長久手市景行天皇社

ついに隠居生活初心者コース入門へ


 新しい2022年は特別な人生のケジメ。2017年からの執行猶予(継続雇用)期間が明けて、ほんまのご隠居生活に入ります。ここ2年のコロナ騒動に、人生は不要不急の余白で成り立っていることをリアルに学びました。教育とは学んだことをすべて、忘れ去ったあとに残ったものが真髄、そう伺いました。自分の四十余年の経験はなにを残してくれたでしょうか。

 数日後にサラリーマン生活ともお別れとなります。気力体力的にまだ続けられそうだけど、引き時、ケジメも大切ですから。感動的だった昼休み職場お別れ会も既に終了して、終わりよければすべて佳き思い出ばかり。2021年ラスト一週間はほとんど在宅勤務≒トラブル発生時の待機+代休消化、これから正月休み明けて三日間出勤ラスト、これだって身辺整理ご挨拶のみ、ほとんどすることは残っておりません。そして有休残約40日分全部消化します。いちおう建前上3月5日迄サラリーマンの身分、先行して業務用ケータイもノートパソコンも、もちろんメールアドレスも返上、念のため私用の連絡先番号とメールアドレスは職場関係者に教えるけれど、おそらく以降お仕事連絡は一切ないことでしょう。あっても困る。サラリーマン(昭和のオヤジ)発想はすっぱり捨て去る決意。女房殿にはなにも云わず既に都度食器洗い、料理調理頻度を上げております。洗濯はずっと継続中。まず地に足付けた日常生活を目指しましょう。

 6年ほど継続したスポーツクラブも2021年12月末を以て契約解除済、年末年始は市立体育館も休み、自宅ストレッチ+ご近所ウォーキングにて体調を維持中。鍛錬健康元気はすべての基本、健康寿命は70歳が分かれ道とか、1月4日より(とても寒くて美しくない、器具も充実していない)市立体育館にて筋トレ他トレーニング再開、転居迄お世話になりましょう。@110円だから仕方がない。(2022年度より値上げらしいけどその時はすでに転居済)まず元気、健康こそ基本中の基本なのは言うまでもない。

 一週間後に二人目の孫が生まれてくる予定。2022年最初の宿題は大阪への転居先を決めてくること+甥夫婦と一緒に久々数年ぶりの京都にて”引退お祝い会”、オミクロンとやらの拡大が心配だけど、ちょっと落ち着いたら熊本の孫に会いに行きたい。2歳になった一人目も可愛い盛り、生まれてすぐにお宮参りに行ったきりコロナに身動き取れず、彼はこちらの爺婆の記憶はないことでしょう。幼子の存在破壊力は強烈、写真に見る向こうの爺(天草)は孫を膝に完全にとろけております。

 あとわずかでご隠居生活が始まって、引っ越し会社が混み合わぬうちに早々に転居いたします。身辺整理、さらなる断捨離は必須。いつもと変わり映えせぬような日常生活にもきっと ”別な景色”が待っております。3月迄薄給有、4月よりついに国よりお給料をいただける身分に至ります。支給を遅らせるかどうかはFP女房殿の高度な政治的判断に委ねましょう。1984年下期製造日立電子レンジは辛くも、なんとか無事稼働中、このまま大阪の生活をともにしたいものです。欲しいものはなにもありません。長い間趣味としてお仕事を愉しんできたシアワセなワニは、あと一週間で旅立ちます。

 吉例ワン・パターンな前月(昨年)ヴェリ・ベスト振り返り。

CBS 72DC628Bach ヨハネ受難曲 BWV.245〜ヘルムート・リリング/アーリーン・オジェー(s)/ユリア・ハマリ(a)/マルクス・ミュラー(b)/ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(br)/ペーター・シュライヤー(t)/フィリップ・フッテンロッハー(br)/シュトゥットガルト・ゲヒンガー・カントライ/シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム(1984年)・・・旧録音とのこと。福音史家は Peter Schreier(1935ー2019独逸)は美声であり劇的に感極まった唱法、フィッシャー=ディースカウはいつも通り雄弁に説得力ある歌唱、合唱も充実して名曲は名曲として心底感動いたしました。モダーン楽器アンサンブルも美しく歌って、なんの不満もありません。毎度のワン・パターンなコメント繰り返し恐縮だけど、言語不如意、意味趣旨理解不能(←キリストの受難に間違いはない)宗教的理解に薄いけれど、敬虔な風情はたっぷり受け取りました。なんや知らんけど押し寄せる魂の震えがありましたよ。陰影深い”マタイ”の旋律に馴染む機会が多くて、”ヨハネ”はやや敬遠気味、それでも幾度目かの拝聴に細部旋律はすっかり馴染みとなりました。劇的多彩な旋律リズムに溢れてこれも名曲。ラス前「安らかにおやすみ下さい、聖なる亡骸よ」が終わったら、長い旅が終わったような気持ちになりました。ラストに明るく確信に充ちたコラールで締めくくるのが「マタイ」と違うところ。

Columbia Masterworks MS 6319Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」〜作曲者/コロムビア交響楽団(1960年ニューヨーク)・・・

おそらくはニューヨークの録音用オーケストラ(オスカー・シュムスキー辺りが在籍した?)は技量的に万全であり、録音も良好です。リズム表現が洗練され(過ぎ)ないけどわり、得も言われぬ味わい〜時に牧歌的とでも呼びたいようないけど存在して、感慨深いもの・・・コロムビア交響楽団は指揮者(=作曲者)の指示に忠実であって、しかも無味乾燥に陥っているけどけでもなし、まさにドキドキするような興奮が待っておりました。
とは14年前のコメント。 時々音量ががくんと落ちて切り貼り?マスタリングの不備も感じさせます。現代音楽の古典的作品はヘタなオーケストラではないけどれど、指揮は統率がかなりラフで素材がそのまま提示されて、アンサンブルは時にガタガタ、飾りのない粗野(素朴?)なテイストが個性的なもの。専門の指揮者じゃないから緻密さには欠けるけれど、オモロさ百万倍!ってな感じ。作曲者自ら状態のよろしい録音を残してくださったことに感謝しましょう。

DGHindemith 交響曲「画家マティス」/弦楽と金管のための協奏音楽(ウィリアム・スタインバーグ/ボストン交響楽団1971年)/白鳥を焼く男(ダニエル・ベンヤミーニ(va)/ダニエル・バレンボイム/パリ管弦楽団1979年)・・・Hindemithでは一番人気な「画家マティス」は「天使の合奏」(Engelskonzert )「埋葬」(Grablegung )「聖アントニウスの誘惑」(Versuchung des heiligen Antonius)の三楽章からなる二管編成の作品。甘さと情緒を廃した硬派な旋律はけっして難解晦渋に非ず、知的な旋律とハーモニーがカッコ良い!傑作中の傑作。ピッツバーグ交響楽団との旧録音(1957年)も良かったけれど、ボストン交響楽団の弦、木管のしっとりとした美しさ、金管炸裂のキレ味、どれも洗練された響きと緊張感あふれる迫力最高っす。8:25-4:10-13:14。

「協奏音楽」は初耳だっけ?これも躍動する金管が怒涛の大爆発連続技!オモロい趣向でっせ。第1部最初金管と弦はほとんど別な動き、交代で音楽を奏でるのですね。やがて絡み合ってアツい世界に疾走が続きます。これだって甘さとか情緒の欠片もないけど爽快でカッコよい。第2部は軽快にノリノリの細かい音形リズムから、静謐な夜を連想させる中間部は金管ソロがモウレツに上手い。やがてテンポは戻って絢爛豪華な響きのうちに終了。8:21-8:00。

「白鳥」は別訳によると「白鳥をひねる男」とか、ヴィオラのモノローグが暗く、やや狂気を孕んで雄弁、延々と活躍して鬱陶しい音楽。パリ管も上手いけれどややマイルドな軽い響き、ボストン交響楽団の金管にはかないません。「山と深い峡谷の間で」(8:21)「いざその葉を落とせ、小さな菩提樹」(4:07-5:23)ラストは変奏曲、「あなたは白鳥の肉を焼く人ではありませんね?」これが妙に怪しく明るい出足から不気味に変奏を続けて、ソロ・ヴィオラはなかなかやっかいな技巧を要求されそうです。(8:56)

EMI 2484332Handel 合奏協奏曲イ短調 作品6-4(1956年)/Gluck 歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲(1960年)/Rameau ガヴォットと5つの変奏(1968年)/Bach 管弦楽組曲第1番ハ短調BWV1966(1954年)〜オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団・・・管弦楽組曲は旧録音モノラル(ほんの短い)Rameauはニュー・フィルハーモニア管弦楽団、時期はバラバラの録音をバロックでまとめた一枚。Handelはたっぷり浪漫の仕上げ、悠々と歌って極上に美しい演奏でした。聴き馴染んだ名曲は別の姿に生まれ変わって、音質もよろしい。GluckはWagner編とか、激遅テンポにスケール大きく、これも知っているはずの旋律なのに巨大なスケールに膨れ上がって仰け反って拝聴いたしました。Bachは新しい録音があるからムリして聴くような音源じゃないかも知れないけれど、重厚に”大きな”構築音楽、かつての管弦楽組曲はこんなイメージでしたよ。老巨匠の個性を堪能いたしました。

 TOCE16192Bach ミサ曲ロ短調 BWV.232〜アンドルー・パロット/タヴァナー・コンソート/プレイヤーズ/エマ・カークビー(s)/エミリー・ヴァン・エヴェラ/パニート・イコノムー(boy-alt)/ロジャーズ・カーヴィー=クランプ(t)/デイヴィッド・トーマス(b)(1984年)・・・これは衝撃のひとり一パートの声楽担当(おそらく器楽アンサンブルも)。思いっきり清潔クリアに新鮮、力強く各声部がわかりやすいもの。ボーイ・アルトも安定して心洗われる思い、少年歌唱にありがちな不安定さは見られません。例えば闊達に活躍するトランペット、これは実演でのバランスはどうなんでしょう。これは記憶によるとジョシュア・リフキンが最初に発表した考え方、初耳時には痺れましたよ。現在では音楽史的研究から”ひとり一パート”は否定気味らしいけれど、力強い、明るい作品はわかりやすく感動的に響きました。

2021年12月20日職場お別れ会は全3参加+O/L参加「感動的な職場お別れ会」・・・朝から職場の(コロナ対策)パーテーションに飾付け済、数年前横浜に異動となった若者より午前中”御礼”到着、今治の高級タオルでした。新婚さんだから、結婚披露宴引き出物のお余りらしいけど嬉しいっすよ、気持ちが。

立派な花束をいただきましたそして昼休み本番は職場全員参加(スタッフさん含め20名全員誰も休まない、在宅勤務も入れていない)東京横浜埼玉広島仙台札幌(在宅からも)O/Lにてつぎつぎ温かいねぎらいの言葉をいただいて、美しくも豪華な花束、ナイキのスポーツウェア、地元の高級清酒、以前から激賞していた”ドンキの柿の種”特大ポット、そして寄せ書きもちゃんとありました(表紙は自分のメール・アイコン配置して高級表装付き。苦手だけど捨てられまへんで)。皆 挨拶で”林塾生”なんて自称してくださるのは、若い人たちの最後の心遣いなのでしょう。心のこもった感動的な集まりでした。すべての仲間に感謝、思い残すこと、心残りもないですよ。これ以上のシアワセはありません。最高最良の日。

(2022年1月1日)

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written by wabisuke hayashi