駆け抜けた2017年もラストへ
2017年のラスト月を迎えて、あっという間の「引退継続雇用一年目」に感慨ありました。退職者説明会があったのは一年前(東京渋谷にて同輩諸先輩と呑んだのも佳き思い出)その頃にはかなり覚悟を決めて60歳を迎える準備はできていたけれど、半引退”年金出る迄お情け雇用”に不安はいっぱいでしたよ。結論的に前年とな〜んも変わらない。お仕事のテンション、日々の課題改善への執着、気力体力の維持向上、職場内外の人間関係も楽しいもの・・・変わったのは年収のみ(激減)。ま、女房殿が立派に稼いでいることに感謝、もとより借金や贅沢浪費癖はありませんから。
新聞連載される「老後の生活設計」みたいな記事を読むと、継続雇用=年収減に相応して生活スタイルを変えるべき(抑制せよ)とのご指導もありました。こちら息子が社会人になった10年ほど前、その時点で”縮小節約生活”に入っておりました。幾度か転勤転居の度、例えば立派な嫁入り家具を整理したり、要らぬものをできるだけ処分して、壊れた必需品は中古品にて格安再入手したり・・・MusicLifeは場所取りなCDをどんどこ処分し、オーディオ機器も最低限を残して売り払ったり。これはもっと身軽になりたいもの。
大阪の義母、札幌の両親もなんとかノーミソは健全に持ち応えました。息子が結婚したのも嬉しい事件、結婚式も上げていないし、新婚旅行も行っていないけどね。5月には熊本にご挨拶に行って、愉しく歓談してきました。10月には学生時代の先輩と博多のクエを喰って呑んで、出張で富山、その流れで現在小松在住の息子夫婦と連続美味いもん贅沢三昧。日々慎ましい生活だけど、喰いもんだけは贅沢してまっせ。そういえば悪いお友達が大阪より単身赴任して、久々に酒席は増えました。
毎週、2-4回スポーツクラブも欠かしませんでした。体重減目標は残念、7月時点▲4ー5kgのまま足踏み状態。ま、呑んだり喰ったり連続だったからね、一年前と比べれば体型も変わりましたよ。数年前の免許証の写真を眺めて、女房殿が”痩せた・・・”とシミジミ・・・あと2017年も一ヶ月のみ、本日も含め予定宿題満載なのはありがたいこと、それなりに必要とされているということですから。
● 定例前月ヴェリ・ベスト。
■Rimsky-Korsakov 交響組曲「シェヘラザード」/音画「サトコ」/歌劇「サトコ」より「インドの歌」〜ロリス・チェクナヴォリアン/アルメニア・フィル(1991年)・・・これも入手十数年、いまや入手困難なCDかも。(ASV原盤)カルヴァ−ハウスの明晰クリア、陰影とは無縁な録音+残響少なめ、オーケストラそのものが乾いた響きなのでしょう。ローカルなオーケストラは昔から大好き、首都エレヴァンのオーケストラは粗野、迫力たっぷりに金管+ピッコロの高音が強調され、意外としっかりとした演奏でした。(最終楽章トランペットのタンギングとか)シュヴァルベ辺り念頭にあればヴァイオリン・ソロには少々色気と潤い不足、全体にオーケストラの力不足は否めないけれど、燃えるようなオリエンタル旋律への情熱には共感ありますよ。
■Buxtehude (1637-1707)7つのソナタ作品1/第1番ヘ長調BuxWV252/第2番ト長調BuxWV253/第3番イ短調BuxWV254/第4番変ロ長調BuxWV255/第5番ハ長調BuxWV256/第6番ニ短調BuxWV257/第7番ホ短調BuxWV258〜ジョン・ホロウェイ(v)/ヤープ・テル・リンデン(Viola da gamba)/ラーシュ・ウルリク・モーテンセン(cem)(1994年)・・・このメンバーでたしか3枚ほど?出ていて、かつてちょろ聴き、芯のない残響サウンドに掴みどころなく閉口していたもの。久々の確認は大Bach(1685ー1750)も敬愛した作曲家の素晴らしく優雅な旋律+夢見るように美しい残響に聴き惚れました。記憶ってアテにならんなぁ、もう一世代前の録音。名手たちの饗宴であります。
■Bartok ピアノ協奏曲第1番/第2番/第3番〜アンドラーシュ・シフ(p)/イヴァン・フィッシャー/ブダペスト・フェスティヴァル管弦楽団(1996年)・・・粗野な名曲はゲーザ・アンダ/フリッチャイの太古録音(1959/60年)に勝るものはない!美しいピアノの音色、オーケストラの緊張感、音質・・・そう確信して幾十余年、ようやく納得の演奏に出会えました。これも20年前だけどね。強面、思いっきりクール怜悧ハードにバリバリ演ってもおかしくない作品、硬質なタッチではないアンドラーシュ・シフのピアノは思わぬ成果、十全なテクニックを前提に、緻密かつデリケート、リリカルな味わいが作品の新しい魅力を引き出して最高。ディジタル時代に至った音質もクリアそのもの、イヴァン・フィッシャーのオーケストラに期待を裏切られたことはありません。”この作品には旋律がない、リズムと色彩のみ”といったド・シロウト印象はひっくり返って、東欧方面の民族的旋律があちこち浮かび上がって洗練された歌心横溢、テンポも有機的に動きます。さらにStravinsky辺りの粗野なリズムを連想させて、作品そものを見直しました。最高。
■Stravinsky バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)〜ズビン・メータ/ニューヨーク・フィル/ポール・ジェイコブス(p)(1979年)・・・LP時代のデザインは美しいなぁ。音楽は聴いてナンボなのは事実、でも視覚イメージと抱き合わせ(所謂”ジャケ買い”)はありますよ。この音源は幾度か聴いているはず・・・サイト内検索を掛けても出現しません。もしかして初耳?若い頃、ロサンゼルス・フィルを率いて大評判(1962-1978)だったZubin Mehta(1936-)はニューヨーク・フィル(1978-1991)以降評価がよろしくないようだけど、ワタシは豊満な響きを意外と気に入っております。ここでも編成が少ない1947年版とは思えぬ分厚い響き、時にアンサンブルに粗さを見せるオーケストラはたっぷり瑞々しく、明るく鳴り響いて、こうした近現代オーケストレーションの精華に相応しいもの。馴染みのデーハーかつキラキラ作品をたっぷり堪能いたしました。音質もよろしい。
■Berlioz 幻想交響曲〜アンドレ・クリュイタンス/フィルハーモニア管弦楽団(1958年)・・・Andre Cluytens(1905ー1967)は日本で特異な人気を誇って、ワタシも洗練されたバランス感覚が大好き。廉価盤LPセラフィム1000シリーズ以来、数年前BOOK・OFFにて駅売海賊盤@280目撃も含め、幾度出会いの可能性はあったのに今回が初耳でした。この作品には第1楽章繰り返し有、第2楽章にはコルネット入を希望したいところ、残念ながらここでは両方叶いませんでした。フィルハーモニア管弦楽団とは唯一の録音?当時の手兵パリ音楽院管弦楽団は1961年にシルヴェストリと録音したのはこの音源との関係かも。
音質が想像以上によろしいこと、クリュイタンスの統率+優秀なアンサンブルは鳴り切って、メリハリ、バランスの良さ、テンポの適性を感じさせる洗練はみごとでした。作品にグロテスクなほどの異形な色彩迫力、大爆発を求めるなら、これは物足りない、お上品過ぎ?と感じさせるのかも。(第4楽章「断頭台への行進」 はそうとうの迫力と感じますが)いろいろ聴いてきて幾数十年、回り回ってこんな演奏を好むようになったのか。
(2017年12月1日)
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