こんな贅沢な刺身喰ってました

いくら暑くても被災地のことを思えば・・・


 前年2025年8月の「近況」を眺めると、夏は(女房殿も婆さんも)風邪に寝込んだり、大学の先輩と萩旅行に出掛けたり、ご当地で待っているはずだった別な先輩が直前に亡くなってしまったり、参議院選挙で与党が過半数割れしたり〜なんか遠い昔のようにあまり記憶はありません。まさか一年後に「れいわ新選組」が(実質)消滅とは・・・その後すい星のように登場して人気絶好調だった高市さんも、ここ最近やや陰りが出ているそうな。

 前月は5回ほど?梅田迄(京都にも)呑みに出て、この猛暑中幸い体調も崩さず、隔日ゆる実筋トレ16回しっかり皆勤賞。体重も月初とほぼ変わらず過ごしました。
 女子バレー予選リーグ最終対波蘭戦逆転勝利には痺れました。決勝リーグ初戦は残念、伯剌西爾に完敗。男子は無事全勝快進撃中。

 先月は大型台風が沖縄にやってきたけれど、土壇場で熊本中心に大きな地震発生。全国あちこち地震が続いた挙句、とうとう凄いのがやってきて、挙句この暑さでしょ?なにもなくても体調を維持するのはたいへんな季節、家を失い冷房も水もない避難所暮らしの苦痛は想像を絶します。

 ホルムズ海峡の危機は続いて、トランプさんはにっちもさっちも身動きできぬ状態らしい。7月は烏克蘭が露西亜の石油施設や兵器工場、そして巨大物流施設を攻撃して国民生活に大打撃を与えているとのこと。占領したクリミア半島は孤立状態とか。露西亜はまたまた首都キーウを集中攻撃(ただの嫌がらせ)一般市民を標的にする悪質な行為が続きます。
 そんな世界の動きに日本も影響を受けないわけにはいかない。物価はじわじわ上がり、生活は苦しさを増します。

 夕方〜夜8時くらい迄大音量にラジオを鳴し続けるクルマがご近所に連続する事件発生。この犯人は耳の遠い禿げ爺であることが判明して無事撃退いたしました。飛び込み営業に説得されてWifiの変更は無事完了したけれど、その後始末が未だ残って不安は続きます。安物シェーバーは一年でお釈迦、まだ安物を贖(あがな)ったのは懲りない「安物買いの銭失い」性癖でした。

 前月の振り返りヴェリベスト。日々猛暑に苦しんだ割にはけっこう音楽は聴いているものですね。

Echo 191題して「Revival」〜マグダ・タリアフェロ (p)・・・戦前戦中、そして戦後も華やかな活動を繰り広げた才色兼備なMagda Tagliaferro (1893-1986伯剌西爾?仏蘭西?)の人生は波乱万丈。再婚した旦那が投資に失敗して無一文どころか、膨大な借金を抱えてその返済のために懸命に働くことになった・・・とかなんとか、まるで週刊誌のゴシップネタ風。驚くべきスケールと雄弁かつ自然な浪漫に色気を感じさせて、正確かつ無機的にならぬテクニック、デリケートな息吹を感じさせるタッチに魅了されました。
西班牙音楽を集めた最初の5曲は音質良好なセッション録音。絶妙なリズム感とノリ、タメと揺れも時代を感じさせぬ小粋な風情に溢れておりました。
de Falla 歌劇「はかなき人生」〜スペン舞曲(2:59) Gradados 組曲「ゴイェスカス」〜 第4曲「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」(5:27) スペイン舞曲集 作品37〜第2曲「東洋風」(5:10) スペイン組曲 作品47〜第3曲「セビーリャ」(4:11) 組曲「イベリア」〜第1曲「エヴォカシオン」(4:26/以上1960年)
次は仏蘭西もの中心、音質はちょっぴり落ちるライヴ。
Franck 「前奏曲、コラールとフーガ」切なくも遣る瀬ない表情豊か。素晴らしい名曲。(18:47/拍手有)
Faure 「即興曲第2番 ヘ短調 作品31」激しい音型の動きに一気呵成なテクニックが華やかでした。(3:23/拍手有)
Monpou 「庭の乙女たち」例の儚い風情が静かに、寂しげに囁きます。(2:26/拍手有/以上1965年ライヴ)
Ravel 道化師の朝の歌」ざっくりと躍動するノリノリのリズム!(6:23/拍手有/1955年)
Debussy 映像より「金色の魚」気紛れな細かい音型に、思わぬ重心の低さ、ヴィヴィッドな熱気(4:08/拍手有/以上1965年ライヴ)
妖しくセクシーな「月の光」(4:38/拍手有/1955年)正確かつ表情豊かな「トッカータ」(3:52/拍手有/1965年/ライヴ)
ラストは戦前のSP復刻?音質はちょっぴり落ちるけれど、沸き立つような雰囲気は伝わりました。 Poulenc 「パストラーレ」(2:16/拍手有)「トッカータ」(2:13/拍手有/1940年)

ERMITAGE  ERM163-2D.Scarlatti ソナタ集 ニ短調K.141/ヘ長調K.518/ニ短調K.32/ヘ短調K.466/イ長調K.533/ロ短調K.27/ト長調K.125/Debussy ピアノのために/Schumann 交響的練習曲 作品13〜エミール・ギレリス(p)(1984年瑞西ロカルノ聖フランチェスコ教会ライヴ)・・・CD時代よりお気に入り、幾度繰り返して聴いても魅了される最高のコンサート・ライヴ。数年前の印象に付け加えるものはなくて、そのリアルな音質にはいっそう驚かされる鮮度でした。Emil Gilels(1916-1985烏克蘭)のテクニックは亡くなる前年でも瑞々しく正確、強靭に堅牢、考えてみれば未だ60歳代ですもんね。
Domenico Scarlatti(1685-1757伊太利)のソナタは魅力あふれる珠玉の小品連続、しっとりとした落ち着き(静)と躍動(動)の対比、重心の低さと軽快、哀愁と明るい軽妙が同居して、その作品ごとに変化する色合いの説得力は比類のないもの。
ニ短調K.141(4:38)ヘ長調K.518(5:00)ニ短調K.32(3:05)ヘ短調K.466(5:02)イ長調K.533(3:04)ロ短調K.27(4:46)ト長調K.125(2:29/拍手有)
Debussy Pour le Pianoは1902年初演。バロック風衣装による初期の力強い名曲。華やかにパワフル、芯を感じさせる硬質なタッチは圧巻の押し出し、鮮やかなテクニックに圧倒される 「Prelude」(4:08)神秘に深淵な「Srabande」(5:16)淡々と抑制した躍動が、リズミカルなノリとスケールを作り出す「Toccata」(4:23/拍手込み)最高。
Schumann 交響的練習曲の初演は1837年(クララ・ヴィーク)。嬰ハ短調の荘厳な主題(C#-G#-E-C#)から既にしっとりと神妙な風情は絶品、それが12回自在に変奏される天才の名曲。瑞々しいタッチに重心の低さ、刻々と変化する哀しげな表情は情感に揺れ、聴き手の胸を締め付け、揺さぶりました。
(1:43-1:08-4:02-1:17-0:42-1:19-0:58-1:17-0:42-1:19-0:58-1:17-2:26-0:38-1:20-3:09-6:49ラスト拍手含む)

Berlin Classics BC0300725 Theodor Schwartzkopff (1659-1732) 序曲ハ長調(トランペット)/Leopold Mozart (1719-1787) 室内交響曲ニ長調(コルノ・ダ・カッチャ)/Giuseppe Torelli (1658-1709) 二本のトランペットのための協奏曲ニ長調/(Anonymous) コルノ・ダ・カッチャ協奏曲 変ホ長調/Johann Georg Ro"llig (1710-1790) コルノ・ダ・カッチャ協奏曲ニ長調/Giuseppe Torelli トランペット協奏曲ニ長調 after the "Sinfonia avanti l'opera(オペラの前のシンフォニア)"〜ルートヴィヒ・ギュトラー(t)(Corno da caccia)/ヴィルトゥオージ・サクソニエ/ローラント・シュトラウマー(v)/ハインツ=ディーター・リヒター(tp)/Friedwart-Christian Dittmann(vc)(1986-87年)・・・Ludwig Guttler(1943-独逸)はドレスデン・フィル(1969-1990)を経、ソロや指揮活動へ。教育活動や昔の楽器の復興にも取り組んだモダーン楽器の名手。ずいぶんと早くから注目しておりました。日本ではあまり人気はないけれど、膨大なる録音が残されております。初耳作曲家含め、初めて拝聴する作品ばかり(と、思う)
Corno da cacciaとは狩りのホルン、現在のトランペットやホルンの先祖に当たるそう。いずれ古楽器系の素朴に粗野、ちょっと不器用な響きに非ず、そのスムースな技巧、明るく流麗な響きを堪能いたしました。
Schwartzkopff(独逸)とは初耳。大Bachが1685-だから一世代上か。序曲ハ長調は明るく軽く、スムースなトランペット・ソロが弦のアンサンブルに乗って、素直に屈託のない牧歌的な旋律が続きました。
Ouverture(緩急緩のフランス風)(4:02)Bourree(0:53)Menuet(0:52)Chaconne(1:40)Gigue(1:07)
父Mozart 室内交響曲ニ長調はコルノ・ダ・カッチャ大活躍。おそらく古楽器だったらもっと素朴な音色、たどたどしいフレージングと想像するけれど、なんともマイルドにちょっぴりセクシーなヴィヴラートも魅惑の音色。交響曲となっているけれど、ほとんど伴奏各パート一人、落ち着いて親密な掛け合いが懐かしい。時代は進んで旋律はずいぶんと多彩さと陰影を加えておりました。
Allegro moderato(5:07)Menuett(3:00)Andante(3:54)Allegro(2:32)
Torelliは伊太利バロックの巨匠。二本のトランペットのための協奏曲ニ長調は、溌剌快活なリズムに躍動いたします。Heinz-Dieter Richterはシュターツカペレ・ドレスデンのメンバー。緩徐楽章はヴァイオリン・ソロとオルガンのみの安らぎでした。
Allegro(2:23)Largo e staccato Presto Adagio e spicco(2:14)Allegro(1:48)
(Anonymous/作曲家不明) コルノ・ダ・カッチャ協奏曲 変ホ長調の由来はようわからない。マンハイム楽派辺り?しっとりとオーソドックスな旋律が優しい。これは悠々としたソロの技巧が自在に際立って、伴奏は弦楽のみ。緩徐楽章の付点のリズムも印象的、穏健な風情になかなかの名曲。
Allegro(5:59)Adagio(4:13)Tempo di Menuetto(2:19)
Ro"llig(独逸)も初耳。アンハルト=ツェルプスト宮廷楽長?だったとか、ほとんど作品は散逸しているそう。Haydnの一世代前くらいかなぁ。コルノ・ダ・カッチャ協奏曲ニ長調はソロの音域が低く、よりいっそう技巧的な扱いが増しているようです。ノンビリと荘厳、眠くなるようなステキな作品。
Allegro ma non molto(6:27)Siciliano(4:02)Allegro. Tempo di Menuetto(3:48)
ラストはTorelli トランペット協奏曲ニ長調。時代はあちこちだけど、独逸人生の中に伊太利作品が入ると、その明朗前向きな風情が陽光を感じさせて、その違いははっきり認識できました。
Allegro(2:47)Largo(3:51)Allegro(2:14)

NAXOS 8557531Webern Bach「音楽の捧げもの」より「六声のリチェルカーレ」/2つの歌 作品19/5つの楽章 作品5*/2つの歌 作品8/オーケストラのための5つのヴァリアント 作品10/4つの歌 作品13/6つの歌 作品14/5つの宗教的な歌 作品15/眼の光 作品26*/オーケストラのための変奏曲 作品30/第2カンタータ 作品31*〜ロバート・クラフト/トニー・アーノルド(s)/クレア・ブース(s)*/デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(b)*/サイモン・ジョリー合唱団/21世紀古典アンサンブル/フィルハーモニア管弦楽団*(2007-8年)・・・Anton Webern(1883-1945墺太利)は新ウィーン楽派の中心メンバー。こんな静謐に神秘、難解な音楽が20世紀前半に生まれ、大混乱の中よりやがて評価され、現在に至る迄演奏会の演目に上り、けっこうな量の録音も出ていることに驚かされます。ほとんど切り詰められた音の断片には、おそらく深淵なる音楽理論があるのでしょう。こちら市井の音楽愛好家にはまったく歯が立ちません。最初っから最後迄、聴き手に極限の集中力を強要する、怪しい旋律サウンド連続。紐育と倫敦での録音。
Robert Craft(1923-2015亜米利加)は同時代音楽の擁護者。Stravinskyの弟子筋であり、数多くの録音からは作品への正確な再現の意欲が読み取れます。これは再録音。Twentieth Century Classics Ensembleは紐育の音楽家を集めた録音用団体らしい。フィルハーモニア管弦楽団はもちろん、Simon Joly Chorale(倫敦)も超絶技巧、Tony Arnold(亜米利加1966-)もこの辺りの専門として高く評価されているらしい、正確怜悧な歌唱でした。
六声のリチェルカーレ」は聴き馴染んでいるほとんど唯一の彼の作品。出会いはたっぷり濃い表情のロジェストヴェンスキー。Bachの旋律は各パートバラバラに分解され、こちらぐっとクールに抑制され、緻密なアンサンブルに正確なバランスの表現に怪しさは際立ちます。(7:50)以下、各楽曲へのコメントとか演奏云々は不可能。時にこんな音楽はノーミソへの刺激に必須でしょう。
「2つの歌/百合のように白く/羊の群れが立ち去って」(1:21-1:13)
「5つの楽章 作品5」(弦楽オーケストラ編)激しい動きで(Heftig bewegt)(2:57)きわめて遅く(Sehr langsam)(2:02)きわめて活発に(Sehr bewegt)(0:50)きわめて遅く(Sehr langsam)(1:13)やさしい動きで(In zarter Bewegung)(3:20)
「2つの歌/あなたには言わない/あなたは私を孤独にする」(1:05-1:04)
「5つのヴァリアント」ひじょうに静かにそして繊細に(Sehr ruhig und zart)(0:48)いきいきとそして繊細な動きをもって(Lebhaft und zart bewegt)(0:40)ひじょうにゆっくりそしてきわめて静かに(Sehr langsam und ausserst ruhig)(1:56)流麗に、きわめて繊細に(Fliessend, ausserst zart)(0:28)ひじょうに流麗に(Sehr fliessend)(1:22)
「4つの歌/公園の草地/孤独な女/見知らぬ土地で/ある冬の夕べ」(2:29-1:34-1:13-2:12)
「6つの歌/太陽/黄昏の地1/黄昏の地2/黄昏の地3/夜に/囚われのつぐみの歌」(1:42-1:35-1:24-1:37-0:55-1:34)ここは木管のみの伴奏?
「5つの宗教的な歌/彼に負わされた十字架/朝の歌/神の御名において/過ぎ来たりしわが道/いざ行け、魂よ汝の神に向かって」(1:02-1:00-1:06-1:51)
「眼の光」合唱と管弦楽のための作品。(6:13)
「オーケストラのための変奏曲」これは幾度か聴いたことがある・・・程度。1940年初年されたドデカフォニー作品。管楽器一本ずつの編成、旋律が欠くパートに分割されるされる例のパターンは神秘に美しい。(7:29)
「第2カンタータ」「Schweigt auch die Welt, aus Farben ist immer」(2:07)「Sehr tief verhalten innerst Leben」(3:42)「Schopfen aus Brunnen des Himmels nach Wassen des Worts」(2:32)「Leichteste Burden der Baume trag ich durch die Raume: die Dufte」(4:05)「Freundselig ist das Wort」(1:47)「Gelockert aus dem Schosse」(1:19)

CROATIA CD5632207 Smetana 連作交響詩集「わが祖国」〜ロヴロ・フォン・マタチッチ/ザグレブ・フィル(1979年ライヴ)・・・三管編成+2台のハープ、打楽器はティンパニ、バスドラム、シンバル、トライアングル。1874年〜1880年に掛けて各々初演、1882年に全曲通して初めて演奏され大喝采だったそう。Lovro von Matacic(1899ー1985克羅地亞)は日本でもお馴染み、NHK交響楽団とのライヴ音源のほうが有名かも。こちらザグレブ・フィルとの(怪しげな)ライヴは幾度も聴いているお気に入り。茫洋としてそれなりの雰囲気、音質はまずまずでしょう。
ヴィシェフラド(高き城)」神々しくも静かなハープによる「ヴィシェフラド城」の主題から始まって、これは全曲あちこちに登場します。アンサンブルやサウンドは粗野に洗練されないけれど、じょじょにパワーを加えて雄弁。75歳のマタチッチはけっこうアツくテンポを動かして、いかにもライヴの感興に溢れました。そして冒頭の静謐に戻る・・・ホルンの遠い響きは絶品。(15:15)
ヴルタヴァ(モルダウ)」馴染み過ぎた名曲は知名度あまりに高い、美しい大河の流れ。細い源流は楚々としたフルート、それは徐々に合流して弦に受け継がれて、悠然として切々、しみじみ懐かしい主題へと歌いました。豪快なパワーを感じさせるうねり、素朴な村祭りの情景を経、大河の水面が静々と幻想的に流れ、ここの弦も木管も絶品でしょう。やがて例の懐かしい主題から激しい急流へ、それは長調に力強く変貌してラスト「ヴィシェフラド城」の主題に締め括りました。テンポも動きにはムリなく、高揚する気分への導きはパワフルでした。(12:46)
シャールカ」は伝説「乙女戦争」に登場する勇女の名前だそう。劇的緊張感たっぷりな追い込みから始まって、ファゴットは眠らされた男たち(ツラツト)のいびき、金管は女たちの戦いを描いているそう。前2曲あちこち登場する甘い旋律は登場せず、あまり人気のないところだけど、劇的な場面連続にマタチッチの追い込みはテンションは充分でした。(10:32)
ボヘミアの牧場と森から」自然の描写らしいけど、出足は前曲の激しい戦いの雰囲気を受け継いだ感じ。やがてやがて鬱蒼とした森の情景が静かに落ち着いて、牧歌的なホルンが優雅に歌いました。その旋律は力強く成長し、リズム(ポルカ)を刻んで、劇的な追い込み。この辺りちょっと響きは濁っておりました。(13:03)
ターボル」以下15世紀の「フス戦争」の物語。宗教改革に端を発してそれは敗北に至るけれど、捷克民族の団結は高まったとのこと。フス派の讃美歌「汝ら神の戦士」旋律が使われているそう。風雲急を告げる暗く荘厳な旋律とティンパニの緊迫する連打に始まり、カッコ良く荘厳な讃美歌に導かれて激しい戦いが続きます。金管の迫力は最高潮へ、叩き続けるティンパニ。(12:59)
ブラニーク(アタッカで)全曲の流れそのままに始まって、ブラニークとは聖ヴァーツラフ率いる戦士が眠る山とこと。民族の存亡時には蘇って「いざ、鎌倉」駆け付けるという伝説らしい。緊張感高まる疾走、ごりごりと重量とテンポを増して「汝ら神の戦士」旋律も登場・・・やがて全曲を締め括るように「ヴィシェフラド城」の主題が回帰いたしました。この名曲を堪能するにはほんま、体力が必要でっせ。(14:15/大喝采有)

EMIStravinsky バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)/バレエ組曲「ペトルーシュカ」(1947年版抜粋)〜カルロ・マリア・ジュリーニ/シカゴ交響楽団/ジェームズ・ギルブレイス(p)(1969年)・・・Carlo Maria Giulini(1914ー2005伊太利)は1969-73年シカゴ交響楽団首席客演を務めて(ジョージ・ショルティ時代初期)このStravinskyはLP時代から幾度聴いてけっこう好きな演奏。録音は優秀。
レパートリーとしては珍しそうだけど、短い「火の鳥」は三回録音しておりました。これは二回目。慌てず、前のめりにならず、細部まったりと描き込んて、曖昧さのないアクセントに楷書の表現はいかにもジュリーニらしい。正確なアンサンブルに、メルヘンの旋律をたっぷり歌って味わい深い。
L'Oiseau de feu(1919年版)
「Introduction」(3:21)
「The Firebird and its Dance」ここのリズムは噛み締めるようなノリを感じさせるもの(1:40)
「Ronde des Princesses (Round of the Princesses)」味わい深い静謐なメルヘン。陶酔するデリカシー(5:46)
「Infernal Dance of King Kashchey」金管の堂々たる迫力、かっちりとしたフレージング(次への経過部有)(5:09)
「Berceuse (Lullaby)」ファゴットによる、しっとりセクシーな子守歌。(3:46)
「Finale」弱音に抑制したホルンのみごとな技量から、さわさわとした弦が競り上がっていくクライマックス。ラストはシカゴ交響楽団の輝かしく充実した金管にスケール大きく締め括りました。(3:19)

ペトルーシュカ」はおそらく唯一の録音、三管編成の1947年版をベースにした短縮版、これはストコフスキーも採用しておりました。つなぎの小太鼓もありません。遊園地の喧騒と云うより、しっかり細部曖昧さなく、旋律リズム色彩を描き込んで、緻密に落ち着いた演奏でした。
Petrouchka(1947年版抜粋)
「Russian Dance(ロシア人の踊り)」いきなり華やかに弾むリズムより始まって、各声部が浮き立つように明晰な響き。(2:36)
「Petrushka's Room(ペトルーシュカの部屋)」慌てず走らず、舞曲の描き分けは緻密でした。(4:25)
「The Moor's Room(ムーア人の部屋)」バレリーナが吹くトランペットと小太鼓の掛け合いさえ、生真面目に正確なリズムを刻んで、やがてスケールと緊張感が凄い緊張感と迫力。シカゴ交響楽団の管楽器の技量が冴えるところ(7:11)
「The Shrove-Tide Fair and the Death of Petrushka(謝肉祭)」華やかな祭りの情景は朗々として、スケールの大きな表現。金管は余裕のパワーに慌てず、噛み締めるようなリズム。沸き立つような盛り上がりを見せて全曲を締め括りました。(10:18)

ついでにバレエ組曲「火の鳥」(1919年版)〜カルロ・マリア・ジュリーニ/フィルハーモニア管弦楽団(1956年)も聴いてみました。こんな録音もあったのですね。1956年のステレオ初期録音は最強音がちょっぴり割れて、解像度も少々落ちました。
「Introduction」低弦による神妙に静謐な始まり。(3:27)
「The Firebird and its Dance」明快なリズムの切れ味。フィルハーモニア管弦楽団もそうとうに上手い。(1:21)
「Ronde des Princesses (Round of the Princesses)」サウンドはぐっとマイルドに優しく、デリケートな歌が広がります。(5:18)
「Infernal Dance of King Kashchey」キレのある明るい金管がド迫力。ここがちょっと響きが濁って残念。(こちらも次への経過部有)(4:41)
「Berceuse (Lullaby)」こちらのファゴットも名人、こちらもまったりとした風情だけど、音質解像度が落ちました。(3:57)
「Finale」渾身のフィナーレも音が濁ってちょっと残念。(3:11)

(2026年8月1日)

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written by wabisuke hayashi