居酒屋のカニ

不要不急な2021年。 執行猶予(≒継続雇用)終了まで、あとわずか


 一年前、まさか世界的コロナ禍が襲うとも夢知らず、憧れは断捨離・ミニマリストなんて、平和な決意を書いておりました。1月に博多旅行、2月には小松に孫のお宮参りを済ませたら、あとは悲惨なお仕事切羽詰まって、在宅勤務に鬱々と苦しんでいたのが2020年前半、後半はできるだけお仕事を若い相棒に任せて、優秀なスタッフのフォローも入ってヒマになりました。以降、旅行もなにも行っておりません。可愛い盛りの初孫にはネット経由でしか逢えません。2021年度から継続雇用制度の変更があって、希望すれば70歳迄働ける身分となったけれど、それもなんだかなぁ、お仕事意欲前向きになれません。職場は和気藹々として、若い人たちと日々楽しく過ごしているけれどね。世の中にはお仕事を失って苦しんでいる人はたくさんいらしゃって、いくら薄給とは云え自分は恵まれていると思いますよ。

 引退後の生活はどうする?まったく先は見えません。自分は不要不急な毎日を過ごして、でもそれが制限されたら、味気ない世間になったことを知りました。な〜んも決めていない、棲むところ、街さえ。人生の重い宿題を先送りにしていただけ、とにかくまず必要火急なのは健康、日々身体を鍛えておりました。若い頃は不摂生な生活、美食の限り、最大に太っていた頃から10kg減らしました。煙草を吸ったことがないのが救いだったかも。カネはないけど、元気とヒマはいくらでも・・・そんな生活は努力でなんとでもなります。大学時代親しかった先輩が亡くなったのが昨年9月、享年66歳は若過ぎる。元気があればなんでもできる!ってか。

 閑話休題(それはさておき)真のミニマリストには鼻で嗤われるだろうけど、断捨離はかなり進んでCD在庫もほとんど整理して、巨大ラックも廃棄いたしました。もともと物欲は少なくて、殺風景なもんでっせ、我が賃貸マンションは。服装もほとんど頓着なし、職場もほとんど平服で許されますし、取引先営業も制限されております。贅沢しているのは喰いもんばかり、学生時代の大先輩の影響や、就職してから食品関係に詳しくなったこともあって、美味いもんはいろいろ知っているんです。スポーツクラブは平日夜のみ月4,500円(税抜)土日祝日は市立体育館利用110円/利用度、これが月1,000円くらいかな、それに昨年末初めて契約したスマホ1,600円(税抜)/月が加わりました。あくまで自分の小遣いの範疇の固定費はせいぜいそれくらい。自家用車は処分して、ネットは幸い無料なんです。職場の若い奴らとの酒もほとんどなくなりましたし。

 昨年後半、最大の贅沢を決意、永久歯揃って以来の前歯不揃いの矯正を決意しました。無保険だから支払いは伍拾萬円超えますよ。現在進行中、食事以外はマウスピース装着してあと2ヶ月位で完了のはず、思いっきり不要不急な行為にしびれる思いでっせ。歯、一本直して人生変わるのか、それはわからない。

 昨年末も押し迫って、コロナ感染連日びっくりするような最大値更新+新型も発生して、どうひっくり返ってもオリンピック開催はムリなんじゃないか。これを機会に社会のあり方は変わってしまうかもしれないけれど、気軽に孫に会いにいけるような平穏な日々は、いつ戻るのでしょうか。不安と先が見えない、中途半端な2021年をなんとか乗り切って元気に過ごしたいものです。

 2021年もワン・パターン、前月(昨年)のヴェリ・ベスト。

BVCX-4031Wagner 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲/歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲/歌劇「タンホイザー」序曲/楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死/楽劇「神々の黄昏」〜「夜明けとジークフリートのラインへの旅」/「ジークフリートの葬送行進曲」/楽劇「ワルキューレ」〜「ワルキューレの騎行」〜エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(1972−82年ライヴ)・・・露西亜怪しげサイトより(違法)入手した.mp3/256kbps音源、オーディオ通からは笑止千万やろけど、けっこう”聴ける”音質でした。この音源とは明記していないけれど、作品配置、ライヴの雰囲気もこれに間違いない。峻厳なる集中力、オーケストラのアンサンブル、切れのあるサウンドは他の露西亜のオーケストラとは異なって、洗練されクールな鋭さがありました。金管の炸裂もカッコよい!Wagner連続。選曲も最強。

Ivry Gitlis(1922ー2020以色列)パリで亡くなったとの情報有。享年98歳、立派な長寿ですよ。2ヶ月ほど前に言及しておりました。追悼の意味を込めてモノラル時代のVOXBOX  CDX2 5505「イヴリー・ギトリスの芸術」(VOXBOX CDX2 5505)一枚目拝聴。なんと16年ぶり。Tchaikovsky ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35(ハインリヒ・ホルライザー)/Bruch ヴァイオリン協奏曲ト短調 作品26/Sibelius ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47(以上ヤッシャ・ホーレンシュタイン)〜イヴリー・ギトリス(v)/ウィーン交響楽団(1954〜57年)・・・やや音像は遠けれどかなり良好な音質。どれもテンポ速く音色は細身、ヤクザなクサい味付けたっぷりに疾走して、壮年時代の技巧の冴えは文句なしでしょう。こんな個性的なスタイルも消えていくんやなぁ、残念。

Mozart ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330/第11番イ長調K.331/第18番ニ長調K.576〜カルメン・ピアッツィーニ(p)・・・秋(ほぼ)最終CD断捨離に残した”CASCADE am@do clasiccs 01001〜01040Mozart Pemium Edition 40枚組”より。Carmen Piazzini(1939-亜爾然丁)も80歳を超えて、お元気でしょうか。MozartHaydnにまとまった録音を残しても日本ではほとんど知名度はありません。ピアノの芯がしっかりとした音色、飾りのないストレートな表現、可憐なる名曲揃えたピアノ・ソナタ集、とくにイ長調K.331のトルコ行進曲は鉄板の人気。音質もよろしく、これは屈指の全集録音と思います。

4841728Beethoven 交響曲第1番ハ長調/第2番ニ長調(BBC交響楽団1975年)/序曲「レオノーレ」第3番(ロンドン交響楽団1976年)〜コリン・デイヴィス・・・日本では来年1月発売の音源をネットより一部拝聴機会を得ました。後にドレスデンとの新録音が出た関係で不遇な扱いだった旧PHILIPS録音、先日もっと若い頃のEMI録音を確認することになった端緒の音源は素晴らしい出来。中低音が充実したPHILIPS録音、解像度も英DECCAの不自然さはなく、地味な印象だったBBC交響楽団の質実な響きも魅力、Beeやん青春の溌剌とした交響曲に久々に感銘を受けました。勝手な先入観と思うけれど、バイエルン放送交響楽団就任(1982ー1992)以降の録音にはイマイチ魅力を感じないのですね、なんか巨匠然として。こちら壮年時代の録音の素直な表現、オーケストラとの信頼関係を感じさせる味わい深い演奏であります。

LSO0728Bach 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV 1004*/ルターのコラール集/ああ 主よ、あなたの愛しい天使に命じて(ヨハネ受難曲BWV245より)/アルマンド*/クーラント*/キリストは死の縄目につながれたり/サラバンド/死に打ち勝てる者は絶えてなかりき(BWV4より)/ジーグ*/いつの日かわれ去り逝くとき(マタイ受難曲BWV244より)/シャコンヌ*(ヘルガ・テーネのレアリゼーションによる、ヴァイオリンと4声のコーラスのための)/Faure レクィエム ニ短調 (1893年版)〜ナイジェル・ショート/ゴルダン・ニコリッチ(v)*/グレース・デイヴィッドソン(s)/ウィリアム・ゴーント(br)/テネブレ合唱団/ロンドン交響楽団室内アンサンブル(2012年ライヴ)・・・BachとFaureを組み合わせて敬虔なコンサートに仕上げて下さいました。Nigel Short(1965-英国)は元キングス・シンガーズのメンバー、現在では合唱のスペシャリストでしょう。ニコリッチはロンドン交響楽団のコンマス、ちゃんと主張と工夫、創作意欲に溢れた演奏会ライヴ、デリケート繊細なサウンド楽曲が続く稀有な完成度でした。

NAXOS 8.550143Dvora'k スラヴ舞曲集 作品46/72〜ズデニェク・コシュラー/スロヴァキア・フィル(1987−88年)・・・NAXOSが揃えたDvora'kの作品録音は玉石混交、これはでしょう。師匠筋にあたるBrahmsのハンガリー舞曲もエエけど、こちらのほうが更に多彩に懐かしい旋律たっぷり堪能できますよ。出会いは17cmLP時代のカラヤン/ベルリン・フィルかな?(1959年)その後、フリッツ・ライナー/ウィーン・フィル(1960年)更に駅売海賊盤ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団に全曲を入手(1973-74年)満願成就へ至りました。お気に入りの極北作品でっせ。

Zdenek Kosler(1928ー1995捷克)はオーケストラのローカル素朴なサウンドを活かして、語り口も懐かしい雰囲気満載。カラヤン辺り別格として、技術的に優れているだけでは語り尽くせぬ民族的な旋律はたっぷり魅力的に響きました。

(2021年1月1日)

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written by wabisuke hayashi