2005年10月広島県大野浦

健康


 職場の旧友(ほぼ同世代)が鬱病にて倒れたことにはいろいろと感慨は深いものです。本人の性癖やらお仕事パターン、いろいろ要因はあったけれど、新年度の激務(もの凄い実務量増)、3年目の若い女性営業配置懇切丁寧実践指導(これは現在、自分がやっているお仕事なので、その労苦手間暇苦渋はよーくわかる)挙句、介護休職→退職がショックだったと思います。更にひとり鬱病にて休職(新型?)ともかく、それに親父さんの逝去〜条件は揃っちゃったな。

 自分の基本性癖、個性は変えられないけれど、状況やら立場の変化に伴って、どれだけお仕事改善(≒手抜き)できるか、ポイントなのでしょう。ラクになるための工夫なら徹夜も辞さず!というモットーでっせ。それと、やはり健康だな、いや増す体重増が重い課題、毎日のウォーキング+ストレッチは現状(辛くも)効いておりますよ。酒は「心」「身」両者中、”心”方面の健康維持!という屁理屈にて許してくださらぬか、遅く迄呑まずに早目に切り上げているし、毎日呑まぬ習慣だし。自宅では呑まないし。

 知人が次々倒れていくのはツラいものです。2年前、同世代旧知が東京本丸単身赴任中、職場にて倒れました(脳梗塞)。それ以来噂を聞きません(おそらく名古屋の自宅で療養しているのでしょう)。一年半前、お隣の職場(これも旧知の)やや下(バブル)世代、ヴェテラン女性営業担当はくも膜下出血にて倒れ、現役復帰できておりません。同世代同郷、別途お隣の職場担当を最近見ないな、と思ったら、重い病にて長期入院中・・・もう快復は望めぬらしい。哀しい、他人事ではありません。

 毎日、楽しく、明るく、ジョーダンかまして乗り切らんとな。先日、上司が呑み屋にて「お仕事はゲームやで」と言っておりました。ワタシの座右「お仕事は趣味」と同意であって、ゲームの好きな人は集中して一生懸命やるじゃないですか、趣味って細部凝るでしょ?疲れないでしょ。睡眠時間削るじゃないですか。そんなもんですよ。ほんまの趣味を趣味的テキトーにやる人はいないですよ。結局、健康がすべてなんだな。

 原発問題領土問題喧しい世情ながら、自分の身の回りにしか目が行かぬ狭い日常也。眼前の事象だけに囚われず、広い視野、長いスパンにて物事を考えられるようになりたいものです・・・と言いつつ、台風過ぎ、さっそく本日夜から東京入り、明日会議対応。目先の実務作業が遅々として進まぬのが悩みであります。

 先月のヴェリ・ベスト。

http://elbaulcoleccionista.blogspot.jp/2012/08/conciertos-brandemburgueses-vol-2.htmlBach ブランデンブルク協奏曲全曲〜ルドルフ・バウムガルトナー/ルツェルン音楽祭弦楽アンサンブル(1960年)・・・RCAへの再録音が有名であり、旧DG録音は(今尚評価高い)カール・リヒター盤との関係?存在が忘れ去られている音源であります。これがネットにて拝聴できるとは!オーレル・ニコレ(fl)、アドルフ・シュルバウム(tp)、シュナイダーハン(v)、ヴィンシャーマン(ob)、ハンス・マルティン・リンデ(bf)、カークパトリック(cem)など、そうそうたるソロを揃え、現代楽器ながらセンスは現代の耳でも違和感皆無、引き締まってノリノリのアンサンブル、たっぷり堪能させて下さいました。ニコレの禁欲的な音色の凄さ、カークパトリックは楽器が(ちょいと昔風)現代チェンバロのメカニックな響きながら、例の如し前のめり推進力の説得力も凄い。・・・ここ数日、痺れて聴いておりました。

水上勉「心筋梗塞の前夜」(文春文庫)・・・(もう古書でしか入手できぬ一冊らしい)天安門事件当日に居合わせた緊迫感、辛くも帰国し、心筋梗塞にて倒れ、九死に一生を得る迄、息詰まるような詳細精密描写に息もつけぬ集中を強いられます。彼の著作は一部エッセイを読んだのみ、不勉強前提に、Wikiをざっと見ても壮絶なる執筆意欲に驚くばかり。心臓2/3壊死しても85歳、ま、天寿を全うできるのだね。最晩年、ネットの世界にも興味を持たれていたとのこと。自らのゆるゆる自堕落な生活を痛く反省しております。精神の若々しさの大切さよ!

Ducretet-Thomson  DTL 93054Wagner 歌劇「ローエングリン」〜第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲、婚礼の合唱(心を込めて先導いたします)、「はるかな国へ」(ワルター・ガイスラー(t))/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲、「どこも迷いだ!」(ジェームズ・ピース(br))/「懸賞の歌」(ワルター・ガイスラー(t))〜レオポルド・ルートヴィヒ/ハンブルク州立歌劇場管弦楽団/合唱団(1955年)・・・モノラルLPのリッピングながら、かなり音質は良好。もの凄く雰囲気たっぷり、繊細であり、厚みがあり、ちょっぴり重苦しくも、劇場の雰囲気ぷんぷんいたします。有名な「婚礼の合唱」は神聖な静謐に充ち、二人の男声ソロにはちょっと大時代大仰な表情が素敵です。神々しい「ローエングリン」第1幕への前奏曲、溌剌とした第3幕への叫び。・・・「マイスタージンガー」前奏曲は堂々、勇壮、そしてちょっと田舎臭い熱気に溢れて、久々Wagnerの魅力を堪能いたしました。ワルター・ガイスラー(t)の「はるかな国へ」〜あれって第1楽章の静謐なる前奏曲旋律に乗って歌う〜いちどそれを聴いてしまうと、前奏曲(管弦楽)のみじゃどーも物足りない、勝手なことを感じておりました。

Shostakovich 歌劇「アーウィン・ドレッセのオペラ "貧しいコロンブス"」序曲/Scarlattiのソナタによる2曲の小品/ジャズ組曲第1番/タヒチ・トロット〜ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/ソヴィエット国立アカデミック交響楽団アンサンブル・・・1960年代の放送録音?(状態の良いモノラル)最近、お気に入りで毎日聴きまくっております。大仰なる交響曲にはまだアレルギーは完全に抜けないけれど、こんなユーモラスかつシニカルな小品集は大好き。Scarlattiのソナタによる2曲の小品はもの凄く愉しく、色彩豊か+剽軽。ジャズ組曲第1番とタヒチ・トロット(二人でお茶を)はけっこう著名で録音も多いけれど、あまりに上品過ぎ、立派に演奏してもあかんと思うんです。この演奏は上手いんだけれど、微妙に安っぽく、どこか怪しいテイストがあって、いままで聴いた中でもっとも親密な味わいに感銘を受けました。

Shostakovich ジャズ組曲第1番+1曲/タヒチ・トロット〜マリス・ヤンソンス/フィルデルフィア管弦楽団(1996年)・・・上記ロジェストヴェンスキーを数日聴いたあとには”ウヒヒ”と笑っちまうくらいゴージャスなサウンド、奥行き残響みごとなしっとり音質、どのパートも入念に歌い込まれて絶妙仕上げ、これは芸術作品だ!的絶対確信を以て精緻に上げられておりました。こちらも凄い。さすがフィラデルフィア管弦楽団。でもね・・・この作品って、ややインチキ臭いというか、ジョーダンでっせ、みたいなもんだと思うんですが。

Beethoven 交響曲第5番ハ短調〜オイゲン・ヨッフム/ベルリン・フィル(1951年)・・・PHILIPS録音、もちろんパブリック・ドメイン音源也。My自主CD初期制作物は、かなりエエ音しております。一般にこの時期のヨッフム旧録音は状態がよろしくて、フルトヴェングラー時代のちょっと艶消し+厚みのあるベルリン・フィルはみごとなものですよ。提示部繰り返し、終楽章は繰り返しなし、緊張感に充ちて、バランス感覚と余裕に溢れております。重過ぎず、適度にリズミカルであって旧態な印象を与えません。残り3回の録音も聴く機会を得たいものです。

(2012年10月1日)


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written by wabisuke hayashi