家電崩壊
職場は人事異動の時期、ここしばらく落ち着きません。自分は難物マイナー取引先の敗戦(残)処理投手+ここ数年連続新人若手育成担当なのでお仕事は変わらない、というか取引先の都合でいろいろ変わってしまう対応の再構築、自分しか過去経緯を知らないといった”引退仕事”であります。東京オリンピックの年までに”誰でもできる”状態に整えないといけません。数十年に渡る悪しき伝統の一掃でもあります。収入云々横に置いてまずは健康第一、ちゃんと身体を日々鍛えて元気でいることが前提でしょう。
1月に(8年使った)ノートパソコンの買い替え、昨年2018年8月に買い替えた食洗機(中古)は残念半年で挙動怪しくなって、機能は完全じゃないけれど、いちおう騙し騙し継続使用してております。女房殿は”中古なんてすぐダメになるから新しいの買って!”と強く主張するけれど、キカイは所詮当たり外れでっせ、幾度”安物買いの銭失い”=先人の箴言を地で行くような経験も、なんせ生来のビンボー症、贅沢はできんのです。今どき時代は修理する・・・なんて商売も成り立たんのですね。(パソコンネットオーディオ車関係すべてほぼ中古品愛好)
日立電子オーブンレンジ/MRO-4100/1984年下期製造は35年目に突入して現役です。Amazonで一番安かったコーヒーメーカーも10年超えたと思いますよ。毎日激しく使っているのに丈夫で長持ち。素晴らしい。感謝感謝。ところが昨日朝、洗濯機(Haier人民中国製か)驚愕の第1洗濯工程にてエラー、第1回脱水に進みません。すすぎのみとか脱水のみとかいろいろ試して完全アウトを自覚いたしました。享年6歳、残念無念。洗濯もの途中なのはどーしてくれる・・・(ゴミ袋に入れて出掛ける女房殿にコインランドリー行きをお願いしました)。重い洗濯機は玄関外まで運んで、ヘドロにまみれた跡地を清掃、業者へ廃棄家電回収お願いしたり、けっこうタイヘン。
ご近所中古屋に数台並んでおったな!即日配送頼めんか、と開店と同時に店内突入したら・・・妙に寂しい、陳列物激減ほとんどなし・・・ナント!閉店セール中でした。撤退するのですね。仕方がない。時代はネット通販、安そうなのを注文したら到着は5日後、ここで女房殿が家電量販に行けば翌日到着する!と強く抗議有。なんとかやり過ごして、隔日洗濯コインランドリー2回で乗り切る決意です。
若い頃、次のボーナスが出たらこれを揃えましょう、なんて、そんな夢があったもの。いつのまにかそんな思いは消えましたよ、なんでもある生活となって、やがてボーナスも出ない身分に・・・夫婦とも引退年齢となって、家電も次々とアウトになっていくことでしょう。せめて自らの身体は現状を保ちたいもの。
● いつものの前月ヴェリベスト。
●Sibelius 交響曲第2番ニ長調〜マルコム・サージェント/BBC交響楽団(1956年)・・・Malcolm Sargent(1895ー1967)往年の名指揮者、英国人だったらSibeliusが得意なのは伝統、ステレオ録音がいくつが残されてLP(ほんの中学生)時代より馴染みのもの、このステレオ録音に間に合わなかった著名な第2番は存在そのものを初めて知りました。LPだったら超高値、こうしてネットから自在に拝聴できる時代に感謝、かなり状態のよろしい”骨太な”演奏に感心いたしました。Tchaikovskyの影響を受けているとされる初期交響曲、爽やかな北欧の旅情感じさせる旋律爆発!先入観として彼のSibeliusって”ややユル、まったり”な記憶だったのに、メリハリしっかり、スケール大きく、なによりこの時期シェフであったBBC交響楽団(在任1950-57年)絶好調、このオーケストラってもっとジミな(後年の)印象だったもの。中庸〜やや遅めのテンポ、悠々として雄弁な語り口は力強く鳴り切って熱気溢れ説得力抜群、アツい完成度でした。
●”Stravinsky in Moscow” バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版/9曲)/バレエ音楽「オルフェウス」*/頌歌(3つの悲歌)*/バレエ音楽「春の祭典」/交響的幻想曲「花火」/ヴォルガの舟歌(管弦楽編曲版)〜ストラヴィンスキー/モスクワ・フィル/ソヴィエット国立交響楽団*(1962年ライヴ)・・・発売されているCDにはモノラルとなっているけれど、このLP(2枚組)復刻は鮮明なるステレオ音質、48年ぶりの帰国ライヴ。演奏はすこぶるヴィヴィッド!作曲者らしい飾りのない表現に露西亜のパワフルなオーケストラが反応しております。アンサンブルは予想外に緻密なもの(技量的に優れているのは当たり前)それでも昨今のクール怜悧とは一線を画したアツさ+時に露西亜風激しく、暑苦しい金管が思わぬ存在感を示して最高っす。「ペトルーシュカ」はなぜか冒頭が抜けて途中からなのは残念、録音機器の不調でもあったものか。この時代にこれだけの完成度だったら文句ないでしょ。
●Stravinsky バレエ音楽「火の鳥」(1919年版全曲)〜イーゴル・ストラヴィンスキー/コロンビア交響楽団(1961年)・・・作曲者自身による演奏がベストとは思わぬけれど、彼の一連の録音は演奏・音質とも最高、20世紀の古典を愛するものには必須でっせ。ロサンゼルスの録音だから、オーケストラはワルター辺りが録音していたのと同じか、これはニューヨーク録音だと別物になるはず。弟子であるRobert Craft(1923ー2015)が下振りしているらしい噂もあるけれど、滅茶苦茶上手いオーケストラ、優秀録音、過不足なく飾りの少ない表現、淡々としてメルヘンが浮き立つような演奏であります。リズム感推進力になんの不満も感じさせません。
●Debussy 牧神の午後への前奏曲/Elgar 交響曲第2番 変ホ長調/Vaughan Williams オラトリオ「聖なる市民」〜マーク・エルダー/ハレ管弦楽団/ロビン・トリットシュラー(t)/イエイン・パターソン(br)/ハレ合唱団/ロンドン・フィル合唱団/ハレ青年合唱団/トリニティ少年合唱団(29 July 2015,Royal Albert Hall Live)・・・Mark Elder(1947ー)は2000年以来ハレ管弦楽団の首席指揮者を務める英国のヴェテラン実力派です。日本じゃ人気、知名度はないけどね。これはプロムスのライヴ、豊かな残響に音像遠く茫洋としているけれど、雰囲気は抜群!解像度も悪くない。デリケートな仕上げに思わず眠くなるほどの快感サウンド。「牧神」の木管のデリケートなこと(10:45)悠々としたスケールが黄昏れるElgarは慌てず、走らず、激昂せず、じゅんじゅんと語りかけるような歩み、そして演奏、最高。(58:49各楽章間に拍手入込)久々英国音楽好きの自覚高まりました。
Vaughan Williamsのオラトリオは初耳でした。ここから声楽大活躍、男声ソロ二人は凛ととして、高揚する精神は敬虔であり無垢、例の如しの変化に富んだ旋律サウンドは穏健でありながら時に複雑な和声、上記Elgarよりいっそう躍動とスケールが勝るもの。会場に響く大合唱団は幻想的に融和して美しさMax!これは名曲でっせ。(32:07)
Mahler 交響曲第6番イ短調〜イヴァン・フィッシャー/ブダペスト・フェスティヴァル管弦楽団(2004年)・・・第2楽章には「Andante moderato」、終楽章「Finale: Allegro moderato」のハンマーは2回、対向配置・・・それがどーした?Mahlerはもっともお気に入りの一人、油断すると偏食になってしまうし、大物作品ばかりだから意外と拝聴機会がない現状でした。Ivan Fischer(1951ー洪牙利)はお兄さんのAdam(1949ー)とともにお気に入りの指揮者、いろいろ聴いてハズレなし。まず、音質がクリアそのもの、会場の奥行き広がり空気感、各パートの定位明確、効果を強調しがちな低音高音とも自然でマイルドなバランス、惚れ惚れするような快感音響に満足いたしました。
この作品は前のめりに物々しい劇性を強調しがち。イヴァン・フィッシャーは細部入念な描き込み、ニュアンス豊かに微妙な旋律の揺れも効果的、上手いオーケストラは余裕の落ち着きがあってテンポは中庸、ムリムリな力みなどどこにも存在しません。 22:29-13:52-12:59-29:21。昨夜と今朝に掛けてしっかり全曲堪能いたしました。・・・終楽章「Finale: Allegro moderato」再度確認。なんせ音質極上、モウレツに重厚感のある作品、大音響がにごりなく、柔らかく、スムースに細部迄鳴り渡る快感に酔いしれました。この作品ヴェリ・ヴェストかも。
●Tchaikovsky 交響曲第6番ロ短調「悲愴」〜エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(1982年ライヴ)・・・1960年DG録音も凄いけれど、こちらの冷徹な切れ味はもっと衝撃!Evgeny Mravinsky(1903ー1988)って聴く度に新たな発見があって、通俗名曲(というのは失礼だけど)を思いっきり新鮮に、間違いなく感動を伝えてくださる存在。厳しく、冷たく、だからこそ優しいデリケートな部分のニュアンス、メリハリ対比も鮮明。たしかに露西亜の迫力(輝かしい金管!)なんだけど、泥臭くはない洗練されたサウンド、アンサンブルの完璧に戦(おのの)くばかり。
●Bruckner 交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版)〜ロベルト・パーテルノストロ/ヴュルテンベルク・フィル(ロイトリンゲン 2002年7月13日ライヴ)・・・おそらくは驚異のベストセラー、HMV(倒産したとか?)のカスタマーレビューでは驚異の72件コメント、そのほとんどが絶賛内容であり、自分もそれに賛同いたしましょう。CDはなかり処分して現在足踏み状態、それでもこの11枚組は大切に手元においております。ネットでも聴けるけどね。
これはヴァインガルテン・バジリカ(18世紀建設の大聖堂)の長い残響が魅力、慌ただしく走ったり、刺激的に力んだり煽ったり、指揮者の個性を色濃く刻印するような演奏に非ず、”テンポは会場によって決まる”とはフルトヴェングラーでしたっけ?油断すると縦線が行方不明になりそうな響きは、豊かな残響の中でも意外なほど各パートの解像度は明快、流れはもちろん自然。
5年前に集中拝聴して、その時(屈指の規模を誇る)第8番の印象は、
ゆるゆる淡々粛々、力みのない世界が延々と継続して・・・いまいち起伏というか変化に乏しく、枯れて薄味印象強過ぎ。もともとオーケストラは個性的な色気を誇るものでもなし、この長丁場をゆったり愉しむには聴き手の気力体力不足・・・そんな失礼なコメントでした。今回はCD2枚分、たっぷりゆっくり堪能いたしました。残響の渦中ライヴだし、神経質にアンサンブルを整えるタイプ(状況)でもない、各パートの音色も特筆すべき技量や色気じゃないでしょう。しかし、この会場残響がすべてを支配して旋律末尾の減衰をたっぷり堪能できて、快感そのもの。一番好きな第3楽章「Feierlich langsam, doch nicht schleppend(荘重にゆっくりと、しかし引きずらないように)」に於ける天国的な陶酔、今回はしっかり受け取りました。17:13-14:24-28:37-25:18。最終楽章「Finale. Feierlich, nicht schnell(荘厳に、しかし、速すぎないように)」が終わったあと、しばらくあって、やがて暖かい聴衆の拍手がやってくる間合いさえ音楽の価値であります。(2019年3月1日)
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