粟津温泉にて

気分は夏休み


 7月は大きな選挙がふたつもあったのに、世の中代わり映えせんというか、少しずつ悪い方向に進んでいるような気もします。

 いっぽうこちらほんの数日前、ちょっとした商品トラブルがあって、これはずいぶんと久々。体調それなり、お仕事は粛々と順調、あまりに刺激がなく、正規雇用ラストの一年は順調過ぎるくらい順調・・・ヒマです。自分の分担・エリアの業務は3年で合理化を進め、取引先と関係も順調そのもの。最近は組織的な問題もあって営業数値は苦戦中だけど、若く優秀な相棒には申し訳ない。来年度は(お隣の)メジャーチームに推挙しておきましょう。継続雇用については上司と相談しなくては。後始末はヴェテランの役割なんです。

 ここ数年分の「音楽日誌」を読み返すと2017年3月末を以って定年退職、お仕事引退を強く希望しておりました。権利としての継続雇用は認められても、職場にお情けで残っても仕方がないでしょ。(そんな先輩もいるんです)ヴェテランはヴェテランらしい役割と規範と矜持を示さなくては。カッコ付けて云えば、賃金なんてどーでも良いんです。そのためには体調の維持が基本。

 7月、週2回のスポーツクラブは一度だけ欠席、職場ビール会と重なった日のみ。これで一年間真面目に継続しました。現在、真夏の猛暑真っ最中、2013年ご当地転居初めての夏に敗北して、寝込んだようなこともなし。両腕肘のマウス腱鞘炎はそのまま、古傷の左膝は大丈夫だけど、両脚の筋肉痛、足先に鈍い痛みはあって、これはマッサージが欲しいところ。腰は毎朝、起床時に屈伸しているので問題ありません。眼に老眼は出ておりません。(ドライ・アイ継続中)

 我が職場に定まった盆休みはなくて、交代で休むんです。今週末から若い相棒は大阪奈良のご実家へ、ワタシは東日本大震災絡みの行事ボランティアに初参加します。忙しい女房殿もようやく盆休みがとれて、勝手知ったる金沢+(女房殿実質初訪問の)富山(立山)に旅行予定、ホテルもバスも予約済。気分はすっかり夏休み。月末は恒例年一回の大学OB会は京都にて、前日息子+彼女と美味いもんでも喰いましょう。

 月末異様に接続速度が遅くなる(128kbps)ネット環境は諦めて、週末休みにマクドナルド、スタバに出かけて音源データ・ダウンロードする技を伝授していただきました。散歩、気分転換も悪くないもの。

前月のヴェリ・ベスト。

●鹿児島、博多への久々出張。最高。

ドキュメンタリー映画「Fake」(森達也監督)。例の”ゴーストライター事件”、世間からボロカスに叩かれた佐村河内守氏(+妻、猫)に密着取材したもの。ナレーターも音楽もない(のはラストに意味がある)結論もない、しかし、世間に話題となった事件には必ず別の切り口、立場に違いに見えてくるものはあって、安易に白黒は付けられないということですよ。映画中でも話題となる神山典士さん(この件、先頭になってキャンペーンを繰り広げてきた)の反論もありました。いずれ、マスコミに思考停止して流されることだけは止めないと。

LPデザインTchaikovsky ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調(ジョージ・ショルティ/ウィーン・フィル/1958年)/Rachmaninov ピアノ協奏曲第2番ハ短調(エイドリアン・ボウルト/ロンドン・フィル/1955年)〜クリフォード・カーゾン(p)・・・これはLP時代、CD時代に至ってもずっと手許にあった馴染みの音源也。作品、ピアニスト、指揮者、オーケストラとも組み合わせ違和感たっぷりなTchaikovsky、そうとうに強烈!アツい演奏であります。美しく気品のあるピアノの音色、信じられぬほどメリハリたっぷり、叩きつけるようにフレージングを切り詰めて”歌わぬ”オーケストラ、ショルティの強引さは当時46歳、体力たっぷりな頃だけにいっそう顕著であります。結果、こんな個性的なオモロい演奏に仕上がりました。音質も良好。

Rachamninovはモノラルだったのですね。音質は良好。ボウルトのオーケストラは雰囲気たっぷり、こちらのほうがぐっとまともな甘い旋律作品。但し、前曲の毒気に当てられてフツウに聴こえるのには困りました。

SICC-10180Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調〜セルジウ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル(1989年ウィーン・ライヴ)・・・特定の音楽家に入れ揚げてすべての音源蒐集!みたいな趣味趣向はないんです。作品もやや苦手系、EMIの1988年録音を聴いていたどうかも記憶曖昧、あまりに激賞!コメントがネット上にあるので聴いてみましたよ。但し、こちらSACDに非ず、限られたオーディオ環境にあまり万全な音質と思えない・・・どなたかオーディオ通の正しい判定を待ちましょう。快速ハインツ・レーグナー(1983/4年)が58分、こちら80分を超えCD一枚に収まらない。終楽章「Bewegt, doch nicht zu schnell」は30分を超える!「神宿る」かどうかは知らぬが、どんな細部もていねいに描きこんだ超・スロウテンポ+弱音の妙+たっぷりとした間。ムジーク・フェラインの残響を勘案したら、この表現に至ったのでしょう。リズムのアクセントがきちんとしているせいか、茫洋としたスケールに遅さが気になりません。あとは細部馴染みの「ロマンティック」旋律をとことん、深呼吸しつつ、ラストまで集中して味わえるか聴き手の体力次第(いつ終わるの?)でっせ。ミュンヘン・フィルの淡彩な響きも個性でしょう。

SUPRAPHON SU 3880-2  11枚組6,581円(ポイントも活用)にて2008年入手Mahler 交響曲第2番二短調「復活」〜ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィル/合唱団/ガブリエラ・ベニャチャコヴァー(s)/エヴァ・ランドヴァー(a)(1980年)・・・これも旧録音。大柄大仰を強調しない、親密マイルドなサウンド。20年前のチェコ・フィルはいっそうローカルの色濃く、アナログ最末期の録音は自然なテイストに夢見るよう。連想したのはクーベリック(1969年)、合唱も加わって壮麗なるスケールを誇る名曲は、そのスケールや規模を強調せず、暖かい風情に充ちて、ラスト第5楽章「スケルツォのテンポで、荒野を進むように」に、万感の充実したクライマックスに仕上げました。

Mahler 交響曲第3番ニ短調〜ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィル/合唱団/キューン児童合唱団/クリスタ・ルーヴィヒ(ms)(1981年)・・・こんな長大なる作品が、じつは一番好き。第1楽章冒頭、8本のホルンぶちかましにもう打ちのめされます。ウキウキするような熱気に包まれた「メーデーの行進」最高。第3楽章「Comodo. Scherzando. Ohne Hast.(急がずに)」に於けるポストホルンの響きは夢見心地、第5楽章の天使の歌声に心癒され、終楽章「Langsam. Ruhevoll. Empfunden (ゆるやかに、安らぎに満ちて、感情を込めて)」人生素晴らしき黄昏眩く、万感胸に迫ります。全一時間半、フィル・アップなしのCD2枚収録も潔く、ディジタル初期の名録音はマイルドな管楽器を美しく捉えております。”弦のチェコ・フィル”とか云うけれど、管楽器がこの暖かい、懐かしい響きを作っていると思うんだけどなぁ。

(2016年8月1日)

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written by wabisuke hayashi