ヨーロッパ音楽夢街道 ローマ


HMF  KHM 100004 BOOK・OFFにて@250入手 パレストリーナ(Giovanni Pierluigi da Palestrina, 1525年?-1594年2月2日)

モテトゥス「ガリラヤ人たちよ」/ミサ曲 「ガリラヤ人たちよ」

フィリップ・ヘレヴェッヘ/ヨーロッパ・ヴォーカル・アンサンブル

フレスコバルディ(Girolamo Frescobaldi, 1583年9月 - 1643年3月1日)

カンツォーナ・アラ・フランチェーゼ第5番「ラ・ベレロフォンテ」/トッカータ第11番

ルネ・サオルジャン(or)

マレンツィオ(Luca Marenzio, 1553年? ブレーシャ近郊 - 1599年8月22日 ローマ)

マドリガーレ 「露にぬれた夜明け前に」(6声)/「静かにここにいておくれ」(5声)

ディンディア(Sigismondo d'India, 1582年ごろ - 1629年4月19日)

私の命である瞳よ

コンチェルト・ヴォカーレ/ジュディス・ネルソン(s)/ルネ・ヤコブス(ct)/ウィリアム・クリスティ(or)/コンラート・ユングヘーネル(テオルボ)

カプスベルガー(Kapsberger, 1580年-1651年)

トッカータ・アルペッジャータ/ コレンテ/カブスベルガー

ポール・オデット(リュート)

ルイージ・デ・ロッシ(Luigi de Rossi, 1597年 - 1653年2月19日)

5声のカンタータ「悔やむ罪人」

ウィリアム・クリスティ/レザール・フロリサン/メロン(s)/ラブレニ(t)/カントール(br)/ヴィス(ct)/ラインハルト(b)

カリッシーミ(Carissimi, 1605-1674)

カンタータ 「そのように望んだ」/二重唱「婦人との別れ」

メロン(s)/ヤコブス(ct)/ユングヘーネル(テオルボ)/ ツバイストラ(vc)

アルカンジェロ・コレッリ(Arcangelo Corelli, 1653年2月17日 - 1713年1月8日)

合奏協奏曲第8番ト短調 作品6-8「クリスマス協奏曲」

アンサンブル415

室内ソナタ  ト短調 作品4-2

ロンドン・バロック

ザイフェルト、グヴィルト(v)/メドラム(vc)/モルテンセン(cem)

Handel

室内カンタータ「恋人は去った」

ネルソン(s)/コンチェルト・ヴォカーレ/クイケン(vc)/ クリスティ(cem)

ゲオルク・ムファット(Georg Muffat ,1653年-1704年)

合奏協奏曲第3番イ長調 「調和の捧げもの "Armonico tributo"」より

アンサンブル415

HMF KHM 100004 BOOK・OFFにて@250入手

 1997年に発売された一連の「ヨーロッパ音楽夢街道」シリーズを3種ほど入手したのが3年ほど前?(2007年)コンピレーションものには間違いないが、筋金入りの「ローマ150年の音楽史」だそうです。(ド・シロウトには、たんに古雅な響きを愉しむだけ)録音演奏とも極上のセレクションでしょう。演者も名匠揃い。なんせ日本語一筋五十有余年生活故ガイコク言語理解不能だし、仮に完璧に日本語訳していただいてもキリスト教文化への理解が不足しているので、わけワカランでしょう、きっと。素直に旋律、響きを堪能いたしましょう。BOOK・OFF「ワールド・ミュージック」売り場に埋もれておりました。誰も買わんわな、フツウ。日本語訳解説付。

 Palestrinaのモテトゥス/ミサ曲はア・カペラであって、ハモネプも素晴らしいが基礎技量の桁が異なります。ヘレヴェッヘ率いる合唱は完璧なバランス、幽玄なる雰囲気に充々ちて透明。もちろんノン・ヴィヴラート。主義主張国籍人種信教の違い乗り越え、胸を打つ敬虔な世界であります。全4曲11分ほど。

 Frescobaldi はオルガン作品2曲計8分弱。オルガン作品といえば大Bach の革新的革命的劇的旋律と迫力、スケールが念頭にあるけれど、もっと親密軽妙、楽しげでリズミカルな作品でした。旋律表情が優しく、明るいのは伊太利亜?それとも時代なのか。教会オルガンの壮麗なる響きなんだけど、重低音が使われておりません。MARENZIOは世俗作品(教会音楽に非ず/流行歌ですな)でして、これも各パート一人のア・カペラです。バックにはリュートが、遠慮がちに床しく鳴っております。実演を聴いたことがあるけれど、あれはずいぶんと音量が小さい。親密で親しみやすい、躍動するリズム〜神妙なる詠嘆がわかりやすい世界。D'INDIAにはポジティヴ・オルガンも加わって、切々と愛を歌っております。

 Kapsbegerのリュート作品は、ちょうど大Bach の平均律クラヴィア曲集第1巻第1曲ハ長調を連想させます。アルペジオのシンプルな変遷が、情感表現へとつながっております(トッカータ・アルペッジャータ)。コレンテは小粋な舞曲、3曲目「カプスベルガー」って自画像のこと?落ち着いた、安寧静謐の旋律でした。ROSSIのカンタータは9分弱、レザール・フロリサン(花咲ける芸術〜なんと美しい団体名!)登場。これも通奏低音にはリュート使用。冒頭、堂々たるバスのソロが「罪人」なのかな?もちろん歌詞の意味は理解不能だけれど「悔やむ罪人」の心情は伝わります。やがてソロはドミニク・ヴィス(ct)に引き継がれ、5声の端正なる合唱に発展します。完璧のアンサンブル。

 Carissimiは、アニェス・メロン(s)によるやや悲痛なカンタータであって「そのように望んだ」って、いったい何を望んだんでしょうか。けっして幸せな結末ではなかったような・・・通奏低音は名手ユングヘーネルのリュートに控え目なチェロ+チェンバロも加わって効果的。「婦人との別れ」が絶妙なる二重唱であります。Corelli「クリスマス協奏曲」は、このCD中ほとんど唯一の著名作品。アンサンブル415って、ピッチのサイクル数のことかな?たしかリーダーはキアラ・バンキーニ(v)、これがかつて聴いたことのない瑞々しい響きを誇って、ノン・ヴィヴラート奏法がこれほど美しいとは!通奏低音にはポジティヴ・オルガンも加え、精密だけれど穏健派のまったりアンサンブルであります。最高。

 室内ソナタはわずか3分強のもの悲しい作品。演奏者がロンドン・バロックに変わっても違和感ほとんどなし。Handel が登場するのは、おそらくこのカンタータが伊太利亜時代のもの(わずか4分)ということなのでしょう。ヴィーラント・クイケン(vc)も加わってオールスター勢揃い、ネルソンの歌声は清涼で天使のように汚れがない。Muffatはおそらく初耳であって、 アンサンブル415再登場。わずか4分ほどの器楽作品であって、テイストはCorelliに良く似おります。水もしたたるアンサンブルは先ほど同様です。

 コンピレーション企画として、おそらくは最高峰のバランスと魅力を備えた1枚でした。

(2010年4月17日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi