2021年に2月雪景色

ノーミソ硬直


 一年前の「近況」をみると2020年2月は最悪の月であったと。実際はこのあと、さらにさらに状況は悪化して閉塞感の日々となって現在に至るのは周知の通り、オリンピックは延期となり、2021年の開催も橋本さんは”絶対やる!”と強弁しているけれど、さてどーなんでしょうか。梅田譲大統領は”我々は科学の国だ”と絶妙な言い回しをしておりました。希望願いとリアルな現実は違いますから。まずワクチンをしっかり確保することでしょう。自分もさっさと打っていただきたい。今年2月はあちこち雪の被害と震災にお仕事影響が出ました。

 公共交通機関、医院の待合、皆小さなスマホとにらめっこ、自分の検索履歴を忖度するアルゴリズムに似たような記事ばかり集まる・・・これをエコーチェンバーと呼ぶとか、油断すると”世の中は同好の士ばかり!”と信じている人が多数になるでしょう。それではノーミソ弱まってしまう!もっと刺激が必要なんです。自分はChromeを愛用して、そのトップページを変えました。保守的政府寄りとされる産経ニュースへ。読売新聞でもよろしいけれど、大きな文字と配置がわかりやすいサイトですよ。これがなかなかオモロい、興味深い記事連続、五輪前組織委員長であった森さん大批判のさなか、その風潮を論って、結果として養護する記事の絶妙なこと、なにごとも絶対はないからそんなツッコミも大切でしょう。執拗に”民主党的なもの”を持ち出すのも、安倍ちゃんの”悪夢の民主党政権時代”を思い出させます。たしかに立憲民主党議員の質問はパフォーマンスが多くて不勉強、論点が整理されていないのが気になるけれど、夜の街活動よりマシでしょう。

 知らず狭い価値観に凝り固まって、ノーミソ硬直しがち、ぜんぜん違う考え方発想に触れぬとボケまっせと自戒しております。とかなんとか、自分がMyスマホを持ち出したのが2021年より、業務用スマホは数年保持しても、苦手感は拭えませんでした。わずか1-2ヶ月、休日に業務用メールの返事はスマホで済ませるようになりました。

 前月は半年ぶりの情けない痛風発症、健康数値は唯一尿酸値が高いのは体質的なもの、体重も意識して減らしているし運動も欠かさない、ネットで調べて身体に良さ気なものばかり摂ってますよ。筋トレはたしかに尿酸値を上げるし、今回はマスク着用に水分不足と類推しております。幸い今回は一週間でクリア、スポーツクラブ継続できる程度の痛みで済みました。体重は増傾向、65kg台に落としたのはわずか2日ほど、66kg台が常態化して、時に67kg台に突入することもありました。なんとか”内臓脂肪やや増”を一掃したい、一応健康数値は正常範囲だけれど。5ヶ月に渡る前歯矯正は一応終了、総経費伍拾萬圓を超える人生最後の贅沢、わがまま。想像したようなスッキリとした姿にはならんかったけれど、噛み合わせは正常化したことでしょう。

 職場は若い男女二人が東京へ転出、更に若い女性が二人配置されるそう。狭い自分のお仕事縄張りには前年の新人男性(コロナで可哀想に一年間放置っぽい)その育成を任されます。サラリーマン生活ラストまでしっかり役割を与えてくださるのですね。夫婦とも倹約節約家≒ケチ(←それが趣味)浪費や怪しげな(一攫千金!狙い)投資とは無縁、家計のことはFPであり、経理財務のスペシャリストである女房殿に任せて、いまのところ生活は困窮しておりません。

 自分は結婚する時に爺さん婆さんに紹介したし、息子夫婦も北海道の両親にご挨拶に行きました。婆さんは結婚式にも元気で参列しましたよ。孫の虎太朗が大きくなってお嫁さんを連れてくるまで、日々鍛えて元気で過ごしたいと思います。今月はお誕生日なんです。

 恒例いつもの前月ヴェリ・ベスト。結果としてメジャーな音源が多くなりました。

Testament SBT41392Wagner 楽劇「ジークフリート」〜ヨゼフ・カイルベルト/バイロイト音楽祭/ヴォルフガング・ヴィントガッセン(t:ジークフリート)/パウル・クーエン(t:ミーメ)/ハンス・ホッター(b:さすらい人)/グスタフ・ナイトリンガー(br:アルベリヒ)/ヨゼフ・グラインドル(b:ファフナー)(1955年)・・・じつは先週、毎日少しずつ聴き進めて全曲拝聴していたもの。この時期にしてステレオ収録、かなり聴きやすい歌い手中心のオン・マイク音質でした。ギュンター・ノイホルト/カールスルーエ・バーデン州立歌劇場管弦楽団をしっかり全曲拝聴したのは既に21年前でっせ、爾来あちこち不遜なちょろ聴きばかりを反省。当時は「リング」全曲を入手するだけで法外な出費を強いられて、現在なら種々ネットより入手可能(例えば自分はキリル・ペトレンコやらミヒャエル・ギーレンのライヴ音源を入手済)宿題は聴手の集中力、根性のみ。

楽劇「ジークフリート」(第3夜)は難物でして、一番馴染みにくい。永遠のオペラ初心者である自分には演奏の良し悪しなど判断できるはずもなし、Wolfgang Windgassen(1914ー1974独逸)のヘルデンテノールは誠に立派、さすらい人じつはヴォータンと云えばこの人 Hans Hotter(1909ー2003独逸)もはまり役でしょう。ジークフリート牧歌ってあるでしょ?彼(か)の馴染みの温かい旋律があちこち響いて、管弦楽作品として知られている「森のささやき」(ジークフリートが人間らしい感性に目覚めるところ)も爽やかに懐かしく、全曲人の声の威力、美しさを堪能いたしました。

RCABeethoven 交響曲第3番 変ホ長調「英雄」(1953年)/第4番 変ロ長調(1951年)〜アルトゥーロ・トスカニーニ/NBC交響楽団・・・音楽を愛するものなら必ず聴くべきArturo Toscanini(1867ー1957伊太利亜)往年の記録。恥ずかしながらおそらく初耳。引退の前年86歳の「英雄」が凄い!第1楽章「Allegro con brio」からスピーカーから吹き出す音圧、細部解像度の高い音質も良好だし、なんせオーケストラが上手い。硬質なサウンド印象は先入観だったのか、テンションの高い一気呵成な推進力はノリノリ、ぐうの音も出ない感銘に襲われました。14:07ー15:22ー5:23-11:12。(第1楽章提示部繰り返しなし)この要らぬ飾りのないスタイルが、おそらくあとの世代に絶大なる影響を与えて、お手本になった最高峰。第4番はわずかに、ちょっぴり音質は落ちる?(なんせ自分のオーディオ環境には自信はない)けど、細部彫琢のみごとさに変わりはないもの。第4楽章「Allegro ma non troppo」に於ける細かいパッセージ、ファゴット・ソロも余裕でした。9:55-8:46-4:59-6:58。

EMI TOCE7203Brahms 交響曲第4番ホ短調(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団1968年)/ハイドンの主題による変奏曲(フィルハーモニア管弦楽団1962年)〜カルロ・マリア・ジュリーニ・・・同じEMIに翌年シカゴ交響楽団との再録音を果たす不思議な第4番。この人のまったりと悠然とした語り口はいつも通り、第2楽章「Andante moderato」冒頭から悠々とホルンがシンプルな旋律を歌うところ、ここが微妙にリズミカルなタメがあって味わい深い。シカゴ交響楽団との演奏に負けぬ完成度と思うけどなぁ、このオーケストラとの相性は良かったですよ。

DECCA 458 605-2Ravel バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)〜シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団/合唱団(1980年)・・・目眩く超絶細かい旋律音符乱舞する名曲中の名曲、アンドレ・クリュイタンスもピエール・モントゥーも立派だけど、繊細緻密な作品にはそれに相応しい録音音質が必要でしょう。これが黄金のコンビのデビューとか、就任3年満を持しての成果はクール怜悧な風情にセクシーデリケートな色気漂うもの。ピエール・ブーレーズ/ベルリン・フィル(1994年)と双璧をなす完成度!そう思うけれど、オーケストラの個性的にこちらのほうには”軽さ”がありました。

DECCA UCCD5225Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」/管楽器のためのサンフォニー〜シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団(1984年)・・・ラストは喧嘩別れに終わったこのオーケストラ在任1977ー2002年、最良の姿が記録されております。加奈陀仏蘭西語圏にあるローカルオーケストラが、一流の技量を磨いて洗練されていく驚くべき成果。各パートがクリアに自己主張してバランス完璧、クール怜悧な色彩に充たされてバーバリズムの欠片もなし。自分の貧しい表現だとピエール・ブーレーズと似たような感じだけど、それはぜんぜん違う個性、スタイリッシュに微妙な色気を感じさせるもの。「サンフォニー」の素っ頓狂な緊張感もお気に入り、英DECCAの録音はたいしたもんでっせ。

BRILLIANT 92177Telemann ターフェルムジーク(食卓の音楽) 第1部 - 序曲(組曲) ホ短調 TWV 55:e1/四重奏曲 ト長調 TWV 43:G2/フルート、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 イ長調 TWV 53:A2/トリオ 変ホ長調 TWV 42:Es1/フルート・ソナタ ロ短調 TWV 41:h4/シンフォニア ホ短調 (終結部) TWV 50:5〜ピーター=ヤン・ベルダー(cem)/ムジカ・アンフィオン/ウィルベルト・ハーゼルゼット(トラヴェルソ)/ヤープ・テル・リンデン(vc)/ダニー・ボンド(fg)/レミー・ボデ(v)/山縣さゆり(v)(2003年)・・・Telemannは大Bachに負けぬ名曲を揃えていると思うけれど、現代の人気は天と地ほどの差、生前はむしろTelemannのほうが人気だったそう。題名ばかり著名な「食卓の音楽」も旋律音楽はどれほど知られているでしょうか。演奏機会も少ないと思います。この第1部はたっぷりCD一枚半分のボリューム、冒頭の序曲(管弦楽組曲)はフランス風(緩急緩)フルート2本が活躍して、Bachにとても良く似ているのは時代の産物なのでしょう。以前はちょっぴり色気が足りない、なんて悪口云っておりました。音質極上、阿蘭陀中心の名手を揃えて、引き締まった古楽アンサンブルは躍動してヴィヴィッド。王侯貴族の食事会に使われるBGM?贅沢なもんですよ。

SEONのLPBach ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV1046/第2番ヘ長調 BWV1047/第3番ト長調 BWV1048/第4番ト長調 BWV1049 /第5番ニ長調 BWV1050 /第6番変ロ長調 BWV1051〜グスタフ・レオンハルト(cem)/シギスヴァルト・クイケン(v+va)/ヴィーラント・クイケン(vc+ガンバ)/ルーシー・ファン・ダール (v+va)/フランス・ブリュッヘン(フラウト・トラヴェルソ+リコーダー)/アネル・ビルスマ(vc)/クロード・リッパース(tp)/パウル・ドンブレヒト(ob)/アブ・コスタ―(hr)/ボブ・ファン・アスペレン(cem)(1976-77年)・・・優雅に急がぬ余裕テンポ、古楽器として比較的初期の録音でも充分な完成度、練り上げられた技巧に惚れ惚れ、ヴェンツィンガーとかアーノンクールなど先人の記録はあるけれど、これがほとんど古楽器との出会いでした。とくにフランス・ブリュッヘンの太い、装飾音の幅の広い音色に魅了されて、これからは古楽器の時代だ!そんな思いに至ったのは1980年代中盤だっと記憶します。トランペットの技巧云々との声が一部にあるけれど、そんな楽器なんですよ、たどたどしい。これは小学生以来のお気に入り作品(第3番が出会い=カラヤン)数々聴いてきて、21世紀ヴィヴィッドなリズム演奏も数多く聴いてきたけれど、音質含めこれが最高!レオンハルトは堅苦しくて厳しすぎて・・・なんて時に感じても、ここでの統率も第5番第1楽章のカデンツァも息を呑むほど立派。ほちぼち半世紀前、鬼籍に入った人も数人、この記録は永遠です。

(2021年3月1日)

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written by wabisuke hayashi