かたちのないもの
物欲は年々減退していて、とくべつに欲しくて渇望!みたいなものはなくなりました。若い頃は”次のボーナスでなにを買おうか”なんて、愉しみもあったんだけれど、いつの間にかそんな感覚も忘れました。贅沢になったんでしょう。テレビが壊れればすぐ買うし、無線LANが調子悪くて、すぐ新しいのを注文しちゃったのも、ちょうど一年前。そうえば昨年末ノートパソコンを2台も入手したっけ。1995年、最初に自分で買ったWindows3.1マシン(Aiwa)が13万だった記憶があるけど、ずいぶん値下がりしましたから。
「音楽日誌」見れば贅沢三昧一目瞭然、でもね。週末銭湯はご近所で400円也、ほんの二駅離れたほんまもんの温泉だって750円。外食が多いじゃないの、というご指摘には、ウチにはクルマありませんから、煙草も吸わない”無煙派”一筋でっせ、と答えておきましょう。もちろん、パチンコその他博打(ついでに株とか云々投資、宝くじとか)一切手を出したことはない。あるものを大切に使う、少々の不便はなんということもない・・・音楽にはずいぶんと出費してきたかも知れぬが、ここ6年は”CD売るほう”が主になっているMusicLife也。いまや一番の出費は医療費という現実に愕然とするばかり。(女房殿=FPが確定申告して少々戻って参ります)
ポータブルCDプレーヤー歴はおそらく23年。途中MDウォークマン、なんてのもあったが消え去りました。きっかけはスマホの普及であって、いつのまにか”時代遅れ頑迷オヤジ”化しているんじゃないか、という不安(いや現実)→とうとう、ついに iPodClassic入手いたしました。ポータブルCDプレーヤーは昨年2011年2台も続けて壊してしまい、更に新たに入手した(安物)自主CD(CDR)を認識しない(希に認識する)、といった難行続発(いずれも人民中国製)。更にオークションにて中古激安品(国産メーカー品)を購ったが、電車中でCDや電池替えたりすると・・・
・・・なんやねん、このおっさん・・・(奇異と好奇な視線が集中)
んなこと、当方気にするほうじゃないが、さすがに取り扱いが最近メンドーかな?(カバンから出して云々・・・イヤホン延長コードも長いし)薄々感じてました。時代はどんどん便利になって、女房殿の決済を仰いだらamazon注文にてあっという間に現物到着しました。なんせ生来の文系王子(オヤジ?)、取説など絶対にみない(こともない)から、製品ロジック、哲学の齟齬に迷うこと数時間、自在に音源取り込むコツ覚えること数日、わずか1週間、もう元のMusicLifeに戻れまへんな。便利でっせぇ、いつでもどこでも手軽に音楽が掌中に。音質まぁまぁ。イヤホンは(もちろん)交換したけれど。
わずかCDR一枚十数円の自主CDだって、作成手間暇情報整理行為を愉しんではいるが、できあがってみたら「もう二度とき聴かない!」と決意させる演奏水準、音質水準であったり、ウッカリ、じつは既に所有していた!(これが意外と多い)焼くのに失敗した、トラック順を誤った、一楽章抜けた・・・そんなこんなで資源ムダにしたCDR100枚どころの騒ぎに非ず。倍か、三倍か、嗚呼もったいない。それも耐えられない。
数年前、たっぷり使い込んでノイズが交じるようになったトランジスタ・アンプ、あまりの猛暑に耐え切れなくなった真空管アンプを諦め、人民中国製ディジタル・アンプ(これが発熱もなく、クセもないエエ音質/もちろん激安)を愛用しても→将来先行きはやがて見えておる。iPod対応オーディオか。いろいろ出てますもんね。ぼちぼち検討しましょう。
ビニール製の黒い30cm円盤→虹色に輝く小さな円盤→(MDはすぐ消えちゃった)→いずれも、それはデータが刻まれたものだから、やがて”かたちのないもの”(=データそのもの)へと至るのは必定・・・棚中ごっそりCD貯めこむことの虚しさは、かなり以前から気付いておりました。ようやく遅れ馳せiPodハード・ディスクに音楽(データ)ぼちぼち仕込み始めました。その容量160gb(実際はもう少々足りない)、これだけあれば、”嗚呼、こりゃアカンな”という音源さえ、あわてて消去する必要もない余裕。
まだ先がありますよ。おそらくは結論的に”NML”へと至る〜(現在は契約解除済)CDを所有することに意味はない。データを所有する必要もない。音源=データは”クラウド”に有。”かたちあるもの”に固執する時代ではない・・・それで良いのだろうか。人間の感性がズレてしまわぬか。時代の変遷なのか。
● 例年よりスムースに(しかも事前情報通り)転勤辞令の内示がありました。ワタシはこのまま全国最年長現場カントク+プレーヤー継続らしい。ありがたいことです。心身とも鍛えなくっちゃ。人生の試練とも言うべきチームメンバー(中独連メンバー)は転勤となりました。上司とも「10人寄れば、そりゃ使えぬヤツいるで、性格悪くないし」と呑み話ししていたけれど、やがてお仕事切羽詰って(それに彼のちょんぼフォローに悪戦苦闘して)くると「彼がいないだけでプラスになる・・・」と考えを変えました。ずいぶん(激しく)説教し、粘り強く教え、助けてきたつもりだけれど、万策尽きました。2年間苦しかった(正確に言うとその前任2年も/あれはもっと酷かった・・・)〜愚痴です。
彼の前途に幸あれ!異動先でゆるゆると、楽しく過ごせることを祈りましょう。おそらくは余裕のないワタシ+時代があかんのでしょう。
一昨日より新しい年度のお仕事サイクルが実質的に始まっております。あつこち肘膝(時に頭も)痛いが、元気です。お正月が大昔みたい。
● 前月のヴェリ・ベスト振り返り。
●ふくずみ温泉。元旦早朝から通いました。週末のたのしみです。なんせあちこち痛いんで。
●iPodClassic これが日常になりつつある。
●Debussy 前奏曲集第1/2巻〜ワルター・ギーゼキング(p)(1953/4年)・・・定評ある鉄板演奏也。1990年代かなりの大枚はたいて”全集”CD購入した記憶有、知らぬ作品でもなし、でも、全然歯が立たなかった=まったく良さが理解できませんでした。モノラルでどんよりした音質でしたし。(意外と即処分)その後ベネデッティ・ミケランジェリによる濃密な演奏にて目覚め、アルカイック、怪しい旋律リズムの魅力の虜に・・・ギーゼキングはオーソドックスというか知的、むしろ淡々とした演奏表現なんですね。それだからこそ、作品の革新性が際立つ・・・パブリック・ドメイン故ネットからダウンロード可能だし、ワタシが聴いたのはDOCUMENTSの廉価盤。SACD化で凄い音質になったそうだけれど、これでも至福の70分を過ごすこと、可能。
Mahler 交響曲第4番ト長調〜スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ/ハレ管弦楽団/アリソン・ハーガン(s)(1991年)・・・Mr.Sがハレ管のシェフとして在任したのが、ロッホランの後任1983〜1992年のこと。偉大なるジョン・バルビローリの後、苦労したろうなぁ、皆。驚くべきアンサンブルの緻密さであり、オーケストラの技量に文句なし。テンポはかなり揺れるし、弦のポルタメント奏法も効果的、しかし太古録音に聴くキモチ悪甘さはなくて、清潔クリアであり、むしろ辛口のサウンド印象がありました。うむ、すっかりこの作品が好きになっちゃった、ますます。
アリソン・ハーガンって、独逸の人かな?知的で暖かい声は素敵でした。
●・・・泣けました。ふくい舞 / いくたびの櫻 (ドラマVer.)。まさにドラマ。万感迫る、人生の美しい黄昏。
●Ravel バレエ音楽「 ダフニスとクロエ」(全曲)〜アンタル・ドラティ/ミネアポリス交響楽団/マカレスター大学合唱団(1954年)・・・これも驚くべき優秀録音、ほとんどステレオ録音と遜色なし。同時期同レーベル、ポール・パレー/デトロイト交響楽団の繊細かつ剛直なるアンサンブルは承知していたけれど、こちらも賞賛に値するみごとな精密アンサンブル+馥郁たるニュアンス充分。ドラティの仏蘭西音楽?的先入感はあかんね。
(2012年2月1日)
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