我が街・長久手ご近所(Pralroidトイカメラにて撮影)

不思議な感覚


 お仕事やら体調云々の件は、もう千度同じ事を繰り返しているので止めましょう。こうして、昨年度までの激しいマネージャー職とほぼ同じ年収保証され、職住接近、(悪い)お友達もいない、そもそも職場では呑む習慣も、至近に呑むべき場所もない日々故、お小遣い的には使う術もありません。出張激減、変化の少ない毎日・・・さておき、ご当地での生活をもっと愉しむべきと思います・・・でもね

 ・・・わずか4ヶ月だから安易な結論には尚早ながら、地に脚は就いていない感じ。大阪→博多→岡山→大阪そして名古屋、自分の居所を自分で決められぬサラリーマンの性(さが)とはいえ、かつて悩んで苦しんで大騒ぎした土地には愛着を感じ、離れがたい思いに至ったものです。今回はサラリーマンとしてラスト職場、引退少々前のヴェテランには相応しい環境抜群、職住接近、時間も潤沢、通勤時間往復3時間!の全国ご同輩に比較して一日+2時間50分増えたような贅沢余裕生活・・・たまたま、ここが歴史の新しい郊外の新興住宅であるせいか、キレイなばかりで世俗な雑踏などない・・・子供は一杯いますよ。元気で遊んでおります。エエとこでっせ。

 外車のディーラー、スポーツカー専門のクルマ屋さん、学生も多いせいか、種々中古屋さん、もちろんBOOK・OFFもありますよ、好きな人は好きなんだろうし、なんかノーミソ前頭連合野硬くなりつつあるようで、新しい切り口を生活にみつけられないだけ。物欲がどんどこ削ぎ落とされていく感覚もあります。人生、新しいことにトライしなくなったらお仕舞いやな。ま、一年は忍耐と雌伏の日々に耐えましょう。今月は盆休み、学生時代4年連続通った上高地に訪問予定、前回は息子が小さかった記憶があるから、20数年ぶりか。せめて自然を満喫して、気分一新いたしましょう。大学OB会も有。

 先月のヴェリ・ベスト。【♪ KechiKechi Classics ♪】更新先月来、ずっと滞り気味。

PHILIPS 17CD-115 @250Chopin 夜想曲集(13曲収録)〜クラウディオ・アラウ(p)(1977/78年)・・・絶品!この人のレパートリーは独墺系中心、しかし、Chopin との相性の良さはかなり以前より気付いておりました。テンポも細部描き込みも入念、纏綿と歌って重心低いのに、後味がしつこくならない。これ以上ない!というくらい甘美な旋律連続して、充実した芯を感じさせる音色は、苦み走って漆黒に鈍く輝きます。第20番 嬰ハ短調(遺作)は平原綾香ちゃんが歌って有名になった、一番のお気に入り切ない旋律にもどっしりとした貫禄漂いました。音質極上。

小松秀樹「医療の限界」(新潮社新書) 2009年7月拝読していることを発見。医療ミスについて、隠蔽体質(たしかにそれは存在するかも)は問題だけれど、個人の責任問題のみにしてシステム問題を軽視することは”医療崩壊”を招きます。とかげの尻尾切りとか人身御供体質ですよね。医者や医療行為に無謬性を求めて、摘発告発が続いているけれど、それは刑事裁判上の刑量判断であって、ほんまの責任やら本質は別にある。直接のミスを犯した看護師さんだけに責任を問えば、そりゃ辞めますって。すべてを個人の責任に帰してしまえば、問題は改善されないのは当たり前。これは懲罰とか復讐の概念〜前半は記憶鮮明だったけれど、後半のアメリカ文化(医療訴訟の本場)の源泉詳細は日本との”文化”の違いを分析して手応えありました。

”実際被害を受けた側はどうなるんだ!”ということでしょうね。未だに(というかますます)医療番組(ドラマも含め)人気ありますよね。たしかに医者本人やら看護師の技量の差はあるでしょう。医局制度(現状はどうなっているんでしょうか)が技量向上のブレーキになっていたのも事実らしい。しかし、これほど医師に滅私奉公を求められ、時間単位あたりの収入、責任の重さ、激務、訴訟リスクを考えれば、行き着く先は”医療崩壊”でっせ。たったいま、自分は転居先で主治医を選ぶべき状態となって、その情報の少なさ(住所と営業時間くらいか)に少々驚いております。ネット情報もぜんぜんダメ、使える水準じゃない。

Weber序曲集 歌劇「オイリアンテ」/歌劇「妖精の王」/歌劇「アブ・ハッサン」/祝典序曲/歌劇「魔弾の射手」序曲/劇音楽「プレチオーザ」序曲/歌劇「オベロン」〜ヴォルフガング・サヴァリッシュ/フィルハーモニア管弦楽団(1958年)・・・これ、アンセルメに続けて聴いたら、フィルハーモニア管弦楽団の上手いこと!キラキラして細部よく整った明るい響き、テンションの高さ、切れ味。”未来の巨匠”=当時35歳のサヴァリッシュも溌剌として、音質も意外とよろしい。最強音にて少々音の濁りないでもないけど、ほとんど鮮度維持されておりました。美しい木管が印象的、いや弦も金管も皆驚きの出来にまちがいなし。

Brilliant  BRL93889Haydn 弦楽四重奏曲第81番ト長調 作品77-1「ロプコヴィッツ第1番」/第82番ヘ長調 作品77-2「ロプコヴィッツ第2番」/第83番 「アンダンテ」変ロ長調+「メヌエット」ニ短調 作品103〜ブッフベルガー弦楽四重奏団(2005年)・・・もう十数年前、全部聴いたろうと意欲に燃え、NAXOSのコダーイ弦楽四重奏団を累計7枚入手、挫折したもの。いまでも処分せずに棚にありまっせ。在庫作品とダブらぬこと、それと”細部が弾けていない”とか”音質にクセがある”古楽器団体演奏、とのネット上の噂に”これはぜひ聴いてみなくては!”と思い立ったもの。

Haydn最晩年、ラストの弦楽四重奏作品は清冽、いつも通りシンプルな世界に心洗われるような手応え有。愉悦と躍動、微妙な翳り、優雅な歌、軽妙な疾走。”細部が弾けていない”とか”音質にクセがある”とのネット上のご意見もなるほどなぁ、バリバリ弾き進む集中力アンサンブルに非ず、音質は会場の広がりを感じさせつつ、収録会場空間の空気感をちゃんと伝えるところまではいかない(やや散漫?)・・・ワタシ如きド・シロウトには充分過ぎる音質、演奏。シミジミ作品旋律の美しさを堪能いたしました。名曲揃い。

ミハエラ・ウルスレアサ(p)の遺産よりFERDINAND RIES(1784 - 1838)ピアノ五重奏曲ロ短調 作品74〜ミハエラ・ウルスレアサ(p)/ライナー・ホーネック(v)/クリスチャン・フローン(va)/アルト・ノラス(vc)/ユーレック・デュバール(cb)(2010年ライヴ)・・・ウィーン・フィルのコンマス先頭に名手揃いの協演、Beeやんと同郷の弟子フェルディナンド・リースの作品は初耳でした。これが名曲!Schubert を連想させる甘美な旋律+低弦強調の編成は、ピアノ協奏曲を思わせるスケール大きな第1楽章、名手アルト・ノラスの嫋々たるチェロから始まる第2楽章は、まるで清潔なChopin でっせ。最終楽章は陰影深い優秀なる旋律リズムにBrahms を連想いたしました。哀愁の色濃い旋律は、既に浪漫派の時代であります。

■(番外編)Beethoven 交響曲第5番ハ短調/第6番ヘ長調「田園」〜ウィリアム・スタインバーグ/ピッツバーグ交響楽団・・・1960年台前半?繰り返し実行、素っ気ないほどの快速、引き締まった厚み、金属的なサウンド、集中力、ノリ、涙が出るほど素晴らしい。畢竟、喰いもんも音楽も”想い出”探しているだけじゃないのか。音質は記憶よりずっと良好、なんせ「キング世界の名曲1000シリーズ」では「田園」片面詰め込み収録でっせ・・・「田園」との出会いはこれなんです。(「運命」「合唱」はオーマンディ)第1楽章はずいぶんとテンポ速いんじゃないか、第2楽章「小川のほとりの情景」(アンダンテ・モルト・モッソ)は小鳥の啼き交わしに陶然とした記憶蘇りました。弦が金属的、金管の響きが鋭く明るい(特にホルン)といった印象は変わりません。分厚い響き、細部アンサンブル優秀なこと、リズム感の良さ、音質はかなり優秀。後ろ向きの想い出に浸っておりました。

(2013年8月1日)


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written by wabisuke hayashi