こどもは人類の希望

さらば長久手


 2013年に尼崎より長久手に転勤転居、途中定年を迎え、嘱託雇用(だっけ?)の身分に至りました。お仕事内容、テンションは全然変わらなかった。振り返れば5年間継続雇用期間はサラリーマンの硬い頭、屁の突っ張りにもならぬヴェテランのプライド、頑迷な思い込みをマイルドにあと始末する時期でした。女房殿はこちらで立派なお仕事に就いたから家計的には助かって、やがてあまりの激務に2019年4月を以って先に引退、自分も本年2022年3月正式引退させていただきます。現在は既に有休完全消化中の身分。希望すれば70歳迄働けれるけど、引き時潮時はありますから。

 規則正しい生活、日々の鍛錬、料理洗濯、そして三度目のワクチン接種(ファイザー製)も済ませました。二人目の孫も元気に生まれてきましたよ。洟水痰の絡み以外はまったく元気に過ごしております。モデルナは人気ないそうですね、副反応問題か。インフルエンザ流行予測は外れたみたい。

 92歳の老母が一人暮らし故そのご近所、大阪府大東市に3週間後には転居いたします。女房殿が生まれて育ったところは残念、あまり環境はよろしくない・・・閑話休題(それはさておき)どーも名古屋文化圏生活には馴染めなかったけれど、去りゆくにあたってお世話になった”長久手生活の佳きところ”を振り返りましょう。感謝を込めて

(1) 環境がよろしい。高級住宅街ですから。高級車外車も多い。空気が澄んで星空が美しい。
(2) 人口6万人、自然増中、日本一若い、たしか平均年齢38.8歳。マンション前の公園風景は30年前ですよ。赤ちゃんとかこどもがたくさん。そしてマンモス小学校有。
(3) 病院が近所に多い。大学病院も根性出せば徒歩圏内(実際に徒歩で通った)大学は4つほど?芸術大もあります。
(4) 職住接近わずか10分。6-7年通ったスポーツクラブはわずか5分、市立体育館へも徒歩10分の便利な生活でした。
(5) 毎朝のお気に入りのヨーグルトがおいしいディスカントストアは坂道15分、佳き運動になりました。転居先のヨーグルト選定に悩んでおります。
(6) 最寄り駅近くに富山の刺し身・料理が美味い居酒屋をみつけました。幾度通って大将と女将さんとはすっかり仲良しになりました。

 転勤当座は職場風土文化風習に苦しんだけれど、数年掛けてすっかり雰囲気は変わりました。引退時には職場内外、皆名残惜しんで送り出してくださったのも佳き思い出。女房殿はお仕事・ボランティア関連から地元地域に知り合いもたくさんできました。東海エリアには学生時代の親しい先輩が6人、定期的に呑んでいて、一度、博多ツァーも組みましたよ。ひとり既に病に亡くなったのは残念。いずれラスト2年はコロナに逼塞した苦しい日々、それは現在も継続中です。

 さらば長久手、名古屋文化圏。これから大阪での新たな引退生活をしっかり愉しみましょう。大東市は人口12万人、当たり前に高齢化が進んでいることでしょう。

 恒例ワン・パターンないつもの前月ヴェリ・ベスト振り返り。

Melodiya-Victor VICX-8Tchaikovsky 交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」〜ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団(1972年)・・・昨年2021年はTchaikovskyの交響曲を多く聴いておりました。これはGennady Rozhdestvensky(1931ー2018露西亜)若い頃の全集より、待望の拝聴。Tchaikovskyの6曲(マンフレッド含め7曲)にハズレはなくて、これも懐かしくも甘美、一度聴いたら忘れられぬ親密な旋律が支配する名曲!音質はかなりリアル、暑苦しくもたっぷり濃いサウンドに充たされ、ビロビロに甘く野太いホルンのヴィヴラート最高!決定版と思われるムラヴンスキーの後期3曲も凄いけれど、こちらのほうがローカルに粗野な世界が堪能できて、ヤワな演奏は聴けなくなるほどの衝撃演奏でした。12:10-9:56-7:30-12:38。

NAXOS8.555924Mussorgsky 交響詩「禿山の一夜」/歌劇「ソロチンスクの定期市」 - 第3幕 ゴパーク/歌劇「ホヴァーンシチナ」 - 第5幕 ゴリツィンの追放(以上Rimsky-Korsakov編)/交響詩「禿山の一夜」(原典版)/組曲「展覧会の絵」(Ravel編)〜テオドレ・クチャル/ウクライナ国立交響楽団(2001年)・・・Theodore Kuchar(1963-)はニューヨーク生まれの烏克蘭系亜米利加人だったのですね。これは世間的に話題になっていないけれど、音質、オケの技量、指揮者の表現統率とも驚異的な成果。アバドが好んだ粗野な「禿山」(原典版)と通常聴かれる整理された版両方収録して、これほどヴィヴィッドにオモロい演奏は聴いたことはない。爽快に色彩豊かな「展覧会の絵」はオケの色気とか艶に少々不足しても、その堂々たる力強さ、スケールに感服いたしました。音質も良好。烏克蘭のオケはかなりの実力派。

MDG3371201Shostakovich 交響曲第10番ホ短調〜ローマン・コフマン/ボン・ベートーヴェン管弦楽団(2002年)・・・Roman Kofman(1936ー烏克蘭)がボン・ベートーヴェン管弦楽団の音楽監督を務めたのは2003ー2008年、おそらくは実演での交響曲全曲演奏が話題になったのでしょう。めったに拝聴機会のない旧都ボン歌劇場のオケか。5-6年前にいくつか聴いて当時はShostakovich My混迷期だったし、オケの非力さも気になって作品そのものに集中できませんでした。

今回拝聴にイメージ一新。たしかに第3楽章「Allegretto」辺り、「大地の歌」にインスパイアされたらしいホルンは”ちょっぴり弱い”(技術的な問題に非ず)印象、全体に響きはやや薄く軽量だけど、整って集中力のあるアンサンブルには艶もありました。当時の自分は長大なる第1楽章「Moderato」の暗く静かにうねうねと進むところでもうギブ・アップしてましたよ。ここの旋律の流れを理解すればあとはOK、第2楽章「Allegro」はスケルツォ、無機的モウレツな疾走に痺れて、第4楽章「Allegretto」の暗鬱な木管の掛け合いも美しい(ここも「大地の歌」の影響があるとのこと)。そして終楽章「Andante - Allegro」の軽妙かつポップなリズム、木管の剽軽な動き、わかりやすい旋律に盛り上がってみごとな作品、そして演奏でした。24:59-4:43-12:38-4:32-5:35。

RCCSSA33514Brahms 交響曲第2番ニ長調/悲劇的序曲/大学祝典序曲〜イヴァン・フィッシャー/ブダペスト・フェスティヴァル管弦楽団(2021年)・・・音質極上。デーハーから遠いしっとりしたオケの質感、落ち着いた風情に歌って慌てない、重くならぬリズムはモダーンな節回し、粘着質に過ぎぬ表現はほとんど理想的。練り上げられ味わい深くも渋いサウンド、上手いオケですね。噛んで含めるような第1楽章「Allegro non troppo」、第2楽章「Adagio non troppo - L'istesso tempo,ma grazioso」の粛々と落ち着いた風情最高、第3楽章「Allegretto grazioso (Quasi andantino) - Presto ma non assai - Tempo I」に於けるデリケートな揺れはかつて経験したことのない名残惜しい風情に充ちておりました。終楽章「Allegro con spirito」もぞもぞと小声でさっくりスタート、ぱーんと弾けるように走り出す晴れやかな対比、最高。(20:13-9:10-5:42-9:44)「悲劇的序曲」には力みも、叫びもない。「大学祝典序曲」はちょいとテンポ動かし過ぎかな?(13:02-10:34)

Membran 600518Bach 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調 BWV.1001/Vitali シャコンヌ ト短調/Mozart セレナード第7番ニ長調 K.250より「ロンド」(1954年)/Bach トリオ・ソナタ ハ長調 BWV 1037*(1957年)〜イーゴリ・オイストラフ(v)/アブラム・マカロフ(p)/ダヴィッド・オイスラフ(v)*/ハンス・ピシュナー(cem)*・・・音質極上(とくに前半モノラル)完璧な技巧、父親より若干しっとりやや暗め、憂いを含んで極上の美音であります。Igor Oistrakh(1931ー2021烏克蘭)は著名な親父の影に隠れがちだけど、立派なヴァイオリニストであったことを実感できる演奏。落ち着いて安易に流さぬていねい仕上げなBach、劇的なVitaliのバランス感覚、愉悦に充ちたMozartの典雅な響き、トリオ・ソナタは華やかな親父の音色との対比が愉しめました。ピシュナーのチェンバロは昔懐かしい金属的な音色、謹厳実直なBachに非ず、優雅なしっとり風情に歌ってくださいました。

newton classicsMahler さすらう若人の歌/「こどもの不思議な角笛」より「ラインの伝説」「だれがこの歌を作ったのだろう」/リュッケルト歌曲集〜フレデリカ・フォン・シュターデ(ms)/アンドルー・デイヴィス/ロンドン・フィル(録音情報詳細不明)・・・これはSONY録音のはず、あちこち交響曲の埋草に使われた不遇な音源はこれがオリジナル収録でしょう。音質極上。Frederica von Stade(1945-亜米利加)はルッキズムと叱られてしまいそうだけど)女優の高島礼子さんを彷彿とさせる別嬪はん、"琥珀色のラヴリーヴォイス"との少々クサいキャッチコピーと記憶して、なかなか言い得て妙だと思います。絶叫や甲高く強靭な歌唱とは無縁のデリケートなニョアンスと味わい、Mahlerの美しい旋律は浮き立って、聴き手の心を妖しく擽る歌声でした。アンドルー・デイヴィスの伴奏も入念なもの。 

(2022年2月1日)

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written by wabisuke hayashi