銀閣寺

引き続く侵略と値上げ、猛暑の日々


 2022年も半分過ぎて、つまりお仕事引退して半年経ったということです。前月6月は梅雨時らしい雨もあったけれど、途中まで落ち着いた気候、後半は猛暑が続いて夏バテ気味。相変わらずの烏克蘭の苦境、値上げ、幼児虐待のニュースに嘆息しつつ、以下自分はろくな話題もないヒマな生活、小さな贅沢と平和な日々の記録となります。

 失業手当初回支給(微々たるもの)ベースになるもともとの収入が継続雇用の安月給だったから仕方がない。
 左奥歯上の治療は、歯石の除去ついでに虫歯を発見したもの。通院は3回のみ。眼医者通院は年に2回くらい、こちらに転居して初定期検診、老眼は遅い方と自覚していたけれど、ここ最近小さい文字がツラくなってきました。

 女房殿は誕生日を迎えて市立体育館トレーニングルーム使用は自分同様シルバー料金へ、冷房シャワー完備一ヶ月使い放題で1,500円(税込)でっせ、安いものです。お誕生プレゼントとして薄くて軽い、Windows11タブレット兼用マシン入手(ノートパソコン2台処分)南禅寺京都小旅行辺りから猛暑気候へ(インバウンド本格訪問前激安)坂道に体力の衰えを自覚したものです。更にsoftbankスマート体組成計301SI入手、これは体脂肪とか内臓脂肪、骨量などわかるもの。自分は概ね標準だけど内臓脂肪過多を自覚できましたよ。女房殿はムダな脂肪少なく、婆さんの介護と市立体育館での鍛錬を日々、交互精力的に過ごしております。

 息子より父の日にブランドものリュック到着。自分には贅沢品、ありがたく大切に使いましょう。団地の外壁洗浄+再塗装作業継続中です。幾度かの居酒屋通い+ワルい朋(ぽん)友との梅田にて過ぎた大酒のあとはヘロヘロ、翌日一日ぐったり使い物になりませんでした。猛暑中団地内公園草むしりに参加して顔首激焼け、これが転居後初の地域活動に。そして隔日+αの市立体育館鍛錬継続中、日々の料理洗濯もほぼ皆勤賞でした。体重はなんとか現状維持、やや腰痛常態化が気になっております。これも華麗なる加齢でしょうか。

 ここ数日のいや増す殺人的猛暑、精神的にはもっと落ち込んでおります。とうとうのエアコン出動は電気代を気にしつつ、縦型扇風機も買い足しました。来たるべき夏本番7−8月は無事乗り切れるのでしょうか。おそらく9−10月も残暑厳しく、大雨、台風もあることでしょう。

 ワン・パターンな恒例の前月ヴェリ・ベスト振り返り。

Columbia Masterworks ML 5402Eugene Ormandy Conducts Strings Of The Philadelphia Orchestra/Mozart アイネ・クライネ・ナハトムジーク/Bach アリア/Corelli 合奏協奏曲ト短調「クリスマス」/Mendelssohn スケルツオ/Mozart メヌエット(歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より)〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1959年リリース)・・・驚くべき音質、磨き上げられた瑞々しくも甘く、ゴージャスな弦の響き、オーソドックスに整ったバランスとアンサンブル、適度なテンポ設定、文句のつけようのない完成度でしょう。心底陶酔して聴き惚れ、痺れました。はっきり云ってCorelli辺り、時代錯誤なほどたっぷり優雅な風情に、ほとんど別作品を聴く思いだけど、一点の曇りもなく美しく響き渡るサウンドに間違いはない。メヌエットはおそらく別音源寄せ集め、弦楽アンサンブルじゃないし。(アイネ・ク)4:19-5:20-2:06-2:42(Bach)5:43(Corelli)4:30-4:06-1:24-2:10-5:44(Mendelssohn)5:30(Mozart)2:11。

DG 4779375Mahler さすらう若人の歌(ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団1968年)/亡き子をしのぶ歌/リュッケルト歌曲集(カール・ベーム/ベルリン・フィル1963年)/「若き日の歌」「こどもの不思議な角笛」より5曲(カール・エンゲル(p)1958年)〜ディードリヒ・フィッシャー=ディースカウ(br)・・・フルトヴェングラーもカール・ベームもMahlerの演奏とは縁遠かったイメージ、ふたりともフィッシャー・ディースカウとの歌曲録音を残しているのは興味深いところ。Mahlerは言葉の壁を乗り越えて声楽に馴染んでいる数少ない作品、きっかけは「大地の歌」か。そしてDietrich Fischer-Dieskau(1925ー2012独逸)のお陰でしょう。やれ説教臭いとかなんとか文句垂れつつ、いざ他の歌い手を聴いたら、彼の変幻自在の完璧な表現意欲との対比にひっくり返ってしまいました。「さすらう若人」はフルトヴェングラーとの1952年録音にいっそうの共感があるけれど、青春の憧憬、胸の痛みをしっかり感じ取れる名曲を堪能いたしました。カール・ベームとの落ち着いた風情も最高、ラスト、ピアノ伴奏による歌に、作品旋律の魅力がストレートに伝わって、もっとも強い感銘を受け取ったものです。

CBSBeethoven 交響曲第5番ハ短調/カンタータ「静かな海と幸ある航海」〜ピエール・ブーレーズ/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団/ジョン・オールディス合唱団(1968年)・・・発売当時「テンポの遅さ」に話題となった録音、史上最遅!いやフリッチャイのほうが遅いとか、牧歌的な論議が盛んだった記憶もあります。第1楽章「Allegro con brio」提示部はもちろん繰り返し有、第4楽章「Allegro - Presto」に繰り返しなし、ところが第3楽章「Allegro」は他では(少なくとも当時)めったに見られぬ繰り返し有。第1楽章第3楽章の遅いテンポ、細部曖昧さのない明晰にクールなイン・テンポ、旧来の主情を一掃した新時代の表現だったのでしょう。嫌う人は多いやろなぁ、自分はおそらくは数十年ぶりの再会を新鮮に受け止めました。9:20-10:14-9:52-9:30。演奏機会の少ない晩年のカンタータは美しく、合唱の国・英国の実力を堪能いたしました。8:28。

LPデザインJ.StraussTラデツキー行進曲/Komza'k ワルツ「バーデン娘」/J.StraussUアンネン・ポルカ/加速度ワルツ/リッチ・トラッチ・ポルカ/Ziehrer ワルツ「ウィーンの市民」/J.StraussUポルカ「浮気心」/ワルツ「ウィーンの森の物語」〜ハンス・クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル(1957年)・・・今更自分が云々せんでも、誰でも知っている味付け濃厚極まりない、ゆったり揺れるウィンナ・ワルツ・ポルカ集。作品選曲もありきたじゃなくて興味深いもの。いったいどうやってこの頑固爺さんを録音に連れてきたのでしょう。音質はかなり良心的、ラデツキー行進曲にはズドンな太鼓は響かないけれど、トリッチ・トラッチ・ポルカのムチ(?みたいな音)はリアルに響きます。どれもテンポ遅く、重く、ルバートたっぷりにオモロい演奏ばかり。3:05-9:15-4:25-9:40-3:07-9:06-2:58-12:13。

NAXOS 8.550734Vaughan Williams ロンドン交響曲(交響曲第2番)/「すずめばち」序曲〜ケース・バケルス/ボーンマス交響楽団(1993年)・・・先日クリストファー・シーマンを聴いたばかり。こちら圧巻のメリハリ、輝かしい迫力と誇りに充ちた第1楽章「Lento - Allegro risoluto. Molto pesante」。第2楽章「Lento」の落ち着いた深い沈黙も絶品!第3楽章「Scherzo (Nocturne): Allegro vivace」に於ける上品なノリ、剽軽な風情最高 第4楽章「Andante con moto - Maestoso alla marcia (Quasi lento)」にいや増す黄昏の切ない風景・・・録音も極上でしょう。Kees Bakels(1945ー阿蘭陀)はこの時期、首席客演指揮者だったそう。14:54-12:12-8:03-13:31。序曲(9:33)も含め、このオーケストラは絶好調でした。

Nonsuch LPデザインMozart 協奏交響曲 変ホ長調K.364(ローラ・ボベスコ(v)/ジュストーネ・カッポーネ(va)1957年)/セレナーデ第4番ニ長調K.203(ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(v)/ピエール・ピエルロ(ob)/録音情報不明)〜カール・リステンパルト/ザール室内管弦楽団・・・写真はセレナーデのLPデザイン。音質かなり良好なステレオ録音。協奏交響曲は名手を揃えて、愉悦に充ちた愉しい演奏でした。Giusto Cappone(1919ー2005伊太利亜)はベルリン・フィルの首席就任前。ヴィヴィッド闊達に艷やかに歌い交わす最高のMozartは11:36-10:15-6:36。優雅なセレナーデの方はやや音質は硬め。第1楽章「Allegro assai」出足、少々重さが懸念されたけれど、主部に入ると涼やか軽快な疾走が待っておりました。名前が凄いHendelというヴァイオリニストとは詳細情報検索できず、仏蘭西のオーボエ名手とともに明るい艶やかなソロを披露してくださっております。5:52-4:36-3:05-4:33-3:38-5:06-4:28-4:48。オリジナルLPに併録されていた3つの行進曲K.408は収録されておりませんでした。

KKC-5258Mozart ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調K.271「ジュノーム」/第12番イ長調 K.414/ロンド イ長調K.386〜ロナルド・ブラウティハム(fp)/マイケル・アレクサンダー・ヴィレンス/ケルン・アカデミー(2009年)・・・古楽器によるデリケートなサラサラと快速テンポ。たしか初めてオーセンティックなスタイルを意識したのはBach ブランデンブルク協奏曲(グスタフ・レオンハルト(cem)/シギスヴァルト・クイケン(v)/アンナー・ビルスマ(vc)/フランス・ブリュッヘン(fl)他1976年)。ほとんど天地がひっくり返るような驚愕新鮮な感銘をいただいた記憶もあります。作曲当時の楽器の機能、会場の広さなど研究して、浪漫の残滓をクリアに一掃して再構築作品を再認識、先日他の方のサイトを拝見して執拗にこの方向を嫌うコメントを繰り返して、残念に思ったもの。ブライティハムのフォルテピアノはちょいとサラサラと流れ過ぎるような気もしたけれど、優雅に踊るような作品は爽やかに軽快な気分に充たされました。9:11-9:45-9:06。9:00-7:10-5:59。8:25。

続けてMozart ピアノ協奏曲第16番ニ長調K.451/ピアノ協奏曲第15番 変ロ長調/ロンド ニ長調k.382(2013年)も拝聴。10:06-5:03-6:32。10:05-4:58-7:41。9:18。テンポ設定がちょっと速い感じもあるけれど、これも同様の流れの良さ、軽さ。現代はモダーン楽器による優雅な表現、古楽器による溌剌とした演奏、両方楽しめる時代がやってきております。

DOCUMENTS(aura) 224095/CD1Haydn アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ(アンダンテと変奏曲ヘ短調) Hob.XVII-6/Mozart ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310/Schubert 即興曲 作品90 D.899 第1番ハ短調/第2番 変ホ長調/第3番 変ト長調/第4番 変イ長調/Beethoven ピアノ・ソナタ第21番ハ長調「ヴァルトシュタイン」〜フリードリヒ・グルダ(p)(ルガノ1968年ライヴ)・・・13年ぶりの拝聴。名手Friedrich Gulda(1930ー2000年墺太利)のライヴ、演奏会の流れを考え抜いた配置、Haydnの可憐な変奏曲から、ほの暗いMozart、夢見るように美しいSchubertを経て、道路工事のドリル!な「ワルトシュタイン」の力強い躍動、終楽章「Rondo. Allegretto moderato - Prestissimo」ひたすらアツく追い込むような勢いに、どこをとっても愉しさが止まらない!素晴らしい一夜を連想させてくださいました。

(2022年7月1日)

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written by wabisuke hayashi