精神的には八方塞がり
2020年も残すところ4か月。我が世の春を歌った安倍ちゃんも病に勝てず退陣とか、悲惨な大水害の7月、殺人猛暑(←ジョーダンじゃない)の8月も過ぎて、ぼちぼち台風が心配な季節となりました。コロナは相変わらず頑張っているようです。女房殿は息子一家の小松→熊本転居引っ越し手伝いやら、大阪の婆さんのところに出掛けたけれど、自分は例の如し出勤したり在宅勤務だったり、5月連休の代休を断続的に消化して、どこにも出掛けておりません。ここ数か月一度も公共交通機関を使っていない。ま、コロナ禍に国民全体が自粛して、自分なんかけっこう馴染みの居酒屋に数回、冷たいビールやら美味い魚を喰ったりしておりました。贅沢なもんでっせ。
断舎離徹底な我が家に稀な新しいお買い物は英国製掃除機DysonBall。型式が旧いせいか?けっこう安く入手できて、9年選手草臥れ前機とは吸引力はずいぶん違って強力、カーペットの清掃にけっこう根性が必要です。家電は我らロートル夫婦同様、つぎつぎ順繰り不具合が出てくるもの。一番古い電子オーブンレンジは1984年製、全力で毎日現役。昨年3月に亡くなった親父のCASIOワープロは平成元年にプレゼント〜亡くなる前月まで有効活用されて平成30年間を生き抜きました。人間もこうありたい。兄は記念に持っていくか?と訊いたけれど処分してもらいました。
市立体育館トレーニングルーム営業再開していることは、先月半ばに気づきました。これで平日夜契約のスポーツクラブ+週末祝日も鍛錬継続可能に。@110は激安、設備がしょぼくて美しくないのは我慢するとしても、この猛暑にエアコンなし、ホット鍛錬には根性要りますよ。夏は新陳代謝が上がって汗も出やすいし、減量に向いております。一年前、瞬間体重66kgを切ったのも真夏でした。今年はさらに▲1kg瞬間風速追い風参考記録達成。我流だからたいしたことはないけど一年前とは体型も違うし、この猛暑に幸い夏バテとは縁がない。目的は健康ですから、豊かな老後ですよ、カネだけのことじゃなく。
本年度の相棒は性格よろしく、お仕事もできるからラクさせていただいております。スタッフのフォローも手厚いもの。昨年はもっと、ずっとあたふたしていたはず。それでも在宅勤務連続は気が滅入ってやる気出ませんよ。どこか空気が良くて風光明媚、温泉やおいしい喰いもんのあるところ、日常生活を離れて気分転換したいものです。なんかだらだらお仕事続いて妙に、中途半端な緊張感が続いて精神的に休まりません。体調は悪くないけれど、長時間の音楽に集中できぬこともしばしば、せっかく集めた音源、世評高い名曲名演奏もちっとも楽しめぬ残暑続いております。このまま”八方塞がり”な2020年はうっかり過ぎそう。
● 前月のヴェリ・ベスト。さすがにこの猛暑では、じっくり腰を落ち着けて音楽に向き合うには根性要りまっせ。以下全部交響曲。
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Vaughan Wiiliams 田園交響曲(交響曲第3番)/Grieg ピアノ協奏曲イ短調(ネルソン・ゲルナー(p))/Mendelssohn 序曲「フィンガルの洞窟」〜ジェームズ・ジャッド/BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団(2008年ライヴ)・・・Debussy 夜想曲「雲」を連想させる第1楽章「Molto moderato」、静謐に息を潜める風情は第2楽章「Lento moderato」でも変わらない。ホルンの奏でる主題は幻想的、やがて寂しげに遠く木霊するナチュラル・トランペット登場して、それはまるで軍隊の消灯ラッパ風。懐かしくも寂しげに沈溺する幻想風景が続いて、この辺りほんまにツボでっせ。第3楽章「Moderato pesante」は波に揺れるようなやや激しさもあり、慌てぬ風情はスケルツォとは思えない。トランペットのコラール風合奏はカッコ良く盛り上がります。コーダはテンポアップして快活なフーガへ。第4楽章「Lento - Moderato maestoso」はソプラノ独唱ヴォカリーズにて開始。やがて木管の力強く悲しげな合奏に金管、低弦が絡んで厳かな宗教的な祈りを感じさせます。イングリッシュ・ホルン、ヴァイオリン・ソロも情熱的に歌い、やがて全オーケストラが感動的に誠実な歌に盛り上がって・・・やがて静謐な女声ヴォカリーズが遠く響いて収束・・・ネットより入手した全39:18一本ファイル(楽章間含む)。
凄く感動的。誰の演奏と云々するほど作品を聴き込んでいないけれど、暖かく優しい響き、きっとこれは稀有な経験なのでしょう。オーケストラの技量アンサンブルにも優れ、残響豊かな会場での収録も雰囲気たっぷり。Nelson Goerner(1965-亜爾然丁)のピアノも爽快なスケールでした。29:03。
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Hindemith 交響曲「画家マティス」〜ウィリアム・スタインバーグ/ピッツバーグ交響楽団(1956年)・・・出現。当時の米Capital、ステレオ初期の音質は驚異的!粗いアンサンブル、重い金属的なサウンド、素っ気ない表現・・・そんなイメージは自分がかつて入手した怪しげ廉価盤の良心的ならぬ復刻が要因だったのでしょう。爽快に明るく鳴り響く金管、パワフルに逡巡のない勢い、優秀なアンサンブルに惚れ惚れして聴き入りました。作品そのものが平易にわかりやすい。昨夜慌てて彼の1960年位までの音源を集め直したものです。
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Mahler 交響曲第1番ニ長調〜リッカルド・シャイー/コンセルトヘボウ管弦楽団(1995年)・・・なかなか次が決まらないコンセルトヘボウ、Riccardo Chailly(1953ー伊太利亜)の在任は1988-2004年、主にPHILIPS→英DECCAに録音は移って、華やかに分離のよろしい音質が印象的。我がエコ・オーディオには(専門筋には評判よろしくない)こんなマルチマイクが相性良いみたい。青春の激情、憧憬旋律はパワフル艷やかなオーケストラの響きに魅了されて爽快なサウンド。前任ハイティンク時代には戦前からの猛者が揃っていたオーケストラも世代交代、このオーケストラを愛するヴェテランからは批難の声もあったようだけど、各パートの上手さ、厚みのある圧巻の輝きサウンドに惚れ惚れして聴き入りました。 ■
Schubert 交響曲第8番ロ短調「未完成」/Bruckner 交響曲第9番ニ短調〜ギュンター・ヴァント/ベルリン放送交響楽団(1993年ライヴ)・・・交響曲第9番ニ短調との出会いはオイゲン・ヨッフム/ベルリン・フィル(1964年)だったと記憶します。Gunter Wand(1912ー2002独逸)は最晩年話題となって、こちら当時貧しい若者(既に中年だったか)には高いCDは入手不可、このライヴをカセットにエア・チェックしたのがヴァント初体験。痺れましたねぇ、「未完成」なんて誰の演奏を聴いても同じ、そんな不埒な考えは底知れぬ怜悧な深淵に打ちのめされたもの。Brucknerの厳しい構成、切れ味も同様、現ベルリン・ドイツ交響楽団の技量にも驚嘆、夢見るように高貴に美しいオーボエはギュンター・パッシン(Gunther Passin、1937ー2014独逸)でしょう。(Wikiによるとチェリビダッケ/ベルリン・フィル1992年公演にもエキストラで参加したとか)そんな記憶は鮮やかに蘇って、音質には今一歩の鮮度を求めたいけれど、出会い当時自分の感性からの劣化を意味しているのか、と。
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Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」〜オトマール・スウィトナー/シュターツカペレ・ベルリン(1988年)・・・先日のCD最終処分に生き残ったOtmar Suitner(1922ー2010墺太利)11枚組より。こうしてみると自作棚一段分残もけっこうな物量、ちょっぴり偏っても残りの人生には充分な物量かも(別途大量のデータファイル有)。中学生時代にブルーノ・ワルターを聴きすぎてこの作品は勝手に食傷気味、やがて作品に再度目覚めたのはハイティンク辺り?(←内容薄きコメントに閉口)自分の嗜好はイン・テンポ基調、オーケストラの個性を素直に活かしてムリのない演奏です。この作品は第1楽章「Bewegt, nicht zu schnell(運動的に、しかし速すぎずに)」冒頭、弦の静かなトレモロに遠くホルンが木霊する・・・この深々とした音色こそ命、スターツカペレ・ベルリンの金管はマイルドに突出しない。比較的最近の録音を聴いてもこのオーケストラは機能的に”上手い”オーケストラではないと感じるけれど、木管はしっとり柔らかい木目の肌触りを感じさせるもの。第3楽章「Scherzo. Bewegt(運動的に)」は狩りの草原を連想させる躍動のスケルツォ、ここのリズミカルなホルンも魅惑。最終楽章まで息切れせず、素朴さを失わぬサウンドに魅了される 18:36-15:39-10:40-19:44。エエもん聴きました。
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Tchaikovsky 交響曲第4番ヘ短調/イタリア奇想曲〜ダニエレ・ガッティ/ロイヤル・フィル(2004年)・・・Daniele Gatti(1961-伊太利亜)はコンセルトヘボウを馘首され、2021年よりぼちぼち復帰するとこのこと。これはロイヤル・フィル首席時代(1996ー2009)の記録、これはあまり期待せずに聴き始めて驚き!なんせ音質がよろしい、ロイヤル・フィルの金管が激しく鳴り響いて爽快、憂愁骨太な露西亜風に非ず、適正なテンポ設定によう歌って明快なTchaikovskyに仕上がりました。17:01-8:12-5:47-8:35。幾度聴いている馴染みの作品は思いっきり新鮮に響いて、これはヴェリ・ベスト。
(2020年9月1日)
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