贅沢三昧

引き続きずっと贅沢にヒマな日々〜暮れゆく2024年


 2024年もラスト、一気に寒くなりましたね。鍋物が美味しい季節に入りました。体調はやや危うい日もあったけれど、風邪などに寝込むこともなしなんとか、辛くも日常生活を過ごしました。マイナカード初めて健康保険証利用確認してみました。自分の登録は大丈夫みたい。インフルエンザ・コロナワクチン同時接種〜ちょっぴり副反応っぽいのはありました。歯磨きはもちろん歯間ブラシを常用すること、そして口中洗浄液を習慣に〜その効果は顕著。市立体育館トレーニンルームにユル筋トレ16回隔日皆勤賞、日々食事も気をつけているつもりでも、居酒屋には4度ほど、ちょっと呑み過ぎかも。結婚記念日も学生時代のOB会もありました。2024年も最終月に至って体重は残念な増傾向継続中、1年ほど前の最低記録より4kgほど増えては内臓脂肪が心配です。血圧上昇も医師に指摘されてガッカリ。

 電気シェーバーが壊れて人民中国製激安品を入手、毎日絶賛使用中、さてどのくらい保つでしょうか。息子よりリュックのプレゼント有。ポケット多くて使いやすい。毎日料理は続けていて、北海道産晩生光黒大豆煮豆ニ度連続アク抜き失敗!ジャムにしたカリンも昨年よりアクが強いと感じて、これは猛暑要因?自然環境影響の産物でしょうか。

 ドジャースはワールド・シリーズ制覇。大谷さんは肩を傷めました。来シーズン迄に治ることを祈りましょう。米大統領選挙はトランプさん圧勝、あの人は公約は守る人だから政策は実行するだろうけれど、思うような成果が出るのかどうかは別問題です。日本への影響は慎重に見極めましょう。玉木さんなにやってんだよ女性問題〜さてその後の後始末を注目中。兵庫県知事選は斎藤前知事圧倒的再当選。前回より25万票上乗せして圧勝。ネット記事の受け取り方について話題になっております。公選法違反の疑いあるのか、ないのか注目だけど、どうも竜頭蛇尾っぽい感じ。首都圏中心にあちこち闇バイト物騒な強盗事件勃発中。日本の安全神話も風前の灯〜なんとか抑え込みたいけれどこれは社会不安の反映、そこが根本原因なのでしょう。

 ま、場末の引退爺が云々しても仕方がない、贅沢にヒマな日々のうちに2024年は暮れていきます。

 毎月恒例前月分拝聴音楽の振り返り。ボケ防止のつもり。

PHILIPS SFL-8617Mozart セレナーデ第10番 変ロ長調K.361(K6.370a)「グラン・パルティータ」〜エド・デ・ワールト/オランダ管楽アンサンブル(1968年)・・・Edo de Waart(1941ー阿蘭陀)27歳、おそらくデビュー辺りの録音。もう半世紀以上前、写真は皆若者の爽やかに清潔な演奏ですよ。編成はオーボエ2/クラリネット2/バセットホルン2/ホルン4/ファゴット2/コントラバス(13管楽器じゃないじゃん)一連のMozartの管楽アンサンブル中最大。幾度も聴いているこの作品は愉悦に溢れて、あらゆる音楽のうち最高にお気に入りのひとつ。久々の拝聴はそのリアルな音質、各パートの表情の豊かさ、アンサンブルの愉悦に打ちのめされました。モダーン楽器であれ、古楽器であれ、自分にとっては正直なんでも、どんな演奏でも感動間違いなし、この作品を録音する人々にヘタレなアンサンブルなどありえません。
第1楽章「Largo. Allegro molto」は緩やかな序奏から破顔一笑、一気に喜びが走り出して陰影もたっぷり。(9:46)第2楽章「Menuetto」しっかりリズムを刻んで優雅な歩みを感じさせます。ここもちょっぴり暗転があって、シンプルだけど情感の揺れを感じさせます。(9:18)第3楽章「Adagio」ここは毎度の引用だけど映画「アマデウス」中、サリエリがあまりの陶酔に楽譜を取り落とすところ。そんな描写に説得力たっぷりな美しくも自在な掛け合いがたっぷり歌うところ。最高(5:44)第4楽章「Menuetto: Allegretto」は笑顔を湛えて上機嫌なリズムを刻むメヌエット。(5:24)第5楽章「Romance: Adagio」ここの落ち着いて優雅な風情も第3楽章に負けぬ魅惑の楽章。中間部の不安なテンポ・アップもアクセントを添えております。(5:50)第6楽章「Theme with Variations」は牧歌的な主題から、朗らかな変奏が浮き立つように装飾を加えていきます。ここのコントラバスの動きはファゴットでは代替できぬ色合いと感じます。(9:49)第7楽章「Rondo: Allegro molto」フィナーレは闊達にノリノリの締め括り。(3:20)

HMC 90189Mozart 協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(Anh.9)/フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K299/ 交響曲第31番ニ長調 K.297(300a) 「パリ」〜ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(v)/フライブルク・バロック管弦楽団/スザンネ・カイザー(fl)/アンネ・カトリーン・ブリュッゲマン(ob)/ジャビエル・サフラ(fg)/エルウィン・ウィエリンガ(hr)/マーラ・ガラッシ(hp)(2005年)・・・パリに縁(ゆかり)の深いMozartの名曲を揃えた古楽器演奏。Gottfried von der Goltz(1964-独逸)率いるFreiburger Barockorchester(1987年創設)は当初トーマス・ヘンゲルブロックが芸術監督を務めて(1997年迄)現在はゴルツとPetra Mullejans(1959-独逸)がコンマス兼音楽的な指導をしているとのこと。(Wikiによる)
浮き立つような愉悦に充ちた協奏交響曲 変ホ長調は真作とは認められていないようだけれど、市井の音楽愛好家には浮き立つような愉悦がまさにMozartそのもの。これがジミに素朴、しっとり落ち着いて(おそらくはピッチも低い)練り上げられた素朴な古楽器の響き、ソロの掛け合い最高、落ち着かぬ急いた先鋭なリズム〜とは無縁の味わい深い落ち着きでした。Allegro(10:08)Adagio(6:50)Andantino con variazioni(11:02)*夢見るようにノンビリとした変奏曲は大好き
まるで華やかな衣装に若い女性が優雅に上品に踊るようなフルートとハープのための協奏曲、木製フルートのしみじみ古雅な響き。ここでのハープはなかなか他では聴けぬ、ちょっぴり曇って抑制された音色が床しいもの。ここも、ジミなサウンドが全体を支配して落ち着いておりました。Allegro(9:56)Andantino(8:18)Rondo: Allegro(10:22)
ニ長調交響曲K.297(300a) はパリの聴衆の嗜好に合わせて強弱を強調したデーハーな作品。溌剌として軽量に過ぎず、木質のサウンド。これはカール・ベームの終楽章「Allegro」異様なユルいテンポに仰け反った記憶も妙に懐かしく鮮明。ま、それは異形な例だけど、三曲とも当時のパリ社交界の喧騒を想像させるようなステキな選曲でした。Allegro assai(7:32)Andante(4:07)Allegro(3:51)(別稿Andanteも収録/5:34)

AP321DRavel 左手のためのピアノ協奏曲/ラ・ヴァルス/ピアノ協奏曲ト長調/「逝ける女王のためのパヴァーヌ」によるインプロヴィゼーション〜フランソワ=グザヴィエ・ポワザ(p)/シモーネ・メネセス/フィルハーモニア管弦楽団/イヴ・マルコット(cb)/ヴァレンティン・リヒティ(dr)(2023年)・・・Francois-Xavier Poizat(1989-仏蘭西)は期待のピアニスト、もう中堅でしょうか。これはまず音質が新鮮そのもの、リアルな音像と適度な残響がピアノの存在感はハッとするほど。重厚な「左手」(19:34)そして気紛れに優雅なト長調協奏曲(8:29-8:50-3:59)も、こんな表情豊かな陶酔に、ヴィヴィッドに歌われるのは初体験。最終楽章の華やかさ賑やかさ、テンポ・アップに痺れましたよ。 Simone Menezes (1977-伯剌西爾)はパーヴォ・ヤルヴィの弟子とか、初耳だったけれど彼の伴奏も負けず劣らず新鮮な躍動を聴かせて下さいました。(写真に見る限り)なかなかのイケメン。馴染みだったはずの「ラ・ヴァルス」(ピアノ版)がこれほど妖しく、引きずるように地の底から豪華に響いたのも初体験(12:49)大好きな作品ばかりだけれど、驚くべき感銘をいただいたのは久々でした。ラスト「インプロヴィゼーション」は静かに懐かしい、小粋なジャズでした。どこがどう「パヴァーヌ」なのかさっぱり?でもステキな曲ですよ。(5:08)

CANYON PCCL00330Bruckner 交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)〜ゲルト・アルブレヒト/チェコ・フィル(1995年)・・・Gerd Albrecht(1935-2014独逸)による最高の録音、そしてもちろん演奏のひとつ。ネットにこの音源情報や評価を探っても、もうほとんど出現しない=話題に上らなくなっていることに驚きました。この作品はBruckner中、もっとも美しい旋律を誇ると感じます。
第1楽章「Allegro moderato」は中庸のテンポに慌てず、走らず、ていねいに細部を描いてクリアな響き。録音は理想的なバランスにチェコ・フィルの弦がここ迄美しく響くのはあまり聴いたことがないほど。管楽器も木目の響き。(21:17)
第2楽章「Adagio. Sehr feierlich und sehr langsam」は感極まる緩徐楽章、この作品の白眉。粛々と潮が満ちよるように弦が歌って、クライマックスに金管や打楽器は鋭く鳴り過ぎず、響きは濁らない。フルートは痺れるような寂寥の音色に、ヴィヴラートの効いた遠いホルンに締め括りました。とにかく録音が素晴らしい。(23:02)
第3楽章「Scherzo: Sehr schnell」Brucknerのキモであるスケルツォ。冒頭のトランペットが素朴に始まり、リズムの刻みは質実そのもの。金管はパワフルだけどマイルドにうるさく響かない。(8:53)
第4楽章「Finale: Bewegt, doch nicht schnell」渋い金管が心持ち速めのテンポにさっそうと走り抜けるフィナーレ。ここはかなりテンポは揺れるけれど、濃密な浪漫に非ず、スケール大きな爽やかさが続きました。(12:35)

DG PROC‐1190Debussy 夜想曲/Ravel バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲/逝ける女王のためのパヴァーヌ(1970年)/Scriabin 法悦の詩(1971年)〜クラウディオ・アバド/ボストン交響楽団/ニューイングランド音楽院合唱団・・・アバドが未だ30歳代若手の頃の記録。ボストン交響楽団との録音は少なかったと記憶します。音質は現役。夜想曲は緻密、細身にクール、スリムに洗練されたサウンド、「祭り」のリズムの切れ味、テンションの高さ。(7:53-6:06-10:47)「ダフニス」に於けるフルートの思っきり華やかな音色(名手ドワイヤーでしょうか)ノリの良さ、シレーヌもだけど、合唱の爽やかな響き(16:18)神々しい官能漂う「パヴァーヌ」は淡々として静謐な味わい(6:50)ここまでがオリジナルの収録でしょう。
Scriabinも稀代のエッチな作品、トランペットの朗々と鋭い、明るい響きが際立ちます。(Armando Ghitalla ,1925-2001亜米利加)洗練された響きはテンション高く、露西亜風土臭さとは縁遠い、曖昧さのないクリアに洗練されたサウンドが続きました。これは今まで聴いた中では最高の演奏。(19:33)

CBS LPBolodin 交響曲第1番 変ホ長調/第2番ロ短調〜アンドルー・デイヴィス/トロント交響楽団(1976年)・・・Andrew Davis(1944-2024英国)がトロント交響楽団の音楽監督をカレル・アンチェルから引き継いだのは1975-1988年、その頃の代表的録音でしょう。英国の指揮者が加奈陀のオーケストラを振って露西亜のオリエンタルな交響曲、なんてちょっと意外な組み合わせは成功しております。華やかに軽快なサウンド、音質はやや粗いけれどまずまず、アンサンブルもバランスよく整っておりました。ちょっと敬遠気味だった作品の価値をちょっと見直すほどの立派な演奏でした。
交響曲第1番 変ホ長調は知名度的には落ちるけれど、古典的二管編成+ティンパニによる作品。WikiによるとSchumannの影響を受けている作品とのこと。第1楽章「dagio - Allegro - Andantino」神妙な序奏から憧憬の気持ちが盛り上がって、主部はティンパニのリズムが印象的に躍動する明るい風情に疾走します。著名な第2番ほどに泥臭さは感じさせない。ラスト、リズムを変えて畳み込んでから静かに、優しく終わります。(13:19)第2楽章「Scherzo: Prestissimo - Trio: Allegro」ちょっぴり泥臭さと懐かしさを湛えた軽妙なスケルツォ、トリオの優雅な歌との対比も効果的。(6:56)第3楽章「Andante」うっすらとオリエンタルに幻想的風情がステキな緩徐楽章。チェロ、オーボエ、イングリッシュホルンがシミジミ歌って、やがてホルンの強奏を契機にに情感が高まります。(7:02)第4楽章「Allegro molto vivo」は符点のリズムが力強い躍動継続、金管は華やかに爆発して納得のフィナーレがやってきました。(7:49)演奏機会も録音も少ないのが残念な名曲でした。
交響曲第2番ロ短調は1877年の初演に失敗し、改定後1879年の再演では大成功、仏蘭西では大ブームになったそう。三管編成+5種の打楽器+ハープ迄加わって、規模は拡大しております。第1楽章「Allegro」大仰な主題がどうも好きになれなくて敬遠していたところ。アンドルー・デイヴィスは逡巡なく、思いっきり重厚に旋律を引きずって、なかなかのパワフルな説得力に初めて作品に納得できました。(7:06)第2楽章「Scherzo: Prestissimo. Trio: Allegretto」木管や金管の細かい音型をベースに軽妙なテイストのスケルツォ、ここは速めのテンポに躍動して勢いも感じさせて思っきり楽しいところ。トロント交響楽団技量も伺えます。(4:56)第3楽章「Andante」オーボエとハープ、そしてホルンがゆったりと遠く歌って懐かしさ極まる、絶品の緩徐楽章。この辺りBorodinのメロディ・メーカーの面目躍如。(8:07)第4楽章「Finale: Allegro」ワクワクするような、まるで、めでたいオペラのラストのような高揚を感じさせる始まり。オリエンタルな舞曲風の懐かしい旋律が続いて作品を賑やかに締め括りました。(6:21)

(2024月12月1日)

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written by wabisuke hayashi