自然への関心が薄れていくこと、日常の感覚の退化
そろそろ紫陽花が青く育ってきて、もうすぐ色付いて梅雨となるのでしょう。5月は爽やかな季節、GW最中は久々の風邪(咽が腫れた)に苦しみ、半日休んで通院しただけ、なんとか、辛くもお仕事は毎日、粛々とクリアいたしました。エラいでしょ、って、フツウのサラリーマンなら当たり前のこと。たいしたお仕事でもないのに、精神的に余裕を失っていたのでしょう。「金環蝕に興味はない」と「音楽日誌」に書いたら、読者より「自然への関心が薄れていくことは日常の感覚の退化」「大自然の驚異への関心・・・音楽への感受性ともつながるように」との鋭いご指摘有。
まったくその通り。もう読書なんてぜんぜんしていないし、ぼんやりテレビばかり見ている日々。音楽への集中力をすっかり失って【♪ KechiKechi Classics ♪】 の更新頻度もますます減っております。もうお仕事先が見えている年齢、幸い無借金無財産生活、一人息子も自立しているし、がつがつ働く必要もなし、もっと余裕を以って、愉しんで毎日を過ごしたい・・・はずだったのに、こんなんではアカンなぁ。”追い込まれてる”ような毎日に慄(おのの)く日々。しあわせ、人生を愉しむためには、もっと工夫して、バランスいろいろ考えて努力せんと。
さすがに風邪最盛期には数日サボったが、ウォーキングは継続してますよ。この季節、早朝の空気はほんまに爽快。ほんの15分ほど、早朝であまり人もいないし、歩きつつ上半身ストレッチ(首含む)、途中時点で鉄棒など利用して下半身ストレッチもしております。両腕ぐるぐる回転前後各々40回づつ、けっこう工夫はしているんです。起床時に腹筋+腰の運動も必ず実行。真面目でしょ。
精神の貧困を反省して香雪美術館に行きました。ほんまもんの芸術品は実物に接してこそ実感できるもの。しかも狩野派でっせ、室町〜江戸時代迄、流派もいろいろ。御影辺りの高級住宅街も素敵でした。そういえば(風邪にて苦しみつつ)金沢21世紀美術館にも行ったっけ、凄く混んでました。ちょっと趣味嗜好が異なるので、やはり日本画のほうに親密を感じたけれど・・・美術館辺り(兼六園とか石川門とか)の風情が素敵なのは言うまでもありません。
やたらと酒席が多くて、しかも若いもん同行だったので、ずいぶん出費したような?胃の調子がよろしくないのは、そのせい+女房殿法事にて母親と東北ツアー敢行、10日ほど俄独身乱れた食生活の影響もあったのでしょう。反省。外食3日続くと味が濃くてあきまへんな。
● 先月のヴェリ・ベスト。
●Brahms 間奏曲集〜グレン・グールド(p)(1960年)・・・繊細に揺れ動いて、ウェットでも重厚でもないのに、この瑞々しい表情はなんという完成度。浪漫とは無関係なイメージが彼にはあるけれど、聴き手の耳を釘付けにする魅力横溢。
●Mozart 交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」〜ネヴィル・マリナー/ジ・アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ・・・旧PHILIPS録音1970年頃?例の演奏家クレジットのない音源サイトより。英ARGO辺り出始めの音源には心震わせて彼らの演奏を聴いたものだけれど、やがてメジャーになって大量録音、PHILIPS→EMIに遷った辺りから興味を失いました。あまりにオーソドックス、当たり前・・・これが現在の耳で聴くと、その”当たり前”=バランス感覚こそ新鮮、幾度聴いて厭きることはありません。自分の嗜好の変遷に驚くばかり。敬愛するヴォルフガングの作品なのに、後期交響曲集はあまりに馴染みすぎてここ最近、聴く機会も激減状態。久々、第35番「ハフナー」以降全部拝聴いたしました。満足感と達成感たっぷり有、96kbps(とやらの)音質は自主CD化して自宅コンポにて再生は厳しいんだけれど、iPodだったらこれで充分でしょう。
●Paul Paray / Cento Soli Orchestra 「in concert」〜Berlioz: Benvenuto Cellini Overture, Damnation of Faust excerpts; DELISLE: La Marseillaise(聴衆の歌入り); Dukas: The Sorcerer's Apprentice; Franck : Symphony in d ・・・ フリーで拾える音源でして、まさしく、間違いなくライヴ(ステレオ)音源。セント・ソリ管弦楽団ねぇ、録音だけかと思ったら演奏会もあったのか。アンサンブルやや粗く、馴染みの快速テンポにて疾走する、明るくも爽快なる演奏連続!なんかもの凄く祝祭的な雰囲気溢れてまして、まるで”プロムス”ラスト・ナイト、みたいな感じですよ。やや辛気くさい?と感じていた交響曲ニ短調も推進力抜群+明るいサウンドにて気持ちよく拝聴いたしました。
●久々真面目に、全部きっちり拝聴〜Bach 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調BWV1001(1954年)/パルティータ第1番ロ短調BWV1002(1956年)/ソナタ第2番イ短調BWV1003(1956年)/パルティータ第2番ニ短調BWV1004(1954年)/ソナタ第3番ハ長調BWV1005(1956年/パルティータ第3番ホ長調BWV1006(1955年)〜ナタン・ミルシテイン(v)・・・2時間以上たっぷり。1970年代のDG再録音は聴いたことがありません。旧録音はどーの云々論評もあるようだけれど、音質良好だし、テクニックのキレも最高、凛として気品のあるフレージング、端正な表現に陶然といたします。平易わかりやすい歌謡的旋律+リズムを堪能させて下さいました。たったヴァイオリン一挺にて、宇宙的広がりを感じさせて下さる名曲、名演奏。同時期録音シゲティは世評人気高いのに、こんな美しい演奏がどうして話題にならなかったの?不思議です。
(2012年6月1日)
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