜好はあるみたいだし、CDプレス時のマスター問題もあるのでしょう。じつは・・・

 年に1-2回思い立ってヤフオク臨時再開して昨年2005年11-12月、きっかけはR.Strauss 交響詩「英雄の生涯」〜ズービン・メータ/ロサンゼルス・フィル(1968年)・・・定評ある英DECCA往年の録音、メータ32歳若さ溢れる(当時)大人気ベストセラーだった音源の国内盤CD、ぼんやり薄曇ったような音質に愕然としておりました。これを他、「ツァラ」「ドン・キホーテ」「アルプス交響曲」と一緒にバルクセール(激安+良心的送料)にて出品、無事売れました。更に「A Celebration Antal Dorati」6CDも収録に中途半端を感じて処分、これは馴染の山本さんところに渡りました。ところが音質問題にまた言及有、往年の米Mercury録音であるBartok「舞踏組曲」(フィルハーモニア・フンガリカ1958年)、これが音質劣化甚だしいとのこと。オリジナルを聴いていないから、比較できなかった。こちら英DECCA盤は国内プレスじゃないし、ちゃんとしたマスター採用できなったものか。

 いずれ、演奏個性はもちろん、音質だって細部違いを愉しめればと思います。ここ最近、わざわざLP復刻を明記した音源がネットから入手できることもあり、既にCD所有していても、旧き佳きアナログの世界を再度確認することもあります。

 恒例、先月のヴェリ・ベスト。系統的に集中できないのはいつものこと、先月はあちこち”ちょろ聴き”しちゃいました。

CAPRICCIO 49 288/13枚組2,817円Mozart 交響曲第40番ト短調K.550/第41番ハ長調K.551「ジュピター」〜ハンス・グラーフ/ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団(1988年)・・・お気に入り作品なのにずいぶんと聴いておりません。朝一番、朝食時にポータブルのONKYO CDプレイヤー/CBX-Z10で聴いて、集中したわけじゃないけど、嗚呼やっぱ名曲やな。グラーフはほんま作為のない、素のまま虚飾の表現、作品の素敵な旋律テイストがそのまま素直に伝わります。悲劇を強調せず、天翔るジュピターを徒に大柄にしない。オケが質実というか、キラキラしたところのない響き、これは屈指の全集と思います。音質もよろしい。

UCCD-8001 Beethoven 交響曲第3番 変ホ長調「英雄」〜カール・ミュンヒンガー/シュトゥットガルト放送交響楽団(1983年)・・・独インターコードによるミュンヒンガーのMozart とかBeethoven 録音など、かつてCD数枚持っていたっけ。Karl Munchinger(1915-1990)はちょいと昔の人、古楽器全盛時代に忘れられた人みたいな印象でしょうか。年末お休みに入って腑抜けた精神状態にBeeやんまったく受け付けず、昨日の小澤征爾、そしてこの「英雄」を快く拝聴いたしました。繰り返しなし、激しい煽りとか爆発とは無縁、諄々とした中庸バランス感覚、耳あたり良い暖かいサウンド、わかりやすい旋律表現、時にやや昔風なテンポのアゴーギク(Agogik)も意外なほど効果的、50分しっかり集中できましたよ。彼のほかの交響曲録音も拝聴機会ないものか。一巡して、こんなオーソドックスに柔らかい演奏に鮮度を感じます。

DG POCG-1611Stravinsky バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)/バレエ音楽「春の祭典」〜ピエール・ブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団(1991年)・・・偶然だけど1969年録音は前月のヴェリ・ベスト、久々にその精密緻密なバランス+尖(とんが)った緊張感に感銘を受けたものです。こちらまず「ペトルーシュカ」よりスタート、申し訳ないがニューヨーク・フィルとは雲泥の技量の差、フレージングの処理をマイルドにいっそう洗練させるのが、彼なりの熟練だったのでしょう。弱音部分での抑制されても、細部明晰な響き、最強音部への自然な移行はスムースそのもの、各パートは痺れるほどニュアンス微細に反映されても、具現化されたバランスは驚くほど静謐(というか響きが濁らない)クリアであります。

その道に詳しい方は当時のDG録音に文句を付けている件も散見されるが、こちらド・シロウト。夢見るように鮮明な音質+時に打楽器の低音が快く響きました・・・あまりにしっとり、バランスよく仕上げすぎて「ペトルーシュカ」の魅力である賑々しい愉悦、祭りの喧騒のウキウキ感にはちょいと欠けるのかも。「春の祭典」も同様。マイルドなフレージングの仕上げが徹底され、強弱の流れスムースに至って、1969年の衝撃は薄れました。(1963年の録音はいっそう怪しい熱気有。これは若さかな?)しかし、音質やら奥行、打楽器の深みが増して、これはこれで洗練徹底されて魅力的でしょう。

LP時代のデザインMozart 歌劇「魔笛」〜ヴォルフガング・サヴァリッシュ/バイエルン州立歌劇場管弦楽団合唱団/ペーター・シュライヤー(t:タミーノ)/アンネリーゼ・ローテンベルガー(s:パミーナ)/ヴァルター・ベリー(br:パパゲーノ)/オリヴェラ・ミリヤコヴィチ(s:パパゲーナ)/エッダ・モーザー(s:夜の女王)/クルト・モル(b:ザラストロ)/テオ・アダム(br:弁者)(1972年)・・・昨夜第1幕、今朝から残り全部拝聴中。驚きました。先のゲヴァントハウスもそうだけど、ド・シロウトな”独逸的”イメージ・サウンドの魅力、集中して「魔笛」ばかり聴いていた記憶はないのに、どこをとっても知らぬ旋律、歌はない!ほどに妙に細部馴染んでMozart の愉悦、メルヘン、たっぷり隅々迄堪能いたしました。音質は年代相応、舞台の雰囲気は充分伝わりますよ。それにしても・・・オール・スター揃えたなぁ、現在ではムリでしょ。とくに男声陣の個性圧巻!エエ時代だったんやな。エッダ・モーザーの「夜の女王のアリア」はキンキンして好みじゃない、なんて罰が当たりまっせ。

ECM POCJ-2527/32Kieth Jarrett「サンベア・コンサート」〜「京都」(前半)(1978年)・・・LP時代大枚10枚組入手(たしか中古壱万円)社会人になって”オトナ買い”とはこのことか、グレン・グールドのBach /BOXと並んで宝物でしたよ。ほんま久々の、待望の再入手(データ)あれ?6枚分しかない、って、LP時代一夜2枚に渡ったものをCD一枚分収録+アンコールを別途まとめて計6枚といった計算でした。早朝より聴いて、陶然と聴き惚れておりました。今聴けば”ステキなミニマル・ミュージック”風、Michael Nymanに非ず(あれはあれで研ぎ澄まされ、計算し尽くされた緊張感が凄いけど)もっと自在なインプロヴィゼーション(即興演奏!)官能的であり静謐、幻想的、瞑想的、微細な揺れ、わずかな変化、沈黙、やがて変遷し、空気が変わって〜起承転結ではない、心象風景が刻々と変化して四十数分LP一枚分、途中で止めるワケにはいかぬ陶然とした、甘美な時間が過ぎました。もう40年ほど前、青春の記憶です。

・・・Kieth Jarrett「サンベア・コンサート」〜「京都」(後半)(1978年)・・・激しい不協和音、ゴツゴツしたリズムは怒りに充ちた出足、はっきりと記憶は蘇りました。やがて怒りは治まり、リズムは整い、少しずつ平静さを取り戻し、静謐な美しさは上流の水源の一滴に至る30数分。これがインプロヴィゼーション!?録音として永遠の生命を保つ音楽に至るとは!

(2016年2月1日)


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written by wabisuke hayashi