Telemann トランペット協奏曲ニ長調/トランペットとヴァイオリンのための協奏曲ニ長調/
トランペットと弦楽のための組曲ニ長調/トランペットと弦楽のためのソナタ ニ長調
(オットー・ザウター(tp)/ニコル・マット/マンハイム・プファルツ選帝侯室内管弦楽団)


 BRL92402 Telemann

トランペット協奏曲ニ長調 TWV 51:D7
トランペットとヴァイオリンのための協奏曲ニ長調 TWV 53:D5
トランペットと弦楽と通奏低音のための組曲ニ長調 TWV 55:D8
トランペットと弦楽と通奏低音のためのソナタ ニ長調

オットー・ザウター(tp)/ニコル・マット/マンハイム・プファルツ選帝侯室内管弦楽団

Brilliant BRL92402 Telemann Edition(29CD)より  2004年録音

 同時代のBach より現役時代は人気と世評は高かったそう。ニ長調協奏曲は有名ですよね。作風はBach に似て、旋律は素直のびのびして、陰影や劇性はやや薄味か、この素直な風情が当時は人気だったのでしょう。音楽なんて流行り廃れですから。速めのさっぱりとしたテンポ、小ぶりな親密柔らかい(上手い)トランペット、小編成の伴奏(モダーン楽器か)Brilliantにはお馴染みの指揮者、オケであります。けっこう味わい有。知名度は高くないのでネットで情報探ってみると・・・

・・・トランペットは短い楽器を使っているようで、響きが浅く、音色の魅力に乏しい。録音は、協奏曲のアルバムなのに、主役のトランペットが引っ込んだ感じに聞こえる。オケも荒削りでお世辞にも上手とはいえない・・・(某ブログより)
 人様の嗜好はさまざま、それでも「安物買いの銭失い」とは・・・”短い楽器”(?)って、彼(か)の聴き手は現代の鋭い、刺激的な音色を求めているのでしょう。ワタシはマイルドな響きがオケとウェル・バランスと聴きました。”オケも荒削りでお世辞にも上手とはいえない”ねぇ〜この方は、ほんまにヒドいオケを聴いたことがないんでしょう。ソロもオケも充分な技量、耳目を驚かせるような鋭いリズムや爆発はないけど、これはノンビリ端正親密なバロック音楽ですから。(以上「音楽日誌」2015年10月より)

 CDが安くなったり、ネットより簡単に拝聴できる時代がやってきております。わずか十数年前20世紀中、Telemannみたいにそれなり知られている作曲家でも、意外と限られた拝聴機会しかありませんでした。【♪ KechiKechi Classics ♪】を例にとっては恐縮だけど、怪しげ廉価盤、ご存知NAXOSとか、VOX系の古めかしい音源とか、当時最新鋭だったアーノンクールとかブリュッヘンとか手が出ませんでしたよ。貧しくて。こうして(知名度さておき)新しい録音、まとまって系統的に聴ける時代に感慨もあります。

 上記引用は、偶然見かけた某ブログのコメントに憤懣やるかたない一筆。こうして半年後ノーミソ冷やして再聴しても考えは変わらない。マンハイム・プファルツ選帝侯室内管弦楽団(Kurpfalzisches Kammerorchester Mannheim)って、モダーン楽器だと思うけれど、もちろん一昔風ヴィヴラートたっぷり豊満なサウンドスタイルに非ず。”オケも荒削りでお世辞にも上手とはいえない”と云うコメントは信じられぬ小編成、それなり引き締まったリズムで聴かせてくださいました。直接音中心、ややオン・マイクだけど鮮明な音質です。

 トランペット協奏曲ニ長調は比較的知られている作品、自分の印象範囲ではテンポは颯爽と速め(とくに終楽章「Allegro」は快速)明朗な緩急緩急4楽章、6:43。オットー・ザウターはスムースな技巧の冴えがあって、”主役のトランペットが引っ込んだ感じ”なんて、なんことないっすよ。トランペットとヴァイオリンのための協奏曲は、輝かしいトランペットに+ヴァイオリンの掛け合いがけっこう技巧的に聴きものであります。第2楽章「ラウテンバッヒャー」にはトランペットなし、ヴァイオリンの纏綿たるソロがしっとり続きました。BACHを少々ノンビリさせた感じ?このCD一枚分、一番好きな作品でした。

 トランペットと弦楽、通奏低音のための組曲ニ長調は冒頭「フランス風序曲」(緩急緩)もBACHクリソツ。これが時代のスタイルだったんでしょう。おそらくは楽器の制限故同じニ長調連続、BACHほどの陰影じゃない素直な旋律だから、ちょいと飽きると云っちゃ失礼か?9楽章の舞曲の集まり(サラバンド、ジーグとかパスピエ)は愉しいけれど、どれも似たような感じ、連続機器は少々ツラいかも。ここでのオットー・ザウターの技巧の冴えにも文句ありません。

 ソナタといっても前の協奏曲、組曲と別に風情は変わらぬもの。ずっとニ長調なんですね。第2楽章「Largo」がもの寂しげでちょっとエエ感じ。快活なアンサンブル+ソロ、佳き音質に作品を味わうには充分だと思います。

(2016年2月28日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi