比叡山へ

猛暑、災害、病の三ヶ月


 また台風接近中、殺人猛暑の大元らしいし、その前のはあちこち大雨大被害をもたらしました。自然の猛威には人知の及ばぬ威力があって、こちらこのフロ並外気連続な日々に現状なんとか夏バテもせず、夜もそれなり眠れております。(除湿30度C設定)電気代請求が恐ろしい。今月は途中痛風発作激痛休みを挟みつつ、体育館トレーニングルームへは合計11回通いました。

 ここ数ヶ月連続病の話題ばかり繰り返して、しつこく再々度整理。5月GW突入とともに重い風邪症状(インフルエンンザ?)〜一週間ほどで熱と咳が抜けても倦怠感が続きます。まともに飯が喰えずに減量状態、これを鍛えて治す!誤った昭和の発想に筋トレを再開復活〜この行為は体調快復どころか、痛風を再発させました。(右足親指中心)経験者はわかると思うけれど、激痛なんすよ。数日は歩けぬほど。身動きできんから尿酸値痛風関係のYouTube健康番組見まくって研究、要らぬ知識ばかり身に着けました。3ヶ月で酒は断続的に4回?ビール一杯のみ。それもアカンかったのか6月に左手首に痛風症状発症(これは数日で治まった)そして先月7月に左足親指+踵+左膝に同時激痛発症3ヶ月で3回目・・・かねて貯めていたケーキ用の保冷剤大活躍!身動きできんかったほどの痛みは数日?患部を冷やし続けて現在に至る。症状がほぼ沈静化するのに3週間掛かりました。甘いもの(果糖)は厳禁、尿酸によさげな珈琲(かねてより砂糖抜)乳製品、食物繊維豊富なものを意識して摂っております。

 閑話休題(それはさておき)4月末日の体重は68.1kg。風邪症状後5月末日は66.3kg(その日菓子パンを食ってしまったとカミングアウト有)6月末日は64.6kg、7月痛風症状再々発前に「昼納豆+アルファ」昼食作戦を編み出して2kg以上の減量に成功しております。この時点では筋トレ有酸素運動復活していたので、筋肉が落ちたわけではない。さらに禁甘+禁酒が加わって7月末日ついに63.0kg迄減量、既に控えめにトレーニングは再開しております。4ヶ月で5kg減らして、ここ30年ほどの最低値を更新中。所謂(あまりアテにならぬ)BMI 標準体重まであと▲2-3kg、なんとか積年の内臓脂肪過多をなんとかしたい。あまりに急激なダイエットをすると. 痛風発作が起こりやすくなる(日本臨床内科医会)らしい、この間の発症もこれが一因だったのかも知れません。

 健康を維持するためには、哀しいけど種々愉しみを減らしていくことが必須みたいで、この猛暑にしばらくビールも呑めません。これが華麗なる加齢の哀愁、ほんまにカネは使わ(え)ない。京都の祇園祭や大阪の天神祭もテレビで眺めるのみ。あまりに虚しい夏が過ぎつつあります。

 恒例ヴェリ・ベスト。日本代表男子バレーボール第3位は立派。その試合内容にも感動いたしました。

Capriccio C10153Mozart ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334(320b)/ディヴェルティメント ヘ長調K.138〜シャンドール・ヴェーグ/カメラータ・ザルツブルグ(1986年)・・・NMLにて拝聴可能だけれど、Capriccioレーベル自体が活動停止しているので(HNHインターナショナルに身売り)すっかり忘れられている録音でしょう。モダーン楽器使用ということだけではなく、同じ音楽院に同じメソッドを学んだメンバーが先生に指導され、ヴィヴラート少なめ、クールに颯爽としたアンサンブルを聴かせてくださいます。音質も適度な残響が自然に快いもの。弦+ホルン2本というシンプルな編成のニ長調K.334は長大なる作品。各パート一人ずつ室内楽として演奏されることもある名曲。夢見るような愉悦に充ちた旋律が延々と続きました。(6:59-10:26-4:47-5:49-7:26-9:41)ザルツブルグ・シンフォニー第3番は天衣無縫な初期作品。(3:47-4:02-2:04)

EMI TOCE-13406Handel 組曲「水上の音楽」(Harty編)/序曲 ニ短調 (Elgar編/シャンドス・アンセム第2番「私は主に依り頼む」 HWV 247より)/組曲 「王宮の花火の音楽」(Harty編)/オラトリオ「サムソン」 序曲(Sargent編)〜マルコム・サージェント/ロイヤル・フィル(1959年)・・・自分は基本新しい録音、リズムのキレのよい軽快な古楽器が好み、それを前提としてアンサンブル・ゼフィロの演奏には少々不満を感じたものです。こちら65年前の堂々たる現代オーケストラ用編曲、「水上の音楽」はAllegro-Air-Bouree-Hornpipe-Andante espressivo-Allegro deciso(17:36)優雅な風情に洗練され、颯爽とスケールが大きい響きはオリジナルの姿云々別にして、これはこれでわかりやすい魅力に溢れます。「王宮の花火の音楽」も印象はまったく同じ。Overture-Alla Siciliana-Bouree-Menuet II(15:52)は序曲から堂々としてカッコ良いし、Alla Sicilianaは弦のみゆったり、そっと囁くような静謐は魅惑でした。Menuet IIによる壮麗な締め括りは文句なし。Elgarの手による「序曲 ニ短調」はいっそう硬派にものものしく(5:39)「サムソン」 序曲は古楽器演奏を聴いたことがないので、Handelってこんな立派な悠々とした音楽と納得したものです。緩急緩のフランス風序曲なのか。(7:36)今回拝聴はLP復刻音源、音質はかなり良好でした。

DG UCCG4877Beethoven 交響曲第3番変ホ長調「英雄」〜カルロ・マリア・ジュリーニ/ロサンゼルス・フィル(1978年)・・・4年ぶりの拝聴。Carlo Maria Giulini(1914ー2005伊太利亜)が亜米利加西海岸のオーケストラの音楽監督を務めたのは1978-1984年。今となっては意外な組み合わせ、彼は独墺系のオーソドックスな演目を意識して鍛えたとのこと。これは遅めのテンポに堂々たる威容を誇る演奏、噛み締めるように微妙なタメやテンポの動きは重量級、瑞々しい明るい響きのまま落ち着きと自然な流れが両立して、力みなくまったり諄々と説得力深い第1楽章「Allegro con brio」から絶好調(20:34)第2楽章「Marcia Funebre-Adagio assai」葬送行進曲は細部入念なる描き込み、ニュアンスの細やかさ、その陰影、呼吸の深さ、力強い巨大なスケールに驚かされます。(17:20)第3楽章「Scherzo-Allegro vivace」は蒸気機関車の疾走、これもアクセントは明確に慌てぬテンポ設定は説得力充分。トリオのホルン三重奏は独墺系に比べて軽く感じます。(13:13)第4楽章「Finele-Allegro-molt」は巨大なる変奏曲。堂々たるスケール、これも急ぎ足に走らぬ、ひとつひとつのフレージングをたしかめるように、ていねいに表現して深い感銘をいただきました。(13:37)これは旧世代の表現なのででしょう。それでもこれは最近聴いた中でのヴェリ・ベスト。

CIRRUS CRS CD 102Holst 組曲「惑星」/セント・ポール組曲〜チャールズ・グローヴズ/ロイヤル・フィル(1987年)・・・幾度この作品録音を重ねているロイヤル・フィル。Charles Groves(1915ー1992英国)によるこの録音はその中でも最上級の仕上がりでしょう。音質極めてクリア、とくに金管が切れ味鋭く鳴り切って決然、曖昧さとか流したところ、慌てて走ることも一切ない。著名な「木星(快楽をもたらす者)」に於ける金管の炸裂は爽快乱舞、中間部「Andante maestoso」のシミジミとした旋律も最高。タンバリンの存在感もリアルでした。続く「土星(老いをもたらす者)」はジミだけど、怒りはやがて安寧に至って、この静謐な落ち着きは聴きもの。遠いチューブラーベルが効果的に響きます。「天王星(魔術師)」のリズムの厳しいこと(ユーモラスだけど)圧巻の金管と打楽器の押し出しは文句なし。 (7:41-8:22-4:03-8:13-8:58-5:55-8:57)セント・ポール組曲は弦楽のための作品。活発なリズムを刻んでやがてテンポを上げる「Jig」(3:31)「Ostinato」は弱音に細かい音形がデリケートな囁いて、優雅に音量を上げていきます。(1:48)「Intermezzo」もシンプルなリズムを繰り返しつつノリノリ、やがて対旋律に「グリーンスリーヴズ」が乱入して驚かされました。(3:36)「Finale (The Dargason)」は寂しげなヴァイオリン・ソロのオリエンタルな旋律から始まって、思わせぶりな詠嘆が出現してちょっと不思議な風情でした。(4:34)名曲。

「EDWARD Elgar THE COLLECTOR'S EDITION」(EMI 30枚組Elgar 交響曲第1番 変イ長調 作品55(フィルハーモニア管弦楽団)/序奏とアレグロ 作品47(アレグリ弦楽四重奏団/シンフォニア・オブ・ロンドン)〜ジョン・バルビローリ(1962年)・・・前回拝聴は2008年。当時は未だ私的バブル時代、CD購入に意欲的でした。やがてCDは処分して、データにてElgra The Collector’s Edition再入手、DVDに焼いてファイル保存しておりました。久々に取り出したらCD5枚分くらいのデータファイル破損・・・(涙)閑話休題(それはさておき)これはその一枚目。じつにジミな重心の低さ、三管編成による堂々たる落ち着いた風情は大好きな作品。音質はまずまずだけど、やや音質の腰のなさを感じます。
第1楽章「Andante. Nobilmente e semplice − Allegro」ゆっくりと力強い歩み(モットー)は、確信に充ちて落ち着いた風情に始まります。たっぷり歌って高まる情感、やがてガラリと趣を変えて前向きな闘争心を感じさせる第1主題、哀しげな詠嘆が第2主題。充分なタメ、たっぷり歌って心持ちゆったりとしたテンポにあわてず、寄せては返す波のよう、横流れに優雅、慈しむようにゴージャスな表現でしょう。フィルハーモニア管弦楽団は絶好調。(21:39)第2楽章「Allegro molto」はスケルツォ?細かい音形に不安な出足、やがて決然とした行進曲風の旋律が力強く歩みだしました。ここは貫禄の表現、パワフルにカッコ良いですね。木管金管乱舞。(7:03)第3楽章「Adagio − Molto espressivo e sostenuto」は魅惑の緩徐楽章。ここは纏綿と濃厚に歌ってバルビローリの本領発揮でしょう。弦の扱い最高。この作品は細部旋律馴染みのつもりだったけれど、デリケートに床しく、たっぷりと呼吸深く、シミジミとした魅力を再発見。ラストほとんど消えるよう・・・この感動は全曲中の白眉。(12:16)第4楽章「Lento − Allegro − Grandioso」不安に暗い序奏から始まって、やがて第1楽章のモットーが回帰します。出足は一貫して静謐に慎重、やがて快速な第1主題が決然と出現、行進曲風の第2主題も雄壮に、フィナーレに向けて熱を帯びて詠嘆を加速いたします。金管の掛け合いがカッコ良いですね。万感胸に迫る締め括りも感銘深いもの。(12:47)「序奏とアレグロ」は録音用オーケストラとまとめて弦中心の作品をまとめていたもの。こちらもお気に入り、劇的な始まりから、弦楽と弦楽四重奏の詠嘆合戦がシミジミ胸を打ちます。これもたっぷり、グラマラス。(14:10)

ABC 4766329Messiaen トゥランガリーラ交響曲〜岩城宏之/メルボルン交響楽団/原田節(オンド・マルトノ)/木村かおり(p)(1985年ライヴ)・・・幾度聴いている岩城 宏之(1932ー2006)の記録。ABC音源はNMLから既に消えて、貴重な存在になっております。初演は1949年(レナード・バーンスタイン)どこが交響曲やねん!的、宝石箱をひっくり返したように綺羅びやか、明るくデーハーな祝祭的喧騒が続く作品はお気に入り。オンド・マルトノの妖しい音色がステキだし、ピアノが超絶技巧、生演奏を経験しているのも自慢でした。実演ではピアノの凄さがわかりやすい。けっして平易にわかりやすい音楽ではないと思われるけれど、幾度聴いて旋律リズムにすっかり細部馴染んだもの。音質極上、当時のメルボルン交響楽団のキレのある金管先頭にパワフルなサウンドに驚かされます。賑やかに暴力的な連続爆発も爽快だけど、交互に登場する静謐に神秘な場面が聴きもの。一番のお気に入りは第6楽章「愛のまどろみの庭」オンド・マルトノの優雅な遠い歌に、ピアノの鳥の声が可憐に絡み合って官能的。心身ともに元気であればたっぷり愉しめる巨大なる作品。幾種か聴いてきて、岩城宏之の記録は演奏、音質とともに最良のものでしょう。木村かおり(1949-日本)のテクニックの冴え、原田節の雄弁な存在感も最高。第1楽章 「序章 Introduction」(5:34)第2楽章「愛の歌1 Chant d'Amour 1」(7:39)第3楽章「トゥランガリーラ1 Turangalila 1」(4:54)第4楽章「愛の歌2 Chant d'Amour 2」(10:07)第5楽章「星たちの血の喜悦 Joie du Sang des Etoiles」(6:27)第6楽章「愛のまどろみの庭 Jardin du Sommeil d'Amour」(9:13)第7楽章 「トゥランガリーラ2 Turangalila 2」(3:35)第8楽章「愛の敷衍(ふえん)Developpement d'Amour」(10:32)第9楽章「トゥランガリーラ3 Turangalila 3」(3:59)第10楽章「終曲 Final」(7:03熱狂的な拍手入り)

(2023月8月1日)

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written by wabisuke hayashi