2025年10月某日/●
隠居生活もやや馴染みつつある日々
こちらは佳き天候続き、週間天気予報を眺めても時にちょっぴりの雨くらい。そういえば今シーズン全国的に渇水の話題はあまり訊きませんでした。どこかで水不足からプールが営業停止というのはありましたっけ。
前日、かなり食事を抑制して身体も動かしたのにほとんど体重は減らない〜これはホメオスタシス?エネルギー摂取が少ないと身体がそれに慣れて、生命=体重維持をするそう。本格的に身体を鍛えている人にはチート・デイが必須なんだとか。自分がそれをやったら、そのままずるずると太ってしまうのはまちがいない。
せっかく過ごしやすい季節がやってきたのに、精神的ににはますます落ち込んで、な〜んにもやる気がおきません。朝からぐずぐずしてようやくストレッチ実施、YouTube体操は短い、緩いのを実施。買い物に出掛ける意欲も湧きません。引き隠り状態。今朝の体重は66.35kgあまり変わらない。微妙に腰が痛い。
女房殿の介護泊まりは連日に至って、朝に帰ってきたけれど、ストレスで目眩がするそう。気分転換にカットに出掛けました。お互いもう70歳に迫ってますから、そうそう元気も続きません。
1ヶ月後に迫った大学OB会の会場をようやく予約、自分のホテルは予約済、新幹線の便は旅行会社にお願いして結果待ち。福岡は韓国中国人に大人気な観光地ですからね。なかなかタイヘンです。三年住んでいたし、出張に遊びに幾度通って馴染みの大好きな街、ノーミソ活性化のためにはもうちょっと新しい場所への経験が必要でしょう。
10月1日から3,024品目値上げとか。後期高齢者の医療費も上がってあちこちのブログにて話題になっておりました。いくら慎ましく節約しても生活は追いつかんなぁ。自分はけっこうゆるゆると暮らして、健康であればなんとかなる・・・そう油断して、そんな安易な生活設計の見通しはヤバいかも。
Orff カルミナ・ブラーナ(Chamber Version/ Wilhelm Killmayer/1927-2017独逸)〜セシリア・リュディンゲー・アーリン/クロウマタ・パーカッション・アンサンブル/ローランド・ペンティネン(p)/ルーヴェ・デルヴィンイェル(p)/アルメンナ・ソンゲン(ウプサラ大学合唱団)/ウプサラ児童合唱団/ペーテル・マッテイ(br)/レーナ・ヌーディン(s)/ハンス・ドルンブッシュ(t)(1995年)・・・オリジナルは三管編成だけど、ティンパニ5個+奏者8人という打楽器、声楽そのままに管弦楽を抜いてニ台ピアノに置き換えたもの(・・・らしいSWR盤解説より)。度肝を抜くようなド迫力に生命漲る原始のパワー炸裂!管弦楽がないだけ作品は声楽がクリアに浮き立って朗々と響くし、打楽器はそのままだからリズムの迫力に不足はない。これは思いっきり新鮮な爽やかな経験でした。オリジナルよりこちらのほうが好きなくらい、音質がクリアなのもその印象を高めておりました。
「全世界の支配者なる運命の女神」(2:35-2:51)「第1部 春に」(4:18-2:31-2:37)「芝生の上で」(1:45-3:11-3:23-4:18-0:59)「第2部 酒場にて」(2:41-3:26-1:56-3:14)「第3部 求愛」(3:14-2:27-2:05-2:03-1:06-0:55-2:14-2:26-0:45)「ブランツィフロールとヘレナ」(1:54)「全世界の支配者なる運命の女神」(3:09)
Bernstein ミュージカル「オン・ザ・タウン」〜レナード・バーンスタイン/オン・ザ・タウン管弦楽団/ロバート・ショウ/ヴィクター合唱団(1945年)・・・ニューヨークで24時間の上陸許可を与えられた水兵3人の恋愛と騒動を描いた作品(Wiki)とのこと。1944年初演。この時代特有の亜米利加の美声も愉しめます。映画「踊る大紐育」として映画化もされたそう(1949年)。現代日本でも舞台レパートリーなのですね。バーンスタインは未だ30歳代、親しみやすいヴィヴィッドな作品旋律、変拍子は後年の作風とほとんど変わらない。驚異のSP音質。当時の舞台の熱気をしっかり受け止めました。オリジナル・ブロードキャスト録音も聴いてみたけれど、こちらRobert Shaw(1916ー1999亜米利加)率いる合唱の充実が素晴らしくヴィヴィッド。
Opening Scene/I Feel LIke I'm Not Out Of Bed Yet/New York, New York(3:23)
Lonely Town(Arr-Wilson Sawyer/3:27)
Ballet Music/"Lonely Town" ー Pas de Deux(307)/"Times Square" ー Finale, Act I (3:12)
Lucky To Be Me(Arr-Wilson Sawyer/3:31)
Some Other Time(Arr-Livingston Gearhart/3:22)
Ballet Music/Dream In The Subway/Dance Of The Great Lover(3:38)/Dream Sequence(2:53)
2025年10月某日/●
隠居生活もやや馴染みつつある日々
本来、そろそろ小春日和と呼ぶべき昼間の気候も、前月迄のあまりの猛暑にそれも平穏に感じる秋。過ごしやすい季節に至りました。東北北海道では記録的な大雨でタイヘン、こちらはなかなか降ってくれません。いつも通りのストレッチ、YouTubeエキササイズ済ませて市立体育館へ。すぐにビニール袋を入手したので、この間路上見て見ぬふりしていたゴミをしっかり拾いました。水曜のトレーニングルームはかなり人数少なく、常連精鋭メンバーのみ。しっかり鍛えてシャワー後の血圧測定はやや高状態、そのままスーパーに寄って食材入手して帰宅しました。洗濯していたら女房殿は婆さん宅よりご帰還、入れ替わりに体育館へ向かいました。今朝の体重は66.3kg▲150g。食事を抑制して運動してもほとんど減らない(涙)
また無差別殺人事件など発生してますね。誰でも良かったって、殺られたほうはたまったもんじゃない。
福島市のメガソーラー商業営業開始。景観破壊、光害で運転は危険、日常生活にサングラスが必要とのこと。住民にとっては傍迷惑な苦行状態、既に認可されているので手の打ちようもない・・・既にこれ以上広げない、更には認可しないようだけど、環境のため、エコ推進のための行為がとんだ裏目に出て、良かれと思ったことが思わぬ結果を生むこともあるものですね。地元の方々は怒っていると思うけれど、そんな過ちは幾度繰り返してきた人間社会、安易に目先の利益ばかり追い求めるから・・・他人事みたいに云って申し訳ない。なかなか先は読めぬものです。電気自動車だってちっともエコじゃない。
四日市の地下駐車場水害のクルマ搬出開始。被害者の補償はどうなるのか先行きは見えぬ感じ、なんせ直接の要因は天災ですから。驚いたのは荷物が消えている! つまり火事場泥棒的な不埒な輩がいたということですね。原発事故緊急避難の時に、空き家に空き巣が入ったそうだけど、人が困った時に悪事を働く人間に人生の災いあれ、そう心の奥で密かに願いましょう。
こんな音源と出会うのですね、懐かしい。Frank Shipway(1935-2014英国)は実在の指揮者だけど、Hanspeter Gmu"r、 Eugen Duvier、Alberto Lizzioは適当に名付けた架空指揮者。Camerata Romanaも架空の伊太利亜?の団体とのこと。トランペット奏者も同様でしょう。これは(ある意味)マニアには有名なPILZ音源、あちこち音源を探しては適当な演奏者に仕上げて安いCDを出しておりました。1990年代は喜んで銀色デザインのCDを集めていたのも懐かしい。その後、デアゴスティーニのCD付き雑誌の音源として流用されたりしたものです。
Clarkeはロイヤル・フィル音源。あとはかなり良好な音質揃えているけれど、作品ごとに音質の雰囲気、ソロの風情、アンサンブルの水準も異なります。あまりムツかしいことを考えずにけっこう楽しめる一枚。
Clarke トランペット・ヴォランタリー(フランク・シップウェイ/ロイヤル・フィル/2:52)もちろん安定した技巧に落ち着いた風情の演奏。
Torelli トランペット協奏曲ニ長調(ジョヴァンニ・バスコーニ(tp)/ハンスペーター・グミュール/カメラータ・ロマーナ/Allegro(2:03)Adagio -Presto - Adagio- Allegro(4:43))これはけっこう有名な、明るく陰影ある牧歌的旋律。線は細いけれどよく歌うソロ、しっとりとした弦楽アンサンブル。音質もまずまず。
Vivaldi 2本のトランペットのための協奏曲ハ長調(ジョヴァンニ・バスコーニ(tp)/ヴァーツラフ・ブレジナ(tp)/オイゲン・デュビエ/カメラータ・ロマーナ/Allegro(3:08)Largo(0:51)Allegro(3:25))これはシンプルに元気よろしく屈託のないよく知られた旋律。二人のソロの息はよく合ってのびのび、先のTorelliより音色は暖かい感じ。弦楽アンサンブルは伴奏に徹しておとなしい。音質も悪くない。
Telemann トランペット協奏曲ニ長調(ジョヴァンニ・バスコーニ(tp)/ハンスペーター・グミュール/カメラータ・ロマーナ/Adagio(1:59)Allegro(2:09)Grave(2:17)Allegro(1:46))かつてこの作品を聴いた時に「一番好き」とのメモが残っていたお気に入り、終楽章「Allegro」の晴れやかな表情最高。ヴィヴラート豊かに優雅な、慎重なトランペットは作品の伸びやかな陰影をいまいち表現できていない。弦楽は伴奏に徹して色をあまり出さぬもの。音質はまずまず。オットー・ザウター(tp)/ニコル・マットの演奏のほうが圧倒的にヴィヴィッドに引き締まっていた記憶がありました。
Tartini トランペット協奏曲ニ長調(ヴァーツラフ・ブレジナ(tp)/オイゲン・ドュビエ/カメラータ・ロマーナ/Allegro(3:59)Andante(3:34)Allegro Gracioso(3:28))伴奏に管楽器(ホルン)が入って、あきらかに他の演奏とは違う器楽アンサンブル、残響たっぷり豊かにしっとりサウンド。朗々とした雄弁に艷やかなソロは輝かしくマイルド、このCD収録中屈指の技量でしょう。弦とホルンの掛け合い、トランペットの時に哀愁の旋律が絡み合って、これはなかなかの名曲でした。「Andante」の黄昏のような緩徐楽章も絶品。終楽章のカデンツァも聴きもの。
Franz Xaver Richter(1709-1789) トランペット協奏曲ニ長調(ジョヴァンニ・バスコーニ(tp)/ハンスペーター・グミュール/カメラータ・ロマーナ/Allegro(4:47)Andante(5:09)Allegro Gracioso(4:16))これはバロックに非ず、一世代進んだマンハイム楽派の音楽。ソロはかなり高音を多用して難曲っぽい、神経質なヴィヴラートが続きます。おそらくはかなりの技巧派。作風は明朗に古典的。器楽アンサンブルは伴奏に徹して、これはかなり音質はよろしい感じ。
Haydn トランペット協奏曲 変ホ長調(ヴァーツラフ・ブレジナ(tp)/アルベルト・リッツォ/カメラータ・ロマーナ/
Allegro(6:18)Andante Cantabile(3:11)Finale: Allegro(4:19))これはトランペット協奏曲一番人気。時代は古典派、名曲中の名曲。かなり颯爽としたアンサンブルは他とはまっく雰囲気が異なって、かなり太めな音色のソロは流麗スムースな技巧に美音、細かい音型もらくらく余裕、カッコ良い演奏でした。カデンツァはRichterを上回る雄弁。表情は豊かに変化して、勢いも充分、伴奏がまたデリケートに呼応してみごとなもの。晴れやかに躍動してワクワクするような両端楽章、緩徐楽章の優雅な風情も最高。このCD中これが一番の完成度でしょう。
Handel 「王宮の花火の音楽」〜ヘルムート・コッホ/ベルリン放送交響楽団(1974年)・・・2004年来の再聴。BrilliantのHandel Editionに収録され、「水上の音楽」と「シンフォニア HWV.339/347」はコンチェルト・ケルン(古楽器アンサンブル)に挟まれ、こちら堂々たるモダーン楽器使用。なんか中途半端な寄せ集めにはオトナの事情があったのでしょう。Helmut Koch(1908-1975独逸)この方もオーケストラも旧東の方でした。懐かしいブランデンブルク協奏曲とか管弦楽組曲は超・重厚な分厚い響きだった記憶もありました。独逸の団体だから亜米利加辺りのパワフルにメタリックな音色とは違うけれど、中庸のテンポに逡巡も遠慮もない嚠喨(りゅうりょう)たる金管の響きは雄弁そのもの、作品的にはとっても気分爽快な効果を上げておりました。音質もまずまずでしょう。
「Overture」(9:49)「Bourree」(1:07)「La paix」(4:06)「La rejouissance」(2:15)「Menuet I」(0:48)「Menuet II」(1:30)
2025年10月某日/●
隠居生活もやや馴染みつつある日々
10月に入って2025年もあとわずか。昼間はそれなりに気温は上がっても盛夏の日差しの強烈さはすっかり和らいだし、夜はすっかり涼しく、エアコンはもう必要ありません。相変わらずヒマ、な〜んもやる気が起きない日々、なんとかしなくっちゃ!そんな気分も消え失せました。深夜途中覚醒が続いて、睡眠不如意が続きます。朝いつものヘルシー朝食済ませて、ストレッチ、YouTubeは東南亜細亜系の女性が動き続けるエアロビクス済ませて、ヨーグルトに使うキウイが切れているけれど、どうも買い物に出掛ける意欲は湧きません。前日のうちに耳鼻科、歯医者も済ませました。前夜しっかり蒸気吸入して、これは毎日継続する予定。今朝の体重は66.45kg+250g最悪。10月はここからスタート。
サントリーの会長が不祥事から辞任したり、こんどはアサヒがサイバー攻撃で商品出荷不能とのこと。日本の代表的大企業もなにかと脆弱な実情が透けて見えます。時々呑みに出掛けるからアサヒ・ビールが出てこない、なんてことはないのか。ちょっと心配。
話題はちょっと逸れるけれど、テレビCMでちょっと気になること。
「悠香のお茶せっけん/茶のしずく60g」Amazonでは2,270円也、高いっすねぇ。これはネットCMでも盛んに出てくるけれど、2010年重篤なアレルギー症状を起こして社会問題になったはず。早田ひなちゃんのCMは可愛らしいけど、その後被害者補償、後始末は終わったのか。アリナミン製薬に身売りしたみたいですね。「加水分解コムギ末(水解小麦末)は含まれておりません」との記述有。
CMがうざったらしい「We Cars」。これは例のBig Motorの後継、今は社名連呼歌だけど、その前は「そこまでやるか」みたいな宣伝でした。すっかり状況は改善され、まともな会社になったのでしょうか。その後の報道が見えないなぁ、辞めた前社長副社長は元気にしているのか。似たようなことをしていた「グッド・スピード」は会社継続しているみたい。忘れやすい日本人の性癖もよろしくない(=含む自分)。
CMつながりで「太陽生命」のこと。まったく同じ内容を月替りで仕様を変えて、時代劇スタイルがとてもオモロい。傑作ですよ。わざとらしい、いかにも的風情が堪らぬ魅力、もう終わったのかな?そう思ったら、「水戸黄門」再放送にはそれが出ておりました。自分はそんな昔の時代劇は見ないけれど、偶然発見いたしました。たしか、ジャアイント馬場さんが大ファンだったはず。
Chabrier 狂詩曲「スペイン」/Durufle 3つの舞曲 作品6/Saint-Sae"ns 交響詩「オンファールの糸車」/Debussy「牧神の午後への前奏曲」/Ibert「寄港地」/Massenet 「タイスの瞑想曲」/Ravel 「スペイン狂詩曲」〜ジョン・ウィルソン/シンフォニア・オブ・ロンドン(2019年)・・・John Wilson(1972-英国)率いるSinfonia of Londonは映画音楽など録音して1960年に活動を停止した団体とは別の、新しいオーケストラとのこと。清涼にあまりハデではない響きに技術的にしっかり、思わぬ洗練されたアンサンブル、残響豊かに低音も効いて臨場感たっぷりな極上の音質でした。選曲が凝っていて、ありきたりな仏蘭西ものではない一枚。
軽快に躍動する「スペイン」は誰も知っている旋律、優雅に晴れやかな表情(6:09)
Dulufleは初耳作品、爽やかに疾走して高揚する小粋な「Divertissement」(7:16)ゆったり静謐にデリケートに息を潜めるような「Danse lente」木管の響きがジミに控えめ。やがて優雅に弦も歌って、激しく情感も高まって再び静謐に戻る。(8:47)ユーモラスなファゴットから始まって、激しいリズムを刻んで躍動熱狂する「Tambourin」サキソフォーンの響きもエッチそうでちょっぴり抑制を感じます。(5:19)これは知られざる、なかなかの名曲。
「オンファールの糸車」は希臘神話に題材を取って、女王が回す糸車を彷彿とさせる動きが全編を支配しておりました。太い音色のフルートから始まって、弦の動きは優雅にリズミカルでした。(7:34)
そして著名な誰でも知っている「牧神」。フルートの音色は太く、幻想的な官能や華やかな響きに非ず、不思議に落ち着いた風情に、おとなしい演奏。(9:21)
「寄港地」も名曲ですね。爽やかな海辺の情景を彷彿とさせる「Rome - Palerme」(6:13)オリエンタルな旋律とリズムも妖しい「Tunis - Nefta」(2:34)晴れやかな西班牙風リズムを刻んで晴れやかな陽光を感じさせる「Valencia」ここはChabrierに似てますね。(5:35)
切ないヴァイオリン・ソロ(けっこうジミ)が歌う「タイスの瞑想曲」の選曲もGood!ありそうでなかなか入手できない無垢な気分漂う作品でした。(5:43)
ラストは気怠い西班牙のリズムを刻む「スペイン狂詩曲」。これもデリケートにクール、生真面目な演奏。薄暗闇に向かう茫洋として静謐な「Prelude a la nuit」(3:59)「Malaguena」なんとも妖しく、激しいマゲーニャのリズム(2:04)そっと息を潜めるような「Habanera」(2:39)「Feria」は細かい木管のフレーズから、やがて賑やかに盛り上がって祭りの風情にウキウキするよう。(5:55)
Schubert 八重奏曲ヘ長調 D803 作品166〜パスカル弦楽四重奏団/ジャック・ランスロ(cl)/ギルバート・クルシェ(hr)/ポール・オンニュ(fg)/ガストン・ロジェロ(cb)(1961年)・・・昔からの幾度聴いた音源、2013年拝聴して曰く
腰が軽いというか、自在なのは、往年の仏蘭西名手たちのなんとも云えぬ明るい音色、節回し故なのでしょう。既に本格ステレオ時代に入っていたのに、このくぐもった音質は状態よろしくない。ステレオ時代とは信じられぬ曇り具合だけれど、刺激的な濁りはなくて、室内楽拝聴にさほど苦はありません。
Jacques Lancelot(1920-2009)Paul Hongne(1919ー1979)はいずれも仏蘭西往年の名手、Gilbert Coursierの詳細情報はWikiにもあまり載っておりません。管楽器は軽く明るく、セクシーなヴィヴラートたっぷりのお仏蘭西風音色が堪能できます。27歳の作品、変幻自在なる旋律、風情は明るく変幻自在なセレナーデ。少々濁りがちに安っぽい、素朴な音質云々は覚悟の上。
第1楽章「Adagio - Allegro」ちょっぴり神妙な序奏から、軽妙愉快な弾むような明るい旋律が躍動して、けっこうスケールは大きいもの。とくにホルンの腰の軽い響きが個性的。わずかな暗転も陰影深く印象的でしょう。(12:04)
第2楽章「Adagio」ちょっと浮き立つようなクラリネットの落ち着いたソロから始まる緩徐楽章。ゆったりと優雅な6/8拍子、ここは安らぎの旋律がしっとり歌い交わします。ここもラスト辺り、ホルンの明るい高音が魅惑。(10:24)
第3楽章「Allegro vivace」明るい表情に弾むような付点のリズム(3/4拍子)はスケルツォ風。シンプルなトリオも上機嫌が続きます。(6:15)
第4楽章「Andante-Variations: Un poco piu mosso-Piu lento」たっぷり優雅にノンビリ、時に暗転するステキな変奏曲。2/4拍子。主役はクラリネットにヴァイオリンが絡んで「鱒」の旋律に似てますね。ホルンもチェロも雄弁。(12:54)
第5楽章「Menuetto: Allegretto」名残惜しい、黄昏れるようなメヌエット。3/4拍子。(6:46)
第6楽章「Andante molto - Allegro」4/4拍子。不穏な暗い序奏がしばらく続くはじまり。やがて確信に充ちたしっかりとした歩みに堂々たる風情のフィナーレでした。ラスト前、不穏な風情がまた戻りつつ、喜びに溢れたフィナーレを迎えました。(10:02)