「あわてない」「もったいない」
【♪ KechiKechi Classics ♪】は無料サーバーを借りていて、あちこち試して現在のところに落ち着いたのは十数年前でしょうか。数年に一度ほど、一日くらいアクセス不能になることはあっても、今回1月末のトラブルは既に一週間を超えて更新不能状態。「音楽日誌」は日々似たような代わり映えせぬ、ジミなサラリーマン成れの果て継続雇用生活、毎日いつもどおり執筆していても誰にも見られません。若い頃はイライラしてたんやけどなぁ、還暦も過ぎた爺は、ま、気長に待ちましょ、明鏡止水の心境でっせ、へへ。そのうち快復するでしょ、きっと。(→2020年2月1日朝無事復活しました)
1月はたっぷり正月休みいただいて、お仕事再開して翌週には博多(小倉)への旅へ、旦過市場には味わい深い古さがあり、博多駅筑紫口側の昔馴染みの居酒屋のクエは絶品、四十余年半端ならぬ昔馴染みの友人たちとの酒も美味かった!贅沢しましたよ。お仕事はそこそこ、風邪やインフルエンザ(コロナウィルス!?)など流行っている時期を言い訳に、けっこう有休消化してゆっくりしました。日々筋トレ・ストレッチ・有酸素運動に励んで、やりすぎはよろしくないとのネット記事有、事実両膝の調子はイマイチ、適度に休みを入れたものです。
結果、体重は”やや増”状態、なかなか66kg台を維持できません。ま、体調は良いけどね(アレルギー?症状洟水さておき)。ここ最近体脂肪率も計っていないけど、体型はかなり良くなっていると思うけどなぁ、油断禁物だけど。
しょうもない話題続き。
髭剃りは数十年若い頃よりPHILIPS製のシェーバー、例の丸いカミソリ部分にヒゲが溜まって時々掃除します。ちょうどゴミ出しの前日だったので、袋口に直接ブラシで処理していたらぽろりと・・・満杯のゴミ中に部品は消えました。一時間ほど新しいのを買うか逡巡して、覚悟を決めてゴミを全部出して探索〜無事出てきましたよ。努力を惜しまず、使えるものはしっかり寿命迄大切にしたいもの。
その数日後サーバー不調に続きノートパソコンAcer Aspire 5750、激安ジャンク品中古入手わずか1年、いろいろ手を打った挙句不調極まって使えなくなりました。Windows10再セットアップもうまくいかない。質素な生活だけど毎日使うものだし、次のを注文しようかなぁ、そんな不埒な考えも一瞬頭を過(よ)ぎりました。いえいえ自分には必殺Linuxがあるじゃないか!Zorin-Linux化して無事復活しました。庶民は智慧で乗り切れ! ということでっせ。思想の違うOSも久々に新鮮です。
人事異動の時期がやってきて、来週くらいには正式に発表となるのでしょう。親しい仲間が全国に散って、これはサラリーマンの宿命です。
● いつもの前月ヴェリ・ベスト。
●Bach マタイ受難曲〜スティーヴン・クレオバリー/ケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊/ブランデンブルク・コンソート/ロジャー・コーヴィー=クランプ((t)福音史家)/マイケル・ジョージ((b)イエス)/エマ・カークビー(s)/マイケル・チャンス(ct)/マーティン・ヒル(t)/デイヴィッド・トーマス(b)(1994年)・・・昨年末、年末聴くべき音楽はどれも気に喰わず”ちょろ聴き”ばかり。「マタイ」との出会いはメンゲルベルク抜粋LP一枚物(もちろん廉価盤)音質演奏とも個性的に過ぎ、CD時代に至って最初に全曲ちゃんと聴いたのが、このスティーヴン・クレオバリー。昨夜から聴き初めてCD3枚分、現在最終盤に差し掛かっております。ここのところオペラとか大曲は1枚目で終了が多かったですから。2020年はちゃんと全曲心の余裕を持って、真面目に音楽に対峙したいもの。
Stephen Cleobury(1947ー2019英国/昨年亡くなったとの情報をいただきました)は合唱畑の人らしい。この時期ケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊の音楽監督だった由。声楽ソロに名手揃えて、久々の拝聴印象はなんと素直!劇性の薄い、すっきりとおとなしい演奏かと。古楽器アンサンブルも伴奏に徹して、あくまで声楽(とくに合唱)中心の淡々とした風情、合唱の洗練は特筆すべきでしょう。もちろん太古濃厚メンゲルベルクとは天地の違い、世評高い劇的カール・リヒター(1958年)とも別世界、自分が求めていた刷り込みはこれだったのですね。クール、粛々と胸に染みる静かな”マタイ”。2020年の音楽聴き初めは佳き出会いでした。
●Bruckner 交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)〜大植英次/大阪フィル(2006年ライヴ)・・・「残響2秒」シンフォニー・ホールでの録音。朝比奈翁の後を受けて大阪フィルの音楽監督を務めたのは2003-2012年、Brucknerはやりにくかったやろなぁ、なんせ朝比奈隆信奉者たくさんおりますし。ハース版ならぬこちらの版を使うのも指揮者の個性でしょう。かつてのイメージは剛直、不器用にアンサンブル粗くちょっぴり薄く、スケール茫洋に大きい・・・といったところ。大阪フィルって、あまり上手いオーケストラじゃない、一連の録音でも新日フィルとか東京都響のほうが佳いじゃないか、そんな世評もありました。ところが、びっくり
アンサンブルの集中力、ぴたり縦線の合った緻密なアンサンブル、各パートの技量はかつてのイメージを覆すもの。わずか数年でここ迄オーケストラの技量はアップするものなのですね、これでライヴ(編集はしてあるのかも)Bruckner交響曲中屈指の美しさを誇る名曲、緊張感と甘美な歌が両立するテンションの高さ、第2楽章「Adagio」の朗々たる流れの良さ+クライマックスでの打楽器爆発も大植英次らしい華やかさ。ラスト迄体力的に崩れないのも当たり前だけど、日本に於けるBruckner演奏の成熟を確認いたしました。
●Haydn 交響曲第50番ハ長調/第51番 変ホ長調/第52番ハ短調〜デレク・ソロモンズ/レストロ・アルモニコ(1980年代?)・・・CBS/SONYにとってHaydn交響曲全集は鬼門、マックス・ゴバーマンは指揮者の急逝により、そして1980年代のデレク・ソロモンズの全集はおそらく財政的な問題で全曲録音は叶いませんでした。クリストファー・ホグウッドに状況は似ておりますね。LPそしてCD初期には売れなかったのでしょう。(デニス・ラッセル・デイヴィス全集は2012年発売)これはたまたま偶然にネットより拝聴機会を得たもの(おそらくLP音源/CD化されていない?)amazonではあまり状態のよろしくないCDRが売られているそう。Derek Solomonsはかつて古楽器の先駆としてかなりCDを出していた記憶があるけれど、現在ネットで検索しても詳細情報は伺えません。
この選曲は偶然たまたま、アトランダム、どれも軽快に躍動する音楽。第50番ハ長調は序奏付きAdagio-AllegroーAndanteーMenuet-Prestoトランペット、ティンパニも入る溌剌快活な4楽章(19:54)、第51番 変ホ長調はVivace-Adagio-Menuet-Allegro、第2楽章に(終楽章も)茫洋としたホルン・ソロが朗々と特異な存在を感じさせます。こちらトランペットもティンパニも入らぬけれどけっこう”大きな”交響曲かと。(28:07)第52番ハ短調はSturm und Drang期の作品(とやら)編成は第51番と同じ。この時期の短調交響曲に雰囲気は似て、疾走するリズム感が劇的に魅力であります。(29:42)
音質もアンサンブルも極めて良好、引き締まった古楽器演奏は熟達しております。第51番あたりのホルン・ソロはそうとうな手練れかと。短調の第52番も力みのない表現が軽快な味わいを失いません。
●Satie「ジムノペディ」/Ravel 「クープランの墓」/Honegger「夏の牧歌」/Milhaud「屋根の上の牝牛」〜ウラディミール・ゴルシュマン/コンサート・アーツ管弦楽団(1953年?)・・・温故知新連続。これは以前に言及しておりました。米Capitalは優秀な音質。コンサート・アーツ管弦楽団これはユニオンの強い亜米利加に於ける変名乃至臨時編成のオーケストラでしょう、上手いもんでっせ。Vladimir Golschmann(1893ー1973仏蘭西→亜米利加)セントルイス交響楽団在任は1931ー1958年、これは長期政権やなぁ。濃密繊細な響き、雰囲気たっぷりな選曲、そして演奏。どれもお気に入り作品ばかり並べてくださって選曲的にも斬新なもの。「夏の牧歌」には高原を吹き抜ける涼風を感じさせ、「屋根の上の牝牛」ってサンバのリズムですか?テンポは自在に揺れて愉しいこと限りなし。
●Bach 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調 BWV1004/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調 BWV1005/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調 BWV1006〜ルーシー・ファン・ダール(v)(1996年)・・・ピッチはa''=415Hz。もうぼちぼち四半世紀前の録音とは感慨深いもの。Lucy van Dael (1946-阿蘭陀)は古楽器の名手、いつのまにか70歳超えていたんやな。若い頃LPにて初めて古楽器ヴァイオリン・ソロを聴いて、あまりの素っ気なさに閉口した記憶もはるか彼方(セルジュ・ルカだっけ?)残響豊かな空間に味わい深く練り上げられた重音が深淵であります。Bach旋律の多彩さ、美しさ際立って、語り口も素っ気なさとは無縁。チェロの無伴奏組曲には少々説教臭い重さを感じさせて、こちら朗々とした歌心に無限の広がりたっぷり堪能できます。「シャコンヌ」は宇宙でっせ。誰でも知っている「ガヴォット」の親しみ深いこと。
(2020年2月1日)
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