地元・行きつけの居酒屋にて。女房殿撮影

前歯矯正四拾萬圓(税別)余也

(→実質伍拾萬圓税込もっと超えました!)

 ようやく気温も落ち着いて、読書とか音楽をゆっくり聴ける季節となりました。光陰矢の如しとは先人の言い伝え、コロナに八方塞がりの2020年も残りわずか3ヶ月。

 9月には首相が変わり、台風の影響はこちら幸いほとんどなく、コロナ感染はやや落ち着きを見せ、9月19日(土)から22日(火)4連休には全国あちこち観光地に多くの人が押し寄せたとのこと。二週間後くらいに感染者数増?の趨勢が見えるけれど、仮にたいした動きがなければ年末に向け日常生活への動きは一気に加速することででしょう。お盆時期には逼塞自粛していたのに、やはり人間はホモ・ルーデンス(遊ぶ人間)勤勉生真面目な日本人も周りの様子を伺いつつ、時には発散したいもの。(公共マナーの悪さも復活?マスクがあちこち落ちているのは吸い殻並み)インバウンドには未だ期待できないから、かつての観光バブル再来はまだまだ難しいでしょう。閑話休題(それはさておき)

 8月に息子一家が小松→熊本に異動転居、お嫁さんの実家が天草なので向こうの爺婆は初孫接近に大喜び、行ったり来たりしているみたい。親戚一同のアイドルでっせ。ご近所にはお嫁さんのお友達がいて、同じく赤ちゃんが生まれたばかり、幸せそうな写真が届いております。自分はお仕事と鍛錬の日々、体重はほとんど65kg台を維持して、まずまず健康でした。一ヶ月26日/30日(86.7%)鍛錬継続。左膝症状悪化、20年ほど前スキーにて前十字靭帯一本切れたまま、リハビリにて快復したけれど”年齢重ねたら関節傷めやすいよ”、当時の医師の予言は見事なものです。ここ一年半ほど意識して両膝辺りの筋肉鍛錬してきたつもりだけど、所詮シロウト考え、痛みから左膝完全屈伸難行苦行。これから寒くなってくるし、なんとかせんとなぁ。

 女房殿は月末に定例大阪行ったまま、90歳になった母親は脊柱管狭窄症に苦しんで、手術を検討しているとのこと。腰を手術すればしばらく身動きできないから、リハビリが大切でしょう。両親は3/4人あの世に旅立って唯一残った貴重な親を大切にしなくては。お仕事はほとんどヒマ。賃金見合いですよ。やることがなくて退屈ということに非ず、相棒とスタッフにお仕事移管を進めているから、自分でこなすべき実務が激減した結果です。請負と裏技連続では自分の引退後周りに迷惑が掛かるので、お仕事標準化と平準化している最中。点検とトラブル対応、大きな宿題、取引からの相談など、ぼちぼちあるから9月連休最中もちょっぴりヤミ仕事しておりました。うかつに休めません。

 半世紀以上積年の課題であった前歯の矯正を決意して、歯科医に通い始めました。保険適用じゃないのでかなりの出費覚悟、かみ合わせ改善、少しでも健康が確保できればといった願い(キモチの問題でっせ)。お仕事現役中に勇気を出して実施すべきであったと今更、後悔しても仕方がない。一大支出! 前歯矯正四拾萬圓(税別)余也(涙)(その後→実質伍拾萬圓税込もっと超えました!)

 有給休暇たっぷり残って、連休を外して旅行しようかな、そんなささやかな企ても、お仕事調整都合から断念(ヒマなのにね)。その代わり毎週末、馴染みの居酒屋に美味いもん贅沢しております。健康とちょっぴり経済的余裕があれば、いずれ旅行にはまた出かけられますよ。引退後は博多在住を目指しているので、いまのうちに信州とか北陸を堪能しておくか、しばらく愛する京都にも行っていないな。そこそこ便利で物価も安い、喰いもんがおいしい地方都市が老後にはよろしいかと。

 前月のヴェリ・ベスト。音楽に集中できる季節に至っております。

ERATO WPCS22180Gershwin ピアノ協奏曲ヘ調/Ravel ピアノ協奏曲ト長調〜エレーヌ・グリモー(p)/デイヴィッド・ジンマン/ボルティモア交響楽団(1997年)・・・別嬪ピアニスト28歳の記録。さきほどのEMI録音もなかなかだったけれど、こちらの音質は目も覚めるような水準でした。両曲もジャズのテイストを感じさせる名曲、ノリノリの若さ溢れる溌剌タッチ、David Zinman(1936ー亜米利加)時代のオーケストラ(1985-1998音楽監督在任)も抜群に上手い。選曲演奏ともヴェリ・ベスト。

Scribendum SC510Bizet 組曲「カルメン」/Puccini 間奏曲(歌劇「マノン・レスコー」より)/Aubert 歌劇「王冠のダイヤモンド」序曲/Ducas 交響詩「魔法使いの弟子」/Offenbach 舟歌(歌劇「ホフマン物語」より)/Bolodin 歌劇「イーゴリ公」序曲ーだったん人の踊り/Mozart 歌劇「フィガロの結婚」序曲〜ルネ・レイボヴィッツ/パリ・コンセール・サンフォニーク協会管弦楽団(1960年)・・・オーケストラの実態はパリ音楽院管弦楽団らしい。たしか英DECCAのチームによる優秀録音。硬派現代音楽の人(ブーレーズのお師匠さん)がどんな経緯でこんな通俗名曲(!?)小品集を録音することになったのか、経緯不明。軽くデリケートなセクシー・サウンド、アンサンブルに難有とされたオーケストラの統率も行き届いて、凡百ありがちな名曲集に非ず、美しい旋律、躍動が際立つ演奏であります。

NAXOS8.550754Franck 交響的変奏曲/Faure バラード 嬰ヘ長調/d'indy フランスの山人の歌による交響曲〜フランソワ・ジョエル・ティオリエ(p)/アントニオ・デ・アルメイダ/アイルランド国立交響楽団(1993年)・・・Francois-Joel Thiollier(1943−仏蘭西)は実力派ヴェテラン。Antonio de Almeida(1928ー1997仏蘭西出身)もオーケストラも充分渋い存在、仏蘭西の小粋な協奏的作品揃えて、これはCD発売と同時に入手したと記憶します。「フランスの山人」はLP時代は人気作品だったのに、最近さっぱり人気がなくて演奏機会も少ないでしょう。それはFranckもFaureも同様。各々作曲家の体臭を強く感じさせる個性的な旋律に溢れて、Franckには端正な構成を感じさせるにせよ、基本は自在な仏蘭西風旋律が踊って華やか、これはお気に入りの世界でした。

LPデザインDebussy 交響的素描「海」/牧神の午後への前奏曲/舞踏詩「遊戯」〜ピエール・ブーレーズ/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1966年)・・・拝聴。ずいぶんと久々おそらくは20年前の薄いコメント有。かつて所有していた名曲全集風CDの音質印象は残響少なく、記憶では各旋律むき出しのオン・マイク?今回再確認するとそれなり雰囲気もあって、英国のオーケストラは素直な清涼サウンドに鳴っておりました。色気も素っ気もなかったジョージ・セルとはまったく異なって、明るいサウンド、明晰クリアな表現になんともデリケートなニュアンスを感じさせるもの。官能性を強調しがちな「牧神」も清潔な風情が漂います。現代音楽を得意とする指揮者がよく取り上げる「遊戯」は「春の祭典」と同時期の作品、この作品を心安らかに堪能できるようになったのは意外と最近のこと。「夜想曲」に非ず、この作品を収録したのはブーレーズの意思でしょう。難解な作品と思うけれど、ブーレーズの解像度に掛かると作品は明快にわかりやすい。

 OPK1006 J.Strauss 円舞曲「美しく青きドナウ」 題してぜんぶ「美しく青きドナウ」/ヨハン・シュトラウス3世/交響楽団(1927年)/ワインガルトナー/ロイヤル・フィル(1927年)/エーリヒ・クライバー/ベルリン・フィル(1931年)/クレメンス・クラウス/ウィーン・フィル(1941年)/レーラー合唱団/ベルリン−ノイケルン(1929年)/ビクター女声合唱団/矢野滋(s)(1951年)/フリーダ・ヘンペル(s)(1916年)/マリア・イヴォーギュン(s)/ブレッヒ/ベルリン国立歌劇場管(1932年)/エルナ・ザック(s)/ベルリン・ドイツ歌劇場管(1936年)/ジョゼフ・レヴィーン(p)(1928年)/スーザ・バンド(1905年)/フォン・ゲッツィ楽団(1933年)・・・これは凄いですねぇ・・・著名なエーリヒ・クライバーとかクレメンス・クラウスさておき、女声ソロの入ったもの、所謂軽音楽っぽい編曲もの、こんな大昔から数多くの録音が残されていることに驚き!当時人気作品大ヒットだったんでしょう。なんせよう知っている名旋律、音質は想像よりずっと状態がよろしい感じ。自分の好みではJosef Lhevinne(1874ー1944露西亜ー亜米利加)のピアノ版が揺れ動く風情絶品!一番新しいはずのビクター女声合唱団/矢野滋(s)の音質がイマイチなのもご愛嬌、独逸で活躍した名ソプラノの美声を堪能いたしました。

SONY MH2K63151Dvora'k 交響曲第8番ト長調(1958年)/交響曲第9番ホ短調「新世界より」(1959年)〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団・・・オーディオは門外漢だし、最新リマスター云々にも縁はないけれど、この時期にしてかなりクリアな音質は現役でしょう。これは世間が千度賞賛してきたかっちりとしたオーケストラの上手さ、完璧アンサンブル、テンションの高さ、それを前提とした歌心溢れて、美しく懐かしい旋律たっぷり歌って泣けるほど。名曲を名曲として余すところなく魅力を引き出すマジック、第8番第3楽章「Allegretto grazioso - Molto vivace」はスケルツォに非ず、甘美なワルツに泣けます。「新世界」は提示部繰り返しなしは残念、記憶よりずっとテンポは速くて、全曲ウキウキとした疾走感に充ちておりました。最高。

(2020年10月1日)

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written by wabisuke hayashi