我肥ゆる秋
先月月初67.6kgこれでも増傾向に悩んでいたのに、月末は68.4kg。前年最低時の+5kg以上に苦しんでおります。尿酸値以外は健康そのもの! そう自慢していたのに血圧は146迄上がって要注意になってしまいました。隔日午前中の筋トレ+有酸素運動は欠かさず継続中、先月末辺りようやく猛暑も一段落、ようやくゆっくり眠れるようになってきたのに、これでは先行き健康に不安を覚えます。先月はわずかの間に立憲民主党、公明党、自民党、各々党首が交代いたしました。兵庫県知事も失職。顔ぶれが変わって、じっさいどう政治政策が動くのか注目しておきましょう。石破さん登場して株価が早速下がったらしいけど、庶民にはあまり実感がない・・・自分にはマネーゲームは虚業に思えます。ま、持たざるものの遠吠えだけど。
【65歳で引退はぜいたく?】65歳以上の就業者が過去最多914万人 : 働く人の「7.4人に1人」が65歳超〜そんな記事を拝見しました。15歳以上の就業者全体に占める65歳以上の割合は13.5%、全体に高齢者就業は増えているけれど、とくに介護分野で働く人が増えているそう。いつも呑んでいる爺友はふたりとも60歳で引退、自分は65歳迄働いたけれど、潮時と思いましたよ、周りに迷惑を掛ける前に辞めたのは。若い人はたくさんいて、いっしょに楽しく働かせていただきました。そうじゃない職場や業種も多いことでしょう。39歳の息子は職場ではニ番目に若いんだそう。介護関係に就労が増えているということは、それなりの老人が後期高齢者の面倒を見ているということ。自分が22歳からの知り合いである9歳上の女性は離婚して現在一人暮らし、介護関係の職場で元気に働いているんだそう。楽しく元気に働いているのならともかく、あちこち不調を抱えつつ生活のため仕方がなく・・・というのはシアワセな社会なんでしょうか。
「コロナ禍」を機に仕事を辞めた高齢者が増加〜そんな記事もあったけれど、自分はちょうどそれに当たります。前期高齢者65〜69歳(=ワシ)は既に減少を始めているそう。もともとちょっと人口が少なかったということもあるのでしょう。
その39歳の息子が家を買って今月引っ越します。勤め先が安定して、転勤がなく、住環境が良好ならば不動産購入も悪くないでしょう。ウチからは援助してませんよ、ローンは74歳迄あるらしいけど、こちら先行き心配しても間違いなくその辺りにはこの世に存在しません。写真を送ってきたけれど、なかなか美しい一戸建て、引っ越し手伝いと引っ越し蕎麦くらいごちそうしましょう。
● 恒例前月分拝聴音楽の振り返り。ようやく音楽に集中できる季節がやってきました。
■Bruckner 交響曲第5番 変ロ長調(Franz Schalk版/1863-1931)〜ハンス・クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル(1956年)・・・これはLP時代一枚で唯一この作品を入手できたから、この作品との出会いであったと記憶します。悪名高き改訂版とか、第3楽章「Scherzo. Molt vivace, Schnell - Trio. Im gleichen Tempo」のカット、第4楽章「Finale. Adagio - Allegro moderato」にはデーハーな金管打楽器追加しているとのこと。こちらド・シロウトにはなにか悪いのかはさっぱり理解不能。ステレオ初期だから例の洞穴の奥に鳴っている感じはあるけれど、LP復刻でもかなりの解像度、作品や演奏の風情を堪能するのにさほどの不足もありません。大好きな第5番をいっそう好きになりました。
第1楽章「Introduktion: Adagio - Allegro」予想外にテンポは遅くなく、冒頭漆黒への地下への階段を降りて、そこには見上げるような障壁が立ち塞がる!始まり。期待通りのスケールとパワー、重量感。濃い表情と入念な節回し、ワクワクするような巨大なる高揚感。自信に充ちていささかの逡巡ののない推進力、音質云々は忘れるほど魅惑の金管は奥深いもの。(18:50)第2楽章「Adagio. Sehr langsam」緩徐楽章も素朴な風情に充ちて、ここもテンポは淡々と意外と早足に進みます。それでも濃い金管の絶叫は胸を打って説得力は充分。(13:23)第3楽章「Scherzo. Molt vivace, Schnell - Trio. Im gleichen Tempo」カットがあるから、ヴィヴィッドなスケルツォがずいぶんと短い。ここも太く力強い緊張感切迫感たっぷりにテンポは意外と遅くない、トリオの素朴な風情との対比はみごと、ムダを削ぎ落としてわかりやすい。(9:36)例えばかなりテンポの速いオイゲン・ヨッフム(1958年)は12:35。 第4楽章「Finale. Adagio - Allegro moderato」第1楽章が回帰して、やはりテンポは遅くなく、圧巻の重量感と熱気を帯びて勢い増してテンポ・アップ。茫洋としたホルンには痺れますよ。最終盤のデーハーな金管としつこいほどのシンバル追加もなかなか決まっておりました。(18:50)ちなみにオイゲン・ヨッフム(1958年)の最終楽章は24:05。Bruckner作品中一番好きな作品だけど、版のことはさておき、大掴みに巨魁な演奏はヴェリ・ベストの手応え。このくらいの長さのほうがド・シロウトには集中力維持にちょうどよろしい感じ。ま、通常の版で全部聴きたい気持ちもあります。■Tchaikovsky スラヴ行進曲(1964年)/交響曲第4番ヘ短調(1963年)〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団・・・2024年7月HDDお釈迦事件を契機にTchaikovskyをしっかり再聴しております。Eugene Ormandy(1899ー1985洪牙利→亜米利加)は日本ではずっと軽視されてきたけれど、21世紀に生き残るべき立派な記録を残したと思います。スラヴ行進曲は3つのセルビア民謡+帝政ロシア国歌「神よ、皇帝を護りたまえ」(大序曲「1812年」にも出現)が引用される勇壮に愛国的な作品。冒頭の弦による葬送行進曲は、やがて金管が輝かしく炸裂!この鮮度、パワーに溢れた歩みへ。オーケストラの技量が文句なく発揮されて、どのパートも文句なく上手い。60年経っても新鮮な響きが堪能できました。(10:48)
交響曲第4番ヘ短調も音質は現役水準。第1楽章「Andante sostenuto - Moderato con anima - Moderato assai, quasi Andante - Allegro vivo」冒頭のホルンとファゴットによる「運命の動機」が輝かしい金管を呼び込んで劇的、相変わらずこの辺り爽快な響きは絶好調。やがて弦による鬱蒼とした第1主題が悠々と歌って、この辺り節回しの素直さ、余裕の盛り上げに惚れいたします。もちろん露西亜風憂愁とは色が色が違うパワフルな金管はバリバリ全開、木管もシミジミ上手い。(19:30)第2楽章「Andantino in modo di canzona - Piu mosso」オーボエによるシンプルに切ない主題に導かれ、それは魅惑の弦に引き継がれて哀切が高まります。やがて明るい高まりへと成長して、やがて力を失って静謐に収束させる構成の上手さ、たっぷりとした旋律の扱いは上々でしょう。(10:06)第3楽章「Scherzo: Pizzicato ostinato. Allegro - Meno mosso」弦は終始ピチカートに終止する天才の技。ピタリと縦線の合ったアンサンブル、強弱、表情の変化も一流のオーケストラの証。トリオの木管もはっきりくっきり、金管の行進曲も軽快に盛り上がって、やがて静かに収束して・・・(5:58)第4楽章「Finale: Allegro con fuoco」金管+打楽器大爆発強烈な始まりは前楽章との対比も効果的。フィラデルフィアの華麗なサウンド全開はやや抑えめなテンポに進みます。わかりやすい旋律が寄せては返す繰り返し、やがて「運命の動機」が回帰し、オーケストラは鳴り切ってデーハーなサウンドにウキウキと突き進みました。(9:57)■伝統音楽(オルメダの歌)シエガのタランタ/de Falla 歌劇「恋は魔術師」より(悩ましい愛の歌/火祭りの踊り/魔法の輪/パントマイム/きつね火の歌/愛の戯れの踊り/ばらばらに演奏される)/de Falla 夜明けの鐘/Rodrigo アランフェス協奏曲より(Allegro/Andante)/D.Scarlatti ソナタ ニ短調K.32/ソナタ ニ短調K.141/Dimitrie Cantemir (1673-1723)ベステニガルの情景/Tarrega アラブ奇想曲〜マリア・ホセ・ペレス(歌)/エンリケ・ソリニス(g)/エウスカル・バロックアンサンブル・・・泣けました。痺れました。最初の伝統音楽さておき、あとは知っている旋律ばかり、それがド・シロウトが想像するところの西班牙土俗なリズム、ドスと節回しの効いた女声、たっぷり泥臭いフラメンコ・ギター超絶技巧に味付けされてもの凄く濃い!リズムがすっかり変わって、著名な哀愁の「アランフェス」もまるでオリジナル作品、Scarlatti辺りうっかり聴いていると元の旋律を思い出せません。バロックアンサンブルなんていう名前を期待すると、まったく異なるローカルな世界が広がっております。
■Stravinsky バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版/ニューヨーク・フィル/1971年)/バレエ音楽「春の祭典」(1947年版/クリーヴランド管弦楽団/1969年)〜ピエール・ブーレーズ・・・CBSによる旧録音。こどもの頃から馴染み、LP時代の「春の祭典」はこれが原点。「ペトルーシュカ」の1971年録音を聴いたのはその数十年後のこと、先日(1991年録音とは)「雲泥の技量の差」と安易なかつてのコメント引用をしたけれど、再聴してみてちょっと反省しました。オーケストラの明るい骨太な響き、再録音はあまりに整って、しっとり落ち着いたバランス演奏だったけれど、こちら緻密な表現を前提に、ブーレーズ40歳代の体力横溢、ヴィヴィッドな遊園地の喧騒をたっぷり堪能させてくださるアツさ賑やかさがありました。作品的にはこちらのほうがずっと映える表現、愉しい、オモロい演奏かも。音質もさほどに古さを感じさせません。(5:40-1:59-2:36/4:04/2:49-0:47-3:12/3:26-1:25-1:08-2:00-1:33-0:39-0:45-2:07)
「春の祭典」は新録音と同じクリーヴランド管弦楽団。新旧録音とも1947年版だそうだけど、ド・シロウトにはどこがどう違うのかさっぱりわからない。これがLP時代=中学生時代だっけ、これが「春の祭典」の刷り込み、たしかに上手いオーケストラですよ。ずいぶんと久々の拝聴だけど、音質も悪くない。かつての記憶より細部気付かなかったパートの旋律が一杯聴こえてきます。緻密知的構成を基本とする表現方向はそのままに、アツい勢い、メリハリはっきりした疾走、こちらのほうが壮年の体力(44歳)をしっかり感じさせて、作品のバーバリズムが浮き立ってリアルな演奏でした。新録音の落ち着いた完成度も好きだけど、初めて聴いた時の感銘が蘇る鮮度たっぷりに思い出しました。(3:37-3:20-1:26-3:53-1:59-0:44-0:21-1:20/4:07-3:18-1:32-0:39-3:38-4:37)■Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」(1947年版)/Scriabin 交響曲第4番「法悦の詩」〜ワレリー・ゲルギエフ/キーロフ歌劇場管弦楽団(1999年)・・・目が覚めるほどクリアな音質、とくに打楽器の定位や存在感はリアルに浮き立って他の録音は一線を画す水準。「春の祭典」は正確だけどかなり暴力的にヴィヴィッド、メリハリ明快にハラのそこから響く打楽器はリアルに浮き立ってオーケストラはモウレツに上手い・・・というか、各パートの音色が濃くて個性的、野蛮な骨太パワーたっぷりにリズムは重く、例えば知的な解析を感じさせるブーレーズとはかなり異なる金管絶叫ヤケクソ的泥臭い演奏最高。けっこう好きです、これがもともとの作品の趣旨(原始のパワー)に似合っているんじゃないか、手に汗握って興奮の渦・・・そんな説得力を感じさせました。(3:23-3:12-1:17-3:41-1:46-1:46-0:40-0:26-1:10/4:23-3:34-1:36-0:49-3:51-4:45)Scriabinとの組み合わせは珍しいけれど初演は1908年、「春の祭典」が1913年だからほぼ同時代の音楽。たっぷり官能的に思いっきりエッチなド迫力演奏。管楽器には厚みがあって極色彩に壮麗。こんなに雄弁なトランペットには滅多に出会えません。(20:26)烏克蘭侵攻がなければもっと活躍していたはずの人でした。
■Stravinsky バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)/バレエ音楽「春の祭典」(1947年版)〜ピエール・ブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団(1991年)・・・HDD事故でStravinsky音源を全部失ったので、順繰り原点に戻って聴き直しを進めているところ。これは鉄板の演奏、自分にとってStravinskyの基準はPierre Boulez(1925ー2016仏蘭西)2016年来の再聴。当時曰く
「ペトルーシュカ」よりスタート、申し訳ないがニューヨーク・フィル(1971年)とは雲泥の技量の差、フレージングの処理をマイルドにいっそう洗練させるのが、彼なりの熟練だったのでしょう。弱音部分での抑制されても、細部明晰な響き、最強音部への自然な移行はスムースそのもの、各パートは痺れるほどニュアンス微細に反映されても、具現化されたバランスは驚くほど静謐(というか響きが濁らない)クリア8年を経、上記イメージとほとんど変わらない。世評を眺めると一部「クリーヴランド管弦楽団はドホナーニ以来ローカルのオーケストラに成り下がった。音質も悪い」との酷評を発見、意見や受け止め方の多様性(?)はよろしいことです。遊園地の喧騒とウキウキするような「ペトルーシュカ」はあまりにしっとり整って落ち着いて、ヴィヴィッドなリズム感や浮き立つような賑やかさに足りぬ印象はありました。でも、凄く上手い余裕のオーケストラなのは間違いない。
夢見るように鮮明な音質+時に打楽器の低音が快く響きました・・・あまりにしっとり、バランスよく仕上げすぎて「ペトルーシュカ」の魅力である賑々しい愉悦、祭りの喧騒のウキウキ感にはちょいと欠けるのかも。「春の祭典」も同様。マイルドなフレージングの仕上げが徹底され、強弱の流れスムースに至って、1969年の衝撃は薄れました。 音質やら奥行、打楽器の深みが増して、これはこれで洗練徹底されて魅力的
第1場 謝肉祭の日-手品師の芸-ロシアの踊り(9:57)第2場 ペトルーシュカの部屋(4:30)第3場 ムーア人の部屋-バレリーナの踊り-バレリーナとムーア人のワルツ-ペトルーシュカ(7:01)第4場 謝肉祭の日の夕方-乳母の踊り-熊を連れた農夫-陽気な行商人とジプシー女(13:33)
「春の祭典」も以の通りの印象継続。これもしっとり整って落ち着いて力みは一切ない表現、緻密なバランスは細部迄行き渡って、どのパートの旋律リズムも聴こえぬところはない!たしかに20年間の熱気は薄れても、過不足のない表現が作品のバーバリズムの根源を鮮やかに浮かび上がらせる・・・打楽器炸裂乱舞して圧巻のクライマックスに至ってもクールにスマート、これぞヴェリ・ベスト。もちろん音質も極上。
第1部:大地礼賛 序奏(3:34)春のきざしとおとめたちの踊り(3:13)誘拐(1:22)春の踊り(3:45)敵の都の人々の戯れ(1:49)賢人の行列-大地へのくちづけ-賢人(0:58)大地の踊り(1:18)第2部:いけにえ 序奏(4:06)おとめたちの神秘なつどい(3:06) いけにえの賛美(1:25)祖先の呼び出し(0:37)祖先の儀式(3:26)いけにえの踊り(4:43)
(2024月10月1日)
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