なにをやってもラスト(元気ならそれでOKでしょ)
コロナはすっかり収まりつつあって2021年もラストの月へ。年末年始の帰省ラッシュは復活するでしょうか。
足掛け43年にわたるサラリーマン生活ラストの日は迫ります。ありがたいことに”職場お別れ会”を開いてくださるとのこと、若い相棒より日程調整の伺いメールがありました。オミクロンとやらコロナ再爆発が危惧される時節柄、大宴会酒席というわけにもいかず、平日の昼休み(かたちのみ)開催して記念撮影、在宅勤務O/L参加者もいることでしょう。きっと心のこもった記念品を下さるけれど、欲しいものはなにもありません。寄せ書き的なものも正直苦手、お別れ会のあと、二週間ほど出勤というのも間が抜けているけれど、職場の仲間達の温かい心遣いに感謝いたしましょう。
切羽詰まった気分は日々募ってあと一ヶ月、新年早々完全引退、有休完全消化に入ります。ま、所詮屁みたいな自分のお仕事も既に「これにてラスト」案件目白押し。引継ぎ完了しつつあって、自分は念のための再点検のみといった状態へと至ります。なにをしても「打ち止め」な日々は、どーも遣る瀬ない、切ない気分ばかり。ノーミソ中ドーパミンどんどこ減っております。「先」を見据えてのお仕事はできませんから。お世話になった取引先ご担当にはそろそろご挨拶も必要です。申し訳ないけれど、いただいた名刺は整理させていただきましょう。机の中の文具も既に大多数返却済。もともと紙の資料は最低限、データ化を進めてきたけれど、既に机の中はガラガラ状態、美しいものです。
昨日メーラーの署名を変更(住所とか電話ファックス携帯が書いてある)それには
そう付け加えました。 ●長い間お世話になりました。2022年1月7日の出勤をラストに引退いたします。ありがとうございました。けっこう詳細真面目に引き継ぎ書を作っているつもりだけど、取引先とのデータ連絡処理運用の仕組みを作ってきたのが自分、知らず阿吽の呼吸でなんとかしてきたデリケートな部分もあることでしょう。次のご担当にはご迷惑をお掛けするかも。できるだけ合理化+第3者の点検も入れるように運用工夫して、人為的なミスは発見しやすくしておりました。それでも時に思わぬトラブルを柔軟に、迅速に対応修正したり、結果的に積み上げてきた信頼関係やら人脈は引き継げない。そんなものは必要ない!Digital時代だよ、という考え方もあるでしょう、去っていく自分はこれ以上要らんことは云うつもりもありません。
でもね。
想定外の思わぬ事件、天変地異、環境変化、苦境は内外要因により必ず、降って湧いたように発生するもの、最近だったらコロナ禍による対応しきれぬ特需なんてそうでした。そんな危機に日頃の”信頼関係”とか”人脈”がものを云う・・・でも、もう引退したらそんなことは一切合切キレイさっぱり忘れて、サラリーマン根性は捨てろ!とのネット記事もありました。それがなんなのか、具体的にようわかっていない(自覚していない)けれど。
引退後の問題行動、非常識な所作とか精神的トラブルはたいていオッサン(爺さん)の話題、その辺り女性は日常生活+地域に根を張って、毎日しっかり、強く生きているということでしょう。自分もまず日々の暮らし、足元から固めて、元気で過ごせばなんとかなる・・・かも。一か月後くらいには二人目の孫誕生予定。人生引き時。
● 恒例ワン・パターンな前月ヴェリ・ベスト振り返り。
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Vaughan Willams 交響曲第5番ニ長調/ノーフォーク狂詩曲/ひばりは飛んでいく〜ベルナルト・ハイティンク/ロンドン・フィル/サラ・チャン(v)(1994年)・・・第1楽章「Prelude,Moderato」穏健なる田園風景と涼やかな風が流れる静謐な開始から、やがて激情は高まります。第2楽章「Scherzo,Presto misterioso」には落ち着かぬ細かい音形も抑制と落ち着きが漂う。第3楽章「Romanza,Lento」は囁くような哀しみと幽玄な木管の絡み合い、切ない情感が迫ります。第4楽章「Passacaglia,Moderato」はスケール大きく、そして悠々と慌てない。なんという静かな名曲、名演奏!12:38-5:33-13:30-11:27。残りの作品も胸に染みる静謐。11:36-13:34。
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Shostakovich 交響曲第1番ヘ短調/第15番イ長調〜アンドリス・ネルソンス/ボストン交響楽団(2018-19年)・・・現役もっとも忙しいひとりであるAndris Nelsons(1978ー拉脱維亜)43歳、我が貧者のオーディオを通しても痺れるほどの臨場感、低音の広がり。栴檀は双葉より芳しい才気煥発学生時代の作品は慎重にあわてず、細部ていねい緻密な仕上げ、オーケストラが極上に美しい。終楽章ラス前のトランペット・ソロはドキドキするほどの弱音の切れ味でした。いつもより作品が大きく聴こえるほど。9:28-4:51-9:46-11:07。
Shostakovichラスト交響曲は透明な落ち着き、コラージュ連続(WagnerやSuppe)に消えていくような、全奏がほとんどない不思議な作品。これもデリケートに美しく、低音の迫力が凄い。つかみどころがない作品に目覚めた自覚ありますよ。18:18-17:27-4:12-18:07。
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Mozart ピアノ協奏曲第20番イ短調K.466(2000年)/第21番ハ長調K.467(2001年)〜マティアス・キルシュネライト(p)/フランク・ベールマン/バンベルク交響楽団・・・前回拝聴はもう12年ほど前。じつは世評高い往年の録音を久々に確認したら、音質的に不満を感じて取り出したもの。こちらなんせリアルに鮮明な録音、小編成オーケストラ素朴なサウンドが好ましい。スタインウエイのはずだけど、響きは華美にならず、しっとりと愉悦に充ちたタッチ最高。深い哀しみを湛えたイ短調協奏曲、闊達な風情に第2楽章「Andante」は稀代の名旋律が映画にも使われるハ長調協奏曲、たっぷり堪能いたしました。(第20番)14:12-8:17-8:07(第21番)13:38-6:14-6:26。
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Shostakovich 交響曲第4番ハ短調〜ベルナルト・ハイティンク/ロンドン・フィル(1979年)・・・怪しくも暗く、重苦しい作品。ここ最近、お気に入りの作品となりました。クールかつ明晰、乾いて洗練された迫力たっぷりの演奏。オーケストラの技量の高さ、金管も鳴り渡って最高。第1楽章後半の「Prest」には切迫した狂気を感じさせないまま、いつのまにか絶叫に至って説得力充分。これは旧ソヴィエットとは無縁の近現代作品としての完成された表現と思います。音質極上。16:20+12:32-9:06-7:03+22:35。
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Berg ヴァイオリン協奏曲(28:22)/Bach アンダンテ(2:59)/Shostakovich 交響曲第8番ハ短調(66:16拍手楽章間含む)〜アンドリス・ネルソンス/ベルリン・フィル/バイバ・スクリデ(v)(2010年ライヴ)・・・ネットより入手した音源は音質良好。Baiba Skride(1981-)も拉脱維亜なんですね。Bergの静謐深淵、これほどの妖しい集中力は久々の経験でした。Shostakovichはオーケストラが猛烈に上手い!分厚く艷やかな響き、縦線の合い方と管楽器ソロパートの出現に心奪われるほどの美音、終楽章のヴァイオリン・ソロも文句なし!第3楽章「Allegro non troppo」無機的凶暴なる繰り返しが感銘を生む凄い楽章!痺れました。ボストンとのセッション録音も聴きたくなりました。
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Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調〜アラン・ギルバート/NDRエルプ・フィル(2021年マドリード・ライヴ)・・・ニューヨークより2019年、ハンブルクに転身したAlan Gilbert(1967-亜米利加)は旬の人。この作品で欧州ツアーしたらしい。残響豊かに音質良好、冒頭涼やかなホルンから厚みと深みのあるオーケストラのサウンド魅力爆発、Brucknerに求めたい重心の低さ、スケール大きく爽快。上手いオーケストラやなぁ、弱音のデリケートな余裕に痺れて、テンポは中庸に慌てたり走ったりしないもの。この充実したサウンド緻密なアンサンブル、おそらくここ最近聴いた中ではこの作品ヴェリ・ベスト。70:26一本ファイル(拍手込み)
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Bach カンタータ「されど同じ安息日の夕べに」 BWV42より「シンフォニア」/Corelli 合奏協奏曲 ト短調 「クリスマス協奏曲」 作品6ー8/Pachelbel カノンとジーグ ニ長調/Handel 合奏協奏曲 変ロ長調 作品3-2/Vivaldi 合奏協奏曲 ニ短調 作品3ー11/Albinoni アダージョ ト短調〜ロバート・キング/ムジカ・ダ・カメラ(1992年)・・・リズムにエッジを効かせない、端正マイルドな古楽器アンサンブルを聴くと、不祥事による活動停止がほんまもったいないと感じます。録音がウリのLinnレーベル最高!所謂売れ筋の「カノン」「アダージョ」を揃えて、誰でも知っている旋律ばかり、来月に迫ったクリスマス風のアルバムでもあります。こんな作品が似合う季節となりました。
(2021年12月1日)
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