2003年11月鳥取砂丘

半年


 なんの因果か、思わぬ名古屋への転居まる半年経過。自業自得?はたまた巡り合わせなのか、お仕事異様にツマらなく、しかも超ヒマ。ようやくお仕事分担少々増えて退屈しなくなってきたけれど、惚けまっせ、こんなユルユルお仕事ばかりじゃ、ノーミソ弱まっております。歴代この分野担当はなにしていたの?これが仕事と信じてきたのか。ここ2年担当していた若者は優秀、悲惨だったと思いますよ。ワタシは(旧態残滓の)デストロイヤーとして余生を過ごしましょう。全部変えて、ひっくり返しまっせ、この際。ちょうど辣腕パートさん60歳引退だし、この道20年大ヴェテラン(完全に自分だけの世界を作っている)相方にも完全に外れていただくよう、ちゃくちゃくと手は打っております。(土壇場うっちゃりはあり得る)

 体調は行ったり来たり。ここ数年出張続き、会議資料行事対応にて苦しかったけれど、こんなゆったり生活でさえ相変わらず微妙に風邪気味、睡眠不如意だったり、眼の異常が見つかったり〜酒はほとんどやめているんだけどね。ブツクサしょーもない後期中年サラリーマンの愚痴並べても秋はやってきて、本日よりネクタイ着用。もう冬でっせ。速攻2013年も終わりに接近しております。今月良かったこと、いくつか。ご近所に料理の美味しい店、2件発見。「いけぜん」(富山の味)、「鉢屋」(料理極上)、贅沢言えば”お酒が安くて美味しい店”も欲しいところですね。

 いろいろ巡り合わせが悪くて、余ってしまったプリンターは無事オークションにて沖縄に行きました。(使えるものを捨てるのは忍びない)CDオークションは苦戦しつつ7枚落札有。また棚が空きました。Windows8.1へのアップ・デートが予想外の成果だったこと。丸4年を超え、AspireRevo(R3600/32bit版7)引き続き安定していること。「Spec」に偶然出会って録画、再放送含めなんども堪能したこと。さばさばした戸田恵梨香(餃子女)にすっかり惚れました。(映画は見ておりません)日々、少しずつ佳きことを探しましょう。

 来月、恒例年中行事北海道の母親が出てくることになりました。親父ひとり留守番(家事はなんでもできる)は慣れていても、さすがに高齢だからなぁ、ちょっぴり心配です。かつて達筆であったのに、手が震えもっぱらワープロ「CASIO HW955」(平成元年発売!四半世紀活躍)愛用、年賀状宛名も一枚一枚それで清書していたそう(データ保存という概念は持っていない)。近親者逝去にて2年連続喪中、久々の年賀状に「宛名書いてくれないか」との依頼有、数年前にまとめ買いしてあげたインクもなくなったとのこと。ま、こちらは一度入力すれば繰り返し取り出せるので快諾いたしました。数年後、別な用途に使えるかも。

 先月のヴェリ・ベスト。

SRCR 8545新しい発見(というのも恥ずかしい)Bach カンタータ「いざ、勇ましきラッパの嚠喨(りゅうりょう)たる調べよ」BWV.207a/「忍びよれ、たわむれる波よ」BWV.206〜ルート・ツィーザク(s)/マイケル・チャンス(ct)/クリストフ・プレガルディエン(t)/ペーター・コーイ(bs)/フリーダー・ベルニウス/シュトゥットガルト室内合唱団/コンチェルト・ケルン(1990年)・・・嚠喨(りゅうりょう)たる、ってすごい訳でんな(フツウ読めんがな)。朗々たるでも意味通じるんじゃないの。「鳴り交わす絃の相和せる競いよ」BWV207とほとんど同じ、つまりブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調(第1曲/第5曲)からの引用が含まれ、ヴィヴィッドな古楽器アンサンブルに馴染みの旋律パートの一部は声楽に置き換わって新鮮そのもの。最高っす。

NAXOS 8.557628Arriaga (1806-1826)弦楽四重奏曲第1番ニ短調/第2番イ長調/第3番 変ホ長調〜カメラータ・ボッケリーニ(2003年)・・・キャッチ・フレーズは「西班牙のMozart 」(誕生日は同じ )19歳にて夭折。あながち看板に偽りはなくて、”短調哀愁のMozart ”風情なる濃密甘美な作風(もちろん半生記時代差有)に心奪われます。って、旋律に馴染みがあるのはおそらく、FMエア・チェック・カセットにて若い頃に聴いていたせいでしょう。古楽器?(perform on authentic Italian instruments≒イタリアの歴史あるエエ楽器使うているよ、という意味?)ほんまか、そのわりにヴィヴラートあるけれど。軽快なリズム感、清潔な浪漫(時に西班牙らしいリズムも)香る、情感豊か魅惑の旋律溢れて延々連続、これが二十歳前の青年の作とは俄に信じがたい完成度、68分夢のように過ぎ去ります。名前から類推してイタリア人主体のメンバー(Massimo Spadano, Mauro Rossi (v), David Quiggle (va), Luigi Piovano (vc))はよく歌って、歯切れのよいリズム感、美しい音色を満喫させて下さいました。

Schubert 弦楽五重奏曲ハ長調D.956〜ヴェラ・ベス/ジョディ・ガトウッド/リサ・ラウテンバーグ(v)/スティーヴイン・ダン(va)/ケネス・スロウィック/アンナー・ビルスマ(vc)(1991年)・・・ヴェーグ/カザルス(1961年)に対する敬意はいささかも揺るがぬ・・・けれど30年後一世代回って、こちら古楽器による溌剌とした躍動を拝聴すると、時代は遷ったことを痛感いたします。天国のように美しい旋律、泉のように湧き出る風情、ノン・ヴィヴラートによる軽快清潔、ニュアンス豊かな陰影表現をたっぷり堪能いたしました。こちらすっきりバランスよろしく、チェロが突出しない。カザルス盤はさすがに少々重いかと。

Brahms ピアノ・トリオ第1番 変ロ長調 作品8〜アルトゥール・ルービンシュタイン(p)/ヘンリク・シェリング(v)/ピエール・フルニエ(vc)(1972年)・・・ルービンシュタイン当時85歳、美しいピアノやなぁ。昨日、久々北海道に電話したら親父が出て88歳、声の張りに驚きました。精進すれば高齢に至っても元気でいられる、ということですね。憧憬に充ちた第1楽章「Allegro con brio」素敵な、交響曲の構えを連想させる気分壮大なる作品、大好きです。ピアノの暖かいタッチ、フルニエの気品溢れる音色、控えめなシェリング、ほとんど絶品。やはり最近緩徐楽章への嗜好強まって第3楽章「Adagio」静かに深呼吸するようなところ、特に気に入りました。

DG 471415-2/15枚組 総経費込8,400円〜高い!Mahler 交響曲第1番ニ長調〜ジュゼッペ・シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団(1989年)・・・Bach 、Mozart 、Mahler 、Stravinsky 結局この4人にお気に入りは収斂され、CD(データ音源)収集も拝聴機会も多い。あまりに所有数が多い、とくにMahler は大曲であり、聴いても聴いても・・・状態の挙句、あまり聴いていないことになりがちです。この全集こそ、一番のお気に入りだったはず。一部でさえ前回拝聴は既に2年前、夜遅く音量小さく拝聴いたしました。清潔なオーケストラのサウンドは緻密、よく歌う表現、会場の空気が伝わるような空間認識、時にたっぷりテンポを揺らせてよく歌う、メリハリやら変化充分・・・結論的にとても怪しい、イヤらしい雰囲気満載。日常そこにあるMahler ではない、もっと特別な、出会った頃の新鮮な感触が蘇りました。こんなに感銘を受けたのは久々かも。

(2013年11月1日)


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written by wabisuke hayashi