Telemann「食卓の音楽」よりTelemann
管弦楽組曲ホ短調(2本のフルートのための。食卓の音楽第1集) Hummel
トランペット協奏曲 変ホ長調 Telemann
管弦楽組曲ニ長調(オーボエとトランペットのための。食卓の音楽第2集) Richter
トランペット協奏曲ニ長調 PILZ 449254-2 録音年不明 2枚組 980円で購入 おそらく、以下の文書は1998/9年頃のもので、ワタシは2005年6月ようやく「食卓の音楽」全曲を入手(部分々々ではいくつか聴いていたけれど)いたしました。(BRILLIANT 92177 ムジカ・アンフィオン 2003年録音 4枚組1,396円)現代楽器と古楽器、ややのんびりとした演奏スタイルと先鋭の技術を誇るリズム感、散漫で乾いた印象の録音と最新のディジタル録音・・・結論的にそんな対比と時の流れを痛感したが、その前に収録問題について。 ワタシの無知に過ぎないが、1990年頃の廉価盤は(ワタシのような)初心者が、音楽を楽しむレパートリーを広げるために購入したのだろうと思います。2本のフルートと弦楽のための作品 ホ短調(第1集) は、7楽章「ジーグ」のあとに「Conclusion(終結)」が演奏されます。同様にオーボエとトランペットのための作品ニ長調(第2集)第5曲「エア・アレグロ」に続けて、「アレグロ」「Conclusion(終結)〜アダージョ〜アレグロ」が収録されております。これがよくわからない。 ま、専門の書籍やらインターネットを駆使して調査すれば良かったかも知れないが、当時のワタシ周辺の知識ではどうしようもない。(インターネットはダイヤル・アップであった)結論的に <食卓の音楽第1集>が来るわけですね。PILZ盤はごていねいに途中抜きで、ラスト同じ編成の「Conclusion(終結)」を続けて収録下さった、と言うことが理解できました。同様に
<食卓の音楽第2集>となります。これも中抜きで、同上のパターン。そうか。もしかしたら、このようなパターンの演奏スタイルが欧州では存在するのかもね。でも、やっぱりオリジナルというか、出版されたスタイルでちゃんと聴きたいものです。 最新の古楽器演奏との相違でもっとも驚くことは、ピッチの違いです。演奏スタイル(戦前巨匠時代大仰スタイルから抜け出した小編成だけれど、中途半端な緩さがある)、アンサンブルの集中力(やや散漫)、録音水準(乾き気味)は予想の範囲であって、ワタシはこの怪しげ団体の演奏もけっこう楽しみました。演奏クレジットやら、作品収録のコメントをちゃんとすれば入門用には最適だったかも知れません。安価な入門用CDとして・・・と、ここまで書いて、件の最新録音が「4枚組1,396円」であることを思い出しました。 ほんまに商売は難しい時代となりましたね。市井の音楽ファンとしては、素直にこの現状を楽しみましょう。併録のトランペット協奏曲が立派なものなのだけれど、「食卓の音楽」としては手許に置く必要はなくなったCDでした。 (2005年6月24日)
1980年代後半に登場したPILZのウィーン・マスター・シリーズ(銀色のジャケット)がじょじょに姿を消し、1993年頃登場した「2枚組」シリーズでは最初に買ったもの。(あのとき秋葉原で我慢しときゃ、合計で6千円は浮いたな・・・なんて?)当時、Telemannの廉価盤なんてなかったんですよ。 Telemannは大Bach と同時代のひとですが、生前はBach よりずっと有名だったそうで、いまではCDは意外と少ない。ワタシはBach に似て、Bach に負けない名曲ばかりと思います。好きです。 幽霊指揮者と幽霊団体の取り合わせで、一説によると「カメラータ・ロマーナはカメラータ・レナニアの変名」という説もあるけど、こうして連続して聴くと違う団体かもしれない。(録音のせい?)音の感じが少々異なります。
組曲ホ短調は、ほの暗いフランス風序曲の旋律がBach の管弦楽組曲第2番にソックリ。 アンサンブルはやや粗くて、奥行きも密度も感じられないのはいつも通り。リズムもときどき乱れがち。でもなんとなく爽やかさはあって、乾いた音のショボさがたまらない。42分間聴き続けるとやや単調さも感じます。 ワタシは原曲の正しい姿は知らないのですが、ラストに「コンクルージョン(終結?)・アレグロ」というのも入っています。
フンメルのトランペット協奏曲 変ホ長調はけっこう有名ですよね。こちらはモーツァルトばりの弾むような旋律が楽しい。クィンクはヴィヴラートのきいた太めの音色が魅力的です。第2楽章のほの暗く、浪漫的な旋律も出色です。(ピアノ協奏曲第21番にそっくり) ややラフではあるけれど、アンサンブルが瑞々しいのは録音のせいだけではないはず。管楽器の音色も違う。グミュールの指揮ぶりも勢いを感じさせて楽しい。バックは管楽器群が意外といい音で鳴っています。録音の奥行きがあって、ずいぶんと聴きやすい。
組曲ニ長調は、トランペットが活躍します。Bach の管弦楽組曲第1番に似ている。 トランペット、オーボエ、ヴァイオリン・ソロもそれなりに誠実で、けっこう楽しく聴けます。アンサンブルはやはり少々乾きがちでガサツ。リズムにはそれなりに乗ってはいるが、ワンパターンで聴いているウチに飽きます。(かなり聴き込んでいるワタシでも)奥行きがない音の責任もかなり有。ま、フツウの演奏です。
18世紀初頭モラヴィアの作曲家−フランツ・クサヴァー・リヒターのトランペット協奏曲ニ長調は少々珍しいでしょうか。高音を多用した、かなりの難曲と思います。クィンクはフンメルのときとずいぶん違って細かいヴィヴラートききすぎの感じ。使用楽器が違うのかもしれませんね。技術的にはけっこう水準は高い演奏です。
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