G.P.Telemann 3枚組(CONCERTO ROYALE)


CONCERTO ROYALE  206244-360 3枚組690円 G.P.Telemann(1681〜1767 )

フルートのための組曲イ短調

ハンス・マルティン・リンデ(bf)/ロルフ・ラインハルト/コレギウム・アウレウム合奏団

ヴィオラ・ダ・ガンバのための組曲ニ長調

エルンスト・ヴォルフィッシュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/フェルバー/ヴュルテンベルク室内管弦楽団

(以上CD1)

組曲ハ長調(Darmstadt Overtures /Overture (Suite) in C major, TWV 55 C6)

ギュンター・ケール/マインツ室内管弦楽団

3台のヴァイオリンのための協奏曲イ長調(「食卓の音楽」より)

ズザーネ・ラウテンバッヒャー/アデルハイド・シェファー/ゲオルグ・エガー(v)/シュトゥットガルト・ゾリスデン

オーボエ協奏曲(調性不明の短調の作品)

アルフレッド・スーズ(ob)/シュトゥットガルト・ゾリスデン

(以上CD2)

トランペットのためのソナタ(調性不明の長調の作品)
トランペット協奏曲ニ長調

ヴァルター・ホリー(tp)/フェルバー/ヴュルテンベルク室内管弦楽団

ソナタニ短調/ハ長調/幻想曲ニ長調

ハンス・マルティン・リンデ(bf/fl)/ヨハネス・コッホ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/ヒューゴ・ルフ(cem)

協奏曲イ短調

パーヴェル・ミクラスティック/フランコ・アスコスタ(クエルフローテ(Querflo"te))/シュトゥットガルト・ゾリスデン

(以上CD3)

CONCERTO ROYALE  206244-360 3枚組690円

 音質的にかなり厳しいこと、収録作品情報が不親切というか不完全なこと(作品番号などクレジットがない/時には調性さえ)、演奏者がバラバラで情報不備であること、組曲ハ長調の「メヌエット」で音飛びが存在すること(音源問題か?)、なにより演奏水準にばらつきがあって、最近のメカニック的に優秀な演奏に馴染んでいる耳には、そうとう厳しいものがある3枚組。だからムリしてお勧めしません。そもそも、もうなかなか入手は難しいかも知れないし。Telemannをお手軽に楽しむのなら、NAXOSか、BRLLIANTに音の状態の良いものが存在します。

 でも、そんなこんなの悪条件乗り越えて、ワタシはこれをそれなりに楽しみましたね。と、いうか、手持ちのCD、入手した音源はともかくとことん楽しみましょう、という基本哲学ですから。作品そのものが楽しくて、Bach 作品ほど知名度はないけれど、よく似ていていっそう親しみやすい。

 おお、いきなり一枚目から知名度あるリンデ(bf)/コレギウム・アウレウム合奏団登場じゃないですか。これが、音の粒が粗いこと、バックのアンサンブルがグランド・マナーっぽくて、耳馴染み迄少々時間が掛かります。フルートのための組曲イ短調って、Bach の管弦楽組曲第2番ロ短調に似たようなテイストであって、しかしそこは「縦笛」だから軽快で清楚なソロがまことに快い。ヴィオラ・ダ・ガンバのための組曲ニ長調は、優雅な旋律・・・というより、おそらくは管弦楽の表現が大柄な浪漫性(朗々としたヴィヴラート)を感じさせて、表現に問題有なのでしょう、きっと。

 こちらも相当に音質は厳しくて、聴き続けるのに根性要ります、相当。ガンバのソロは優秀ですよ。古楽器的素朴なスタイルじゃないから、ムリせず、チェロで代用すれば良かったのに。作品は(これも)Bach を大衆的にしたような印象也。楽しいものです。

 2枚目の「組曲ハ長調」は、読者からご教授いただいたもの(Darmstadt Overtures〜類推です。きっと合っているでしょう)。2本のオーボエをフューチュアして、フランス風序曲がまことに立派!というのは、他の組曲と同じ風情であります。調性故か、まことにスケールが大きな作品でして、現代楽器のアンサンブルに似合っていると思います。残念ながら、これも少々音質的に厳しい(ヒステリックな)のが残念。やや大柄だけれど、アンサンブルの集中力、雄弁なるオーボエはなかなか魅力的。

 3台のヴァイオリンのための協奏曲イ長調は、Telemannの作品中もっとも著名なものであり、だれでも「ああ、この旋律知っている」的楽しい、懐かしい名曲です。恐るべき広範なレパートリーと録音を誇るズザーネ・ラウテンバッヒャー(v)登場!この人にハズれは一切なし。安定した技巧、余裕の歌が楽しめました。もの哀しいオーボエ協奏曲は、まったく魅力的であります。わずか10分に満たない4楽章の愉悦。緩急緩急の教会ソナタ風形式であって、陰影に富んだ旋律が楽しめました。リズム感もよろしい。(音質、ややマシ)

 3枚目はトランペット作品から始まります。これは予想外の安らぎの旋律であって、Haydnの名作に引けを取らないでしょう。「ソナタ」(調整不明)には、思わぬチェンバロの独奏も入り、そこに低弦、更に弦全体が絡んでやがて安寧のトランペット回帰・・・美しい作品です。(FMエア・チェックで昔馴染みの記憶があるから、著名なる作品だと思います)協奏曲ニ長調は、晴れやかな表情のシンプルなソロが、2本のオーボエ(ソロ的動きも多い)と絡んで楽しい。

 ホリー(tp)は立派ですね。数多いTELEMNNのトランペット協奏曲集を聴きたくなりました。

 ソナタニ短調/ハ長調に至っては、リンデ(bf)/コッホ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/ルフ(cem)という名手達の担当であり、やや音質的にぼんやりしていることを除けば、なんの不満もありません。正確な技巧と清潔な表現、的確なる通奏低音の古雅な響きに魅力される17分也。幻想曲ニ長調は無伴奏のフルート・ソロであって、これはBach の名曲に負けない深遠なる世界が広がりました。

 ラスト、協奏曲イ短調は2本のフルートと弦楽のバックの作品だけれど、シュトゥットガルト・ゾリスデンのアンサンブルが情けないのと、リズムがもっさりしているのが残念。フルートの絡み合いは、とても美しく、もっと状態の良い演奏(録音)で楽しみたいと思ったものです。

(2006年9月22日)


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written by wabisuke hayashi