コロナばかり、ネタのない鬱々内向きな日々継続中
G(ガマン)W真っ最中、高速道路、駅、交通機関、空港もがらがら、遊園地もほとんど閉まって寂しいらしい。お気に入りショッピングセンターも入場制限が掛かっているみたいで長蛇の列、ご近所コンビニでお買い物を済ませております。
自分はもう既に半引退身分なのに、お仕事巣ごもり需要に潤って四苦八苦”商品が足りなくて困る”状態に、調整とお詫びの日々を過ごしております。週次でお仕事は回って、祝日もなにもあったもんじゃない!お休みだったはずが朝一番に職場トップにメールして”在宅勤務”へ変更としたりして、溜まった代休を消化する目処も立ちません。こんなハズじゃなかったんやけどなぁ、コタツに座って終日、トイレ以外立ち上がることさえない、コンピュターとにらめっこして身動きなき日々、時々スマホ。どーせどこにも出掛けられないし、まともな呑み屋もほとんど開いておりません。気分転換もできず、ぼんやり2時間ドラマの再放送を眺めるくらい。
自分は日々お仕事タイヘンでも商売は偶然巡り合わせに大繁盛して、経営的には問題なし。息子は某小売チェーン店に就職して、食料品に非ず、おそらく来客に苦労して、経営的にも厳しくなっているかもしれません。多くの人々が雇用問題に直面することでしょう。シングルマザーは生活悲惨やろな、想像を絶しますよ。日銭を稼いて商売する人々は”自粛要請”に生活が保たないことでしょう。医療関係もほとんど自己犠牲に崩壊寸前とか。先が見えんですよ、引き隠り生活の果てが。たまたま偶然、たった今現在、自ら感染していないだけでも幸いか、こんな鬱鬱とした生活がいつ迄続くのでしょうか。
緊急事態宣言は一ヶ月延長とか、かつて経験したことのない不況が既にやってきて、人々の行動も社会構造も変化するのでしょう。騒動が治まったあともオン・ライン活用、ムダを省いた会議とか在宅勤務が定着するかも知れません。9月新学期も良い選択と思います・・・って、ネタがないなぁ、こんな話題なんの変化球も目新しさもない。
こちら、せっかくあり余った時間に、在宅勤務はお仕事のケジメがなくて気持ち的に音楽にも集中できません。スポーツクラブは断続的に営業停止して以来体重は+1〜1.5kgが常態化、常に危険水域超え状態。自宅では朝晩ダンベルスクワット40回、バックランジ40回、前屈ストレッチしっかりおでこを地面へ、左右腰のストレッチ、そして腕立て姿勢から肘を付いてわずか30秒の維持は体幹トレーニング(のつもり)。そして短いジョギングご近所一周、それを毎日実施しても体重は戻りません。最低限の体調維持のみ。
● 前月のヴェリ・ベスト。誰でも同じだと思うけれど、引き隠り生活に飽きてきました。
■Rachmaninov 交響的舞曲(1982年)/ヴォカリーズ(1983年)〜サイモン・ラトル/バーミンガム市交響楽団・・・クラウディオ・アバドはロンドン交響楽団→ベルリン・フィルへと転出したけれど、Simon Rattle(1955ー英国)は逆コース、2017年よりロンドン交響楽団の音楽監督へ。若い頃は長期1980-1998年、City of Birmingham Symphony Orchestraのシェフを務めておりました。メジャーに話題なものを避ける性癖のある自分は、アバドもラトルもベルリン・フィル時代の録音をほとんど聴いておりません。
この作品はRachmaninovのラスト作品とか、内容はほとんど3楽章の交響曲、傑作でっせ。馴染みな哀愁の風情を湛えたまま行進曲風リズムが緊張感たっぷりな第1楽章「Non allegro」、第2楽章「Andante con moto (Tempo di valse)」は不安げに怪しく甘美なワルツであり、第3楽章「Lento assai - Allegro vivace」はスケルツォ風、ほの暗く軽妙なリズムから力強いフィナーレが充実しております。「怒りの日」主題も激しく登場。アンサンブル云々ではなく、オーケストラは少々サウンドに色気と厚みが足りぬ感じか。27歳、若者の音楽はちょっぴり前のめりに落ち着かない。「ヴォカリーズ」は稀代の名旋律、爽やかに歌われております。
ついでにネットより拾った同作品、ベルリン・フィルとの2014年ロンドン・ライヴを聴いてみました。やや”遠い”音質さておき、こちらのほうがずっと手慣れて、上手いオーケストラ、それでも若い頃の録音に好感を得ました。
■Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」/Revueltas「マヤの夜」〜グスターヴォ・ドゥダメル/シモン・ボリヴァル・ユース管弦楽団(2010年カラカス・ライヴ)・・・これは世間ではとっくに話題となっていた人気指揮者+作品音源。月に1-2回聴きたいお気に入り作品也。一部手厳しい辛口リスナーに評価が割れておりました。編集微修正しているだろうけれど、ライヴの熱気、オーケストラの技量優秀圧巻の爆発、若者たちによるパワフルな勢いは気分爽快、たっぷり堪能いたしました。Silvestre Revueltas (1899ー1940墨西哥)の作品も、愛するVila-Lobosの風情に似て、南米の濃密な風情、コンガのアツいリズムに魅了される作品、なにごとも喰わず嫌いはあきまへんで。音質も極上。
■Beethoven 交響曲第2番ニ長調(1964年)/交響曲第5番ハ短調(1963年)〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団・・・同じく洪牙利出身往年の巨匠によるBeeやん。余情を加えぬ筋肉質表現はテンション高く・・・内声部の旋律が効果的に浮かび上がって、というのも方向似ております。但し、こちらオーケストラの技量桁違い(いえいえロイヤル・フィルだって充分立派だけれど)各パートひとつひとつの旋律フレージングに、魂のスウィングが掛かっている!わずかな息遣いの変化に浪漫の香りも漂ってアツく、快速テンポ部分のアンサンブルの精緻さも尋常に非ず。この厳しさ、正しい姿とはこれだ!という確信を感じさせるもの。
唯一の不満はやはり”音質”。自分の手持ち音源の水準+貧者のオーディオでは真価を捉えられぬだけかも。
■Beethoven 交響曲第5番ハ短調(2014年)/第7番イ長調(2015年)〜ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン/ニューヨーク・フィルハーモニック・・・ライヴ収録とのこと。Jaap van Zweden(1960ー阿蘭陀)がニューヨーク・フィルの音楽監督に就任したのは2018年より、その前アラン・ギルバート時代の録音。このオーケストラはレナード・バーンスタイン時代(1957-1969)の印象が強くて、肌理の粗い熱気サウンド!そんな先入観を一掃させる、重心の低い、しっとり厚みのある重厚サウンドを聴かせます。数日前聴いた立派なBeethovenには音質の不満があって、新しい録音を求めたもの。誰でも知っている超有名作品連続、ハ短調交響曲は第1楽章提示部、終楽章も繰り返し有(こうでなくっちゃ)7:23-9:26-5:15-10:32、中庸のテンポにオーソドックスなバランス表現、極端なデフォルメやテンポ変化は伴わなくても表情は豊か、響きは明るく旧来な物々しさも感じさせない、ライヴとは思えぬアンサンブルも充実しております。
躍動するリズム感が重要なイ長調交響曲は13:56-7:46-8:25-8:36。前曲も含め、油断すると力み勝ちになる力強い作品は、慌てず前のめりにならぬ余裕の表現。独墺系古典的作品をしっかり演れたらほんまもんでっせ。このオーケストラはずいぶんと上手くなりました。音質含め、バーンスタインのニューヨーク録音を再確認するのはちょっと怖くなりました。
■Mozart セレナーデ 変ホ長調K.373/ハ短調K.388〜ヘンク・デ・グラーフ(cl)/ヤン・ヤンセン(cl)/レムコ・デ・フリース(ob)/ヨハン・スタインマン(fg)/ハンス・ヴィッセ(fg)/マルティン・ファン・デ・メルヴェ(hr)/ヨス・ブールマン(hr)(2001年)・・・世間ではBeeやん生誕250年とか、せっかくのイヴェントもこれじゃ台無しでしょう。これは21世紀に相次いで登場したBach全集、Mozart全集巨大ボックス廉価発売入手の棚中生き残り、交響曲全集(ヤープ・テル・リンデン)セレナーデ嬉遊曲舞曲集のみバラ買して(外装がないし)処分できなかったもの。たしかロッテルダム・フィルのメンバーでしたっけ?
我らがヴォルフガングに駄作なし、小さい編成の管楽アンサンブルはなんともノンビリとした愉悦を感じさせるもの。ハ短調の作品はのちに弦楽五重奏曲第2番 K.406 (516b) に衣装替えして、ちょっぴり暗い緊張感がありました。演奏は極上のテクニックと音質を誇ります。ささやかなお小遣いを節約しつつLPCDを入手、日々新しい世界に馴染んでいった頃を思い出しました。
Wagner 舞台神聖祝典劇「パルジファル」から第1幕への前奏曲/場面転換の音楽(第1幕)/聖金曜日の音楽/場面転換の音楽(第3幕)/ジークフリート牧歌(ロンドン交響楽団1973年)/Wolf イタリア風セレナーデ(フィルハーモニア管弦楽団1957年)〜エイドリアン・ボウルト・・・オペラ全曲は長いし、なかなか筋書き的に馴染めぬものも多いから、管弦楽のみというのも(永遠の初心者である)自分にはよろしいでしょう。幾度聴いても「パルジファル」の辛気臭い旋律には馴染めなかった・・・けれど、Adrian Boult(1889ー1983英国)の悠然たる、息の長い語り口に打ちのめされました。ロンドン交響楽団はアンドレ・プレヴィン時代、弱音主体にテンポゆったりした部分にこそ指揮者とオーケストラの真価が問われるもの。基本歌が入らぬのは隔靴掻痒状態、全曲に挑戦したくなりました。
美しい情愛に溢れた「ジークフリート牧歌」最高、優しく、深く、しっとりとした風情にかつて聴いた記憶中ヴェリ・ヴェストの手応え。驚いたのは剽軽に闊達な「イタリア風セレナーデ」、これは管楽器を伴う珍しい編曲版なんです。どこかに詳しいコメントはないでしょうか。
■ Schubert 交響曲第9番ハ長調 D944(チェント・ソリ管弦楽団1957年)/de Falla バレエ音楽「恋は魔術師」(パリ音楽院管弦楽団/アンナ・マリア・イリアルテ(ms)1951年)〜アタウルフォ・アルヘンタ・・・久々、ナント18年ぶりの拝聴。匿名オーケストラはパリ音楽院管弦楽団か、音質はかなり良心的なステレオ。Ataulfo Argenta(1913ー1958西班牙)はシューリヒトの弟子筋、あまりに早い定命(じょうみょう)は残念でした。師匠譲りの軽快にスッキリとした響き、美しい歌謡的旋律充ち溢れる作品にスウィング推進力はこちらのほうが上でしょう。ヴェリ・ベストな仕上がり。14:11-13:41-10:20-11:57、テンポは中庸、繰り返しなし、って、繰返し原理主義者である自分もこの作品だけはちょっとなぁ、第1楽章提示部だけで良いかな、と(噂ではハインツ・レーグナーが全部繰り返しているとか?ほんまですか)。寡作なde Fallaはアルヘンタの十八番、南欧の香りたっぷりな旋律リズムは大好きだけど、これはモノラルが残念でした。
(2020年5月1日)
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