2015年3月ご当地の青空

迫る定年あと一年、サラリーマン引退後の生活をどーする?


  2017年3月いっぱいで60歳定年、年金支給開始は65歳だから、いちおう再就職は考えております。こちら専門職理系技能もない、なかなか使えんオッサンは逡巡中です。人生のマラソン途中でゴール延長はないよなぁ。現在女房殿(同い年)はちゃんとしたお仕事があって(お役所絡み)その都合でこの街からしばらく出られない。その収入はあるし、定年即2017年4月よりいきなり喰えなくなることもなし。継続雇用の道(権利)はちゃんとあって、このまま職場で働くことは可能、条件的にかなり恵まれても、エエ加減雰囲気変えたいんだけどなぁ、ぜんぜん違うところに。

 そうは簡単にいかんやろ、人生甘くないから。先日久々東京会議で呑んだ4歳下、大阪時代の親しい友人の引退後の計画は・・・

 お子さま二人は成人(ひとり障碍有)資産家の次男坊であり、先日親父の遺産の畑売却成って小金ができたそうです。高級マンション二つ分所有(ローン残3,000万とのこと/神戸の震災絡みで安く借りたらしい)このたび手始めにワケ有物件を娘名義にして現ナマ200万円入手、そこを賃貸して投資回収を狙うそうです。引退後と娘の将来を慮って、小さい、ムリのない投資と運用は(実際に成功するかどうか別として)ノーミソ鍛錬、緊張感にはよろしいのかも。

 こちら引退迄一年に迫っているのに、な〜んも考えておりません。ひたすら節約のみ。「ボケまっせ!」厳しく指摘されました。な〜んもやることはないし、ご当地に知り合いはほとんどいないし、ぼんやり退屈に過ごせばあっという間にノーミソ衰える・・・んなこと考えつつ、日々それなりにお仕事に励んでいたある日・・・

 取引先の親しい、若く優秀な方(30歳代妻子有)が、昨年2015年末を以てお仕事を辞めました。2015年度に担当替えになったら、お仕事がオモロないと、いくどか相談を受けた(愚痴を聞いてあげた)ものですよ。もっと興味を持てるお仕事を探したいと。そうだよな、お仕事はオモロくあるべき、それは=ラクとかヒマに非ず。(その後、取引先であったメーカーの営業として無事再就職されたとのこと)

 継続再雇用条件比較的恵まれていますよ。それは労働者の権利、それはそれ。年金支給はじょじょに遅くなって、世間的にも再雇用継続が当たり前に定着しつつあるでしょう。人生カネばかりじゃない、大切なのはお仕事内容でしょう。職場運営から実質蚊帳の外、お手伝いやら端っこ仕事ばかりだったらツマらない。勤務先は定期的な新規採用をずっと継続して、人材の世代切れ目がない、次々と若く優秀な人々が育っております。そんな人たちにご迷惑な存在にはなりたくもない・・・

 今月2016年3月を以て定年再雇用希望している先輩がお隣、ちょいとナニでして、すべて抱え込んじまって我流を通す人。徐々に持ち分は減らされても(ド)残業は変わらない(なにをやっているのかわからない)職場内外コミュニケーションに難有、周りも腫れ物に触るようにあきらめムード・・・この先、任せるべきお仕事がない。我が職場は幸い良心的、人材活用に傾注し、追い出し部屋とかパワハラ(もちろんセクハラ)もあり得ぬところなんです。過ぎた残業も厳しく指導される。

 周りは皆悩み、前上司(3年務めてこのたび東京に)は、ほかなにもできない(任せるものはない)から現状維持の仕事、そのままさせたら?って・・・冗談じゃないよ。こちら彼から減らした分全部受けて、彼が職場内外コミュケーションできない分、あちこちフォローに苦労する日々。経費だけ前年踏襲で使い放題!って、んなノー・マネージメントありかよ。もうケツまくって60歳ですっぱり辞めたろかっ!女房殿もちゃんと稼いでいるし、暮らせんことないし。やれるもんなら誰かやってみ、この物量、しっかり手順書残すから(怒)というのは少々言い過ぎ。実際ハラの中に収めているし。

 でもね。

 若い人たちのお手本になるようなお仕事手順を見せてみたり、後ろ向きのお仕事を率先処理したりして(ご当地異動)石の上にも丸三年。それなり職場に馴染み、内外に存在感、信頼も生まれた自信有。新しい、若い上司は昔馴染み、しっかり話しあって、安易な現状維持は将来に悔恨を残すことも説明しました。もうお仕事辞めよかな、そう上司に云ってみたら「ええっ!?ハヤっさん、継続雇用してもらって次の職場運営構想に組み込んでますよ!」って、嬉しいこと云ってくださるじゃないの。ヨイショでも、ほんのお気遣いでも。

 お仕事って、昔取った杵柄は今時通用しないもの。最近5年のスキルのみ有効とか。だから昨年採用された新人女性との水準は(油断すれば)あまり変わらぬのかも。3年前大阪より名古屋へ、マネージャー→一担当一兵隊として立場は変わって、更に20年ヴェテランパートさんが引退、補充なし、すべて自分で諸実務をこなすしかなくなって、50歳代も後半に至って新たな純粋実務の習熟(大量処理)にけっこう苦労しました。幸いパソコンは得意というか(良い子はマネしちゃいけない)悪魔のような裏ワザ、操作に苦労はしない快速処理、システム系にもそれなり熟知、作業手順の整理、大合理化(手抜き足抜き)しつつ、新しい土地での営業(口八丁手八丁話半値八掛法螺吹いて)人脈作りと並行してここまで来ました。

 お仕事あまりオモロないけど、けっこうな物量こなしても余裕です。毎日、職場内外、まずまず、それなり愉しいですよ。あとは心身ともの健康だけやなぁ、課題は。新しい上司は自分の言い分通して、体制変更を呑んでくれました。ぼちぼち佳き春がやってきます。さて、どーする。じっくり半年考えましょう。

 恒例、先月のヴェリ・ベスト。ちょっと保守的だったかな、嗜好は。

Quartz QTZ2054Brahms 交響曲第3番ヘ長調/交響曲第4番ホ短調〜オウェイン・アーウェル・ヒューズ/シュトゥットガルト・フィル(2004-6年)・・・先月第2番ニ長調のなんとも素朴な響きに好感を抱いたもの。ウェールズ出身の指揮者はけっこう大柄、勇壮な表現な人、ぎゅ〜っと弓を引き絞って矢が飛び出るような第3番ヘ長調の冒頭から、ジミだけど暖かいオーケストラのサウンドの魅力全開です。著名な第3楽章 「Poco allegretto」の遣る瀬ない甘美な旋律も理想的な”甘さ控えめ”、オーケストラが上手すぎないというか、艶々し過ぎない質実な響きがBrahmsによう似合う。第4番ホ短調も息長く悠々、旋律の泣かせ方(弦)も決まって、Brahmsのキモはホルンとチェロであることを再確認いたしました。なんとも抑制というか”甘さ控えめ”な音色、その絡み合いに涙出そうなほど。南独逸のコンサート専用オーケストラは拝聴機会は少ないけど、ド・シロウトがイメージするところの独逸ローカルな色が残っているんですね。

TOCE-90272 Beethoven 交響曲第2番ニ長調〜ヴォルフガング・サヴァリッシュ/コンセルトヘボウ管弦楽団(1993年)・・・一昨日のシュミット・イッセルシュテット同様、保守本流というか、厚みと艶のあるオーケストラのサウンドをムリなく活かした演奏に感銘を受けております。バレンボイム、ラトル、ティーレマン、いずれも天下のBeeやんを聴いて保留条件有、例えばドゥダメル辺りまで進めません。第2楽章 「Larghetto」の優しい風情は交響曲全曲中、もっとも美しいところ。馴染みの美しい作品を美しく響かせるといった点で、文句なし。

DECCA 467 892-2 8枚組中古1,650円美しいウィーン・フィルを聴きたいな、取り出した音源はBeethoven 交響曲第2番ニ長調(1968年)/第4番 変ロ長調(1966年)〜ハンス・シュミット・イッセルシュテット/ウィーン・フィル・・・LP時代は世評高い標準盤。往年の巨匠(1900ー1973)というにはちょいと地味渋系の人、なぜ天下の英DECCAがウィーン・フィルと組ませたんでしょうか。ショルティに「リング」録音させたみたいなもんか。LP時代は高価な豪華盤だったから手が出ず、ちゃんと聴いたのは意外と最近でした。半世紀ほど経ても音質はほぼ現役、奇を衒わぬバランス感覚とオーソドックスな表現、過不足なくどこにもムリがない。今風な切迫リズム感に非ず、落ち着いて、ユルさも感じさせません。優雅やなぁ、これぞウィーン・フィルの音でっせ。なんか嗜好が保守化しているのかも。

ライザップのCM、峯岸みなみちゃんの素晴らしい成果にすっかりファンになりましたよ。目指せ!彼(か)の腹筋。日暮れて道遠し

Lorin Maazel, 1930年3月6日 - 2014年7月13日Mahler 交響曲第1番ニ長調〜ロリン・マゼール/ガリシア交響楽団(2012年ライヴ)・・・YouTubeも凄いのが出てきて、画像の鮮明さ、音質の良好なことに驚かされます。Orquesta Sinfonica de Galiciaは1992年創立、スペインのア・コルーニャ(風光明媚な街みたい)のオーケストラらしい。きっと佳きスポンサーがいるんだろうな、意外なほどオーケストラの水準は高いし、マゼールが自在に若いオーケストラを操って、例の如し意味ありげなテンポのタメ、変化がいやらしいほど!決まっております。彼のMahler はクールに一歩引いて、作為が目立って作り込み過ぎ、一般にあまり好みに非ず。ここではライヴならではの感興、アツさもあって、全曲集中して飽きさせぬもの。オーケストラの個性が確立していなくて、指揮者の意向が素直に反映されるのかも。

これはLPデザインMahler 交響曲第3番ニ短調〜ズービン・メータ/ロサンゼルス・フィル/モーリン・フォレスター(con)/カルフォルニア少年合唱団/ロサンゼルス・マスター・コラール(1978年)・・・昨年の印象はイマイチとのコメント有、体調悪かったのかなぁ。音質、明るく豊かに瑞々しいオーケストラの響き、大作に挑む当時42歳の俊英の意気込みになんらの保留条件なし。モーリン・フォレスター(Maureen Forrester, 1930-2010)って1960年台〜Mahler 録音で八面六臂の大活躍の深く、しっとりとした声でした・・・英DECCAの不自然なマルチマイクを嫌う方もいらっしゃるようだけど、これはアナログ末期のみごとな成果でしょう。金管の朗々たる響き、打楽器群の低音はいかにも効果的。この時期、ロサンゼルス・フィルのシェフは既にジュリーニに変わって、メータとの15年間(1962-1977)の信頼関係が収録されております。太古録音を確認するとかつては馬力ある荒々しいオーケストラは、すっかり洗練されました。明るく瑞々しい響き、鳴りきった迫力あるサウンド、細部あまり神経質にならぬ伸びやかな表現。第4楽章「きわめてゆるやかに、神秘的に 一貫してピアニッシシモで (Sehr langsam. Misterioso. Durchaus ppp.) 」第5楽章「快活なテンポで、大胆な表出で (Lustig im Tempo und keck im Ausdruck.)」に於ける声楽の扱いの上手さ、万感胸に迫る終楽章「ゆるやかに、安らぎに満ちて、感情を込めて (Langsam. Ruhevoll. Empfunden.)」変奏曲に不自然なテンポの変化もなし、息長く落ち着いて、浮き立つような情感にも不足はない。

Vanguard 717794792027Tchaikovsky 交響曲第5番ホ短調〜ピエール・モントゥー/ロンドン交響楽団(1963年ウィーン・コンツェルトハウス・ライヴ)・・・モントゥーの得意作品也。ボストン交響楽団や北ドイツ放送交響楽団(これは稀少盤/未聴)、ほかライヴがCD化されておりました。これは亡くなる前年のライヴ(1875-1964/当時88歳!)ほとんど驚異的にクリアな音質、朗々として若々しい歌、燃えるような推進力に感銘深い演奏です。洗練され、優雅な風情に充ちて、ロンドン交響楽団も絶好調、第2楽章 「Andante cantabile, con alcuna licenza」第1主題のホルンは幾度聴いても痺れる、みごとなソロであります。

(2016年3月1日)


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written by wabisuke hayashi