京都だけどどこなのか記憶がない

猛暑、病の四ヶ月目


 ここ数ヶ月の病の状況は先月言及済。8月は市立体育館に15回通い、定例の通院も久々(眼耳など)3回ほど、元気だからこそ美味いもんを喰いに出掛ける贅沢も数回、健康診断の結果は唯一問題のあった尿酸値も正常になって理想的な血液検査結果・・・ここで大失敗しました。一週間ほど前に女房殿+息子と数カ月ぶりの酒は中ジョッキ2杯のビールと日本酒1合ほど久々、これで様子を見るべくしっかり水分も取ったのに、三日後くらいから左足に痛風症状再発しました。なんと4ヶ月連続。ネットの専門医の情報を探ると、自分のように発作を繰り返してなかなか症状が治まらぬのは患部に尿酸結晶が残っているんだそう。しばらく禁酒を継続するのと、専門医を探して、別途投薬が必要なのかも。

更に、一昨日トレーニング途中に体調不良を感じて、昨日昼前に熱を測ったら38.2度C、ふだん体温の低い自分にとってこれは高温。夏風邪をひいたみたい。幸い喉の痛みや咳はないようで、じっと寝て快復を待っております。体重は月初63.2kg→最終日63.2kgコントロール出来。しっかり日々鍛えて、食生活も節制して、それでも痛風症状+夏風邪?これも華麗なる加齢でしょうか。2023年もあと4ヶ月だけど、なんか散々な日々を過ごしております。体調最悪なので短めの「近況」でした。そういえば4個目のUSB外付けHDD(2TB)不良品にぶち当たって、仏蘭西、Wagner関連の音源を大量にお釈迦にしましたっけ。それとネット環境をNURO光に変更いたしました。ここは幾度か電話して質問したけれど、なかなか対応がよろしかった。

 恒例ヴェリ・ベスト。猛暑続きに集中力を失っております。

英RCA SB 6627Ravel バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲/Roussel バレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」第2組曲〜ジャン・マルティノン/シカゴ交響楽団(1964年)・・・これはオーケストラのモウレツなパワーと技量を堪能するべき録音。極色彩にフクザツな和声絡み合って精緻を極めた「ダフニス」(6:00-7:07-3:52)パワフルに明るく爆発する「バッカス」の迫力(18:59)。かっちりとした芯を感じさせる明るい音色、完璧なアンサンブルと切れ味、いろいろと確執があったらしいマルティノンのシカゴ時代(1963−1968年音楽監督)だけど、録音を聴く限り、その完成度には驚くばかり。

CCC 000232CCCMussorgsky/Ravel 編 組曲「展覧会の絵」(1960年)/Prokofiev 組曲「三つのオレンジへの恋」(1962年)/Bartok 弦楽のためのディヴェルティメント(1961年)〜ヘルベルト・ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団/室内管弦楽団 ・・・2008年来の再聴。当時から書いているように目の醒めるように鮮明な音質(とくに「展覧会の絵」)露西亜風泥臭い旋律はRavelの色彩的な編曲際立って、各パートが奥行き、空間がリアルに定位されて、金管炸裂、打楽器の低音は仰け反るような迫力でした。このオーケストラは後年のドレスデン・フィルより技量は上でしょう。やや速め、強面な中庸イン・テンポを維持して、その鋭利な切れ味は最高です。お気に入り作品だからオリジナルのピアノ含めて幾度聴いて、これはヴェリ・ベストの出来。(1:19-2:13-0:48-4:39-0:28-1:14-3:04-0:40-1:10-2:22-1:20-3:52-3:31-5:22)Prokofievは荒唐無稽素っ頓狂な旋律リズムが魅力、音質はちょっと角が取れた感じ。相変わらず仏頂面の硬派な表現はそのまま。(The Clowns 328-The Magician and the Witch play cards 3:52-March1:42-Scherzo1:39-The Prince and Princess 4:44-The Flight 2:34)Bartokは第1楽章「Allgro no trippo」からローカルに怪しく、重いリズムを刻む作品、陰影メリハリをはっきりさせるケーゲルの表現絶好調。第2楽章「Molt adagio」に於ける不協和音の緊張感は強烈でした。第3楽章「Allegro Assai」はバロック風にカッコ良いところ。これもかなりの鮮明な音質。(8:57-9:21-6:59)CD1枚に収録する作品組み合わせは上出来です。

LPデザインReger モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ 作品132(シュターツカペレ・ドレスデン1968年)/アーノルト・ベックリンによる4つの交響詩(ドレスデン・フィル/ウォルター・ハーロウィッチ(v)1964年)〜ハインツ・ボンガルツ・・・この作品はカール・ベームのヘリオドールLPにて昔馴染み(1956年)例のピアノ・ソナタ第11番イ長調第1楽章「Andante Grazioso」の平易可憐なな主題が濃厚な浪漫に変容して堂々たるフーガに至る立派な作品。クールに渋いシュターツカペレ・ドレスデンのサウンドは魅力的でした。(2:25-2:33-2:03-1:30-0:44-1:43-2:11-2:33-6:54-9:56)交響詩のほうはHeinz Bongartz(1894-78独逸)の手兵であったドレスデン・フィルの演奏(音楽監督在任1947ー1963年)。デリケートに暗鬱静謐甘美なつぶやきが続く「ヴァイオリンを弾く隠者」(9:46)軽快に繊細な「浜辺の波の戯れ」(4:35)Rachmaninovが同じく題材に取った「死の島」は切ない暗鬱な詠嘆が続き(9:36)「バッカナール」(5:00)はちょっと感情が読みづらい、明るい?悲痛?な疾走。予想外の名曲に、響きが濁る印象があったオーケストラはここでは快調。いずれも音質はまずまず。

DECCA LPWagner 楽劇「ワルキューレ」より ヴォータンの告別「さようなら、勇ましいわが子」〜ジョージ・ロンドン(bb)/ハンス・クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル(1958年)を聴いたら、大河のようにゆったり悠々とした流れ、微妙な情感の揺れ陰影の深さ、デリケートな細部の魂の入れ方・・・George London(1920ー1985加奈陀)の声は圧巻の貫禄と説得力、ウィーン・フィルはもうちょっぴりあとのジョージ・ショルティとも違って、悠然たるタメ、テンポの動きは比類ない深さ。カールショウは「リング」全曲をHans Knappertsbusch(1888ー1965独逸)で録音したかったのでしょう。(17:41)引き続き楽劇「神々の黄昏」より「夜明けとジークフリートのラインへの旅立ち」「葬送行進曲」(ウィーン・フィル1956年)拝聴して、やや音質は古くなったけれど、まったりと急がぬテンポ設定、重量感とスケールの大きさ、素朴に飾らぬ悠然たる表現、コクと厚みのある響きに痺れ放し。(12:40-7:34)

■ご近所地元ホールにて名画2本立て第1日目。映画「Shall we ダンス?」(1996年)役所広司は当時若く、生真面目なイケ面中年を演じて、ソーシャルダンスへの日本人の含羞を表出して、ここがハリウッドのリメイク版では出せないところ。草刈民代が圧倒的に輝かしく美しく、それはバレエに鍛え上げた背筋や姿勢から発っせられるもの。恋愛映画ではないんだけど、人の心を思い遣る愛に溢れてラストは(ある意味)思いは成就する健全なるハッピー・エンドでした。脇役ちょい役が超豪華なメンバーばかり、竹中直人は役所広司の、渡辺えりは草刈民代の引き立て役?(失礼)好対照に重要な役回りとなっておりました。テレビで幾度か拝見したけれど、初めて作品の真髄を堪能いたしました。(大貫妙子はシュガーベイブ時代からのファンでした)

映画「がんばっていきまっしょい」(1998年)これは初めて拝見。1970年代の松山が舞台、田中麗奈のデビュー作(他の公募された高校生役は女優さんにならなかったとのこと)全編ロケーション(セットなし)松山弁、町並みも昭和なノスタルジーを感じさせるローカル地方色豊か、それだけでも痺れました。クリーニング屋の寡黙な父親(白竜)優しい母親(森山良子)も昭和のイメージそのまま。地方の高校にムリムリ女子ボート部を作って一生懸命、でもスポ根ものじゃない、フツウに素朴な高校生の生活と心情と自然を描いて、忘れてしまった淡い思いが静かに蘇ります。これが青春! シアワセな時間を過ごせて、この映画はまるで心の洗濯ですよ、もう一回見たい。歌も泣けます。そういえば両映画ともケータイ・スマホが出てこない時代なのがよろしい。あれは便利過ぎてほんまに風情がない。

■ご近所地元ホールにて名画2本立て第2日目。映画「キツツキと雨」(2012年)。「南極料理人」(2009年)の沖田修一監督、高良健吾、古舘寛治はその流れですね。主役の役所広司は「Shall we ダンス?」の生真面目なイケ面中年から無骨な材木を切り出す山仕事へと変身して、B級ゾンビ映画のロケ(頼りない監督は小栗旬)に巻き込まれていく・・・筋らしい筋、起承転結のない、微妙に細部違和感とオモロさ散りばめて、若い女性がほとんど登場しないのも「南極料理人」にテイストは似ていて、これはかなりマニアックな映画と思います。平田満、伊武雅刀、山崎努がちょい役で出演して、凄い存在感。

映画「死に花」(2004年)。じつは体育館の掲示板に貼り出された宣伝を眺めて、最初に興味を抱いたのがこれ。森繁久彌、小林亜星、藤岡琢也、谷啓、青島幸男、宇津井健、高橋昌也、長門勇、加藤治子・・・皆死んじまったなぁ。寂しい。藤岡琢也さん、自らの葬式で歌うけれど(生前ビデオ)ジャズがすごく上手い。山崎努(当時68歳、ハイプーリーの場面、全力疾走もして鍛えてますよ)松原智恵子(女性に年齢は失礼だけど当時59歳)は現役。二人のキスシーンとかベッドシーンがあるんだけど、これがとても絵になって美しい。無念な結果にバイアグラを求める姿もリアルにユーモラスでした。高級老人施設に集う面々、サクランボウ銀行の17億3千万円強奪計画の実行という荒唐無稽な筋書きに、レビューには「ビルディング倒壊のCGが安っぽ過ぎ」なんていう辛口評価もあったけれど、そこはオトナのおとぎ話、死にかけ爺(しかも有閑階層)が連日穴掘り肉体労働なんて、もとより絶対ムリじゃん。都心で工事偽装なんてあり得ぬし、そこは笑って愉しみましょう。唯一若い女優は星野真理が脇役を固めるのみ、なのに全体に明るい雰囲気が充ちて、元気の出る映画でした。

(2023月9月1日)

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written by wabisuke hayashi