2014年12月18日ご近所大雪!

2015年念頭に思うこと、だらだらと


 正規雇用での定年迄、残り2年となりました。今年の宿題は”次”の道を探すこと、心身ともの健康を維持することでしょう。

 自分には縁の薄い話題だけれど、金持ちってどんな感じ?一説によると一定の年収以上になると「シアワセ体感」はむしろ落ちるんだそう。ある人の実感だと”暖房がある暮らし”みたいなもの、やがてそれが当たり前、寒いことに難儀していた人にとってはシアワセに間違いないけど、すぐに慣れてしまうんでしょうね。健康の大切さは失って初めて自覚できるのかも。胃の調子が悪くなると、胃の形、存在を意識するもの。こどもが小さかった頃毎日ばたばたしていて、でもあの頃が一番シアワセだったと今らなわかります。

 戦中〜戦後派である親世代(昭和最初期生)は日本そのものが貧しかったし、高度成長時代を経、豊かさの価値を知っているのだろうな。その高度成長を支えた団塊の世代はいかがでしょうか。中途半端な(人数少ない)我らがポスト・団塊も引退間近になって、その価値観が問われて、個人的にはビンボー症が一生抜けない。子供の頃(白黒)テレビがやってきた喜び、カラーに変わった驚きも知っていますよ。貧しい家だったから自宅に電話はなくてお隣”呼び出し電話”(完全死語)でした。就職したころにファックスは存在しなくて、商品の受発注は電話聞き取り、手書きでした。

 やがて職場にワープロがやってきて、それはパーソナルではなかった。ワープロ専用機(印刷機能付)が庶民の手に届くようになって(それでも文豪mini5は10万円以上)やがて98ブーム(初代機はPC-9801N/1989年11月発売/バブル時代やな)がやってきて、ウィンドウズ95ブーム大爆発はもう、すぐそこでした。ウォシュレット登場は感動もの(寿命10年伸びた快感有)。未来は必ず明るい、豊かになると素直に信じられた記憶は鮮明です。1995年阪神大震災からケータイ持たされたけど、すぐ飽きたというか、うれしくない存在になっちまったな(オジサンにはお仕事トラブルしか連絡がない)。こんもりしたブラウン管テレビ、ディスプレイはどこに消えたの?

 90歳になった親父はワープロ「CASIO HW955」(平成元年=1989年発売/6行表示/ひらがな入力)を未だに愛用して時は止まったまま(途中ACケーブル故障。同一型をオークションでもう一台入手)。インターネットはもちろん、ケータイ・スマホにたどり付いておりません。ま、息子(=ワシ)もスマホには手を出しておりませんから。Windows3.1からのパソコン生活、ネット接続は1998年、当時ダイヤル・アップでしたよ。中学生だった息子が親父の留守中にエロサイトを眺めて、ベラルーシ共和国辺りから7,000円ほどの請求書が届いたのも懐かしい(恥ずかしい)思い出、爾来息子は”絶対に親にバレないスキル”を身に着け、立派な社会人となりました。

 Windowsは3.1(FD版であった!)→95(大ブーム)→98→Me(これって、実質上98と変わらない?)→2000(系統が違うらしい/安定して佳きOSであった)→XP(息長い名OS)→Vista(ネット界では存在しなかったことに?)→7(ここから現役)→8→8.1・・・次は10なんだそう。もう新しいWindowsOSを入手することはないでしょう(無料なら検討価値有)。種々Linux(無料)もド・シロウトにちょっぴり身近なものになってきました。XPパソコンの大量普及後→大量廃棄はもったいない、昨年2014年4月に6年物AspireOne(Atom/1gb)3,240円(税込)中古入手して、非WindowsOSいろいろと遊んでおりました。(正月北海道帰省にも持参/スペックとして時代遅れでも、充分マシンとして美しい)

 2015年2月NTT光回線契約が切れるので、固定電話廃止します。女房殿のケータイで日常連絡は充分、ネット環境はポケットWifiへ(どこのがエエのか鋭意検討中)自分は引退迄業務用ケータイもありますから。バッテリー保ちのよろしくないスマホは次の課題だな。ドスパラタブレット(wifi/なんちゃってNexus7化)もありますし。

 現職場引退まであと2年、ここ2年名古屋(正確には長久手)にはほんま、苦労しました。役職定年〜お仕事が引退モードになったこと、職場内外の文化環境が激変したこと、こちらは夏猛暑、冬かなり寒さ厳しく、地球温暖化とやら異常気象もあるのでしょう。しかしなんといっても若い頃の柔軟性、適応性が弱まっているのが主要因ではないのか、そう考えております。おそらくは古いマンション(30年もの改装済)内壁奥カビと類推されるアレルギーにも苦しんで、睡眠不如意な日々。

 さて、2015年は如何なりますことやら。昨年一年を振り返ってそんなことを考えました。

 2014年拝聴音楽ヴェリ・ベスト総集編。できるだけ新しい発見揃えましょう。

ミハエラ・ウルスレアサ(p)の遺産よりFERDINAND RIES(1784 - 1838)ピアノ五重奏曲ロ短調 作品74〜ミハエラ・ウルスレアサ(p)/ライナー・ホーネック(v)/クリスチャン・フローン(va)/アルト・ノラス(vc)/ユーレック・デュバール(cb)(2010年ライヴ)・・・ウィーン・フィルのコンマス先頭に名手揃いの協演、Beeやんと同郷の弟子フェルディナンド・リースの作品は初耳でした。これが名曲!Schubert を連想させる甘美な旋律+低弦強調の編成は、ピアノ協奏曲を思わせるスケール大きな第1楽章、名手アルト・ノラスの嫋々たるチェロから始まる第2楽章は、まるで清潔なChopin でっせ。最終楽章は陰影深い優秀なる旋律リズムにBrahms を連想いたしました。哀愁の色濃い旋律は、既に浪漫派の時代であります。(2014年1月)

●パソコン入手。AspireRevo4年3ヶ月しっかり働いて基板の電池切れ(交換実質不可)寿命、eMachines E732Z(「7」64bit/メモリ4gb/参萬圓也)入手。キカイというのはほんま、当たり外れなのだな。金額の多寡に非ず。(2014年2月)

eurodisc  353 266   3枚組$5.97(?)にて購入Debussy 歌劇「ペレアスとメリサンド」〜セルジュ・ボド/リヨン国立管弦楽団/アンサンブル・ヴォーカル・ドゥ・ブルゴーニュ/ブルゴーニュ合唱団/クロード・ドルモイ(ペレアス)/ミシェレ・コマンド(メリサンド)/ガブリエル・バキエ(ゴロー)他(1978年)・・・かつて数度聴いて歯が立たなかった作品であります。十数年前のコメントは

あまりに知識的に不足していてコメント不能状態。全編、囁くような音楽でホンワカと美しく、気持ちよ〜く眠くなる。RCA録音らしいが、なぜか本国では不遇のボドの演奏が楽しめるCD。ペレアスとメリサンドの対話の中で、個々の激情の高揚は散見されるが、延々と聴かせるサビ、みたいなアリアは存在しないようで、ひたすら夢見るような霧の中を彷徨う音楽か。リヨン管も録音も極上
このコメント以上のものを持ち合わせぬ情けない状態・・・でもね。”歯が立たない”みたいなことはなくて、仏蘭西語の抑揚をそのまま旋律に、といった風情に酔いました。筋書きも妖しいもの、言語理解不能でもその”妖しさ”をしっかり堪能出来、旋律、抑揚の繊細な美しさをしっかり受け止めること可能です。ここ数年、起承転結はっきり、メリハリ四角四面音楽より、こういった延々とエピソード続く危うい風情、時に激情も・・・みたいな作品が嗜好に変わっております。

著名な「海」よりずっと愉しい。演奏云々はようわかりまへん・・・ネット検索しても、あまり出現せぬ音源らしい。20年以上前、たしか円高の時期に激安個人輸入したはず(3枚組$5.97+送料)。オール・仏蘭西勢、おそらくは言語の正確さ美しさ際立って、リヨン管弦楽団も雰囲気たっぷり、音質も悪くない。ネットではオーケストラが弱いとか音質が悪い、みたいな言及もありました(LP印象か)。ヘタクソなイラスト風デザインには少々ガッカリ。(2014年3月)

この時期、華麗なる加齢にインフルエンザ(初体験?)B型に苦しみました。

SDG705Beethoven 序曲「コリオラン」作品62/Gabrieli サンクトゥス、ベネディクトゥス(12声)/SCHU”TZ「サウル、サウル、なぜ私を迫害するのか」SWV 415/Bach 「私の目は常に主に注がれています」/「主は私の足を」〜カンタータ「主よ、われは汝を求む」BWV 150より/Brahms 宗教的歌曲「惜しみなく与えよ」作品30(合唱)/混声8部合唱曲「祭典と記念の格言」作品109/交響曲第4番ホ短調 作品98〜ジョン・エリオット・ガーディナー/モンテヴェルディ合唱団/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク(2008年)・・・メインは交響曲、速めのテンポ、燃えるようにヴィヴィッドな推進力に打たれることは前提。その前段、終楽章第1変奏に影響を与えていると研究から「コリオラン」、シャコンヌの主題はBach にインスパイアされている〜こんな知的な成果を凝縮した一枚也。歴代名演奏犇(ひし)めく名曲中の名曲に、新たな切り口を加え、世に問うといった真摯な姿勢に打たれたものです。新しい録音はこうじゃないと!(2014年4月)

AspireOne A150白 Atom1.6/メモリ1gb●この時期、消費税8%になったのに贅沢、6年物AspireOne A150/3,240円入手、Zorin OS Lite Remix(→数カ月後、オススメもあってLinuxBean)導入

●Grieg 抒情小曲集 作品第5巻 作品54/第6巻 作品57/第7巻 作品62〜エヴァ・クナルダール(p)(1977年)・・・クナルダールはノルウェイのヴェテランだそう(1927-)。(かねてより愛聴している)アイナル・ステーン・ノックレベルグとまったく同じ収録であって(NAXOS 8.553395)「ノルウェイの農民行進曲」辺り、管弦楽版ならだれでも知っている懐かしい旋律也。どれも数分、儚くも哀しい、暖かい旋律が呟きます。はっきり云って誰でのでもよろしいのか、それとも偶然、素晴らしい演奏ばかりに出会っているのか。(2014年5月)

ArteNova 74321496872Prokofiev ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調/第2番ト短調/5つのメロディ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタニ長調〜ルーベン・アハロニアン(v)/サミュエル・フリードマン/ロシア・フィル・・・これもデータ入手なので、録音詳細情報不明。1990年代でしょう。アハロニアンはたしかボロディン弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン、伴奏はArteNovaに多く登場する正体不明オーケストラ(音質も含め、伴奏に不足ない実力)。作品は知名度ほどに聴いていなくて、第1番はルジェーロ・リッチ第2番はハイフェッツくらいじゃないか。いずれ個性は違っても、さっぱりと素っ気ないというか、線は細め。こちら音質はクリアだし、アハロニアンは骨太、表情豊か、わかりやすい表現。さらさら流暢に、といったタイプに非ず、前時代的たっぷりクサく歌う、というのではないにせよ、その表現方向は”乾いたプロコフィエフはいつになくウェット”に仕上がっております。おそらくは初めて”名曲!”を実感させて下さいました。第2番最終楽章にカスタネット登場して、妙な躍動感ある(スムースではない)リズムも不思議なテイストであります。神秘的な「5つのメロディ」はもちろん初耳、収録作品にも配慮有、得難い価値の一枚は、既に入手困難っぽくて、音源所有している我らがSONYはんの英断を待つしかないところ。(2014年6月)

Philharmoniker Wien Nagoya2014年6月15日(日)13:30〜第2回演奏会(愛知芸術文化センター コンサートホール)ヨハン・シュトラウスU世作曲 皇帝円舞曲 他2曲/アントン・ブルックナー作曲 交響曲第8番 ハ短調/指揮 カール・ヤイトラー〜演目も文句なし。生演奏は音楽拝聴基本のキですから。(これ以降演奏会に行っていない根性なし)

ミハエラ・ウルスレアサ(Mihaela Ursuleasa, 1978年9月27日 - 2012年8月2日)Bottesini「Allegretto Cariccio a la Chopin 」/Chopin ピアノ・トリオ ト短調 作品8/NOWAKOWSKI ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品17〜ミハエラ・ウルスエラ(p)/ライナー・ホーネック(v)/クリスチャン・フロン(va)/アルト・ノラス(vc)/ユレク・ディバル(cb)(2010年ワルシャワ・ライヴ)・・・ネットより入手した(おそらく)放送録音。2012年わずか33歳の急逝、きらきら才能ある若手の記録であります。ウィーン・フィルのメンバーを先頭に著名な演奏家と珍しい演目、作品、演奏とも魅力溢れるヴィヴィッドな演奏会風情を堪能可能。コントラバスをソロに据えたBottesiniは、ほんの短い珠玉のような旋律〜彼のコントラバス作品を集中的に聴こうとトライしたことがあったけど、所謂典型的イタリア・オペラ・アリア旋律ワン・パターン延々・・・に挫折しました。こうして1曲のみなら、ソロの無骨な超絶技巧もたっぷり愉しめました。

Chopin 1828年18歳の作品は初耳?演奏機会(録音)は少ないのが不思議なほど、劇的かつ哀愁の旋律漂って堂々たる名曲(4楽章)であります。Mozart に似て(あたりまえに)もっと浪漫甘美な(ピアノ協奏曲を連想させる)旋律続きます。ピアノが中心ということもなくて、時にチェロの強烈な主張も出現。終楽章「Allegretto」馴染みの飛び跳ねるような民族的リズム(クラコヴィアクなんだそう)に乗って、胸を締め付けるようにほの暗い旋律が躍動いたします。(2014年7月)

●この時期、人民中国製無線キーボード中古入手。まったく使い物にならず800円(+税)ドブに捨てました(涙)

CPO 999004-2Hindemith 序曲「エロスとプシュケ」/組曲「気高い幻想」/フィルハーモニー協奏曲/ウェーバーの主題による交響的変容〜ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト/クイーンズランド交響楽団(1987/88年)・・・CPOレーベルによる意欲的なHindemith録音(CDとしてはほとんど廃盤/データ入手のみ)からの一枚。ラインスドルフによる「フィルハーモニー協奏曲」は、2分半ほどの主題を受け、6回変奏続く22分半ほどの作品〜これがネットを探しても情報少なく、1932年ベルリン・フィルの委嘱によって作曲された?らしいことくらい。情感薄く辛気臭い旋律は苦手系、そう感じて拝聴機会少なかったHindemith。これはベルリン・フィルの妙技を活かした「管弦楽の協奏曲」風、各パートのソロ的扱いが色彩的で愉しめました。こちらニュージランドのオーケストラ、独逸のヴェテラン(1935-)ヴェルナー・アンドレアス・アルベルトによる(珍しい)録音も思わぬ善戦!Hindemithの作品って、分厚い色気サウンドを必要とせんのか?馴染みの交響的変容も意外なほど、しっかりとしたリズムと迫力で聴かせております。(2014年8月)

EMI CZS5692352de Falla 交響的印象「スペインの庭の夜」(アルド・チッコリーニ(p)/エルンスト・アルフテル/フランス国立放送管弦楽団1953年)/4つのスペイン小曲/Fantasia Baetica(レオポルド・ケロル(p)1952年)/クラヴサン協奏曲(フランク・ペレグ(cem)/ジャン・ピエール・ランパル(fl)/ピエール・ピエルロ(ob)/Robert Gendre(v)/ジャック・ランスロ(cl)/ロベルト・ベックス(vc)1956年)・・・「スペインの庭の夜」って子供の頃から幾度聴いて馴染み、真夏の湿っぽい漆黒の夜といったイメージ、なのに凄い名曲!とは感じなかった粗忽者。ところがチッコリーニの手に掛かるとモノラル録音なんのその!華やか軽妙妖しい雰囲気溢れて、ちょっと他では聴けぬ粋な風情に驚きました。作曲者愛弟子であるアルフテルの技量もあるのかな?レオポルド・ケロル(1899-1985スペイン)というピアニストも初耳、哀愁のリズムを刻む小品集に心奪われ、クラヴサン協奏曲(実体は室内楽)のモダーン繊細かつ前衛的な響きに感銘深い・・・(2014年9月)

PHCP-11063〜6Brahms 交響曲第2番ニ長調/悲劇的序曲〜ベルナルト・ハイティンク/ボストン交響楽団(1990年)・・・最近食傷気味にBrahms 連続拝聴、しかしこんな素晴らしい出会いがあるのだな。いくらクレンペラーが立派でも1950年台の録音、こちら目の醒めるようなクリアな音質、この人はオーケストラの個性を素直に、無理なく引き出す天才であります。コンセルトヘボウやドレスデンと並んで、ボストン交響楽団との相性はよろしかったのでしょう。上品、クール、洗練されたサウンドやなぁ、こちらも細部ニュアンス入念なる描き込み(陰影も深い)つつ、恣意性を殆ど感じさせない中庸、自然な流れにほっといたします。威圧とか強面、強要無縁、ぼんやり聴いていると淡々と流れて、聴き手はそのまま流されているような安心感有。この人はいつも”弱音でもテンションが落ちない”んです。ボリュームを下げて聴いても、しっかり音量上げても印象はそう変わらない。昨夜、今朝、連続しても感動の質に変化はなし。フィル・アップの「悲劇的序曲」は馴染みでも、こんなに感銘を受けたのは初めて。(2014年10月)

税込108円也ダイスキン(青)一冊買ってみました。常用開始。

Bach カンタータ第82番a「われは満ち足れり」/第199番「わが心は血の海に泳ぐ」/第51番「もろびとよ、歓呼して神を迎えよ」〜ナンシー・アージェンタ(s)/モニカ・ハジェット/アンサンブル・ソネリー・・・相変わらず宗教的行事、節季など不勉強、純粋なサウンドとしてカンタータを愉しんでおります。第82番「われは満ち足れり」は通常バス独唱、オブリガートはオーボエ担当、ここではナンシー・アージェンタ(カナダの名花)のこれ以上ない!という清潔清涼可憐静謐なソプラノ版+オブリガートはフルートに変わっております。彼女はジョン・エリオット・ガーディナーの一連の録音にも参加しておりますね。ハジェットの古楽伴奏は繊細なテイスト、歌い手は劇的表情に非ず、柔らかく静謐、落ち着いた安寧漂う世界であります。(2014年11月)

warner 4044012Stravinsky 三楽章の交響曲(1962年)/バレエ組曲「プルチネルラ」(1963年)〜オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団・・・先日、アラン・ギルバートによる繊細、美しい演奏にすっかり目覚めた作品也。この世代(フルトヴェングラー辺りも)が意外と同時代の作品紹介に熱心であって、クレンペラーにもけっこう録音は残っております(Stravinskyは実演機会少なかった由)。ゆったりとしたテンポ設定、じっくり噛み締めるような味わい溢れて、軽妙腰のカルい演奏に非ず。しかし鈍重でもない、オーケストラは上手く、合奏能力は高いもの(固有の色を出し過ぎない)。乾いてクール素っ気ない風情があって、別に濃厚浪漫に揺れるワケでもなし。三楽章の交響曲は劇的に重く、響き混濁して、ああこの作品苦手と思っていたけど、このクレンペラーはベース出汁はしっかり、色付け味付け明快でも塩分控えめの料理みたい。「プルチネルラ」にはいっそうその感を深めました。ホグウッド辺り(これも大好き)とは対極にあるような、ゆったり優雅な(どこかとぼけたような)味わいに充ちてお見事でした。音質も良好。(2014年12月)

そして先月ラストはBRILLIANT BRL94111Frescobaldi (1583-1643)「イン・パルティトゥーラ」(38のカンツォンによる曲集第1巻 /19曲)〜Roberto Loreggian(ロレジャン?org/cem)/Ensemble ConSerto Musico(アンサンブル・コンセルト・ムジコ)・・・CD2枚分、38のカンツォン+2曲のトッカータ=41曲収録される器楽作品というか室内楽となります。未だ一枚目、Frescobaldi なんて”専門的音楽史寄せ集めCD”にちょろり収録されたのを聴いたくらい、お勉強のつもり。BRILLIANTも剛毅なボックスセット出して下さったもの。暖かくも親しみやすいポジティヴ・オルガンをベースにコルネット?フルート?ヴァイオリン?楽器編成はド・シロウトに特定できぬ古雅な古楽器サウンド、毛羽立った心を洗うかの如くノンビリと暖かい短い(概ね3分前後)楽曲が延々と続いて陶然と(眠く)なりました。作品、詳細楽器編成、演奏家、な〜んもワカランけど、音質極上、押し迫った年末にほっとする時間であります。

(2015年1月1日)


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【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi