金沢のパン屋さんにて

停滞/行き詰まり


 自分の商売も、世間だって不況状況はいっそう厳しいんだけれど、昨日職場の連中に訊いたら年末一時金は既に年間で決まっているとのこと。まともに決算できないような状況なのに、ありがたいこと・・・でも、来年2010年はあかんやろうね、ベースアップも一時金も、もしかしたら希望退職を募るかも知れません。ここ最近、人を採りすぎ(とくに中途採用)なんだよ、エエ人材採り放題の時代なんだけど、ウチの人事の採用基準がおかしいのか?学歴とか知能指数も大切だろうが、取引先ご担当への配慮とかお仕事段取り、失敗に学んで改善するとか、その点でけっこうムリムリな奴おりますよ。

 若かったら「営業に向いていないから」と次の職種に転換させることはできるが、商品開発のために連れてきた中途採用だったら事態はちょっと深刻なんです。いずれ、ワタシはあと8年ほど、なんとか閑職じゃなくてラスト迄現場で働かせて下さるとありがたいんだけれど。そんな諸先輩もぼちぼち登場しつつあります。今更東京本丸はご遠慮したいな、職場の雰囲気が暗いし、なんせ通勤が苦しいでしょ。地方都市だったら異動OK。ここ最近(経費節減指示なのに自分だけは減らない)出張連続に閉口気味。

 体調ともかく、おそらく自らのお仕事は順調なんでしょう。数値は苦戦気味だけれど、以前より改善方向だし、職場の作業改革(所謂、お役所的改革じゃなくて、ほんまにお仕事がラクになる!)を進めていて、その分析リスト(A3一枚)は先日の「内部監査」で高く評価された、とのこと。民主党政権の動きは想像以上に毎日オモロくて、各々大臣の主張や動きがわかりやすい。連立の絡みで亀井静香(工藤静香に非ず)が入閣しているが、もっと老練な政治家かと思っていた(選挙ではそうなのかも)が、発言のぶれが少々気になって(見た目も、パフォーマンスも含め)旧態な人だったのか。ちょっと心配です。

 音楽生活は大停滞気味で、オークションを止めたので売ったのはBOOK・OFFで数枚(ちょっと後悔するくらい買い叩かれた)、先々月末にジョージ・ショルティのMahler 全集を買ったきりで、先月9月はとうとう一枚も購入していない。音楽会にも行っていない。毎日の音楽聴取だって、体調がずっとよろしくなかったので集中力が続かないんです。ま、件のMahler 全集14枚分はちゃんと残らず聴きましたけどね。先日「音楽日誌」に”馴染んでいなければ、即ち駄作”〜クラシック音楽ファンにありがちの悪しき保守性を批判したが、新しい音楽にチャレンジして、まず自ら自戒したいと思います。

 ことしもあとわずか3ヶ月。なんとかゆるゆると乗り切りたいものです。

 

 先月のヴェリ・ベスト。じつは(おそらくは聴き手責任で)あまり新しい感動を発見できておりません。選定も安易で保守的か。

PHILIPS  400 074 2  290円Stravinsky バレエ音楽「火の鳥」全曲〜コリン・デイヴィス/コンセルトヘボウ管弦楽団(1978年)・・・西ドイツ製、トラック分けなしのCDだから、20数年前のものか。6年ぶりの聴取だけれど、お気に入り作品であり、数多くの演奏を聴いてきたつもりが、これが一番だな。オーケストラも録音も最高!穏健でバランスがよろしく、細部まで明晰でありながら、自然な、暖かいサウンドと表現に胸打たれます。打楽器など凄い迫力なんだけど、それが鋭利に響かない。メルヘンよりシンフォニック、といった感じかな。結論的にはコンセルトヘボウの音に酔いしれました。

Mozart ピアノ協奏曲第19/17/25/18番〜クリスティーネ・ショルンスハイム(fp)/ブルクハルト・グレッツナー/新バッハ・コレギウム(BC-0013872)・・・棚中数種揃っている古楽器演奏中、もっとも硬派で緊張感に溢れた演奏でしょう。速めのテンポ、軽妙軽快、といった先入観をうち崩す、しっかりとしたリズム感とアクセントであり、素朴とは言えぬ集中力たっぷり。聴き慣れた現代楽器ではないから、印象は鮮烈であります。これが旧東独逸系過激な古楽器演奏スタイルだ。(ちなみに、Bach の協奏曲も素晴らしかった)

SUPRAPHON SU 3880-2  11枚組6,581円(ポイントも活用)にて入手Mahler 交響曲第7番ホ短調(1977/78年)/第8番(1982年)〜ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィル/合唱団/プラハ放送合唱団/キューン少年合唱団/ハヨーショヴァ(s)/ニールセン(s)/ショウノヴァ(a)/ソウクポヴァ(a)/マーロヴァ(a)/モーザー(t)/モーザー(t)/シェーネ(br)/ノヴァーク(b)・・・この間、ぎんぎらぎんに強靱なショルティの演奏ばかり聴いていたせいか?静謐、透明、上品、気品、自然体、奥行き、歌、すべてに渡って個性の違いを堪能いたしました。威圧感がまるでないのだね。現代の喧噪にはショルティが似合うのかも知れないが、瑞々しくも優しい雰囲気に溢れ、怪しい第7番には夜の妖しさが漂い、第8番に於ける大編成に混沌は発生せず、抑制と秩序が前提となります。

ワタシの嗜好は基本、こちら側なのだね。チェコ・フィルの優しい音色、そして声楽のバランスは最高です。

(2009年10月1日)


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written by wabisuke hayashi