いつにも増してことしの夏は厳しい/天変地異を乗り切れるのか
とんでも7月はラストにカムチャッカ半島大地震からの津波警報に大混乱でした。参院選では与党は過半割れ、新興の「右側」政党中心に大躍進、これから行き過ぎた排外主義に走るのか、一時の風に流されず冷静に様子をしばらく眺めておきましょう。若い人の投票が増えたとか、野党第一党である立憲民主党が現状維持であったり「左側」政党が漸減したり、誰が総理になるかとか政治の動きは混沌としております。
この異常気象はここしばらくの環境の悪化問題の結果なのか、もう耐えきれぬほどの熱波に自分のみならず全国民や家畜は暑さに喘いでおります。農産物畜産物に影響が出ることでしょう。自分はあえなく夏バテに倒れて夏風邪に数日寝込みました。婆さん(95歳)も肺炎になって、幸い早期に快復いたしました。そしたら女房殿が介護疲れ?風邪に倒れてしばらく咳と熱に苦しんだものです。
毎朝欠かさぬストレッチとYouTube鍛錬、隔日市立体育館筋トレも1−2回お休みして14回/月に留まりました。毎日エアコンをガンガン入れて電気代は心配だけど、生命には代えられない。夏風邪に倒れた1週間後、なんとか体調戻して大学の先輩と萩旅行を堪能いたしました。真夏猛暑の観光地はタイヘンやったなぁ、なんせ皆70歳絡みの爺だし。それでも元気いっぱい呑んで喰って、明治維新の志士たちの足跡を辿りましたよ。そんな贅沢も身体が動くうちでしょう。本来現地で待ち受けていたはずの親しい先輩は、訪問数日前に亡くなってしまいました。諸行無常。
テレビの外付けスピーカーがお釈迦になって 、悩んだ挙げ句3,000円ほどの安物を注文、結果まったく音質音量とも使い物にならず、どぶに捨てることになりました。前月のビデオレコーダー・リモコン不調?から再入手(じつは本体のほこりが要因であった!)連続ムダ使いに泣きました。激安シェーバーも一年保たず買い替え。
まだまだ暑さのピークはこれから。まずはひと雨ほしいところだけど、近々台風もやってくるでしょう。もう旅行に出掛けたし、8月は特別な予定はありません。粛々と身体を鍛えてなんとか乗り切りましょう。体重はぎりぎり65kg台を維持しております。
● 恒例前月分拝聴音楽の振り返り。途中風邪に寝込んだり、旅行に行ったりで拝聴頻度は減っております。
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Mahler 交響曲第1番ニ長調〜ベルナルト・ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団(1962年)・・・もう日常自分が聴く音楽の演奏者はほとんど鬼籍に入りました。これはBernard Haitink(1929-2021阿蘭陀)が未だ33歳若手だった頃の録音。クーベリックと並んで自分にとっては1960年代録音のリファレンス、オーケストラの豊穣な響きを活かして、中庸のテンポ、飾りのない表現に陶然と聴き惚れました。もしかして数十年ぶりの拝聴、こんなにリアルな会場の空気を感じさせる音質だったっけ?当時往年の名人がごろごろ生き残っていたコンセルトヘボウ、とくにトランペット、チューバ、ホルンのリアルな表情と存在感、コクのある音色に泣けました。発売当時、バーンスタイン辺りの濃い詠嘆表情の評価は高くて、こちらオモロない、フツウのおとなしい演奏、そんな評価だったと記憶します。これは極上のフツウだったのですね、青春の胸の痛みを感じさせる憧憬に充ちた旋律は、眩しいほど胸に染みました。名曲には耳目を驚かせるような異形な表現や力みを必要としません。
第1楽章「Langsam, schleppend」静謐なバランス感覚の歩み。提示部繰り返しなしは残念。(13:27)
第2楽章「Kraftig bewegt, doch nicht zu schnell」元気いっぱいの誠実な躍動。(7:45)
第3楽章「Feierlich und gemessen, ohne zu schleppen」淡々と歩む葬送行進曲。(10:56)
第4楽章「Sturmisch bewegt」前のめりにならぬ余裕の力感、けっして刺激的に喧しくならぬ金管の爆発。爽やかな幕切れが待っておりました。(20:11)■
Haydn 交響曲第104番ニ長調「ロンドン」/第94番ト長調「驚愕」〜トーマス・ファイ/ハイデルベルク交響楽団(1999年)・・・Thomas Fey(1960-独逸)は残念、怪我により活動ができなくなったそう。Haydnの交響曲全集録音の完成はヨハネス・クルンプに引き継がれました。堂々たるスケールを誇るラスト交響曲、第2楽章「Andante」が題名の由来となっている「驚愕」揃えてメリハリたっぷり、ヴィヴィッドなアクセント満載に響きは濁らない。パワフルな古楽器演奏でした。音質も極上。両作品とも古典的二管編成にティンパニが迫力たっぷり。音質演奏とも過去の全集録音が霞むような存在と予想できます。
ニ長調交響曲「ロンドン」
第1楽章「Adagio - Allegro」堂々たる序奏から、ティンパニが躍動します。古楽器奏法特有のキレのあるリズムは力強くアクセントしっかり、やがて晴れやかな第1主題は優雅に快活、パワフル雄弁な歩み。陰影豊かにかつての古楽器印象を覆す立派なスケールに驚きました。(9:07)
第2楽章「Andante」は優雅な変奏曲。陰影たっぷりにノンビリなはずの緩徐楽章はいつになく雄弁でした。ラストのホルンがしみじみ美しく深い。(8:19)
第3楽章「Menuet: Allegro」優雅なメヌエットはいつになく快活なリズムを刻んで響き分厚く、ティンパニも雄弁に強烈でした。トリオは管楽器による可憐なト短調旋律。(4:38)
第4楽章「Finale: Spiritoso」は低音持続音(ドローン)が印象的な快活なフィナーレ、テンポは速く、アクセントは強烈、重さ鈍さとは無縁に快活、かつデリケートな疾走感と高揚がありました。ここもティンパニのアクセントは強烈。(6:39)
ト長調交響曲「驚愕」
第1楽章「Adagio - Vivace assai」夜明けのように爽やかな序奏から、軽妙にリズミカルな主部に突入してノリノリ、賑やか、そして表情豊かにユーモラス。金管の響きにコクと厚みを感じさせ、木管は伸びやかに、アンサンブルの集中力もみごとな古楽器の技量でした。そしてティンパニのアクセントは依然強烈。(8:50)
第2楽章「Andante」はハ長調の変奏曲。例の弦によるシンプルな旋律がそっと歩んで・・・ティンパニ一発の衝撃はなかなかのもの。変奏曲はデリケートに変幻自在な表情、時に涼やかに優雅な歌、ヴィヴィッドなものでした。ここもティンパニがなかなかのパワフル。ラストはぐっとテンポを落として静かに終わりました。(6:58)
第3楽章「Menuet: Allegro molto」前楽章ラストの抑制したラスト一転、快速テンポに3/4拍子が快活にスタートして、トリオはぐっと抑制してテンポも遅いもの。(4:24)
第4楽章「Finale: Allegro di molto」とぼけたような始まり、颯爽と肩の力が抜けて疾走するフィナーレも快速。一気呵成な勢いに乗り切りました。期待通りティンパニは大活躍。(3:52)■
Mozart 5つのディヴェルティメント K.439b (Anh.229)〜第1-3番〜ヘンク・デ・グラーフ/ヤン・ヤンセン(cl)/ヨハン・シュタインマン(fg)(2001年)・・・Brilliantから出たMozart全集に含まれるもの。ロッテルダム・フィルの腕利きメンバーらしくて、音質はリアルに極上でした。作品詳細はこちら。マイナーな作品だけど、かねてより作品を聞いた痕跡が残っておりました。この演奏も2007年に聴いたことがサイト内検索できて、記憶はうっすらあるかないか〜その程度。聴いたのは3曲のみ、第5番迄存在して、第6番は著名なオペラからの編曲(おそらくは出版時に別人の手により追加)ほかバセット・ホルン三重奏としての研究、録音もありました。いずれ三本の木管のみとは思えぬ豊かな広がりと、多彩な表情を持った牧歌的な旋律は落ち着いて、ノンビリ優雅、うっとりと眠くなるほどステキ。ここ数日の心情的に静かな音楽しか聴けない・・・シリーズでした。
変ロ長調 K. 439b, No. 1
Allegro(4:16)Menuetto: Allegretto(3:04)Adagio(2:39) Menuetto(2:35)Rondo: allegro(2:39)
変ロ長調 K. 439b, No. 2
Allegro(2:21)Menuetto(3:50) Larghetto(2:59)Menuetto(3:58)Rondo: Allegro(3:55)
変ロ長調 K. 439b, No. 3
Allegro(4:30) Menuetto(4:49) Adagio(3:57) Menuetto(5:28) Rondo: Allegro assai(4:22)■
Schumann 4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ヘ長調/交響曲第3番 変ホ長調 「ライン」/交響曲第4番ニ短調(1851年改訂版)〜ジョン・エリオット=ガーディナー/ オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク(1997年)・・・作品旋律は細部より馴染み、イエジー・セムコフをその昔しっかり聴き込んでおりました。それでも一般に初期中期浪漫派交響曲は苦手として、ピアノ・ソロや室内楽、協奏曲だったら大丈夫、それでもBrahms、Schubert、Mendelssohnはそれなりに拝聴機会はあるけれど、Schumannには日常なかなか触手は伸びませんでした。
この演奏は2021年に聴いて絶賛!こんな溌剌と爽やかな演奏を聴くと、最近のトラブルなど信じられない。この時点、古楽器ゆえの素朴さに響きの薄さを感じさせず、テンション高い完成された技量と感じます。
「コンツェルトシュテュック」は4本のホルンが大活躍して、かなり以前よりお気に入りの作品でした。珍しい趣向のヴィヴィッドな名曲。二管編成+ティンパニ。粗野にパワフルなホルンが全面に活躍します。
第1楽章「Lebhaft(生き生きと)」(7:06)/第2楽章「Romanze: Ziemlich langsam(かなりゆっくりと、しかしひきずらずに)」(5:03)/第3楽章「Sehr Lebhaft(とても生き生きと)」(5:37)
自分にとっては暑苦しく、旋律サウンドは時に賑やかに押し付けがまし過ぎると感じる(自分にとって苦手系)「ライン」は作品そのものを見直すほどの爽快な演奏。楽器編成は古典的二管編成+ティンパニ。
第1楽章「Lebhaft」符点のリズムが雄弁多弁な明るい始まり。響きも濁らぬこの素朴な高揚感に好感を抱きました。(8:50)
第2楽章「Scherzo: Sehr massig」悠々と大河の流れのような優雅な揺れ、スケルツォの諧謔味はありません。ホルンが良いですね。(5:54)
第3楽章「Nicht schnell」囁くように淡々とした緩徐楽章。(4:37)
第4楽章「Feierlich」コラール風重厚に暗いフィナーレへの序章。(4:55)
第5楽章「Lebhaft」華やかに軽快なフィナーレは落ち着いた始まり。金管の絡みは素朴な躍動に充ちておりました。(5:37)
全曲続けて演奏される暗い激情走る交響曲第4番ニ短調(1851年改訂版)とは現在一般に聴かれる版とのこと。出会いは若い頃、フルトヴェングラーであったと記憶します。これも古典的二管編成+ティンパニ。
第1楽章「Ziemlich langsam - Lebhaft」劇的に叩きつけるような始まり(9:58)
第2楽章「Romanze: Ziemlich langsam」ほの暗い情感が静謐な緩徐楽章。(3:39)
第3楽章「Scherzo: Lebhaft」強烈なアクセントを刻むスケルツオ。中間部ははらはらと崩れるように弱い感じ(4:51)
第4楽章「Langsam - Lebhaft-Lebhaft」前楽章からガラリと変わって鬱々と抑制した始まりからエネルギーを貯める始まりからホルンがもりもりと〜叩きつけるようなリズムを刻んで、比較的穏やかに明るいフィナーレを迎えました。(1:32-7:40)(2025月8月1日)
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