彼岸花

待望の秋


 10月に入って2025年もあと3ヶ月。7-8月は猛暑に苦しみ、ようやく前月中盤よりぼちぼち涼しい気温になって9月は足早に過ぎ去りました。あちこちのブログには彼岸花(曼珠沙華)が話題になって、ご近所にも見掛けます。あれは白いのもあるのですね。ちょっと調べてみたら中国からの帰化植物とか、アニメに登場するから欧米のファンの方は実物を見ると感激するそう。根に毒があり、土葬だった時代に野良犬に掘り返されぬよう植えたというのはほんまでしょうか。

 8月に続き9月もとくべつに寝込むような体調不良はなかったけれど、途中覚醒や睡眠不如意が続いて絶好調とは言い難い感じ。手足の痺れも少々、鼻詰まり痰の絡みが続いております。尿路結石?は幸いなんということもなくて、毎朝のストレッチは一回サボり、短いYouTube鍛錬は継続出来、隔日のトレーニングルーム通いは道中の日差しに足取り重く、ここ2週ほどはかなりラクになりました。体重は月初月末比較してとうとう65kg台を維持できません。女房殿の婆さん(95歳)宅泊まりの頻度は増えて、昼に戻って体育館に体調を整えに出かる日々。ぎっくり腰の癖があるけど、ぎりぎり回避している模様。

 大学のOB会は唐津くんちの日程に合わせて11月始めに博多開催。昨年京都開催はもともと京都の大学だから過去最高の出席、その中のひとり、先輩は亡くなってしまいました。関東方面からは遠いし、関西からでもそれなりの距離、観光地だからホテルも高い。家庭の都合、経済的余裕、本人の体調問題もあって参加者は少ないでしょう。もともと唐津在住の同期のための開催なのに、本人が足首複雑骨折、挙げ句坐骨神経痛を発症して参加はどうなるかわからない。

 65歳お仕事引退その10年前より日々の鍛錬を意識して強化、辛くも健康を維持してきました。5月の健康診断はニ年ぶり血圧と肝臓の数値が基準値オーバー(尿酸値は服薬で正常値)ここ2月ほどの減量で血圧は正常値を示すことが増えました。元気に精一杯遊ぶ!のが人生の目標。それも興味や意欲は日々減退を続けて、せっかくの演奏会やら音楽鑑賞会のお誘いを断ってしまいました。読書もしばらくご無沙汰。テレビもほとんど見ていない。男子バレー予選敗退にはガッカリしました。のこれは間違いなく華麗なる加齢、ノーミソ前頭連合野の衰退でしょう。ちなみに頭髪方面の減少傾向も目を覆いたくなるほど。

 前月分拝聴音楽の振り返り。涼しくなってきても、なかなか音楽に集中できません。

Amsterdam Mahler FeestMahler 交響曲第6番イ短調〜ベルナルト・ハイティンク/ベルリン・フィル(1995年ライヴ/Amsterdam Mahler Feest)・・・セッション録音は1989年(それもしばらく聴いていない)これは別物のライヴ録音。Bernard Haitink(1929-2021阿蘭陀)66歳の記録。ベルリン・フィルのサウンドにはキレがあって辛口に響きます。お気に入りMahler中ちょっと重苦しく、怪しく、巨魁に感じてその威圧感に遠慮気味、比較的拝聴機会は少ない作品。ベルリン・フィルは実力充分、怪しい毒を感じさせるサウンドに非ず、クリアに洗練されて重量感もキレも充分、久々に理想的な演奏に出会いました。もっと汗水熱狂系演奏が好きな方はいらっしゃることでしょう。細部迄解像度高い音質も極上。この作品を聴くたび、新ウィーン楽派は近いと感じます。巨大なる四管編成、ティンパニ2台の他16種の打楽器(カウベルとかハンマー含む)チェレスタ、ハープも入ります。
第1楽章「Allegro energico, ma non troppo」始まりは重苦しい風情の行進曲、オーケストラの無機的なほどに濁らぬ硬質なサウンド、完璧に正確な技巧、ハイティンクのツボを抑えたオーソドックスなバランス感覚は、旋律リズムの怪しい風情を際立たせて説得力充分。(23:44)
第2楽章「Scherzo」ずんずんと怜悧に歩む、これも重く苦いスケルツォ。ここも情感を押さえてクールな表情、トリオは極端にテンポを落として、テンポは融通無礙。正確なアンサンブルはライヴとは思えぬ完成度でした。(13:17)
第3楽章「Andante moderato」静謐に陶酔するデリケートな緩徐楽章。背筋がゾクゾクするほど涼やかに洗練された弦、浮き立つようなオーボエ、哀しみに充ちたイングリッシュ・ホルン、遠く響き渡るホルン、どこをとっても極上の響き、オーケストラの最良の姿を感じさせます。カウベルが鳴り、チェレスタも儚く響いて、やがて情感極まるクライマックスを迎える・・・Mahlerが残した作品中、もっとも切なく、美しい場面のひとつ。(15:59)
第4楽章「Finale, allegro moderato」チェレスタやハープのきらきらしたサウンドに乗せて、最後の審判のように始まるフィナーレ。悶え苦しんで叫ぶ管楽器に異様なコントラバスのピチカート、ハイティンクには力みも煽りもないのに粛々と危機が迫る〜弱音に存在感と重量感、テンションはオーケストラの力量でしょう。じょじょに熱を高めて、足取りは重くならず、ムリムリ力付く熱狂しない表現。けっして濁らぬ弦も管も流麗クールなサウンド、そしてずしりと響き渡るハンマー、打楽器の低音の迫力にはどきりとさせられました。(32:04/熱狂的な喝采)

PHILIPS 6500173 Debussy 夢想/夜想曲/バラード/マスク/ボヘミア舞曲/小さな黒人(ケークウォーク)英雄の子守歌/白と黒で/小組曲/リンダラハ/6つの古代の墓碑銘/民謡の主題によるスコットランド行進曲〜ヴェルナー・ハース(p)/ノエル・リー(p)(1961-1963年)・・・Werner Haas(1931-1976独逸)はギーゼキングの弟子。2004年に聴いた痕跡が残っているけれど久々の拝聴でした。若い頃廉価盤LPでお世話になった記憶もあります。LP6枚組、CDなら4枚組のラスト、師匠のクールに乾いた表現より、しっとりとして情感を過度に込めない淡々として、透明感のあるタッチが粛々と落ち着いたもの。PHILIPSらしい落ち着いた音質は現役水準でしょう。
「夢想(Reverie)」は儚げに憧憬に充ちた旋律が有名だけど(3:48)残りは初耳?夜想曲(5:46)とバラード(6:15)は例の気紛れ浮き立つように、静謐な旋律がそっとデリケートに続いて痺れるほど。「マスク」はきらきらと妖しい音型が疾走します。(3:57)「ボヘミア舞曲」はちょっぴり哀愁にリズミカル。(1:52)「小さな黒人」これはユーモラスな躍動、よく知っている旋律でした。(1:34)「英雄の子守歌」は管弦楽編曲がありましたっけ。ちょっと不気味に甘さのない小品でした。(3:55)ここ迄がソロ。
以下、Noel Lee(1924-2013亜米利加)との共演。
「白と黒で」は2台のピアノのための作品。ぐっと響きには厚みを増しました。
華やかにゴージャスな花火のような「Avec emportement」(3:33)「Lent. Sombre」は暗鬱に寂しい風情からの疾走(6:42)「Scherzando」曖昧に不安に揺れる旋律に始まって「諧謔的に」となっているけれど、意外と流麗な不協和音が細かい音型に進みました。(4:18)
Henri Bu"sser(1872ー1973仏蘭西)による管弦楽編曲のほうが有名な「Petite Suite」はメルヘンな雰囲気たっぷり。四手のためのピアノ作品。こちらはぐっとシンプルな風情でした。
しみじみ懐かしい第1曲 「小舟にて(En bateau)」は管弦楽のイメージからは、ずいぶんそっと抑制気味(3:37)
第2曲 「行列(Cortege)」は可憐にデリケートな行進風景(2:50)
第3曲 「メヌエット(Menuet)」はちょっぴり困惑したような哀しみを感じさせて、ユーモラス。(2:25)
第4曲 「バレエ(Ballet)」陽気に軽快に躍動するフィナーレ。(2:51)
リンダラハ(Lindaraja/美しい人)」は2台ピアノのための作品。ハバネラのリズムが遣る瀬なくもゴージャス。(4:45)
6つの古代の墓碑銘(6 Epigraphes antiques)」は四手のためのピアノ作品。アンセルメだっけ?管弦楽編曲がありましたよね。パイヤール編曲もあったはず。呟くような静謐に、懐かしい旋律が延々と続きます。
第1曲 「夏の風の神、パンに祈るために(Pour invoquer Pan)」(2:08) 第2曲 「無名の墓のために(Pour un tombeau sans nom)」(3:20) 第3曲 「夜が幸いであるために(Pour que la nuit soit propice)」ここはちょっぴり華やか(2:03) 第4曲 「カスタネットを持つ舞姫のために(Pour la danseuse aux crotales)」ここはリズミカル(1:50) 第5曲 「エジプト女のために(Pour l'egyptienne)」妖しい風情(2:32) 第6曲 「朝の雨に感謝するために(Pour remercier la pluie au matin)」不安なアルペジオが降り続ける雨を表現しているのか(2:05)
「民謡の主題によるスコットランド行進曲」も四手のためのピアノ作品、これは管弦楽版も有名でした。カッコよい旋律に晴れやかな歩み。(5:53)

NAXOS 8550203Mozart ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調K.271「ジュノーム」/第27番 変ロ長調K.595〜イェネ・ヤンドー/アンドラーシュ・リゲティ/コンチェントゥス・フンガリクス(1989年)・・・絶品。NAXOSに膨大なる録音を残した Jeno" Jando(1952-2023洪牙利)最良の記録のひとつ。音質も良好。素朴なテイストの器楽アンサンブルはこの全集録音以外名前を聞かないので、臨時編成か変名かも知れません。ヤンドーは質実着実なな技巧にハデさのない、落ち着いた愉悦を感じさせる瑞々しいピアノでした。使用楽器はスタンウェイでしょう。
変ホ長調協奏曲K.271「ジュノーム」は1777年ザルツブルグ時代の夢見るように美しい作品。
第1楽章「Allegro」いきなりのオーケストラの問い掛けにピアノが応答する新鮮な始まり。あとは華麗に屈託のない旋律がゆったり躍動いたしました。(9:57)
第2楽章「Andantino」深淵な物思いに耽りつつ始まる緩徐楽章。粛々と哀しみが深まって明るい両端楽章との対比も際立ちます。デリケートなバランスを感じさせるピアノ。(9:59)
第3楽章「Rondo: Presto」快速に走り出す愉悦、細かい音型にあわてた落ち着かなさはありません。華やかなフィナーレは華やかさ控えめ、適度なノリと曖昧さのない技巧、中間部はぐっとテンポを落としたメヌエットも落ち着いて味わい深いもの。名残惜しいカデンツァも印象的に、華麗な疾走して全曲を締め括りました。(10:04)
変ロ長調協奏曲K.595は1791年に作曲されたラストのピアノ協奏曲。枯れて恬淡とした味わいに静謐さ漂う名曲。
第1楽章「Allegro」シンプルな静謐を湛えて落ち着いた始まりは、ピアノは清潔に抑制されたタッチに、オーケストラも淡々。わずかな陰りに深淵を覗かせて懐かしい、笑顔なのに黄昏のような風情が深まります。途中、冒頭旋律のまま暗転する陰影の深さ、晴れやかな表情に戻る対比の鮮やかさ。雄弁に力強いBeeやんのカデンツァとは大違いの軽快なカデンツァに魅了されました。(12:54)
第2楽章「Larghetto」惜別の風情を感じさせる穏やかな微笑み、極限デリケートな穏健旋律が支配する緩徐楽章。粒の揃ったピアノには芯を感じさせて、粛々とした淡い進行に込み上げる静かな感銘がありました。(7:30)
第3楽章「Allegro」ここはスタッカートする歌曲「春への憧れ」K.596、一点の曇りもない旋律。速めのテンポは浮き立つように軽妙、なんの陰りもない晴れやかな表情は軽快、無欲達観した悟りの境地に至っております。(8:20)

ABC Classics abc4766330Messiaen トゥランガリーラ交響曲〜岩城宏之/メルボルン交響楽団/原田節(オンド・マルトノ)/木村かおり(p)(1985年)・・・絢爛豪華にデーハー、宝石箱をひっくり返して大騒ぎ!みたいな風情は大好きな作品。作品は出会いは小澤征爾と記憶するけれど、はっきり云ってどんな演奏を聴いてもたいてい、間違いない感銘をいただける粗忽な耳。これは幾度も聴いている馴染の音源。奥様である木村かおりさん(1942-)はMessiaen、イヴィンヌ・ロリオ直径の弟子、これは岩城宏之さん(1932-2006東京)による貴重な音源でした。現在音源入手困難(presto musicにて拝聴可能/但しRecorded 2007情報はウソ、もう亡くなってまっせ)。久々の拝聴は低音もがリアルに残響豊か、クリアな音質に驚きました。メルボルン交響楽団は岩城さんが1974-1997年長期主席在任して、緻密な技量、パワーとキレのあるサウンドは驚くべきもの。ピアノの超絶技巧やハラダタカシさんは現役オンドマルトノ奏者の第一人者、各楽章の入念な表情付け、ゆったりとした部分での陶酔絶品(愛のまどろみの庭)流れとノリの良さ、前のめりの熱気はライヴですかね?作品に入魂!輝かしくも美しい音楽を堪能させてくださいました。
第1楽章 「Introduction (序章)」(5:32)/第2楽章 「Chant d'Amour I (愛の歌 I)」(7:37)/第3楽章 「Turangalila I(トゥランガリーラ I)」(4:51)/第4楽章 「Chant d'Amour II(愛の歌 II)」(6:25)/第5楽章 「Joie du Sang des Etoiles(星たちの血の喜悦)」(10:05)/第6楽章 「Jardin du Sommeil d'Amour(愛のまどろみの庭)」(9:10)/第7楽章 「Turangalila II (トゥランガリーラ II)」(3:32)/第8楽章 「Developpement d'Amour(愛の敷衍(ふえん))」(10:29)/第9楽章 「Turangalila III(トゥランガリーラ III)」(3:57)/第10楽章「Final 終曲」(7:03)

PHILIPS 422 502-2Mozart メヌエット ハ長調K.409(383f)/Adagio Mastoso ト長調K.444(258a)/交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」(1980年)/交響曲第39番 変ホ長調K.543(1978年)〜ネヴィル・マリナー/ジ・アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ・・・マリナー/アカデミーによるPHILIPS交響曲全集録音より。この辺りがこの組み合わせの最盛期だったと感じます。巨匠時代の重厚長大に非ず、常識的なバランス感覚に溢れた演奏は、快活なリズムを刻む古楽器時代にはちょいと影が薄くなったかも。久々の拝聴印象はオーソドックスな薄味?それも悪くない感じ。
メヌエット ハ長調K.409(383f)は初耳だったかも、そう思ったらラインスドルフ/ロンドン交響楽団(1975年)をかつて聴いた記録が・・・まったく記憶なし。編成は 2-fl/2-ob/2-fg/2-tp、ティンパニ、弦。堂々たる立派な歩みに木管が歌い交わすトリオも優雅な名曲でした。(6:15)
Adagio Maestoso in G」は交響曲第37番ト長調(M.Haydnによる)の序奏として作曲されたもの。これはラインスドルフによる貴重な録音が存在します。(1955年/なぜか当時交響曲第37番へのコメントが抜けている)神妙に荘厳、優しい風情は主部への期待を高めてあっけなく終わりました。(1:49)
Mozartの交響曲中一番気に入っている「プラハ」。編成は先のメヌエット ハ長調と同じ。
第1楽章「Adagio - Allegro」重厚さを強調しないすっきりとした序奏から、軽快な愉悦に充ちた主部も爽やかに力みがないもの。おとなしくオーソドックな風情のまま、躍動と熱を加えました。提示部繰り返し有、美しくも輝かしい、デリケートな旋律は幾度でも聴きたいもの。(14:12)
第2楽章「Andante」優雅に陰影豊かな暗転もある魅惑の緩徐楽章も淡く、柔らかいフレージングでした。(9:05)
第3楽章「Finale (Presto)」は肩の力が抜けた軽妙な躍動に、夾雑物のない素直なフィナーレ。木管の響きは夢見るように美しい。(5:58)
変ホ長調交響曲K.543の編成はオーボエが抜け、代わりにクラリネットが入る2-fl/2-cl/2-fg/2-tp、ティンパニ、弦の編成。こちらアナログ録音?ちょっぴり音の鮮度が落ちるように感じるのは気のせいでしょう。
第1楽章「Adagio - Allegro」堂々たる序奏にも抑制を感じさせて力みはない。提示部はもちろん繰り返して、主部は晴れやかに優雅な3/4拍子のリズムに疾走します。ここの木管も文句なし。(10:53)
第2楽章「Andante Con Moto」弦のデリケートな主題に、わずかにスウィングを感じさせる緩徐楽章。ロ短調の第2主題の陰影対比も効果的でした。(8:12)
第3楽章「Menuetto (Allegretto)」ここは快活ヴィヴィッドなリズムを刻む舞曲。トリオはクラリネットとフルート絡み合って、ここがいちばん有名かも。やはりここも木管は絶品!ここの飾らぬ旋律は若い頃、その魅力を理解できませんでした。(3:59)
第4楽章「Finale (Allegro)」軽快に快く疾走する弦の細かい旋律、それに木管が呼応して陰影豊かなフィナーレ。徐々にムリなく熱を加えて締め括りました。(5:36)

MCHAN-9288Turina「闘牛士の祈り」/Bizet/Schedrin編 バレエ「カルメン」組曲/アルベニス風に/スターリン・カクテル/ユモレスク〜ユーリ・トゥロフスキー/ イ・ムジチ・ドゥ・モントリオール/アンサンブル・レペルキュシオン(1993年)・・・Yuli Turovsky(1939-2013露西亜→加奈陀)はもともとチェリスト、ルドルフ・バルシャイ率いるモスクワ室内管弦楽団のチェロ主席だったらしい。これが凄い!驚異の音質、弦はリアルな表情の変化にヴィヴィッドな演奏と興奮すべき作品続き。
Joaquin Turina(1882-1949西班牙)の作品はもともとリュート用?を弦楽四重奏に編曲したいかにも西班牙風な旋律が詠嘆します。ここでは弦楽アンサンブル、チェロが思いっきり雄弁(10:02)あとは弦と打楽器のアンサンブル。
Bizetの著名な旋律を弦+多彩な打楽器に編曲した「カルメン」はお気に入り。いろいろ聴いてみたけれど、これは音質最高、ヴィヴィッドなリズムにカスタネット先頭に打楽器が見事なアクセントに浮き立ってノリノリ、そしてユーモラス。弦の技量最高、正確なアンサンブルを堪能できました。
序奏(1:24)踊り(2:06)間奏曲(1:04)衛兵の交代(1:54)カルメンの登場とハバネラ(3:30)情景(7:11)ボレロ(1:10)間奏曲(1:59)闘牛士(2:58)闘牛士とカルメン(3:48)アダージョ(5:33)占い(3:48)終曲(6:08)
アルベニス風に」には妖しく切なく、弱々しいヴァイオリン・ソロにピチカートにカスタネットも入って、西班牙風リズムが変幻自在に歌う作品。(4:49)
スターリン・カクテル」は曰く有りげな題名。弦が不安と狂気の不協和音にうねうねとヒステリック、そして悲痛な絶叫で締め括り。チェンバロも入っている?そう。ネット情報によると「コントラバスによる弦を叩くというパフォーマンスやスターリンのお気に入りの「黒い瞳」の旋律が弱々しく演奏される」とのこと。”弱々しく”じゃないなぁ、調子外れの不気味さを感じさせました。(5:35)
ユモレスク」題名とはちょっとイメージの違う、シニカルに静謐なつぶやきみたいな佳作。打楽器のリズムが重い。(2:39)

Turnabaut TV 34081SBoulez ル・マルトー・サン・メートル(Le marteau sans maitre/主なき槌(つち))〜ピエール・ブーレーズ/ドメーヌ・ミュジカル/Jeanne Deroubaix(a)/Severino Gazzelloni(alt-fl)/Anton Stingl(g)/Jean Batigne(打楽器)/Claude Ricou(viv)/Serge Collot(va)/Georges Van Guchtシロリンバ(1964年DHM原盤)・・・Pierre Boulez(1925-2016仏蘭西)自ら2度目の録音(計6回中)は極めてクリアな音質、これはLP復刻1955年 初演された(ハンス・ロスバウト)ドデカフォニー作品は作曲家としての評価を確立された作品なんだそう・・・なんかとっても高尚緻密知的な理論があるとのこと〜んなことはド・シロウト(=ワシ)の縄張り外。アルト独唱は「月に憑かれたピエロ」に似ているなぁと持ったら、その影響を受けているそう(Wiki情報)ほとんど延々静謐なサウンド、神秘にデリケートに淡々とした絡み合い、刺激的な高音とか激しい暴力的威圧とは無縁。フルートに非ずアルト・フルート、ヴァイオリンならぬヴィオラですもんね。セヴェリーノ・ガッゼローニ(1919-1992伊太利亜)はイ・ムジチの録音などで知られているけれど、同時代音楽の擁護者だったのですね。xylorimbaという楽器は始めて知りました。これはお勉強に非ず、心落ち着けて幾度もきらきら美しいサウンドに沈溺すべき名曲!・・・だけど、きっと新しい録音を聴いても違いはわからんのじゃないか、そう自覚しております。
「怒る職人」の前奏/「孤独な死刑執行人たち」の補遺T/「怒る職人」/「孤独な死刑執行人たち」の補遺U/「美しい建物とさまざまな予感」/「孤独な死刑執行人たち」/「怒る職人」の後奏/「孤独な死刑執行人たち」の補遺V/「美しい建物とさまざまな予感」変奏(31:59)

(2025年10月1日)

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written by wabisuke hayashi