一年前を振り返ると・・・
雌伏の日々過ぎております。これがなんとか”至福の日々”にならぬものか。ますます狭い範囲に引きこもる毎日、2013年度は仕方がない、こんな時もありますよ。ちょうど一年前の「近況」を確認すると、心身とも健康の大切を噛み締めておりました。”2年前、同世代旧知が東京本丸単身赴任中、職場にて倒れました(脳梗塞)”というのが現職の2代前担当、まさか一年後その悪しき遺産(というかなんというか・・・)に苦しんでいるとはなぁ、人生どんな巡り合わせになるかわからない。件(くだん)の彼は未だ快復・復帰の目処は立ちません。お子さんは二人、社会人にはなっていなかったはず、たいへんやなぁ。自分なんかグズグズ文句言っているだけ、ずいぶんと恵まれておりますよ。
初代AspireRevo(R3600)入手丸4年、保証期間内に一度修理しているけれど、その後順調です。(「7」32bit)経験的にパソコンの寿命は4年くらい・・・基本スペックが機能進化に追いつかぬ、と言う前に、以前はけっこう増設とかいろいろやっておりましたから。今回のは光学ドライブもない閉鎖的ミニマシン、OSを「7」にアップして、それなりにソフトは入れ、毎日酷使したけれど、内部ハードをド・シロウトいじりやっておりません。内蔵無線LANの認識には苦労していたけれど、わずか数日前、ドライバの更新したら改善されました。Atomマシンはやたらと遅いけれど、んなこと言い出したらキリありません。動く限り、だましだまし使いますよ。
あたりまえに、フツウに稼働してくださることに感謝。なにごともね。
諸富祥彦「人生を半分あきらめて生きる」(幻冬舎新書)・・・2012年発売。書籍にノウハウを求めない、と言うのは鉄則中の鉄則。今や新書というのは、かつての岩波新書の如く永遠の価値を保つものに非ず、世相を反映して寿命は短いのでしょう。”努力すればすべて夢は叶う”という時代は終わった、頑張れ、というのは虚しいばかり、という指摘も正しいと思います。現実と折り合いをつけてなんとか、毎日遣り過す、ということにも共感いたします。後半は鬱病の話題に至って人々への深い激励、ワタシが求めていたものとは方向が異なりました。
5年ほど前「人生を半分降りる、ということ」というコメントを残していて、その時も苦しかったんだよなぁ。やがて復活をしたんだけど。2年ほど前には
ずいぶん若い頃から”人生を半分降りる”(精神的には)ことを実践してきたつもり、つまり”出世のため馬車馬のように働く!上の顔色を見る”こととは無縁の生活でした・・・って、似たようなことを言っているなぁ。これネタ元があって中島 義道「人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ」(ちくま文庫)なんです。時代が少々緩かったせいか、こちらほうが身上にフィットして、浮世の義理からちょっぴり逃げるといったことかな。わずか数年後、世の中はもっと切迫したんでしょうか。世知辛いなぁ。アウシェヴィッツの中でも人間性を失わぬ〜そんな例の引用が必要な時代になっちまったのか。
● 先月のヴェリ・ベスト。
■Vanhal(ヴァンハル1739-1813) 交響曲ト短調 Bryan Gm1/Mahaut(マオー1719-1785)交響曲第4番ハ短調/Reicha(ライヒャ1770-1836)交響曲 変ホ長調 作品41/Kraus(クラウス1756-1972)交響曲ハ短調〜ハンス・マルティン・リンデ/カペラ・コロニエンシス・・・Mozart 時代の交響曲といった趣旨らしい。録音情報不明のディジタル録音、かつて安かったが廃盤、現在はNMLにて拝聴可能。カペラ・コロニエンシスは厚みのあるサウンドを誇る古楽器団体、名手リンデの指揮のもと、抜群に楽しい作品サウンド続きます。
云々と比べて、というのは禁句ながら、先日拝聴のMichael Haydn。あれも名曲と思うし、美しい現代楽器アンサンブルに間違いなし。しかし、色彩の変化とか溌剌リズム、スピード感、こちらの楽しさは比較にならぬほどのもの。作品個性もあるけれど、古楽器による陰影豊かな表現が作品の魅力発揮に寄与しているでしょう。短調作品の深い哀愁、このCD唯一の長調作品であるReichaのスケールなどしっかり伝わります。これは表現技術の勝利かな? ■静かな音楽を聴きたい・・・Messiaen 「世の終わりのための四重奏曲」〜ニューヨーク・フィロムジカ室内アンサンブル(1972年リリースとの表記)拝聴・・・戦中独逸の収容所にて書かれた前衛的暗鬱難解作品?トゥランガリーラ交響曲に馴染んでから、素敵にキラキラした世界を堪能できるようになりました。 イシドア・コーエン(v)ってジュリアード弦楽四重奏団でしたっけ?ティモシー・エディ(vc)ってオライオン弦楽四重奏団のメンバーか。ジョセフ・ラバイ(cl)は音源はあるけど、経歴は探せない。ロバート・レヴィン(p)は彼(か)の古楽器の名手のことでしょうか。日本の発売窓口が狭かった廉価盤レーベルVOXへの録音が多かったから、知名度の低い団体はけっこうな実力派でした。
かつてピーター・ゼルキン(p)、リチャード・ストルツマン(cl)等アンサンブル・タッシで話題になった作品、最近人気ないなぁ。静謐、諦観、希望、ラスト「イエズスの永遠性への賛歌」に至って(ワタシみたいな無神論者でも)感銘粛々と押し寄せて45分は短く終わりました。続くLe merle noir(黒つぐみ)を担当するのはペイジ・ブルック(fl)、この人はたしかニューヨーク・フィルの奏者。(ピアノはロバート・レヴィン)Messiaenの鳥の声描写執着には驚くばかり、こんな儚げな声に日本人の感性は共感いたします。わずか6分ほど。
■Salieri オーボエ、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ニ長調/フルートとオーボエのための協奏曲 ハ長調/シンフォニア「ラ・ヴェネツィアーナ」〜ブダペスト・ストリングス/ラヨシュ・ランチェセス(ob)/ヤーノシュ・バーリント(fl)/ベーラ・バンファルヴィ(v)/カーロイ・ボトヴァイ(vc)(1994年)・・・フルートとオーボエのための協奏曲 ハ長調って、その昔DGの廉価盤LP(ニコレ(fl)/ホリガー(ob)/マーク/バンベルク交響楽団)にて拝聴して馴染みの旋律、Mozart の敵役としてのイメージばかり(あくまで映画の設定です。5歳年上)、こうしてみると愉悦と陰影に溢れ、美しい旋律連続ばかり。ソロの掛け合いは小鳥の歌のよう。ブダペスト・ストリングスは(少なくとも日本では)まったく知名度低い、じつは素晴らしい技量を誇る現代楽器アンサンブルであります。オーボエ、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ニ長調はティンパニも入ってスケール大きく、オーボエもヴァイオリンも(古典時期作品には相応しくないほど)艶々優雅な音色が夢見るように甘美、音質も極上。シンプルな旋律リズムが明るく、ノンビリとした風情が堪らぬ魅力。Haydnを連想いたしました。
シンフォニア(ヴェネツィア風?)は緩急緩の小交響曲。わずか8分ほどの親密な世界であります。J.C.Bach を連想いたしました。
■Schumann ピアノ協奏曲イ短調/Chopin ピアノ協奏曲第2番イ短調〜フー・ツォン(p)/ペーター・マーク/ロンドン交響楽団(1960年)・・・往年のWESTMINSTER録音、ご教授いただいたサイトより音源入手したもの。(ウィーン国立歌劇場管弦楽団は誤り)さすがにやや曇った音質は、聴き進むにつれ気にならなくなりました。当時26歳、名前ばかり、ほとんど拝聴機会はなかった(メジャーレーベルへの録音は少なかった?)名ピアニスト、馴染みの作品はいつになく新鮮に響きます。噂ではかなり浪漫な演奏をするとのこと、ここでは恣意的な表現皆無、四角四面でも未熟でもない、初々しい情感と熱気と勢いに溢れておりました。ペーター・マークの伴奏もお見事。
(2013年10月1日)
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