長久手時代行きつけだった富山料理の店/残念

大阪府大東市へ転居・新生活へ


 2月の中旬に長久手市より大東市へと転居いたしました。朝方荷物を運び出したトラックは3時間も経たずに到着したものです。全国的に大雪が話題となって、こちら雪はないけれどたっぷり冷え込む時期に落ち着かぬ生活、心身ともに疲労がつのりました。膝や腰に鈍い痛み、全身倦怠感は続いております。コロナには辛くも偶然縁はなくて、体調がよろしくないのはおそらく花粉症+環境の変化による微妙な鬱症状かも。ぼちぼちご当地で耳鼻科など探しましょう。

 転居の本旨は母(92歳)の介護。現役時代尼崎市在住時には電車で一本、女房殿は実家の父と姉の最期を看取りました。長久手市在住9年間に北海道の両親を相次いで失って、そして自分はお仕事完全引退を迎えました。女房殿は月に一回ほど大阪に通って母の様子を看て、自分のお仕事のケリがつけば、転居先は他に選択肢はなかった。大東市は人口12万人弱。かつて飯盛山城があったらしくて、それは三好長慶の居城。永禄3年(1560年)入城、永禄7年(1564年)没。室町末期戦国時代の武将とのこと、大東市役所に像があるんだそう。現在そんな歴史の風情情緒は感じられぬ、お隣の東大阪同様準工業地帯、けっして環境のよろしいところに非ず。でも大阪中心部まで交通至便だから意外と人気はありそう。若い人やこどもたち、それなりに見掛けます。少年野球が盛んみたい(甥も参加)大阪産業大学も有。(現在春休み中。受験もありました)

 母親は足腰弱っても元気らしくて、自転車で10分ほどの距離、これでまずは一安心でしょう。女房殿は頻繁に通って、ガラケーの契約変更が当面宿題となっております。こちら家具とか種々いろいろ廃棄、それは転居のたびに繰り返してきたこと。随分荷物は減らしたつもりでも、いざ新居に移ると断捨離はまだまだ不充分であったと反省いたしました。ミニマリストは目指さないけれど、もったいない、使えるかも、思い出がある、そんな煩悩からなかなか逃れられぬのも事実、現在さらに、ますます廃棄を進めている真っ最中。新しいものの入手には慎重な節約生活。元気なうちに美味しい喰いものには贅沢したい。

 日々の料理とか市立体育館への鍛錬とか、一応以前同様の日常生活には戻りつつあって、ネット環境はようやく本日開通。仮のToneMobileのUSB接続テザリングは使い過ぎて接続速度異様に遅く、10日ほど苦戦いたしました。4月には二人目の孫のお宮参りがあるから。それまでにコロナが沈静化して、心安らかに熊本に出掛けられることを祈りましょう。自分の宿題は見知らぬ土地での引き隠りを脱却することですよ。新しい社会と接点開発はいまのところ目処が立っておりません。数日後に誕生日を迎えて正式にサラリーマンの身分より離脱いたします。

 転居しても変わらず恒例の前月ヴェリ・ベスト振り返り。

Mercury LPBartok 管弦楽のための協奏曲〜アンタル・ドラティ/ミネアポリス管弦楽団(1953年)・・・1月に聴いていて曰く

”Mercuryによる期待の旧モノラル録音、これは悪い音じゃないが、わざわざ求めて聴くべき音源に非ず”
とは失礼な言い種。転居後の部屋は堅牢なるコンクリート壁、ボリュームを上げて聴くと鮮明な分離を堪能できて、単に”ステレオではない”だけの優秀な音質を堪能できました。うっかり聴いていたらモノラルとは俄に気付かぬほどの各パートの存在感。例の如し、かっちり飾りのないストレートな演奏を堪能、この時期のミネアポリス交響楽団の技量もたっぷり愉しめました。引き続きStravinsky バレエ音楽「春の祭典」(1951年)も確認して、これもまったく同じ印象でした。

MELCD1002170Vaughan Williams 交響曲第7番(南極交響曲)〜ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/ソヴィエット国立文化省交響楽団/エレーナ・ドフ=ドンスカヤ(s)(1988−89年レニングラード・ライヴ)・・・露西亜のRVW!?こんな録音の存在を初めて知りました。Gennady Rozhdestvensky(1931ー2018)は英国での活動も多かったのでその流れだったのでしょう。露西亜はもちろん英国以外の全集録音はほかではなかったと記憶します。音質はまずまず、これは映画音楽「南極のスコット」をベースにした作品、冷たい情景が広がる散文的な旋律連続、雪女風ソプラノ+オルガンは巨大なる氷壁を連想させ、木管やハープの繊細な響きはダイヤモンド・ダストを思わせるもの。朗々と雄弁、隈取のはっきりとした強弱、例の金管のお下品な響きは控えめに力強さに不足はない、さほどに暑苦しい違和感もない立派なアンサンブル。10:08-5:25-9:02-4:56-8:31。

Brilliant BRL99934Rimsky-Korsakov 交響組曲「シェヘラザード」/音画「サトコ」/歌劇「サトコ」より「インドの歌」〜ロリス・チェクナヴォリアン/アルメニア・フィル(1991年)・・・これも入手十数年、いまや入手困難なCDかも。(ASV原盤)カルヴァ−ハウスの明晰クリア、陰影とは無縁な録音+残響少なめ、オーケストラそのものが乾いた響きなのでしょう。ローカルなオーケストラは昔から大好き、首都エレヴァンのオーケストラは粗野、迫力たっぷりに金管+ピッコロの高音が強調され、意外としっかりとした演奏でした。(最終楽章トランペットのタンギングとか)シュヴァルベ辺り念頭にあればヴァイオリン・ソロには少々色気と潤い不足、全体にオーケストラの力不足は否めないけれど、燃えるようなオリエンタル旋律への情熱には共感ありますよ・・・とは2017年の感想。

Loris Tjeknavorian(1937ー宜蘭)は維納にて学んだ亜美尼亜人。ご高齢だからもう活動されていないかも。息子のエマニュエルの録音を最近見掛けるようになりました。5年ぶりの拝聴は上記印象と寸分違わない。ホールトーンを活かして質実自然な響き・・・とは無縁な解像度高いデーハー熱気サウンド、全力一気呵成に突き進んで四の五の云わせんよ!的爽快さに充ちておりました。そんな個性も似合う名曲と思います。9:27-12:21-10:23-11:27。(サトコ2曲は)11:27。3:31。

DGStravinsky バレエ音楽「春の祭典」〜マイケル・ティルソン=トーマス/ボストン交響楽団(1972年)・・・MTT26歳伝説の録音のひとつ。音質オーケストラの技量、リズムの知的な切れ味、輝かしいサウンド、自然な解像度とも文句なし。若手新人の完成度水準じゃないっすよ。その筋の詳しい人によると終曲「生贄の踊り」ラスト辺りピッコロ・トランペットが先走っているとか、「部族の遊戯」のトゥッティ、「誘拐の遊戯」で要求される金管(特にラッパ)の細かいオブリガードには、かなり辛い瞬間もある・・・とか、ド・シロウトにはそんな細部はまったく理解の外、小澤就任直前のオーケストラの技量・色彩・若い勢いをたっぷり堪能いたしました。16:08-17:52。

CHANDOS LPR.Strauss 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」/交響詩「ドン・ファン」/歌曲「母の自慢(Muttertandelei)」/「ツェツィーリエ(Cacilie)」〜ネーメ・ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/フェリシティ・ロット(s)(1987年)・・・ネーメ・ヤルヴィのR.Straussは「英雄の生涯」を聴いていて、ほか主要作品の録音の存在を知りませんでした。剛直な金管爆発!イメージな”ツァラ”、ましてや迫力父ヤルヴィでしょ?期待想像とはちょっぴり外れてやや抑え気味、バランス重視に始まって徐々にエンジンが掛かって、細部響きは解像度クリア、意外なほど細身にクールでした。仕上げは入念、自分は冒頭ばかり著名な作品を難解と考えていて、作品全貌をつかむのにずいぶんと聴き込みが必要だったと記憶します。先日「新世界」を聴いてオーケストラの技量を見直したけど、ここでも上手いなぁ、父ヤルヴィの薫陶の賜物でしょうか、緻密なアンサンブルに金管の迫力爆発に不足はありません。響きも濁らない。「ドン・ファン」も艷やかな響きはクール、独墺系厚みのある響きに耳慣れていると、その辺りの不足(弦)を気にされる方はいらっしゃるかも。金管の分離は爽快、素直な音色は好きですよ。短い歌曲集はロットの美声に親密なもの。

DECCA 4524962Mozart 交響曲変ホ長調 K.16(旧第1番)/イ短調 K.16a「オーデンセ」(擬作)/ニ長調 K.19(旧第4番)/へ長調 K.19a(K.A.223)/変ロ長調 K.22(旧第5番)/ ニ長調 K.32「ガリマチアス・ムジクム」/ハ長調 K.35「第一戒律の責務」/ニ長調 K.38「アポロンとヒュアキントス」〜クリストファー・ホグウッド/アカデミーオブ・エンシェントミュージック/ヤープ・シュレーダー(v)(1978-85年)・・・こういった全集物にしっかり向き合えるのが引退身分の良いところ。最近忘れられたようなアナログ末期からディジタル初期録音、もう40年以上前となって、Christopher Hogwood(1941ー2014英国)も鬼籍に入りました。アダム・フィッシャーの全集を点検して、交響曲第32番ト長調 K.318が含まれていないことに驚き!

こちらオペラの序曲セレナーデなど他、交響作品っぽいのをすべて録音して、これが一枚目。第1番にラスト交響曲「ジュピター音形」出現する不思議。「オーデンセ」は当時新発見!と騒がれたもの、やがて真作ではないと判定され、現在では滅多に聴けぬ貴重な作品であります。FMから散々聴いた「疾風怒濤風」名曲、いくら天才とは云えこどもの作風に非ず、符点のリズム劇的な旋律はちょいと、いつもの風情とは違う名曲でした。闊達な古楽器技量に鮮明な音質は快く、速めのテンポに軽やかなリズムは快調、現役。なんせラインスドルフ以来知名度薄き初期作品も細部旋律馴染み、天才に駄作なし。ウキウキしながら拝聴中です。変ロ長調 K.22(旧第5番)辺り、深い陰影は10歳神童の才能は驚異!

(2022年3月1日)

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written by wabisuke hayashi