精神も体調も不調を乗り越えて、春の兆し
先月2月は散々、引退転居一年を過ぎて精神的に行き詰まるのは社会的接点を失っているから当たり前。気分が塞ぐのは2月という寒さ厳しく、日差しが弱いのも一因でしょう。料理の味もいまいち決まらない。非情な露西亜による烏克蘭侵攻も一年を過ぎて出口は見えず、土耳古叙利亜に大地震発生、物価電気ガス料金瀑上がりな日々が続きます。そして某隣国からご迷惑なミサイルやら領海侵犯、気球?も飛んできて、要らんですよ、んなもの。コロナは鎮静気味、インフルエンザも事前予測程は広がらなくなったみたい。
体質的にずっと尿酸値が高くて、ここ2か月ほどの不摂生から久々数年ぶりに激痛痛風発作(医師の指摘に要因は気付いたもの)今回は左膝に症状が出ました。断続的に左膝激痛から身動きできなかったのは累計でわずか二日間ほど(注射一本+鎮痛消炎剤にて軽快)それでも気分的にはけっこう滅入りましたよ。あちこち身体を悪くしたり、やがて華麗なる加齢に身動きならぬのはこんな感じなのか。どこにも出掛けられない、トイレさえ四苦八苦、あまりの痛みに眠りも浅いし、終日気分はよろしくなく気分は落ち込みました。美味いもんを喰いに出掛けたり、もちろん温泉にもいけない。料理することも一時断念、食欲も落ちるけれど、体重は減らない。テレビを眺めたり、動画を探したり、読書も、音楽を聴く気にもなれない。コタツに隠ってぼんやりしているのみ。こんな生活はいかんなぁ・・・当たり前のことだけど、健康あってこそ!のシアワセを痛感いたしました。
明日、爺友との定例酒席での酒量も気持ち少々自粛いたしましょう。健康診断まで待ってくれ!との連絡に、自分も負けてられん、慌てて高齢者無料健康診断を申し込んで明日午前中受診、きっと尿酸値は高いからその診断結果を持って医院に通いましょう。健康診断前に酒を断ったり、俄に減量するのはサラリーマンにありがち、一年前引退してから初健康診断に臨んで身体の状態をしっかり自覚するつもり。2月も隔日14回の市立体育館トレーニングルーム鍛錬欠かさず、自宅でもストレッチを続けていたから、おそらくは大丈夫かと。膝の痛みはまさかの痛風要因!とは思っていなくて、これには驚きました。いずれ両膝は労(いたわ)りつつ、周辺筋肉は意識して鍛えましょう。婆さん(義母93歳)はこの間の自宅トレーニングの成果、ご近所医院まで歩いていけるようになったとのこと。
2TBのUSB外付けHDDが届きました。昨年コンピューター買い換えと同時に同容量HDDを入手して7,000円、今回は9,000円でした。贅沢だけどDVD-R100枚(使い捨て)とか外付け光学ドライブを幾度買い替えて、それに比べれば安上がり、なにより音源ファイルの点検整理廃棄に扱いが便利でした。順繰り分野ごとに点検整理を進めて、第1次廃棄、再聴を進めております。第2次廃棄はしっかり確認して、気に喰わないものを徐々に大胆に進めるつもり。物量多く所有しても音楽を聴く時間も集中力も残っておりません。
これから暖かくなって、気分的にも快方に向かうことでしょう。増加傾向の体重もなんとかしたい。すったもんだした女房殿のスマホ再契約も無事完了いたしました。
● いつもの前月恒例ヴェリ・ベスト。
■産経ニュースに掲載中の「のんびりいこうよ/ケアするウェブマガジン」は傑作。自分は日常、漫画アニメの類はほとんど縁が薄いのに、日常生活と介護の話題には共感することばかり、最初から全部一気に読んでしまいました。自分のところと世代が近い両親が相次いで亡くなったり(突然死も似ている)亡くなったあとの思い出やら後悔は胸に刺さるものがありました。ただし、こちら両親は最後までノーミソ健在だったし、遠方の次男坊故、比較的近所の兄に負担を掛けておりました。唯一健在な義母(93歳)の世話も女房殿に任せているのみ。
■Mozart フルート四重奏曲第1番ニ長調 K.285(ドロイト・アンソニー・ドワイヤー(fl)/ジョゼフ・シルヴァースタイン(v)/バートン・ファイン(va)/ジュール・エスキン(vc))/オーボエ四重奏曲ヘ長調 K.370(ラルフ・ゴンバーグ(ob)/ジョゼフ・シルヴァースタイン(v)/バートン・ファイン(va)/ジュール・エスキン(vc))/Brahms ピアノ四重奏曲第3番ハ短調(クロード・フランク(p)/ジョゼフ・シルヴァースタイン(v)/バートン・ファイン(va)/ジュール・エスキン(vc))(1964-65年)・・・エーリヒ・ラインスドルフ時代のボストン交響楽団主要メンバーによる室内楽。自分でも名前は知っている名人を揃えて、中心メンバーは名コンマスJoseph Silverstein(1932ー 2015亜米利加)でしょう。Doriot Anthony Dwyer(1922ー2020亜米利加)はボストン交響楽団の看板的存在な女流だったし、Ralph Gomberg(1921-2006亜米利加)は兄のハロルドがほぼ同時期にニューヨーク・フィルの首席を務めておりました。Jules Eskin (1931ー2016亜米利加)も小澤時代の録音に(細かいヴィヴラートが親密な)優雅な響きを聴かせて下さって、こうして消息を確認すると、なんせ半世紀以上前の録音、当たり前に皆鬼籍に入って時代を感じたもの。音質は21世紀に現役。瑞々しい弦楽器に浮き立つような木管ソロが躍動して、最高のMozart。5:05-2:50-4:28。4:33-3:17-4:32。BrahmsはClaude Frank(1925-2014独逸→亜米利加)が主役。娘のヴァイオリニスト・パメラも有名でしょう。重厚に重心の低いピアノは深淵に憂愁、スケール大きな作品に相応しいでしょう。第3楽章「Andante」は夢見るように情感が高まって美しい。11:08-4:25-10:01-11:20。
■Bach 平均律クラヴィア曲集第2番第24番「前奏曲とフーガ」ロ短調BWV893(Trio d'Ances de Paris(M.モレル(ob)/P.ルフェーブル(cl)/F.ウーブラドゥ(fg))/1937年)/ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調BWV1047/管弦楽組曲第1番ハ長調BWV1066より「Menuetto」「bourree」(パリ室内交響楽団/1943年)/音楽の捧げものBVW1079(オワゾリール・アンサンブル/1946年)〜フェルナン・ウーブラドゥ・・・これも音質良好。こちらはFernand Oubradous(1903ー1986仏蘭西)自らの(独逸式に非ず)仏蘭西式バソンの鼻声が堪能できます。こんな時期からBach復興は仏蘭西でも進んでいたのですね。「前奏曲とフーガ」は色彩的に愉悦に充ちたもの、ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調のソロは名人揃って明るい響き。トランペット・ソロがオクタープ低いのも今風と異なります。「音楽の捧げもの」は弦の編成が厚くて、トランペットも入ってまるでWebernを連想させる色彩豊かなもの。例の胸に染み入るようなトリオ・ソナタは編成もスケールも大きくて驚きました。
■Mahler 交響曲第5番 嬰ハ短調〜レナード・バーンスタイン/ウィーン・フィル(1987年)・・・1963年録音を聴いたのが2007年(もう記憶も曖昧なほどしばらく聴いていない) 1972年ライヴを聴いたのは2020年2月。このウィーン・フィルとの録音はライヴとは云え、録音用に万全のマイクセッティング、ゲネプロから本番まで幾度かのセッションを編集した録音(拍手や各種ノイズもカット)。第1楽章「In gemessenem Schritt. Streng. Wie ein Kondukt.(正確な速さで。厳粛に。葬列のように)」冒頭のトランペットから、その存在感はクリアにリアル、臨場感溢れる音質はもちろん、微に入り細を穿つパワフル入魂入念な重い足取りはどんどん遅くなって、その途方に暮れた骨太表現に圧倒されるもの。第2楽章「Sturmisch bewegt. Mit grosster Vehemenz. (嵐のような荒々しい動きをもって。最大の激烈さをもって)」はMahler指示通りの激烈さ、切れ味と切迫感の凄さ。谷間(第2主題)の静謐さ、雄弁、ドラの不気味さ。ラスト辺りのコラールも輝かしい。第3楽章「Scherzo.Kraftig, nicht zu schnell.(力強く、速すぎずに)」もホルン先頭に金管の音色は彫とコクが深くテンション高く、荒々しくも雄大。レントラー風の明るい風情がステキ。第4楽章「Adagietto. Sehr langsam. (アダージェット 非常に遅く)」は幻想的なほどの陶酔に揺れ動いて、時にほとんど止まりそうに静寂、これ以上のデリカシーを感じたことはめったにありません。第5楽章「Rondo-Finale. Allegro giocoso(楽し気に)」フィナーレは意外と肩の力が抜けて軽やか。表情も晴れやかでした。14:35-15:06-19:07-11:13-15:00。
■Stravinsky バレエ音楽「カルタ遊び」(1954年)/バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版/1957年)/組曲第1番-第2番(1956年)〜ハンス・ロスバウト/バーデン=バーデン南西ドイツ交響楽団・・・独Wergoによる録音はまずまずな音質水準。20世紀音楽の権威であるロスバウトのStravinskyは期待の演奏、「かるた遊び」(Jeu de cartes /The Card Gameからの悪訳/明治時代かよ)はFirst Dealから確信的にかっちり演奏させず、がちゃがちゃした風情に巧まざるユーモラスに危うい雰囲気がよく出ております。Second Deal〜Third Dealへ、いかつい風情にテンポの変化もメカメカしい。(6:05-9:40-8:40)ユーモラスに明るい「ペトルーシュカ」(オリジナル4管編成)は遊園地の喧騒より、重苦しい堂々たる貫禄に大きな表現でした。(10:16-4:01-7:13-10:59) 組曲はアルカイックに妖しく静謐、Eric SatieやDebussyも連想させ、時にユーモラスな作品(1:11-1:17-1:06-058。1:18-2:16-1:03-1:50)。
■Stravinsky バレエ音楽「アゴン」〜ハンス・ロスバウト/バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団(1957年)・・・WergoのCDはモノラルらしいけれど、こちら鮮明なステレオ録音。たしか演奏会初演はロスバウトだから、その流れの録音でしょう。十二音技法が多用され、アルカイックに無機質なサウンドが続いてカッコ良い作品。三管編成に+多種多様な打楽器+マンドリンが入るところなど新ウィーン楽派を連想させます。バレエ初演は作曲者の予想にに反して大成功だったそう。緻密にクールな風情最高!な演奏は22:03。
■Mozart セレナーデ第10番 変ロ長調K.361「グラン・パルティータ」〜ドイツ管楽ソロイスツ(1986年または1987年)・・・NAXOS初期音源(Bayer原盤?)昔馴染みの音源はどこか南独逸辺りの寄せ集め臨時編成?じつは以下ベルリン放送交響楽団、ベルリン・フィル、バイエルン放送交響楽団の首席クラス往年の早々たる豪華メンバーを揃えて驚き。ギュンター・パッシン/マンフレート・クレメント(ob)/ウルフ・ローデンハウザー/ゲルト・シュタルケ(cl)/ヨアヒム・オルシェウスキー(オルスゼウスキ?)/ライハルト・ヘルビッヒ(バセット・ホルン)/マリー=ルイズ・ノイネッカー/ラルフ・スプリングマン/ヴォルフガング・ガーク/ギュンター・ヴェーバー(hr)/クラウス・トゥーネマン/エバーハルト・マルシャル(fg)/クラウス・シュトール(cb) 。Gu"nther Passin(1937ー2014独逸)はベルリン放送交響楽団の首席としてマゼールやギュンター・ヴァントの音源に水際立った明るい、夢見るような音色を聴かせてくださいました。チェリビダッケが久々にベルリン・フィルに登場したBruckner 交響曲第7番ホ長調(1992年)にもたしか客演として参加していたはず、日本にもたくさんお弟子さんがいらっしゃいます。彼が実際上のアンサンブルのリーダーでしょう。この愉悦に充ちた長大なる作品は大好きでして、ネットに音源を見掛けると必ず入手、手許に幾種あるのかわからぬくらい。正直、誰の演奏でもかまわない。作品との出会いは高校生時代、エド・デ・ワールト(1968年)でしたっけ?とくに第3楽章「Adagio」各パートがゆったり追いかけていく風情は陶酔のひと時、映画「アマデウス」ではサリエリがあまりの感動に楽譜を取り落とすところ。(毎度ネタ)第6楽章「主題と6つの変奏曲」はフルート四重奏曲第3番ハ長調K.285b/Anh.171と同じ旋律でした。音質良好、名手たちの技をたっぷり堪能いたしました。
Largo - Allegro molto(2:05-7:44)Menuetto(8:50)Adagio(5:57)Menuetto (Allegretto)(5:13)Romance (Adagio - Allegretto - Adagio)(7:34)Andante(10:50)Allegro molto(3:31)。
(2023年3月1日)
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