2006年7月北海道?岡山?

変遷・潮時


 6月はなぜか(おそらく鼻炎からくる)咳が治まらず、幾度も耳鼻科に通い、服薬し(副作用有)週二回のスポーツクラブも数度断念しました。梅雨らしい空模様、順調に気温も上がって7月、スポーツクラブ再開一周年、なんとか真面目に通って生活のリズムになりつつあります。咳はあっても熱はないので、体調はさほどに悪くない。お仕事は新年度から、若い息子世代の相棒が素直に呑み込み速く優秀故、ますますヒマに。ここ2年ほど、膨大な担当割り当て実務に精力的な合理化を実施、挙句、分担を元に(本来の姿に)戻したので、その分余裕ができました。

 先月中盤、ちょっとした経緯があって、急遽ネット環境をYahoo!Wifiに変更したら、7gb/月のデータ使用制限有、いままでの使い方だったら数日でアウト、速度制限(128kbps激遅。mbpsちゃいまっせ)へ。3年契約だから否応なく、しばらくこのまま行くしかない。怒涛の如くネットからの音源データ入手生活は見直しが必要となりました。それどころか日常使うメールとか、FPT(サイトの更新データのアップロード)さえ不自由に。詳細経過(及びロジック)理解していない女房殿はその遅さに日々激怒。

 安易なネット環境選択(初期費用が安かったし、Yahoo!への登録もあったし)は失敗だったかもしれないけれど、これで良いんです。21世紀に入るとインターネットのBB(ブロードバンド)化が進んで爾来15-6年、やがて拝聴の音楽の主役はネット経由データ拝聴に至って・・・日々、全世界からガンガン音源データをダウンロードしてDVDに焼き込んで保存、それはやがて残された人生では聴ききれぬほどの物量に至りました。

 潮時だったんでしょう。

 音源(データ)をたくさん集めるのは、愉しく 音楽を 聴くため。日々溜まりゆく未聴音源(懐かしき未踏峰ミチョランマ=死語)に飽食気味であったことを再認識するキッカケとなりました。棚中CD在庫はかつて大中小4本の棚に満杯→8年ほど掛けて大1.5本ほどに処分、そこまで減らしても、未だ全部聴いた!手応えなし。+自主CD(既に作成を止めて一年半ほど)+音源データ拝聴でしょ?これ以上の収集は意味をなさなくなって、ちょうどそんなタイミングだったのでしょう。むしろ断舎離-生活の見直しが必要。名古屋方面に転居して3年半、体調+精神的出不精に至って生演奏会とももすっかり縁が薄くなっておりました。これを契機に、ちょっぴり視線を外に向けましょう。6月はコンサートに2回出掛けましたよ。

 思い起こせば20世紀中、BB(ブロードバンド)普及前はこんな感じ(遅さ)でしたよ。【♪ KechiKechi Classics ♪】はその時代の産物だから表示が軽快なこと!Dell Inspiron(WattOS)だったら相対的に表示が速い、FTPも可能なことに気付きました。Acer Aspire AS5750(Windows10)にて原稿更新、DropBox自動同期(この動きは意外と素早い)→ Dell Inspiron N5110/4gb(WattOS)にてFTP実施といったメンドーな手順で一週間ほど過ごしました。これから先1ケ月7gbの制限迄たいせつに使わなくっちゃ。女房殿はそんな経過は一切関知せぬから、スマホやらパソコンでがんがん動画を見ることでしょう。

 種々「ネタ」メモはEverNoteを便利に (いつでもどこでも) 使っているけど、速度制限中は(遅過ぎて)表示不可。これはちょいと不便でした。7-8月は史上最高温の夏になるとか、体調を整えて乗り切りたいものです。

恒例、前月のヴェリ・ベスト。

●梅雨時の紫陽花。最高。

Warner Classics 2564664674Glazunov 交響曲第3番ニ長調/第9番ニ短調(未完)〜ホセ・セレブリエール/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(2009年)・・・Glazunovはかなり以前から聴いていたはずなのに、交響曲第3番イ長調ってこんなに甘く、美しく、わかりやすい作品でしたっけ?露西亜五人組の泥臭い民族的な世界から一線を画して、Tchaikovskyの影響が大きいとのこと、ワタシはRachmaninovの先駆を感じ取りました。爽やかに暖かくも優しい第1楽章「Allegro」、第2楽章「Vivace」は耳元でメルヘンを囁くよう、第3楽章「Andante」に懐かしい甘美な世界溢れ、第4楽章「Allegro moderato」堂々たる構えもあくまで親密、セレブリエールの表現も洗練されてわかりやすいもの。後人(ガヴリル・ユーディン)により補筆完成された第9番二短調(一楽章のみ)も、ほのかな露西亜風情漂う懐かしい旋律でした。

UCCP-1128Beethoven ピアノ・ソナタ第28番イ長調/第29番 変ホ長調「ハンマークラヴィーア」〜内田光子(p)(2007年)・・・内田光子さん(1948-)はウィーンで教育を受けて英国籍、現役最高のピアニストの一人でしょう。研ぎ澄まされた技巧は無機的に非ず、冴え冴えとした快感を聴き手に与えるもの。大仰に巨大な「ハンマークラヴィーア」は意外と好んで聴くけれど、第1楽章「Allegro」冒頭の壮大な主題は「皇帝」を連想させて逃げ出したくなるところ、そこを乗り切れば、その緻密な作品全貌が見えてくる・・・この演奏はいままで聴いた演奏中、もっとも細部知的クールに洗練され、作品をわかりやすく表現したもの。音色の美しさ(とくに弱音のニュアンス)ラストまで逡巡なく、一気呵成に聴かせてくださいました。

BVCC38425Beethoven 交響曲第3番 変ホ長調「英雄」〜シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団(1957年)・・・これも自主CD作成初期のもの?LP時代より馴染みの音源也。1960年前後著名な演奏はかつて集中的に聴いて、ここ最近、できるだけ新しいものを聴くように心掛けて御縁が薄くなっておりました。こりゃ凄いですね、音質も演奏も。あわててネットを検索すると高品質CDがかつて発売され、大絶賛のものだったらしい。こちらネット上どこからでも入手できる音源より.wav変換、CDRに焼いたもの(おそらく.mp3/320kbps)そんなエエ加減な自主CDでも、ほとんど不満を感じさせないもの。ド迫力+切れ味、熱狂的な推進力に溢れた「英雄」也。やや速めのテンポ設定(第1楽章提示部繰り返しなし)、オーケストラのサウンドに厚みと艶もあって、ボストン交響楽団はひとつの最盛期を迎えていたのでしょう。第2楽章「 Marcia funebre: Adagio assai」は深く沈溺した葬送行進曲、再び疾走する第3楽章 「Scherzo: Allegro vivace」は蒸気機関車を連想させ、終楽章「Finale: Allegro molto」変奏曲のテンションの高さ、輝かしさに息を呑むばかり・・・

TOCE-8909Prokofiev 交響曲題1番二長調「古典」(1977年)/第5番 変ロ長調(1974年)〜アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団・・・@250の値札有。Prokofievはここ数年、もっとも熱を入れている作曲家の一人だけど、これはそんな”目覚め”の先駆けとなったもの。ロンドン交響楽団の音楽監督時代(1968-1979)の実りある日々を感じさせる爽やか、ヴィヴィッドな演奏です。露西亜臭さ皆無、颯爽とモダーンに洗練されてカッコ良い。(ロジェストヴェンスキー辺りも好きだけど)第5番終楽章「Allegro giocoso」わかりやすい旋律に各種打楽器とかユーモラスにキラキラ輝かしいサウンドは幾度聴いても愉しいもの。このオーケストラがほんまに腕の立つアンサンブルに仕上がったのは、この時代だったんだそう。マルティノンも流れの良い粋な演奏だったけれど、オーケストラの技量は歴然と違いますよ。

(2016年7月1日)

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【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi