2004年8月蒜山高原

ほんまの夏・大失敗の夏


 昨夜喰ったものは忘れても、朝は覚えている〜のは、毎朝野菜ジュース+ヨーグルト+珈琲ワンパターンだから。夏、暑いのは誰でも知っているけど、昨年2013年はどんなだったのか・・・新しい土地、環境に馴染めず、ご当地名物強烈な猛暑に体調崩して風邪ダウンしておりました。ま、ほとんど失念していて、だからこそ「音楽日誌」(2013年8月)に意味があるんです。へぇ、こんな音楽聴いていたんだ・・・感慨しきり。ロジェストヴェンスキーのTchaikovskyとか、もう一年経つんやなぁ。スワロフスキーなんて聴いた記憶さえない〜ことしは松本のホテル予約を忘れたので上高地に行けないのは残念。いっそうクソ暑そうな、お隣岐阜・長良川に実質上初訪問予定。(大昔、お仕事にてちょろり訪問したことはある。女房殿は初訪問)

 これが10年前2004年8月だったら大昔、岡山在住時代、中四国エリア連日営業(酒)に飛び回っておりました。家族で玉造温泉に行ったんですね、名車セルボ(たしか中古8万円ほど?違ったか)に乗って。若かったなぁ、もうそんな気力体力ないっすよ。聴いている音楽も一巡してすっかり様変わり、文章も素朴やなぁ(遠い目・・・)仕方がない。10年ですから。もう引退寸前ですから。

 ・・・昨日大失敗。後悔の嵐〜って、ケツの穴の小さなお話。昼から定例の取引先営業訪問は、実質上ご機嫌伺いみたいなもの、これが大切なんです。名古屋市内へ渋滞しても小一時間、時間調整やら眠気覚まし休憩兼ねて(いつもの)HARD・OFFへ。昨年2013年6月にはスピーカーを購(あがな)ったところ。ジャンク・コーナーにて人民中国製ワイヤレス・キーボード(エルゴノミクス風)800円(+税)衝動買い。これが大失敗。テンキー無は承知、タッチパッドはあってもなくてもOK、キータッチがペコペコなのも我慢することにしましょう。早速、職場ウルトラブックに接続して・・・絶句!BSキーがない〜悩むことしばし、右上方「←」キーがBSキーだったのですね。この右隣りがHomeキー、これはままある配列でして(休眠中)メカニカル・キーボードはHomeキーを外してしまいました。間違って押しちゃうんですよね。嗚呼、鬱陶しい!

 キー配置が使いにくい、キータッチがペコペコに安っぽいのは(仮に)ガマンするとして、上方数値キーが如何ともし難い・・・いえいえ、テンキーがないのはわかってますって。そんな問題じゃなく「5」「6」以外出ないんです。ほか、どんな数字も認識しない・・・最悪・・・(涙)

結論。800円(+税)ドブに捨てました

 800円あれば自主CD50枚は作れる計算か。いえいえ、金額の多寡に非ず、ムダという行為がとことん情けない。半額でもオークションに出すか・・・って(ネット調査したら)著名な根本的抜本的粗悪問題品ですから。もう捨てるしかない!キーボードを替えるというのは、手軽な環境一新なんです。失敗したなぁ。HARD・OFFに儲けさせちゃった。いつものエルゴノミクスに戻したら、どんだけ作業スムースか・・・一時の気の迷いでしたよ。人生こんなことの繰り返し。(こうして「近況」に愚痴っているのもストレス発散でっせ)

 昨年の様子を振り返ると、ずいぶんと体調もお仕事も改善していると理解できました。お粗末ワイヤレス・キーボード事件もほんの笑い話でしょう。じつは昨夜もう一発、Mendelssohn 八重奏曲 変ホ長調〜ヤッシャ・ハイフェッツ他(1961年)自主CD、続けて2枚ほぼ同じもの(フィル・アップが異なるのみ)を作っていたことを発見、詳細情報を印刷して、ちゃんと聴いているのに、そのことを失念して、在庫点検して気付くとは・・・絶句。

 恒例、いつもの先月音楽ヴェリ・ベスト。なんか拝聴軸の定まらぬ一ヶ月だったみたい。

COCQ-84115/9Mozart ピアノ・ソナタ第8番ニ長調K.311/第10番ハ長調K.330/第11番イ長調K.331/ロンド イ短調K.511〜マリア・ジョアン・ピレシュ(p)(1974年)・・・我がDENONが誇るPCM録音最初期のもの。ま、ディジタル試行錯誤時代だけど、音質は現役水準でしょう。(女性に年齢は失礼ながら)当時29歳、旧録音のニュアンス、しっとりセクシーな音色も絶品です。昔からグレン・グールドを標準と考えるへそ曲がり、世評通りこちらこそリファレンス、といった手応え充分。著名な「トルコ行進曲」のテンポの遅さ、彼(か)の愉しげな風情皆無、暗い浪漫に溢れて、ほとんど別作品の風情でした。おそらくはすべての音楽の中で一番お気に入り作品、ロンド イ短調K.511は逆に淡々さらりとして、それでこそ作品の哀しさ、深淵が際立つ、といったところ。最高、幾度繰り返して聴きたい!

BRILLIANT BRL93102よりBach カンタータ第140番「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」/第88番「見よ、われ多くの漁師を使わさん」/第79番「主たる神は太陽にして楯なり」〜ぺーター・ヤン・リューシンク/オランダ・バッハ・コレギウム/オランダ少年合唱団/ルース・ホールトン(s)/シツェ・ブヴァルダ(ct)/マルセル・ビークマン(t)/ニコ・ファン・デル・ミール(t)/バス・ラムゼラール(b) (2000年)・・・BRILLIANTのBach 全集(こちらですね。2006年発売)より。アーノンクール/レオンハルト全集のライセンス契約ならず、全集のために一気録音され”粗製乱造”との一部厳しい声(評判)もあるもの。

お気に入り作品は幾度聴いていて、古楽器アンサンブルも素朴な技量、リズムも少々ユルめ。声楽はソロは少々個性的過ぎ(特にブヴァルダのカウンター・テナー)、少年合唱団は無垢な雰囲気はあるけど音程いかにも不安定。それでも素朴なテイスト、真摯な精神(んなこといっちゃマズいか)に感銘ひとしお〜慣れかなぁ。「目覚めよ」冒頭の(粗野な)オーボエ付点のリズムから、もう涙うるうる状態。かなり接近したマイク設定?各パートのようすもわかりやすい。声楽(合唱)の響きが濁っても、ガーディナーのようなことはなくて、親密に身近に感じます。ほんま、感動したなぁ。

SONY SICC-246Mahler 交響曲第4番ト長調〜ロリン・マゼール/ウィーン・フィル/カスリーン・バトル(s)(1983年)・・・彼のオーケストラ・コントロールの技術は、どんなオーケストラでも完璧。そのことが”作りすぎ”といった先入観となったのかも知れません。昨夜音量低く全曲拝聴しても新鮮クリアな音質、微妙に揺れ動いて細部入念なニュアンス味付けの効果に驚かされました。メルヘンとか浪漫とか、たっぷり堪能させて下さる”美しい”演奏。”作りすぎ”に非ず、譜面に存在する”語るべきこと”はすべて描き尽くした、といった完成度の高さ。ウィーン・フィルの美点をたっぷり堪能したのも、久々の記憶であります。カスリーン・バトルは声量問題とかオペラ実演では問題有、らしいけど、こんなチャーミングに語るような歌、最高。この作品、ヴェリ・ベストな演奏かも。(写真は一枚物。全集デザインがあまりにナニなので)

Hyperion CDS44351Chopin Fantasy in F minor, Op 49/Ballade No 1 in G minor, Op 23/No 2 in A minor, Op 38/No 3 in A flat major, Op 47/No 4 in F minor, Op 52/Introduction and Rondo in E flat major, Op 16/Rondo in C major, Op 73〜ギャリック・オールソン(p)(1990-2001)・・・1970年のショパン・コンクール優勝という華麗なる経歴さておき、1948年亜米利加生まれのピアニストは年齢的にもまだまだ活躍期待機できるでしょう。若い頃のEMI録音ともかく、Arabesque録音は日本ではほとんど話題にならず、輸入盤中心の生活をしてきた自分にも馴染み薄かったもの。Chopin といえばルービンシュタイン、ニキタ・マガロフ、そしてクラウディオ・アラウ〜そう思うけれど、現役の人もちゃんと聴いてあげなくっちゃ・・・スタインウエイは音量が大きく、キレがあって華やか、弱音から最強音迄ニュアンスと迫力も出しやすい〜けど、こちら一聴ベーゼンドルファーと気付く滋味深いというか地味クサい、味わい深い柔らかい音色。出足「雪の降る町を」クリソツな幻想曲ヘ短調から始まって、甘美安寧な旋律連続するバラードは静謐な部分での柔らかい、落ち着いた音色を堪能すべき演奏でしょう。最強音部分での(例えばルービンシュタインの)華やかな世界ともちょっと異なって、やや響きの洗練に欠けるかも・・・というのは、おそらくはオーディオ環境を選ぶだけ、と類推します。とても気になる味わい演奏、センスとしてはモダーン、テクニックのキレに問題あるはずもなし。

CPO 999004-2Hindemith 序曲「エロスとプシュケ」/組曲「気高い幻想」/フィルハーモニー協奏曲/ウェーバーの主題による交響的変容〜ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト/クイーンズランド交響楽団(1987/88年)・・・CPOレーベルによる意欲的なHindemith録音(CDとしてはほとんど廃盤/データ入手のみ)からの一枚。ラインスドルフによる「フィルハーモニー協奏曲」は、2分半ほどの主題を受け、6回変奏続く22分半ほどの作品〜これがネットを探しても情報少なく、1932年ベルリン・フィルの委嘱によって作曲された?らしいことくらい。情感薄く辛気臭い旋律は苦手系、そう感じて拝聴機会少なかったHindemith。これはベルリン・フィルの妙技を活かした「管弦楽の協奏曲」風、各パートのソロ的扱いが色彩的で愉しめました。こちらニュージランドのオーケストラ、独逸のヴェテラン(1935-)ヴェルナー・アンドレアス・アルベルトによる(珍しい)録音も思わぬ善戦!Hindemithの作品って、分厚い色気サウンドを必要とせんのか?馴染みの交響的変容も意外なほど、しっかりとしたリズムと迫力で聴かせております。

(2014年8月1日)


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written by wabisuke hayashi