2007年1月京都の街中にて

風雲急を告げる2009年幕開け


 体調ようやく快復してきたが、お仕事ではとんでもないトラブルが自分自身(ちょうど一年前は会社組織全体)に降りかかりました。サラリーマン生活の危機を覚悟すべき問題。先月には”2009年は希望の年に”と書いたけれど、希望を作り出すための苦しみの一年になるかも。職場内では自己保身と処世術、ネゴシエーションに走る上司との葛藤(ま、どこでもありがちですよ)ありつつ、意外と人間関係は良好です。大トラブル起こした取引先でも、ワタシ個人にはどうの、といった罵声が飛ぶわけでもない、実務的に誠実な信頼はあるつもり。読めないな、先は。

 路頭に迷う多くの失業者の心情を想像しつつ、自分にはまだ余裕がある、と思っておきましょう。胃袋に穴が開くような経験だけれど、元気だったらなんとかるもの。健康こそ第一。

 不況を反映してオークションの売れ行きは少々苦戦続き、それでもかなり棚は空いたけれど、返品トラブルにはまいりました。ほぼ初体験なので、後処理を誤って自己評価「マイナス3」も付けてしまうし。いろんな人がいますよ、広く、長くやっていれば。なにごとも完全無欠順風満帆ではありえない。思い通りにいかないことも、人生のスパイスやリズムと考えましょう。

 他、「背筋が伸びる椅子」が思うようなものでなく、元払いで返品したり、メモリの型式を誤って注文してしまったり(購入半額で売れました、が)、で、ずいぶんと散財してしまいました。ま、へんな怪しげ飲み屋でぼったくられたワケじゃなし、知れておりますが。

 昨年末の「Bach 155枚」、そして「グレン・グールド80枚」、更に「シャンドス30枚」が到着してしまって、ますます未踏峰ミチョランマ(2009年継続)状態激しく悪化しております。じつは、まだ大物が注文済みで未着一件有、そして、きょうもオークションで入札(31枚分!/まとめて出品なので/数枚ダブり前提だから、それは売らないとな)を入れるワタシ・・・最近、酒にも弱くなって、CDを買うことのみがストレス発散になっているんですね。売る方は、売れ残るとかえってストレスになっちゃうし。

 未だことしは一ヶ月しか経っていないが、正月がずいぶんと昔のような気がします。ほんま人生は苦しいですよ。いや、もっと苦しい人はいくらでもいらっしゃるでことしょう。ワタシはまだまだ大丈夫。

 たくさんCD購入、そして聴いた先月(もう去年だけれど)の音楽”マイ・ヴェリ・ベスト”。

DECCA UCCD-3903  総経費込600円ほどElgar 弦楽セレナード ホ短調/序奏とアレグロ/ため息(ソスピーリ)/エレジー/「スペインの貴婦人」より(1967年)/ファゴットと管弦楽のためのロマンス ニ短調(1994年)〜ネヴィル・マリナー/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ/クラウス・トゥーネマン(fg)/朝の歌/夜の歌〜イ・サロニスティ(1988年)/「セヴァーン川」組曲〜ハワース/グライムソープ・コリアリー・バンド(1976年)・・・既にEMI30枚組を購入しているが、先日オークションでDECCA録音を4枚ほど入手したウチの一枚。1970年迄のマリナーはほんまに親密で瑞々しいアンサンブルを実現しておりました。「朝の歌/夜の歌」は軽音楽版が貴重であり、「セヴァーン川」は勇壮荘厳なるブラス・バンドとなります。最高。泣けちゃう、癒される一枚也。

SONY SMM5054092 4枚組2,660円Ravel バレエ「ジャンヌの扇」よりファンファーレ/道化師の朝の歌*/クープランの墓/左手のためのピアノ協奏曲(フィリップ・アントルモン(p))*/逝ける女王のためのパヴァーヌ*/海原の小舟/ボレロ〜ピエール・ブーレーズ/ニューヨーク・フィル(1971/73年)/クリーヴランド管弦楽団*(1969/70年)・・・2002年2月10日ワルツ堂2,660円との値札有(4枚組)。閉店セールの時だろうか?どきどきするほど精緻であり、洗練され、完成されたアンサンブル。アクのあるような表現皆無であり、細部まで光が当てられ、ヒリヒリするような緊張感が漂います。「道化師」の躍動は文句なく溌剌としていて大爆発、「クープラン」にはちゃんとメルヘンが存在する。アントルモンは当時36歳の若手であって、小粋な(あまり力みのない、淡々とした)演奏であります。

PHILIPS PHILIPS 17CD-88(1981年録音  1,700円)Franck ヴァイオリン・ソナタイ長調〜ローラ・ボベスコ(v)/ジャック・ジャンティ(p)(1981年)・・・噎せ返るような妖しい官能作品。Franck の室内楽、ピアノ・ソロ作品はそんな感じ多いですよね。凛として気品漂う、美しい演奏であります。神経質ではなく、落ち着いて瑞々しい音色であり、表現。秘めた華やかさ、ため息、みたいなものが馥郁と香って静謐。たしか来日時の録音と記憶するが、みごとな音質であります。アクロバティック系超絶技巧作品には似合わないだろうが、作品によってはツボにぴたり。たしか1990年代前半に1,700円購入したものだけれど、ワタシ所有CD中もっと愛着ある一枚となります。

ああ、「四大(写楽歌麿北斎広重/中右コレクション)浮世絵師展」(京都駅美術館「えき」)なかなか良かった。得難い経験です。

(2009年2月1日)


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written by wabisuke hayashi