ヘーセーからレーワへ
昭和から平成へ移管するときの異様な”自粛ムード”に辟易して、この度なんとなくお祭り騒ぎはエエ感じと思っております。為政者も一世代回って、あまりこだわりはなくなってきたのか?世界的に見て元号は貴重な文化、平成は三十余年という振り返るのにはちょうどよろしい長さ、区切りということもあるでしょう。テレビの放映記録、インターネット・スマホが普及した時代、もちろんよろしからぬ哀しい事件、生活格差貧困問題児童虐待問題など忘れてはいけない課題は継続中。但し、法制化して強制使用は実用的ではないと思いますよ。世界にはなんのことやら?通用しませんし。
閑話休題(それはさておき)ご当地転居してから(正規)お仕事見つけた女房殿は4年間頑張って、昨日2019年4月30日を以て引退しました。引き継ぎ先はぼろぼろみたいで、やるべきことを誠実に引き継いだあとは安易にお仕事フォローすべきではない、中途半端、かえって迷惑と助言しております。自分への自戒含め”老害”を自覚できないのは、相次ぐ暴走運転を見てもあきらか。OAスキルやらお仕事の切れ味を維持、向上させる努力はもちろんだけど、”一歩引いて次世代を立てる、育成する”ことに専念すべきでしょう。十把一絡げは失礼だけど、団塊の世代(辺り)は時代もよろしかったし、視野が狭いのが気になって、女房殿お仕事周辺の事情を伺うとOAスキルが極端に低い。パソコンすっ飛ばしてスマホへ行ったみたいで若い世代より始末に負えないと感じます。”パソコン・ネットワークはお仕事合理化するもの”といった概念はなくて、たいてい”要らぬお仕事を増やす”人は自分の職場でも散見されますよ。
さて問題は日常生活。いよいよ収入は自分のささやかな”アルバイト代”のみ。(そのワリに職場では態度がでかい/時給だからGW続くと収入はいっそう減少する)精神的にはお気楽、濃密なお仕事内容に比して賃金が安い件はさておき、いよいよ蓄えを消化すべき時期となりました。身辺整理も進めていて、まず課題は主にお仕事で使っていた女房殿の軽バンでしょう。これは駐車場代保険維持費けっこうな出費でした。節約生活は既に実践経験かなり、とはいっても”収入あるけど節約意識”と”ほんまに収入ないから否応なく節約”では心構えがちゃいまっせ。
いずれ、先立つものは心身ともの健康。先月は左膝の痛みに苦しみました。花粉症やらなんのアレルギーやら知らんけど、ずっと鼻水が出ております。契約しているスポーツクラブは平日夜のみ、土日祝日は市立体育館トレーニングルーム利用(1回110円)本日より三日間出勤中9−5時営業だから自分には使えなくて残念。先月、親父の納骨も終えて人生の晩年を意識する今日このごろであります。
● いつもの、先月のヴェリベスト。
■Mahler 交響曲第1番ニ長調「巨人」(1893年ハンブルグ稿)〜ヤン・ヴィレム・デ・フリーント/オランダ交響楽団(ヘット・オーステン管弦楽団)(2009年)・・・拝聴中。Jan Willem de Vriend(1962-阿蘭陀)の古楽器ヴァイオリニスト〜指揮者らしい。このオーケストラは阿蘭陀東部エンスヘーデ(Enschede)にあるらしい。もちろん初耳。これは所謂初稿?か、憧憬に溢れ美しい「Blumine(花の章)」を含むのはもちろん、ド・シロウト耳にもあちこち耳慣れたものとは異なる、粗野な響きが新鮮であります。もしかしてローカル非力な洗練されぬオーケストラ?との予想大外れ、音質リアルなことも手伝ってかしっかり厚みと色気のあるモダーン楽器アンサンブル、一部カスタマー・レビューには”アンサンブル云々”される厳しい声もあるようだけれど、この水準のどこに不満があるのでしょう。”21世紀世界同時演奏技術向上”がみごとに証明されております。恣意的に動きすぎず、原則に過ぎて素っ気なくなることもないバランス表現に心奪われる美しいサウンドであります。
■Respighi 交響詩「ローマの松」「ローマの噴水」「ローマの祭り」〜シモーネ・ヤング/ウィーン放送交響楽団(2008年ライヴ)・・・Simone Young(1961-濠太剌利)2005−2015年ハンブルク州立歌劇場総監督を降りて、現在はフリーなのか。世界の一流歌劇場オーケストラに呼ばれているのですね。彼女のBrucknerには興奮しましたよ。伝統を継承しつつ、新鮮な表現と構成力。これはネットより入手したライヴ音源、音質極上。驚くべきはRadio-Symphonieorchester Wien(旧オーストリア放送交響楽団/2019年よりマリン・オールソップが首席就任)の洗練された明るい響き、この近代管弦楽の精華である名作はオーケストラの技量が問われるもの。やや”芯が甘い”感じだけど優雅華やかデリケートなサウンド、たっぷり新鮮に、馴染みのお気に入り作品を愉しませて下さいました。
久々 ■Bach 平均律クラヴィア曲集第1巻(全曲)〜グレン・グールド(p)(1963/64/65年)・・・拝聴。彼の鼻歌も聞こえる音質最高。渇いて明晰なタッチ、スタッカートを基本とする軽快ノリノリなリズム感、完璧な技巧にテンポ変化の妙、ときに疾走したりゆったりと歌ったり、タメがあったり・・・前奏曲とフーガは各々表情に個性があって千変万化、飽きることはありません。お気に入り作品故拝聴機会は多くて、LP時代より聴いていたのは浪漫風情たっぷり+強靭なスヴィァトスラフ・リヒテル(1970年)。弾き手によってこれほど印象が変わるものか!驚きの世界であります。
■Mussorgsky 交響的絵画「禿山の一夜」/組曲「展覧会の絵」(Ravel編)〜ルネ・レイボヴィッツ/ロイヤル・フィル(1962年)・・・Rene Leibowitz(1913ー1972波蘭→仏蘭西)先日音源整理をして状態よろしくないLP復刻音源在庫を確認、それなりちゃんとした状態のものを入手したいと願って、じつは4種ダブり入手済発見!ちゃんとまともな状態でした。閑話休題(それはさておき)これってケネス・ウィルキンソン(名録音技師1912-2004英国)担当ですよね?記憶、想像以上に鮮烈なる音質、そして”新しすぎる”ルネ・レイボヴィッツの引き締まった表現に脱帽。10年前だったら間違いなくボックスセット買ってましたよ。こんな特異な存在の指揮者って現代では絶滅しました。
まず「禿山の一夜」は原典版をベースにレイボヴィッツによる編曲らしくって、そのデーハーな風情はストコフスキーの上を行くでしょう。「展覧会の絵」は馴染みのRavel編曲って、生体験すると理解できるけど、もちろんベースはMussrgskyでも完全なるRavelによる創造的産物、色彩豊かでありトマス・ビーチャム逝去直後のオーケストラは実力たしかでっせ。心持ち速めのテンポ、ストレート系アツい盛り上がりに文句なし。
■Debussy 前奏曲集(Colin Matthews編)/Mahler 交響曲第1番ニ長調(花の章付)〜ウラディーミル・ユロフスキ/ロンドン・フィル(2010年11月1ー4日ライヴ)・・・8年ほど前に聴いた記録が残っているネットより入手した音源、自主CD化したもの。あまりに多くの音源を抱え込むのも贅沢な悩み、その存在をすっかり忘れておりました。Vladimir Jurowski(1972-露西亜→独逸)は旬の指揮者、2007年以来ロンドン・フィルの首席、グラインドボーン音楽祭の兼任は理解できるとしても、2011年よりロシア国立交響楽団、2017年よりベルリン放送交響楽団、さらに2021年よりバイエルン州立歌劇場の総監督とか、どこかのオーケストラは辞めるんやろなぁ、まさに八面六臂の売れっ子でっせ。閑話休題(それはさておき)
ロイヤル・フェスティバルホールでのライヴ、音質リアルな臨場感、聴衆のざわめき最高。12月4日のライヴがCD化されているようです。(もしかしたら情報間違いで同じ演奏かも)Colin Matthews(1946-悲劇の「冥王星」作曲者)によるDebussy「雪の上の足跡」「沈める寺」「花火」は原曲遠く木霊する再創造は幻想的色彩的かつ繊細な響き。ほとんど別作品に聞こえます。
メインのMahlerの件、作品の成り立ち的に第2楽章「花の章」を配置するするのは邪道、との硬派音楽ファンもいらっしゃると思うけれど、こちら緩い聴き手は美しい音楽がたくさん聴ければそれでよろしいかと。話逸れて、数日前同作品(やはり旬の指揮者)ヤニック・ネゼ=セガン/バイエルン放送交響楽団(2014年)を聴いて、第1楽章より要らぬ咳いたアッチェレランドが気になったもの。第10番 嬰ヘ長調(2016年ロッテルダム・フィル)も似たような落ち着かなさは同様でした。こちらユロフスキは緻密な集中力と色気を感じさせて、細部描き込みは入念でした。テンポ設定も中庸を保って納得できるもの。
ロンドン・フィルと云えばクラウス・テンシュテット(在任わずか1983ー1987)その印象が強いけれど、その後のウェルザー=メスト(在任1990ー1995)、クルト・マズア(2000ー2007)歴代独逸人指揮者を揃えて、もともと上手い、荒々しい力強いサウンドにいっそう磨きが掛かったようです。しっとりとしたアンサンブルは絶品でした。
(2019年5月1日)
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