紫陽花

紫陽花の季節へ


 5月は散々な体調、毎日「音楽日誌」にちょっとずつ日々最悪の状態を書いていたので繰り返しになるけれど、もともとGW真っ最中5月1日にやや調子よろしくなく、翌日には一気に下り坂となりました。発熱全身倦怠感に至って咳もひどく食欲は消失+ほとんど寝たきり、体重は一気に3kgほど減りました。こんな要因で体重減っても意味はない。タクシーにて通院したクリニックは念のため外で問診、他の患者さんとは別の2階に案内され、ちゃんと検査はしていないので不明だけれど、酸素飽和度が正常だからコロナではない?との医師の診立てでした。数日後、女房殿にも感染って夫婦揃ってダウン、処方されたクスリを引き継ぎました。

 一週間ほどで症状は軽快したけれど、ここで次のアクション判断大間違い。倦怠感は続いていたけれど、断続的に9回市立体育館トレーニングルームに通ってそれなり鍛えて、寝たきり後(体重減)の身体を戻すべく急な筋トレ実施、睡眠不如意状態での鍛錬は一気に尿酸値を上げるとのこと。”鍛えて治す!”昭和の発想+いつまでも若い!大きな誤解の結末=2月来の通風発作を呼びました。結果その後、まともに歩くことさえできず、食欲もまったくなくして再び通院。鎮痛剤は一週間くらい続けてようやく効果を実感したのは二日ほど前から、さらに風邪?インフルエンザ?後の倦怠感改善のための漢方薬補中益気湯を処方され、ようやくの日常生活が戻りつつあります。一ヶ月棒に振りましたよ。昨日、5月10回目のトレーニングぼちぼち再開へ。

 最初のひどい風邪症状さておき、そのあとの処置をもっと慎重に、科学的に考察して対応すべきでした。一昨日よりストレッチ、昨日より有酸素運動をゆっくり再開、筋トレは未だ先の課題となります。結果的に体重はかなり減って66kg台前半、但し、これは筋肉が落ちただけでしょう。66歳華麗なる加齢に安易なド・シロウト判断は禁物、息子一家が祝ってくれるはずの母の日+父の日会食も延期としました。ここ一ヶ月使ったのは3回の通院診療費のみ(内科耳鼻科)それ以外、な〜んも使っておりません。それも虚しいなぁ、なんのために現役時代一生懸命貯めたヘソクリだよ。今月は大学時代の京都OB会、どこかで爺友との酒も復活させたいもの。慎重に日常生活に戻しましょう。

 恒例ヴェリ・ベストは中止にしたいくらい、音楽には集中できていない・・・けど、振り返るとけっこう聴いているものですね。

Club Francais du disque, LPBeethoven ヴァイオリン協奏曲ニ長調〜フランコ・グッリ(v)/ルドルフ・アルベルト/コンセール・ラムルー管弦楽団(1958年)・・・ネットよりダブって音源を入手した、そんな話題に言及したまま病に伏したので演奏云々はできませんでした。Franco Gulli(1926ー2001伊太利亜)は驚くべきしっとり美音を誇って、以前よりバロックとかPaganiniの演奏に注目しておりました。この録音はレーベルとか知名度故の入手難、音質は極めてクリアなステレオ録音。Beeやん最高の穏健なひとときを堪能させてくださる名曲中の名曲、第1楽章「Allegro ma non troppo」から諄々とした説得力に比類がない(24:19)テンポは比較的遅めかな?第2楽章「Larghetto」は変奏曲。ここのソロとオーケストラの掛け合いは息の合った美しさ、落ち着いた優しさに深い感銘をいただきました。第3楽章「Rondo.Allegro」も晴れやかな表情に一切の力みもなく、瑞々しい音色が歌います。Rudolf Alberth(1918ー1992独逸)率いるオーケストラも文句なし、名曲、名演。(19:59)

OVCL00681Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界より」/Trong ban交響詩「幸せを私たちに運んでくれた人」/糸紡ぎの歌〜本名徹次/ヴェトナム国立交響楽団(2018年ライヴ)・・・これは物見遊山気分に聴いてみたライヴ、サントリーホールとシンフォニーホール日本公演からの編集らしいけど、驚異的なアンサンブルと演奏技量の高さ、各パートの色彩個性にまっく不足を感じさせません。第1楽章「Adagio - Allegro molto」提示部繰り返し、燃えるような勢いと情熱、迫力に充ちて手に汗握る熱演が続きます。そのノリノリのリズム感、各パートの歌、最終楽章「Allegro con fuoco」迄体力は落ちずに朗々たる歌が続きました。(11:57-11:30-7:32-11:06拍手なし)おそらくはヴェトナムの作曲家による交響詩は懐かしく(8:19)「糸紡ぎの歌」は伝統の旋律らしい。(5:03)。立派な文化が育って、それは素晴らしいこと。コロナ以降はいかがでしょうか。

PHILIPSRodrigo アランフェス協奏曲/ある貴紳のための幻想曲〜アレクサンドル・ラゴヤ(g)/アントニオ・デ・アルメイダ/モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団(1972年)・・・Alexandre Lagoya(1929ー1999仏蘭西)は往年の名ギタリスト。埃及(エジプト)の出身らしい。第1楽章「Allegro con spirito」から極東のド・シロウト(=ワシ)がイメージするところの西班牙の闊達なリズム、速めのテンポにざっくりと流れよく仕上げた演奏。第2楽章「Adagio」はイングリッシュ・ホルンによる哀愁のメロディに導かれた変奏曲、ここの知名度は高く、自分のお気に入りでもあります。第3楽章「Allegro gentile」はやはり西班牙のリズムを感じさせるけれど、2/4と3/4の複合拍子とか(Wikiより)ありがちにシンプルなものに非ず。(19:14)「ある貴紳〜」は安寧の旋律が自在に歌う舞曲が連続する、これも名曲。(19:37)

Columbia LPBrahms クラリネット五重奏曲ロ短調(ハインリヒ・ゴイザー(cl))/Mozart フルート四重奏曲イ長調K.298(オーレル・ニコレ(fl))〜ドロルツ弦楽四重奏団(1958年)・・・音質かなり良好。ドロルツ四重奏団は活動期間1950-1974年、Heinrich Geuser(1910ー1996独逸)はカール・ライスターの師匠筋、憂いに充ちてしっとり歌う究極のBrahms、自在に表情は変化して低音から高音迄自在にスムースな音色に魅了されました。弦楽四重奏団のデリケートな表情付けも絶品。音質も雰囲気があって悪くない。(38:56)Mozartは第1楽章「Andante」から絶品の変奏曲、Aurele Nicolet(1926ー2016瑞西)この時期ベルリン・フィルの首席、厳しい集中力を感じさせる彼の音色は、いつになく落ち着いてマイルドでした。(11:40)

Simon Rattle 1955ーMahler 交響曲「大地の歌」〜サイモン・ラトル/バーミンガム・シティ交響楽団/マグダレーナ・コジェナ(ms)/ミヒャエル・シャーデ(t)(2011年6月12日オールドバラ音楽祭/スネイプ・モルティングス・ライヴ)・・・2015年来の再聴。これはセッション録音とは別物のライヴ音源、音源データを点検整理して発見したもの。音質極上でした。Simon Rattle(1955ー英国)はロンドン交響楽団の音楽監督在任中、ことし2023年のシーズンよりバイエルン放送交響楽団に就任とか、指揮界も人材が足りんのでしょうか。Mahlerは言葉の壁を乗り越えて、しっかりその心情を理解できる自分にとって数少ない作曲家、これは東洋の諦念がシミジミと伝わる名曲中の名曲、奥様であるMagdalena Kozena(1973ー捷克)の声が凛としてモダーン、大好きな作品だから機会があれば種々色々聴いてきたけれど、ラトルの明晰な表現、古巣のオーケストラとの信頼関係もしっかり感じさせて、近年稀に見る完成度と聴きました。8:50-10:00-3:20-7:20-5:00-32:54(ラストは長大なる拍手込み)

EMI 7243 5 72799 2 5Mahler 交響曲第6番イ短調〜クラウス・テンシュテット/ロンドン・フィル(1987年)・・・自分が聴いた音源は昔通りの記憶、この時期にしていまいち薄い音質。噂ではSACD化が成功して、オリジナルの優秀な音質が蘇ったんだそう。この重苦しい不気味な作品はバーンスタインの流れをくむ圧巻の情熱演奏でした。第1楽章「Allegro energico, ma non troppo」よりセッション録音とは思えぬ尋常ならざる前のめりの推進力、金管の絶叫、そしてアンサンブルの粗さ、乱れのリアル。(24:36)第2楽章「Scherzo」の切迫感、時に怒りに充ちて時に途方に暮れて、極端なテンポの動きに説得力有、テンションも変わらない。(13:04)第3楽章「Andante moderato」は抑制された陶酔が素晴らしい。ここは特別な動きを伴わなぬ静謐が続いて、後半ラストのクライマックスに感極まった情感の爆発が待っておりました。(17:22)第4楽章「Finale, allegro moderato」不気味に絶望的な始まり。金管の苦しい絡み合いは不気味であり、壮絶な締め括りでした。(32:58)

(2023月6月1日)

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written by wabisuke hayashi