猛暑中・生命(いのち)の洗濯
8月前半、名古屋の猛暑+エアコンに負け、ひどい風邪(咳)をひきました。とうとう(盆休み前)2日お仕事休み、なんやかんや2週間ほど快復に掛かってしまって、じつは未だ完治していない違和感有。女房殿が10日ほど遅れて同じ症状にて寝込みました。お盆最中、こちら転居してぐっと近くなった信州・松本・上高地訪問、おそらくは20数年ぶり、この時期涼しいというのは100万ドルの価値有、地元(飾らない)料理もしみじみ美味かったし、上高地の大自然、空気、水、景色は筆舌に尽くしがたい・・・若い頃、徳本峠越え8時間コース(実際は10時間掛かった)、しかも大阪よりクルマにて弾丸ツアーって、体力あったんですね、当時(カネはなかった)。今だったら、バスターミナル〜明神池往復2時間散歩でやっとですもん。どちらに価値があって幸せなのか、ほんまの贅沢なのかは一目瞭然、言うまでもなし。
昨年、お仕事と体調キツくてサボった大学OB会にも復帰、前泊して大阪前職場側馴染みの呑み屋にて朋友と語り合い、翌日京都に出陣、勝手知ったる学生時代を過ごした街、古寺古刹を堪能してから宇治着。諸先輩はそろそろ引退時期を迎え、本人の体調問題やらご両親の介護問題、もちろん経済的問題もあって参加者は少なかったけれど、もう38年の付き合いでっせ。上下関係は一生変わらない。
ちょっとツマらぬお仕事、馴染めぬ名古屋の生活から逃げたみたいだけど、勘弁して下さい。猛暑、体調問題ありつつ、佳き夏を過ごしました。ウォーキング休止回数、過去最高。CDオークション、1ヶ月70枚削減成。
我がオーディオ部屋にはエアコンなし(台湾製窓クール20年ものはさすがに、今回転居時に廃棄)。iPod使うほどの通勤時間、出張もなし、音楽拝聴頻度、集中力も大幅ダウンしております。挙句、風邪にてダウンでしょ。「音楽日誌」やら定例更新それなり、ぼちぼち、辛くも継続したのも根性でした。耐え忍ぶべき2013年もあと4ヶ月を残すのみ、光陰矢の如し、まさに疾風のよう。
● 先月のヴェリ・ベスト。あまり音楽聴いていないけれど。
■どんなに体調落ち込んでもBach なら聴ける。Bach フーガの技法 BWV1080〜ベルアルテ・アンサンブル・・・ズザーネ・ラウテンバッヒャー(v)、ウィルリヒ・コッホ(va)など、けっこう著名な人々が参加して、編成はヴァイオリン1、ヴィオラ2(1台はscordatura=半音高く調弦)、チェロ1が基本、他、一部チェンバロ2台(カノン担当)が加わります。(p)1979だから1970年台の録音でしょう。もう20年ほど前(たしか神戸にて)入手したCDであって、若い頃からマニアックな嗜好であったと自覚。シンプルな4つの音を次々と変形させて、それこそド・シロウトには起承転結やら情感など見えぬ”純器楽的”な作品、これが延々淡々と続いて、聴き手に一種異様な諦念を懐かせる不思議。ここではCD一枚に収まっていて、本来楽器指定のない作品(基本鍵盤ということらしい)、一度聴き始めると途中にて止めること不可、次の”変容”を心待ちにするように至ります。
他、数種の演奏が棚中にあるはず(オルガンによるグレン・グールドの半分とか)、しかし、ほとんどこれ〜いっそうジミな〜のみ聴いておりました。ラスト「未完のフーガ」(最近の研究では、別作品との見解も有)は、ちゃんと未完のまま。名残惜しげに突然終わるものエエ感じ。
■Mozart 交響曲第38番ニ長調「プラハ」K.504 /第33番 変ロ長調K.319〜ルーヴィヒ・ギュトラー/ヴィルテゥオージ・サクソニエ・・・旧東ドイツのトランペット名手・ギュトラー(1943-)率いるヴィルテゥオージ・サクソニエ(ザクセン・ヴィルトゥオージ)は溌剌モダーン、引き締まったアンサンブルを聴かせている・・・けれど、世間的にはまったく話題になっておりません。って、ベルリン・クラシックスってけっこう入手不安定(でした)。宣伝問題と現代楽器というのがネックだったのかも。このオーケストラは1985年−現在も活動を継続しているのかは不明。1990年前後の録音?彼自信のトランペット同様明るく、輝かしく軽快、弾むようなリズムの演奏でありました。
■Beethoven 交響曲第7番イ長調/Handel バレエ組曲「バースの恋」/Delius 「楽園への道」/Sibelius 組曲「カレリア」より「行進曲風に」〜トマス・ビーチャム/ロイヤル・フィル(1957年アスコーナ・ライヴ)・・・ここ十年ほど?お世話になったMembran Walletのシリーズ(これは「GREAT CONDUCTORS」10枚組)もさすがに廃盤なのですね。ボックス封入してある情報によると2006年9月1,500円ほどにて入手、当時は新しいのが出ると胸時めかせて注文しておりました。
Beeやんを好んでは聴かぬ罰当たり者、とくに第7番は難関です。どこかのブログうろ覚え情報によると、オーケストラにとってBeethoven は必須の、基本の演目であって、これがあってアンサンブルの基本やら、他の多彩なレパートリーに広げられる、的な指揮者の話題がありました。それはおそらく、聴き手にも同様の意味があるのでしょう。(サイト内検索によると5年ぶり拝聴)ほんまのステレオかどうか別として音の広がり充分、やや響きの濁りともかく、充分鑑賞に耐えうる良心的な音質、落ち着いて優雅、余裕たっぷりの表現、中庸なテンポ。この時期のロイヤル・フィルには品がありますよね。たしかEMI正規でも第2/7番の録音があったはずだから(未聴)彼の得意だったんでしょう。
すっかり堪能いたしました。
Handel バレエ組曲「バースの恋」(Love in Bath)はビーチャムがあちこち旋律を集めて編曲したらしい(The Great Elopement〜偉大なる駆け落ち?〜とは違うのか?)。壮麗で華やかな雰囲気たっぷり、英国人にとってHandel は母国の音楽なんですね。Delius歌劇「村のロメオとジュリエット」のラス前間奏曲、「楽園への道」は穏健静謐かつ泣ける名曲であります。次の「アラ・マルチア」同様アンコールなのかな?うきうきと楽しい風情一杯。
■Mozart ピアノ協奏曲第24番ハ短調〜ワルター・クリーン(p)/ペーター・マーク/ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団(1967年)・・・LP時代より馴染みの音源、このVOX5枚組中第17/18/21/23/24/26/27番の担当がクリーン、LP時代3枚組もこの収録でしたっけ?記憶の彼方。久々の拝聴は懐かしいやや曇りがちの音質に、絶品の凛としたタッチ冴え渡りました。我らがヴォルフガング作品中、ひときわ劇的要素の強い作品旋律は、クール楚々として内省的抑制表現されました。劇性を強調しないことが、作品の個性をいっそう際立たせる事実。オーケストラはやや粗いけれど、マークは盤石のサポートにて味わい深く支えております。カデンツァの情報も知識もないけれど、これがちょっと今まで経験ないほどに、心奥底ざわつくほど胸打たれました。終楽章の哀しみは突き抜けて(昨夜今朝と)2度も聴いてしまった。
(2013年9月1日)
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