猛暑の夏も過ぎて
前月に続いて殺人猛暑続いて死者が出るほど、台風やら豪雨、洪水地滑り+スポーツ関係の不祥事もあちこち。こちらゆるゆるの半引退サラリーマンはとくべつ苦難苦行もなく遊んで過ごして体重増傾向、膝はちょっぴり痛くてやや夏バテであります。基本夏は大好きだけど、ここ最近の猛暑は異常気象でしょう。ぐずぐずしながらスポーツクラブへは14回、ちゃんと真面目に通いました。これでぎりぎり元気を保っている感じ。体重増の要因は職場ビール会やら、ふだん嗜まない冷たいアルコール連続多飲か、外は暑いからいや増す引き隠り傾向、身動きしなくなって食欲は落ちないという悪循環であります。40度C初体験、ほとんどフロ、ま、ほとんどエアコンのよう効いた室内におりましたけど。
ジモティの方々には申し訳ないけど、名古屋(居住は近郊)に転居して丸5年、文化風土的に愛着が持てんのです。ぶつくさ云いつつ日々、お仕事、人間関係をたっぷり愉しんでいるから、んな贅沢わがまま云うたら人生に罰当たりまっせ。毎年夏は京都にて学生時代のOB会。年に2回くらいは京都に行っているかな?これは欠かしたことはありません。京都も暑かったな、名古屋はそれを上前るけれど。全国各地から参集した最長43年に至るお付き合い旧知と呑み語らって、体調を崩している人は残念出席不如意、多くはお仕事引退に至っておりました。気持ちは学生時代のままだけど、体力が付いていきません。美男美女(自称)成れの果て傍から見れば爺婆集団でっせ、元気でやかましい。相国寺承天閣美術館に大好きな浮世絵を見てきましたよ。ついでに禁断のラーメンを喰ってしまって結果、体重増へ・・・
これが終わったら夏も終わり、まだまだ暑いけどね。
今月は金沢にて一人息子遅れ馳せ結婚式。もう去年入籍して、若いお嫁さんはやはり結婚式がしたいということで、親しい人少人数招待するとになりました。93歳北海道の爺さんは足腰立たんので、せめてご挨拶に行かせた件は先月言及済。たっぷり小遣い送っておきました。元気な87歳婆さんには往復航空便、良さげなホテルを予約しております。
● 先月のヴェリ・ベスト。前月よりいっそう猛暑に集中力おちております。昔馴染み、CD一枚分全部聴けないことも多いもの。
■Hummel クラリネット五重奏曲 変ホ長調/Wenber クラリネット五重奏曲 変ロ長調〜デイヴィッド・グレイザー(cl)/コーホン弦楽四重奏団(1963年リリース)・・・David Glazer(1914-2001亜米利加)は往年のクラリネット奏者、LP時代より知名度より価格(=まず音楽をたくさん聴くこと)優先、VOXにはずいぶんとお世話になってグレイザーの名前(だけ)知っておりました。これもLP板起こし音源?は音質極上、そして技巧のスムースなこと!MozartやBrahmsが著名な作品群、知名度的に落ちるけれどWeber(1786ー1826)の作品旋律は一般にどれもお気に入りでして、独逸素朴な民衆の歌を感じてちょっぴりユーモラスでしょう。Hummel(1778ー1837墺太利、Mozartの弟子筋にあたるのか)の作品は以前聴いていたような?初耳だったような・・・Beeやんが1768年の生まれだから初期浪漫派になるのかな、あまり聴く機会はありません。明朗平穏、牧歌的な陰影ある風情に+師匠Mozartの自在な躍動テイストも感じさせてステキな作品でっせ。存命中は栄光ある音楽生活だったらしい。
■Grieg 叙情小曲集(アリエッタ 作品12-1/子守歌 作品38-1/蝶々 作品43-1/孤独なさすらい人 作品43-2/音楽帳 作品47-2/メロディ 作品47-3/ノルウェーの踊り 作品47-4/夜想曲 作品54-4/スケルツォ 作品54-5/郷愁 作品57-6/小川 作品62-4/家路 作品62-6/バラード風に 作品65-5/おばあさんのメヌエット 作品68-2/あなたのおそばに 作品68-3/ゆりかごの歌 作品68-5/昔むかし 作品71-1/パック 作品71-3/過去 作品71-6/余韻 作品71-7)〜エミール・ギレリス(p)(1974年)・・・これはまさに珠玉、涼し気な小品が粛々とつぶやいて夢見るよう。名残惜しいGriegの旋律って最高。13年前に言及有。”鋼鉄のピアニスト”とうキャッチフレーズは重厚長大産業が日本の花形だった頃の発想、価値観でしょう。 Emil Gilels(1916ー1985)旧ソヴィエットの音楽家には長命を保った方は少なめ。寒いところだし食生活(強い酒)に問題があったのか、音色にかっちり芯を感じさせて精密な技巧、デリケートなタッチ極限、アナログ録音最盛期の音質にも感謝いたしましょう。
■Bartok 組曲「不思議なマンダリン」〜ティボール・シェルリー/ロンドン新交響楽団(1952年)・・・Serly Tibor(1901ー1978)はBartok絡みで名前のみ拝見しておりました。こんな音源があったのですね。たしか息子のピーター・バルトーク(1924-)主催のBartok Record、もちろん時期的にモノラル録音は驚異的鮮明でした。おそらくは収録時間理由による組曲版は残念、New Symphony Orchestra of Londonは1960年代まで録音ではよう見かけました。稀代の暴力的な作品、これをしっとり、クールに知的に仕上げてオーケストラも上手いもんでっせ。
■ Respighi 古代アリアと舞曲/6つの小品集/ピアノ・ソナタ ヘ短調/グレゴリオ旋律による3つの前奏曲〜コンスタンティン・シチェルバコフ(p)(1995年)・・・アルカイック風情漂う著名な「古代アリアと舞曲」はお馴染みでも他の作品は初耳ばかり、これが詩情に溢れてほの暗く、所謂”伊太利亜の陽光”といった風情とは異なる陰影深い繊細静謐な旋律が続きます。Konstantin Scherbakov(1963ー)露西亜出身のピアニストらしい。瑞々しいタッチが素晴らしい。
■映画「コードブルー」に出掛けました。大ヒットしているみたい、宣伝が上手、以前の再放送を繰り返して、それが劇場版へ誘(いざな)う戦略なのですね。自分もそれに乗せられましよ。ご近所イオン長久手は凄い人出、小さなこども連れが微笑ましい。不治の病に侵された花嫁、アルコール依存症の母親(かたせ梨乃=ほとんど唯一のヴェテラン出演)との確執、事故により鉄柱が腹を貫いた暴力親父との再会、14歳水死した若者の脳死移植を巡る両親の苦しみ、山Pが感電して瀕死の重傷、藤川と冴島(比嘉愛未可愛い!)のラスト感動的な結婚式・・・見せ所山場満載!たっぷり愉しんだけれどエアコンが寒すぎまっせ。そのまま、馴染みの爺婆の居酒屋にて美味いもんを喰ってきました。
■Shostakovich ピアノ協奏曲第1番ハ短調〜マルタ・アルゲリッチ(p)/イェルク・フェルバー/ヴュルテンベルク室内管弦楽団/ギイ・トゥーブロン(tp)(1993年)・・・苦手系Shostakovich中珍しいお気に入りのピアノ協奏曲(第2番も)アルゲリッチは例の如しノリノリに躍動して、超絶技巧に惚れ惚れするほど。ヴェテランJorg Faerber(1929ー)のオーケストラは微妙に味わい系でして、つまり最近のメカニカルに優れた若手の録音(バックも)とは一味異なる”オモロい”演奏でした。
■Bach 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV.1001/パルティータ第1番ロ短調BWV.1002/ソナタ第2番イ短調BWV.1003/パルティータ第2番ニ短調 BWV.1004/ソナタ第3番ハ長調BWV.1005/パルティータ第3番ホ長調BWV.100〜千住真理子(v)(1994年)・・・女性に年齢はナニだけれど1962年生まれ、これは32歳の旧録音。既に音源入手20年ほど?手許幾種も取り揃えて名曲中の名曲、端正な清潔感とわかりやすい表現、安定した技巧、一番のお気に入り演奏であります。艶々の美音とか、鬼神の如き集中力に非ず、純粋にそのまま音楽が立ち現れる・・・といった風情。「シャコンヌ」を聴くたびにとんでもない人類の悲劇、贖罪を感じるものだけど、これはひたすら豊かな情感を受け止めるもの。
(2018年9月1日)
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