幾病息災
世間は秋深まって、解散総選挙、センセイたちは走り回っているようです。こちらは相変わらずビミョーな病連続。内科耳鼻科眼科皮膚科、あちこち軽微な病抱えて、若い頃はそれでもムリできたものだけど、最近ぼちぼち弱っている華麗なる加齢の日々。スポーツクラブは断続的に20年以上通って、ここ2年本格的に復活させて結果、今年も夏バテせず乗り切りました。だましだまし、それなり節制してなんとかこのまま逃げ切れれば・・・そんなことを考えておりました。減量はペースダウンして行ったり来たり、3ヶ月で▲0.5kgほど、情けない。
皮膚科は生命に別状はないけれど、ほんのこどもの頃からのお付き合い。居抜きで新しくオープンしたご近所医院の先生が、新しい治療法が進んでいるから愛知医大へ行け、とのこと。一ヶ月後に予約、ようやく行ってきました。一年くらい掛けて根治できるらしいけど、注射とか薬とか、高額なんだよなぁびっくりするほど。通うのも大学病院だったら夜に行くわけにいかんし、一応お仕事ありますし。高額医療費云々のことはFPである女房殿に任せるとして、思わぬ出費やなぁ〜しばし嘆息気味、人生いろいろありまっせ。
お仕事は順調過ぎ、月末ぎりぎりにちょいと緩んで油断、失敗しました。数日どんよりして反省中、ゆっくり毎日修復するしかない。もう半分引退年収激減でも、こうしてサラリーマン現役っぽい悩みもシアワセと考えるべきでしょう。せっかくの佳き季節、精神的に緩んで音楽にも集中できない・・・なかなか長い時間聴けんのです。MahlerとかBruckner辺り大好きなんやけどね、WagnerもCD一枚分くらいがやっとことさ、時間はたっぷりあるのに肝心の聴き手のノーミソが弱まっちゃ仕方がない。
ヤフオクCD処分9月落札合計30枚、もとより金額目当てじゃないし、まずまずの成果でしょう。身辺整理徐々に進行中。
10月は私的に休みをとって博多へ一泊旅行(クエを予約、週末取引先行事連続、ついでに金沢にて息子夫婦と呑んだりする予定(お嫁さん顔を怪我したんだよなぁ可哀想に)体調体重ともなんとか維持できるよう気をつけましょう。【♪ KechiKechi Classics ♪】毎週末の定例更新はムズカシイかなぁ。きっと誰にも期待されていないけど。
● いつもの定例前月ヴェリ・ベスト。
■Reger モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ/悲劇への交響的プロローグ〜レイフ・セーゲルスタム/ノールショピング交響楽団(1995年)・・・北欧芬蘭土の巨漢指揮者Leif Segerstam(1944ー)は健康的に大丈夫か、レヴァインも体調を崩したみたいだし、ハイリヒ・シフ(1951-2016)は若くして亡くなりました。これはReger唯一無二のヒット作品、なんせ主題はピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331第1楽章「Andante grazioso」馴染みの優雅なもの、これが出足楚々と、やがて巨大に怪しく変容して圧巻のフーガを迎える濃い浪漫作品、太古カール・ベーム(1938年)ヘリオドール・レコード以来のお気に入り、馴染みの作品であります。このオーケストラはSibelius辺りが似合いそうな清涼サウンドに響きはおとなしく、セーゲルスタムの統率によってしっかりとしたアンサンブルに仕上げておりました。もちろん音質良好、「交響的プロローグ」は初耳、これも濃厚浪漫な30分也。
■Mahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜リッカルド・シャイー/コンセルトヘボウ管弦楽団/プラハ・フィルハーモニー合唱団/メラニン・ディエナー(s)/ペトラ・ラング(ms)(2001年)・・・6年ほど前に聴いていて曰く
予想していた世界と少々異なる感じ。遅いテンポ、厚みのある暖かいオーケストラを前提に、あちこちテンションが維持できない、ずばり”盛り上がらない”印象有。但し、ほんの聴き流しとは失礼な話、昨日取引先往復車中、若い相棒が研修不在を良いことに、ボリューム上げてカーオーディオにて全曲拝聴いたしました(眠気覚まし)。テンションが維持できない、ずばり”盛り上がらない”のは聴き手の責任だったのでしょう。慌てずややゆったりと余裕のテンポ、明るく良く歌うMahler、オーケストラも声楽も(そして音質も)優秀、文句ない完成度でしょう。木管(フルート)も金管(とくにホルン)も痺れるほど深い響き、オーディオ環境イマイチな車中でも会場の空気、奥行き、定位はしっかり自覚できるもの。最終楽章「Im Tempo des Scherzos」復活讃歌に感極まりましたよ。ずいぶんとお気に入りMahlerを聴いてきて、こんな演奏がいちばん好き。徒に壮絶感やら情念、緊張感を強調しない明朗な演奏。これが21世紀のスタイル・・・なんてぼんやり考えていたら、既に16年前、コンセルトヘボウのシェフはヤンソンスからダニエレ・ガッティに交代しておりました。
■Rachmaninov ピアノ協奏曲第2番〜ボリス・ギルトブルク(p)/カルロス・ミゲル・プリエト/ロイヤル・スコティシュ・ナショナル管弦楽団(2016年)・・・1984年モスクワ生まれの俊英とか。甘美濃厚な旋律は大好きだから、あちこち種々演奏を味わって、結局暗鬱深遠なるリヒテル(1959年)の重心低く泥臭い演奏に戻ってしまう・・・名曲!若い世代の技巧が切れるのは当たり前、名演犇めく先人に比して、どんな個性を出せるか難物でしょう。一聴だれでも理解できる、優しい柔らかい夢見るような音色、威圧感のないタッチ、これはイタリアのFazioliでしょうか。作品は華やかゴージャスなものだし、オーケストラとの饗宴には華やか強靭なるスタインウエイが似合うでしょう(リヒテルはベーゼンドルファーかな?)。Fazioliのデリカシーは静かなソロとか、室内楽に相性がよろしくてRachmaninovはどーかな?
結果的に小粋繊細な味わい深い、豪華な旋律はいつになく床しいもの。西班牙乃至南米系と類推される指揮者も同様、オーケストラはあまり出しゃばらず、こんな薄味?上品な演奏も新しい個性でしょう。次に収録される練習曲は未聴。
■Vivaldi ヴァイオリン協奏曲集 作品8/1-4「四季」〜ネヴィル・マリナー/アラン・ラヴディ(v)/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(1969年)・・・1970年前後、イ・ムジチの「四季」が永遠のベストセラー、そこに新進気鋭の室内楽アンサンブルの意欲的演奏が参入、話題になったことを知っている方はオールド・ファンなのでしょう(≒ワシ)。昨年2016年に亡くなったマリナーも当時壮年45歳でっせ。英Argoレーベルの録音も現役そのものに鮮烈、久々の拝聴はすっかり古楽器に慣れた耳に新鮮でしたよ。ラヴディのソロは美音、テンポはあまり動かさないオーソドックスな表現にアンサンブルはしっとりまったり、瑞々しい浪漫風情漂うニュアンスたっぷり、これはアーノンクール(1977年)以来の過激なスタイルに慣れた耳には逆に新鮮に響きました。チェンバロの自在な旋律、オルガンの暖かい響きはサイモン・プレストン(Simon Preston, 1938ー)これ以上魅力的な通奏低音にはその後、出会えておりません。
(2017年10月1日)
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