うららかな春の日差しに引き時を考える
コロナは新型もあちこち出現して第4波の兆し、そりゃ夜の呑み屋に「カネ出すから早よ閉めろ」だけでは緊急事態対策にも〇ソもならない、春の陽気満開の桜に誘われて人々は動き出します。自粛生活も限界でっせ、エネルギー余った若い人はなおさら。”Go To愚策”にも似たオリンピック(ガイジンさん客抜き)はもう勘弁してほしいけど。
こちら半引退に枯れた自分の生活を振り返って職場へ片道徒歩10分範囲が基本生活、スポーククラブも市立体育館もそのくらい、お気に入りディスカウントストア迄15分、月1-2度通う馴染みの居酒屋迄20分ほど、先月引退した朋友が大阪から出てきて名古屋駅ビルに行ったのは10か月ぶりでした。2020年2月に初孫のお宮参りに小松へ旅行がラスト、それ以来の引き隠り生活も精神的には息詰って限界ですよ。隔日での在宅勤務は気分的に滅入って、消費節約にはなったけどね。カネをあまり使わぬ生活は、コロナより前からの習慣でした。
その在宅勤務も週一回ほどに縮小されます。幾度か言及しているけれど、本日より職場身分変更、ガースーさんの「70歳迄雇用努力目標」(「改正高年齢者雇用安定法施行」開始)の一環、時給固定就労から年給制度フレックスタイム、ちょっぴりボーナスも出るんだそう(雇用調整金が減らされるだけだけど)ま、体調に気を付けて、毎日鍛えて正規雇用定年→継続嘱託雇用に至っても、ほとんどお仕事はテンション変わらぬと自分では思っていて、職場若い連中と人間関係も佳き雰囲気、もしかして ”もう昔の爺さん要りまへんで”と陰口されているかも知れません。
数日前のO/L会議、常務先頭に営業事業系幹部5人よりシビアな現状分析と2021年度の進め方が大胆に提案され、その高邁な先を見据えた志(こころざし)にさすがやなぁと感心しました。一方で現場最前線の地道な実務処理の軽視をちょっぴり心配して、空中戦ばかりじゃあきまへんで・・・なんて、そんな心配も引退すれば関係なし。キレイな引き際も大切でしょう。盆過ぎくらい迄に若い相棒へ合理的な実務処理・思想は叩き込んで、下期は店仕舞いの日々とする予定。
もう昭和のサラリーマンのワザは時代遅れ、誰にも受けませんよ。幸いOA/IT関係使いこなしにはさほど苦にせず、積年の苦手だったケータイ・スマホもほぼクリアいたしました。日々降って湧いたトラブルは自分のミス、不可抗力な天変地異などいろいろ、その対応は佳きノーミソへの刺激でした。残りサラリーマン人生余命10か月ほど?残りの日々を慈しんで、愉しんで過ごすつもり。
先月は花粉症の悪化(それとも抗アレルギー剤の副作用?かどうかわからない)から体調微妙、倦怠感が続いて、妙な体重増傾向から抜け出せません。2020年末最終版より+2kg常態化して戻せない。フツウどこか悪かったら痩せますよね。こりゃなんなのか。そんなうららかな春の日差しに、来年2022年3月と勝手に決めたお仕事引き時を思い遣っております。亡き親父の定年退職は55歳、時代は変わって、現在は当時の80%として年齢を勘案するそうだから68.75歳にあたるのかも。
● 恒例飽きもせずワン・パターンな前月ヴェリ・ベスト。
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Wagner 楽劇「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死/歌劇「タンホイザー」より第2幕「貴き殿堂よ、喜んで私はおまえにあいさつを送る」第3幕「万能の処女マリア様! わが願いをききたまえ」/歌劇「さまよえるオランダ人」より第2幕「ヨホホエ! 帆が血のように赤く」/楽劇「神々の黄昏」より「ブリュンヒルデの自己犠牲」 〜ジェシー・ノーマン(s)/クラウス・テンシュテット/ロンドン・フィル(1987年)・・・強靭かつ深みと味わいある彼女の声を聴いていて、嗚呼皆死んじまうんやなぁ、哀しい気持ちになりました。Jessye Norman(1945ー2019亜米利加)はドラマティック・ソプラノとして幅広いレパートリーを誇ったとのこと。著名なオペラのみならず、新ウィーン楽派辺りも録音してましたね。入魂をいつも感じさせるテンシュテットの緊張感、テンションの高さに打たれて、この組み合わせは貴重な記録であったと思います。
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Haydn ピアノ協奏曲ニ長調/ト長調/ヘ長調〜ヨランダ・ヴィオランテ(fp)/フェデリコ・グリエルモ/ラルテ・デラルコ(2008年)・・・名曲目眩くMozartに比べてHaydnの協奏曲は人気イマイチ。アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリによる1975年録音が有名だけど、あれはあまりにヴィヴィッドに立派過ぎ、作品の持ち味とは違和感がありました。こちら古楽器による爽やかな、細身のサウンドが魅力。フォルテピアノと一律にできぬ個性有、ほとんど蚊の啼くような弱音も稀にあって、こちら初耳ヨランダ・ヴィオランテはかなりしっかりとした(それなり骨太)サウンド、グリエルも率いる古楽器アンサンブルの繊細なバックと似合って作品そのものをたっぷり堪能できました。名曲発見!ヘ長調協奏曲第1楽章「Allegro」の牧歌的風情、第2楽章「Largo」の可憐に夢見るようなつぶやきは絶品でしょう。
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Shostakovich 交響曲第5ニ短調(1987年)/交響曲第9番 変ホ長調(1988年)〜ラディスラフ・スロヴァーク/スロヴァキア放送交響楽団(1987/8年)・・・19年前のコメントは毎度読むに耐えない・・・久々の印象はガラリと変わりました。LP時代のコンドラシン全集は作品に歯が立たぬまま諦め断念、CD時代に捲土重来を狙ったのが(当時廉価CDの嚆矢)Ladislav Slovak(1909ー1999斯洛伐克)のNAXOS盤でした。既にいくつか拝聴していた(当時)CSR交響楽団の技量に疑念もあり、スロヴァークの知名度も低かったから”演奏云々よりまず作品”(価格優先)が趣旨、先入観として軽視していたのも事実でしょう。
ある日朝目覚めたら第9番のお気楽軽快な旋律がノーミソに・・・久々に取り出しのたがこれ。サウンドの芯は少々甘いけれど、クール端正知的な風情が素晴らしい。Shostakovichは元祖旧ソヴィエット系熱血粗野な演奏とか、欧米一流オーケストラによるパワフルに鳴りきったオーケストラの機能とか、そんなイメージばかり。スロヴァキア共和国の放送オーケストラなんて、旧ソヴィエットの亜流ローカルで非力?みたいな先入観を裏切る、真摯な努力賞もんの完成度。シニカルなユーモラスにノーテンキな第9番も作品構造がよく理解できるし(5:17-7:12-3:09-3:08-6:40)著名な第5番もあまりに類型的な”苦難から勝利へ”的図式に辟易敬遠していたのに、煽らず走らず誠実な表現に久々の感銘をいただきました。(16:45-5:09-15:00-11:34)音質まずまず、というか、このようなジミなオーケストラのサウンドなのでしょう。
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Prokofiev 交響曲第5番 変ロ長調〜サントゥ=マティアス・ロウヴァリ/フィルハーモニア管弦楽団(2020年ライヴ)・・・Prokofievは熱心に聴いていないけれど、ピアノ協奏曲第3番ハ長調と並んでわかりやすい、大衆的デーハー効果的な作品。お気に入りです。Santtu-Matias Rouvali(1985ー芬蘭土)は期待の若手、2017年よりエーテボリ交響楽団、2020年より名門フィルハーモニア管弦楽団の首席、次代を担う俊英でっせ。この演奏にはびっくり!熱気躍動色彩、響きは軽快に推進力は文句ない完成度。12:47-8:37-12:16-9:44、血沸き胸躍って、息付く間もなく一気聴き、これが若さの鮮度でしょうか。
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Shostakovich 交響曲第10番ホ短調〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1968年)・・・甘美に美しい、オーケストラが鳴りきって豊満な響きが魅力。カラヤンの演奏もセクシーでわかりやすかったけれど、それを上回る明朗な大衆性を感じさせます。一般に晦渋かつシニカルなShostakovichもこんな演奏で出会っていたら人生変わっていたのかも。21:59ー4:22ー11:18ー12:42、かつてあれほど聴き続けるのが苦しかった作品は魔法のようにスムースに過ぎ去ります。
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Shostakovich 交響曲第4番ハ短調〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1963年)・・・これも同様。途方に暮れたような巨魁さと狂気が同居している作品、初演は1961年コンドラシン、確認できないけれど亜米利加での演奏はオーマンディがいち早い時期だったらしくて、作曲者にテンポ設定など質問したらしい。楽譜も一部改変?オーケストラはモウレツに上手くて鳴りきって、第1楽章「Allegretto poco Moderato - Presto」展開部Prestにオーケストラが鳴動疾走するところの迫力は比類がない爽快なもの。25:11-9:08-26:07。音質も良好。
(2021年4月1日)
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