年齢を重ねてから、新しい土地に出会うこと
敬愛すべき人生の先輩が定年退職されたとのこと。こちら少々出来の悪い後輩は、たかだか大阪→名古屋への転勤転居でも(勝手に)カウントダウンして大騒ぎだったのに、人生の達人は淡々とされているのですね。転居してまる2週間、ほぼ生活は落ち着き、職場徒歩5分故(別に力みなしに)職場一番乗り、そして一番早く帰る(フレックスタイムで皆出てくるのが遅い)リズムとなりつつあります。お仕事内容はほぼ見えた(と、勝手に思っている)し、もう少し慣れて全貌見えたら動きも変わってくるでしょう。自分なり一番のイベントは”3年ぶり運転!”であって、これが別になんということもない、カラダが覚えているものですね。大阪より駐車場相場はうんと安いとはいえ、日常生活便利さと経済的負担、歩く健康、環境負荷(これはカッコ付け過ぎ)等、比較検討を慎重にしているところ。カーリースという考え方もあるし。
住環境も(いくつか残課題ありつつ)落ち着きつつあります。なんせ静か、空気もよろしい。自然環境という点では、いかにも山を削って豪邸やマンション建てました、的雰囲気でして、緑が不足している感じなのは仕方がない。歴史が新しいですし。キッチンは対面(岡山時代と同じ)、3LDKの一部屋取っ払って広いリビング付き2LDKにしたもの、日当たり抜群故、おそらく夏は相当な気温でしょう。北側のパソコン・オーディオ部屋はCDラックとクローゼット収納の位置が変わっているのみ、ほとんど以前と雰囲気変わりません。築30年ほどのマンションはこの度改装したばかり、水回りと壁交換、玄関と浴室入り口に手すりも付きました。ちょっとした不具合(風呂場換気扇清掃、他水漏れ少々)も修繕お願いできました。洗面所排水口異臭はパイプクリーナーにて一旦収まっております。あれは(建築構造)抜本的なものなので仕方がないのか。
若いころの異動転勤というのは、こどもの学校問題もあったし、お仕事、生活とも不安+新しい意欲に溢れたものです。希望は≒先が見えない、ということにちょっぴり似るものか。法律が変わって、定年延長など強制になるのかも知れぬが、ここ名古屋方面の土地にも職場にも(仮に大阪であっても)未練はありません。あと4年、先は見えてますよ。さほどに”余人を以って代え難い!”お仕事してませんって。ここ数年ハードなお仕事に苦しんで、新しい環境へ、気分転換とちょっぴり人生の休憩〜って、職場の若い連中に申し訳ないけれど。
天候に恵まれ(朝に雨が降らなかった)転居2週間、早朝ウォーキング皆勤賞です。なんせ空気も良いし、杁ケ池(いりがいけ)公園一周+そこまで往復距離もちょうどエエ感じの運動です。空気も良い。付近の住民参加は少ないなぁ、人口尼崎(40万人)、長久手市(5万人)の差か。もとより若い人が多いエリアらしい(こどもも多い)し、学生も多い。前回岡山→大阪転勤でも1年以上四苦八苦した記憶はあるから、ゆっくり焦らずご当地に馴染んでいきましょう。
まだ、新生活は始まったばかり。
● 転居やらなんやらで、落ち着かなかった先月のヴェリ・ベスト。
■Tchaikovsky 交響曲第5番ホ短調〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団(1958年)・・・この人の録音を聴く度、感想はいつも同じ。厳しい統率力、指揮者の意志が細部迄透徹したみごとなアンサンブル、個別パートの”色”が突出しない完璧バランス・・・そしてテンション高く、けっこうアツい、けっして”冷たい”もんじゃありませんよ。終楽章テンポは疾走して、激しく燃え上がります。暑苦しい露西亜風でもない、独墺系かっちり構成方面ながら堅苦しくはない・・・けど、やはり息詰まるような緊張感継続して、最終楽章まで一気!素晴らしい。
■Mussorgsky/Ravel 編「展覧会の絵」〜ラファエル・クーベリック/シカゴ交響楽団(1951年)・・・快速テンポ、きんきんにテンションの高い強烈アンサンブル。息もつかせぬほどの緊張感連続。シカゴ交響楽団って、フリッツ・ライナー以前からこんなハード・ボイルドなサウンドだったのだね。録音はもっと凄くて、うっかり聴いているとモノラルとは俄に信じがたいほど・・・とは一年前の印象。上記にプラスとすると、スウィング感のある若々しいリズムだな。とにかく強烈。
■Bach 管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067/第3番ニ長調BWV1068〜ニコラウス・アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス/レオポルト・シュタストニー(fl)(1983年)・・・なぜか1966年旧録音のほうが評判よろしくて、こちらディジタル録音は意外と入手しにくにいのが謎。ブランデンブルク協奏曲と並んで、もっともお気に入りの演奏は、素朴一辺倒とはいえぬ思わぬ表情の豊かさ、古楽器技量の高さによる説得力、躍動するリズムに貫禄を感じるほど。じつはパイヤール/ジャン・マリー・ルクレール合奏団による1957年録音を聴く機会があって、これがお仏蘭西?と訝るほどに重苦しい厚みに驚きました。バロック音楽って時代の証言モロですね。
■Beethoven ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 作品13「悲愴」/第9番ホ長調 作品14-1/第10番ト長調 作品14-2〜グレン・グールド(p)(1966年)・・・ちゃんと音にして聴けば感動ひとしお、しかし棚中より取り出す意欲も起きない・・・のは苦手意識先入観なのでしょう。この個性は別格!重厚劇的なる威圧タッチに非ず、よく歌い、考えぬかれた構成のみごとさ、わかりやすさ。馴染みの「悲愴」は情感豊かであり、タッチの明晰さは際立って魅力的。第9/10番も技巧に打たれるけれど、メカニカルに強靭!といったことではなく、わかりやすさに寄与していると理解できます。現代の感覚からはきらきらぴかぴか音質とは思えぬけれど、ピアノの存在感はリアルに感じられて、これはこれで優秀録音かも。
■Haydn 交響曲第94番ト長調「驚愕」/第100番ト長調「軍隊」(1984年)/第104番ニ長調「ロンドン」(1983年)〜クリストファー・ホグウッド/アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック・・・もともとHaydnの聴取不足を自覚していて、古楽器による演奏もこれが(おそらく)初耳。売れなくて途中挫折したらしい未完の全集より。ワハハと笑ってしまうくらい、素朴チープ薄っぺらなサウンドは予想通り、室内管弦楽というより、フォルピアノの存在感光って、フルート前面に活躍、躍動する(ほとんど)室内楽イメージであります。この方向好き嫌いなど論議の外、大編成現代オーケストラによる演奏(これが昔馴染の刷り込み)とはまったく別物、Mahler 作品の室内楽編成版ってあるじゃないっすか、あんな手応えでっせ。よう知った旋律が別な切り口にて新鮮に輝く・・・現代大ホールに響くべき演奏かどうかは別物、もしかしたら当時はこんなサウンドだったのかも、と不思議なキモチにて拝聴いたしました。
■Mozart 歌劇「魔笛」〜フェレンツ・フリッチャイ/ベルリンRIAS交響楽団/合唱団/リタ・シュトライヒ(s)/ヨーゼフ・グラインドル(b)/マリア・シュターダー(s)/エルンスト・ヘフリガー(t)/ディートリヒ・フィッシャー=ディスカウ(br)/キム・ボルイ(b)/リザ・オットー(s)(1955年)・・・拝聴中。モノラル末期、音質良好です。古楽器による快速爽快〜と持ち上げたばかり、こちらフリッチャイのテンションの高さ、引き締まったアンサンブル、表情豊かなニュアンスに打たれます。歌い手が超・豪華メンバー!しかしねぇ、フィッシャー=ディスカウのパパゲーノっちゅうのはいかがなもんでしょうか。上手いけどね、なんかもの凄い生真面目なカンチガイに聞こえました。ヘフリガーは気品があるなぁ・・・って、やはりこちらのほうが耳慣れて、安心できました。
(2013年4月1日)
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