長い、なが〜い一ヶ月
人生、そして音楽やサイト運営の点でも先輩であるSyuzoさんがなかなか蘊蓄深いコメントを載せておりました。題して「変わるネット環境」・・・【♪ KechiKechi Classics ♪】も今年の夏で10年経つが、ここ数年メールやらBBSの書き込み激減〜を嘆いていたら、それはネット界全体の趨勢だったんですね。「2ちゃんねる」だって同様、mixiも怪しげな商売のターゲットになっているらしい。スパムのことはみなさんご存じの通り。
ま、ネット界にいろんな人がおりまっせ〜って、ようはするに”世の中の縮図”ですから。一生涯出会うはずもなかった人々と、接触の機会ができますからね。ネット界は性善説で成り立っていたけれど、そうもいかない世の中になっているらしい。ワタシなんて未だぼちぼちメールも、BBS書き込みもあるからラッキーなほうなんでしょう。オークション出品では、読者が気を遣って残り物を一掃して下さいますし。
個人サイトって減っているんじゃないか。多種多様なブログが生まれ消えていきます。パソコンはお仕事用になって、ケータイがネットの主役になりつつあるのかも。テレビとパソコンの境界線が曖昧になりつつあって、ブラック・ボックス化+専用機器化が進んでいるのは少々気に喰わない。既存部品の流用やら、寄せ集めができなかったらツマらないじゃないの。ムダ金は使いたくないっすよ。
● 我らポスト団塊世代は、クラシック音楽のサイト/ブログを多く開設しております。2008年度は異動やら、単身赴任やら、いろいろたいへんみたいですね。ここ数年訪問していたブログも(お仕事多忙につき)更新停止に至りました。残念。”書くことが「目的」になってしまっているんではないか”との分析もありました。
うむ、ここがビミョーですな。とくにこのブログのように一枚一枚、毎日ていねいに、真面目に音盤を取り上げていくパターンはツラいのかな。ワタシの「音楽日誌」は、もちろん”すべて”を載せないけど、”正直”には書こうと考えております。つまり、ようワカラン!とか、体調悪い、とか、お仕事絶不調とか。ワタシにとって音楽はとても大切なものなので、CDは形があるけれど、流れた音楽は(演奏会でも)儚く消えていくじゃないですか。それをできるだけ書き留めておきたいな、という気持ちです。
文書に出来得ないときは、聴き方が、聴く力が足りない〜そう自覚しております。書けなかったら、書かない。ぴん!と来なかったら、その通り正直に書く。音楽印象なんて、心身共の調子によってがらりと変わるものです。”究極の一枚”なんて、各自が持っていたら良いんです。その嗜好だって、こどもの頃から40年も聴いていれば変遷するのは当たり前なんでしょう。ワタシは愉しみとして、ぼちぼち、ゆるゆる継続したい〜そう考えております。
本で読んだり、テレビで聞きかじったことだけど、その行為はノーミソに感動を焼き付ける作業なんですね。
● 新年度よりわずか一ヶ月、たいしたお仕事はしていないはずだけれど、ずいぶん昔のような?そんな感慨の一ヶ月也。体重増傾向はマズいが、体調良好でサラリーマン生活は継続します。
■【♪ KechiKechi Classics ♪】2008年4月の振り返りをいたしましょう。コメントが多いほど感動が多い、ということではないんです。
●Schubert 弦楽五重奏曲ハ長調 D.956/ヴァイオリンと弦楽のためのロンドイ長調 D.438〜ヴェラ・ベス/ジョディ・ガトウッド/リサ・ラウテンバーグ(v)/スティーヴイン・ダン(va)/ケネス・スロウィック/アンナー・ビルスマ(vc)(1991年)・・・この時期で古楽器演奏の洗練もここまで到達していたんですね。ヴィヴィラート少な目、柔らかいガット弦の響き+颯爽としたモダーンなリズムと語り口が魅力・・・古雅なサウンドながら爽やかさぐっと増量。夢見るような美しい旋律の泉。
●VAUGHAN WILIAMS 交響曲第2/8番〜ヴァーノン・ハンドリー/ロイヤル・リヴァプール・フィル(1992年)・・・この人はアンサンブルの精緻さ、構成力に於いて見事な実力を発揮していると思います。オーケストラはお国ものに対する誇りを感じさせ、しっとりと清涼かつ充分な洗練と迫力有。ま、Vaunghan Williamsの音楽は時に聴き手を行方不明に誘い込むことないでもないが、とてもわかりやすい。第2番「ロンドン交響曲」は馴染みのビッグ・ベンの鐘も鳴るが、第8番ニ短調がこれほどわかりやすく、素直に聞こえたのも初体験か。
・・・気持ちやや速め、淡彩緻密な表現、クールなアンサンブルを実現しております。録音が極上。中低音が薄い(弱い)EMI系ながら、奥行きや会場の空気が良く捉えられてひんやり清涼な雰囲気タップリ。ロンドン交響楽団(第2番)は物憂い、捕らえどころのないような作品だけれど、両端楽章にビッグ・ベンの密やかな響きを忍ばせて、一度ハマればさぁたいへん!第8番はバルビローリの濃厚劇的表現にも驚いたけれど、こちらあくまで”淡彩緻密な表現、クール”であって、別な作品を聴くかのようでした。「スケルツォ」の金管も抑制が前提なんです。終楽章の「キンコンカン」(なんの楽器?)もエキゾチックに美しい。ようやく金管が壮麗に爆発しました。
●Mozart 交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」/第39番 変ホ長調K.543〜ペーター・マーク/パドヴァ・エ・デル・ヴェネトー管弦楽団(1996年)・・・これはもの凄い演奏です。メリハリとパンチが効いたリズム、粗野な金管のバランスが強烈であって、鮮烈な輝きに溢れる新鮮サウンド。オーケストラのアンサンブルや、鳴りっぷりになんも不満もない、どころか聴き慣れぬ内声部まで強調して鮮やか。いきいきとした躍動とはこのことを指すんです。編成としてはそう小さくはないが、古楽器の素朴なテイストもちょっとありますね。
推進力に溢れた「プラハ」がとても若々しい。第39番はやや遅めのテンポが堂々たる貫禄とスケールを作り上げます。繰り返しもうれしい。
●あまりに素晴らし過ぎて言及し切れない、Deliusの管弦楽作品交響詩「丘を越えて遥かに」/そり乗り(冬の夜) /ブリッグの定期市/「フロリダ」組曲/マルシュ・カプリス/ダンス・ラプソディー第2番/夏の夕べ/2つの小オーケストラのための小品(春、初めての郭公を聞いて/夏の夜の川の上)/夜明け前の歌/歌劇「フェニモアとゲルダ」間奏曲/歌劇「イルメリン」前奏曲/日没の歌(1960年前後の録音/英EMI CDS7475098/モーリン・フォレスター/ジョン・キャメロン/ビーチャム合唱協会)/トマス・ビーチャム/ロイヤル・フィル・・・
(2008年5月1日)
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