体調不良(越年)/2009年は希望の年に
とんでもない全世界的不況に至って、振り返ってみればここ数年”不況だ”、”たいへんだ”とブツクサ言っていたのが、じつはややマシだった、と今更気付いても遅い。相次ぐ物騒な事件続発、路頭に迷う人々多数有。2008年もたいへんなお仕事だったが、取引先とはかなりの信頼関係を築いた(つもりだ)し、やや状況改善したかな、と手応えはありました。ワタシは幸せです。
しかし体調不良連続には参った。風邪症状はついに越年しちゃって、今シーズン4度目。体調よろしくなければ、何を喰っても旨くはないし、集中力を失って音楽だって心底愉しめない。気分転換に出掛けることもできない。幸せってなんだ?収入の多寡は、そこそこでさえあれば、あとは健康で元気こそ第一要件、というのは理屈ではわかっていたつもり。
2008年は女房殿が左肩激痛、それが癒えたと思ったらぎっくり腰でしょ、我ら同い年夫婦には少々ガタが来ているんです。家電って、買うときはだいたい同時だから、一個ダメになると次々と雪崩を打ったようにお釈迦になる経験ってありませんか?自宅での一番の古株は、電子レンジと布団乾燥機でおそらく20年選手。やや怪しげなる動作をしつつ健気に働いている食器洗い機は11年目か。スピーカーが15年くらいだっけ?パソコンは4年ほどだから、まだまだ。使い手は50年を疾うに過ぎて、あちこち、だましだまし、ゆるゆると生きていくしかない。
ああ、そういえば先月10年ほど使った無線の電話機がダメになりました。時代はケータイだから、昔ながらのなんの機能もない、AC電源も必要ないものを激安購入しました。機能は最小限、シンプルなもので良いんです。
廉価盤CD推進協議会【♪ KechiKechi Classics ♪】の存在意義も21世紀にはなくなりました。CDは1982年登場後どんどん値を下げ、ついにはデータダウンロードで聴く時代を迎えているようです。救いはDVDプレーヤーがCDとの互換性を維持して下さっていることであり、おそらくワタシの定命(じょうみょう)中はこれで音楽を(たっぷり)愉しめそうな見込みが付いていること。
昨年はずいぶんと大量にCD(オークション)処分し、それ以上に(枚数)購入しました。現在はスリム仕様が主流だから、収納にずいぶんと便利だし、支出と収入計算すると(おそらく)黒字になっているはず。嗚呼、欲しい。欲しいけど高くって買えない!といった若き日の渇望感が懐かしい。それが”オトナ買い”を加速させ、挙げ句、未踏峰”ミチョランマ”が聳え立つことに・・・ビンボー症でっせ。若い世代にはそれが理解できないかも。幸せってなんだ?
毎日執筆していた「音楽日誌」、聴いていた素晴らしき音楽。精神的な健康を支えて下さっている。ワタシは幸せです。オークション処分はお金儲けじゃなくて、全国の音楽ファンと取引を通じて対話を楽しんでいるつもり。買うほうも同様。
悲観的な見通しばかりだけれど、きっと2009年は希望に溢れた一年になることでしょう。まず、体調だな。なんとかしなくっちゃ。
● 吉例、先月(もう去年だけれど)の”ヴェリ・ベスト”。
(ありきたりで恐縮だけれど)●Bach パルティータ第5番ト長調BWV829(1954年)/ゴールドベルク変奏曲BWV988(1955年)〜グレン・グールド(p)・・・先に聴いているアンドラーシュ・シフとの個性の違いを(たっぷり)認識。やはりこちらがワタシの基本なんだな。装飾音も個性もたっぷりだけれど、表現そのものによけいな飾りや色づけはない。明快というか簡潔簡明なタッチとリズムがクリアであって、要らぬ感情移入がない。Bach の神髄がダイレクトに伝わる衝撃。繰り返しがないのは、全体を一括りで考えていて、変奏ごとの違いを次々と提示するためでしょう。ワタシは繰り返しは好きだけど。
●Mahler 「大地の歌」〜カルロ・マリア・ジュリーニ/ベルリン・フィル/アライサ(t)/ファンスベンダー(a)(1984年)・・・同時期にウィーン・フィルで演奏されたものをFMエア・チェックし、かつてずいぶんと愛聴したものです。こちらベルリン・フィルとのセッションは初耳かな?録音も、ベルリン・フィルの練り上げられたマイルドでムーディな響き、細部味付け徹底したアンサンブルも最高。かつて聴いたなかでは希有なる美しい歌と個性に溢れていて、フランシスコ・アライサは所謂独墺系の雰囲気ではなく、イタリア・オペラが似合う甘い声質を誇ります。これがジュリーニのまったり優雅な表現に似合っているんです。ブリギッテ・ファンスベンダー(女性に年齢は失礼だけれど、もう現在70歳なんですね)は名手に間違いないが、フェリアとかルートヴィヒが刷り込みだから、どうも深みが(ちょっぴり)足りぬ・・・と感じました。
●Mozart 交響曲第36番ハ長調「リンツ」+第1/4/5番〜ハンス・グラーフ/ザルツブルク・モールァルテウム管弦楽団(1989年)・・・おそらくはもっとも穏健保守で安定している全集より。繰り返しを実行し、我らがヴォルフガングの美しい旋律をムリなく、自然体で、過不足なく表現して下さって、これほど気持ちよく聴かせて下さる「リンツ」はおそらく初体験。指揮者の個性ではなく、作品をして語らしめる、といった姿勢に貫かれ、馴染みの旋律がナンと新鮮に響くことか。幾度聴いて、厭きることのない全集です。価格もGood!
(2009年1月1日)
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