台風いくつ過ぎて秋
先月台風は連続して幸いこちらには被害はなし、一雨ごとに秋の接近を感じて、就寝時のエアコンもほとんど必要なくなりました。次回電気代の請求に注目、また11月から値上げなんだそう。左膝は古傷、それをかばう右膝外転筋方面が痛んで念のため、整形外科に精密検査したら機能的には問題ないとのこと。ほんまかなぁ、いまでも深く曲げて体重を掛けると痛みが走ります。隔日+αのトレーニングを欠かさないけれど、悪友との酒は先月二回ほど、体重増傾向が続きます。2年前より+2kgな感じ。ハラがなかなか凹まない、おそらく内臓脂肪はしつこく滞留しているのでしょう。暴飲暴食はしていないけど、基礎代謝が下がっているのかも。
映画にも出掛けたし、季節も落ち着いて銭湯にも二度通って、もんもんさんとご一緒してきました。ちょうど一年前は心臓の検査が無罪放免となって、引退へのカウントダウンに不安な日々を送っておりました。9月に68kg台=危険水域に達するのは昨年も同様でした。これは季節的なものか。
必要最低限を見極めて、生活のムダを削ぎ落としてシンプル生活を目指しております。身の回りのものはもちろん、集めまくった音楽音源も点検整理して鋭意廃棄継続中。それでも音楽読書映画やテレビ、おいしいもの、身体鍛錬など、生活のうるおいへ身の丈に似合った出費は欠かせません。”人生で一番大きな出費は不動産、次はクルマ。その両方ないのは究極の節約”と悪友より評されました。生活場所地域を固定される不動産をさっさと処分したのは正解だったかな?
4歳下の悪友は既に前倒しで年金をもらって、その理由は”高齢になったらは金を使わなくなる、元気なウチにさっさと使いたい”との主張、我が家は年金支給先延ばし、預貯金はどーせ金利なんかほとんど付かないからそれを先行消費中。割増しになる年金については ”若い人はカネがなくても元気で稼げるけれど、年齢を重ねて弱ってカネがないのは情けない” 理論、各々言い分ありますよ。この急激な値上げはちょっと痛い。とにかく平穏な世の中を願って、隣国から攻め込まれたり、せめて日本からは攻め込んだりしないで欲しいと祈りたいもの。
いずれ愉しい余生には心身ともに元気が最優先事項、体調崩して身動きできなくなったら、どんなおカネ持ちもシアワセじゃない。元気いっぱいに過ごせる健康寿命を伸ばすために70歳迄が勝負!日々鍛えているのもそのため。65‐70歳の就労50%超えとの記事拝見、ほんまでっか?先日呑んだ旧友爺3人は遊んで暮らしております(含むワシ)。経済的にちょっぴり余裕があればあくせく働きたくないのが本音?自分はいちおう43年も働いて税金支払ってきたし、社会に役割は果たしたと思うんやけどなぁ。
● いつもの前月ヴェリ・ベスト振り返り。
■Haydn 交響曲第94番ト長調「驚愕」/第100番ト長調「軍隊」/第104番ニ長調「ロンドン」〜ロイ・グッドマン/ハノーヴァー・バンド(1987年)・・・すっかり忘れられた感じの古楽器録音。NimbusにHaydnはCD17枚分録音して、全集6割のところで中断、アダム・フィッシャー全集に移行した経緯は不明です。これが眼の覚めるように臨場感豊かな音質、素朴な古楽器サウンド(ノンヴィヴラートな弦、粗野に野太いホルン→これはずっと大活躍!)が躍動してウキウキするような演奏が続きました。第94番ト長調の第2楽章「Andante」は弱音に進めて、途中ティンパニの一撃はほんまに驚愕!(8:10-6:01-4:03-4:15)「軍隊」第1楽章「Adagio-Allegro」はノリノリ、題名由来である第2楽章「Allegretto」は優雅そのもの(トランペットはMahlerの交響曲第5番 嬰ハ短調冒頭にクリソツ)ラスト打楽器の賑々しさは効果的でした。第3楽章は優雅継続、闊達な第4楽章「Presto」ラストの打楽器は意外と抑制が効いて、つぶれた音色のホルンがダメ押しの対比。(7:31-5:35-5:28-5:30)「ロンドン」はクールに流麗な開始、第1楽章「Adagio-Allegro」の推進力、ホルンが圧巻の迫力。第2楽章「Andante」もノンビリ・・・かなと思ったらしっかりホルンが爆発してくれました。第3楽章「Menuetto」の弾けるリズム感!第4楽章「Spiritoso」は快速テンポに軽快、一気呵成に駆け抜けました。ラストダメ押しの熱気も文句なし。(8:03-7:22-4:12-6:27)
■Mozart 交響曲第39番 変ホ長調/第40番ト短調/第41番ハ長調「ジュピター」〜リッカルド・ミナーシ/アンサンブル・レゾナンツ(2019年)・・・過激なリズムとテンポの変化を強調して快速、所謂古楽器風演奏の極北、基本はモダーン楽器使用とのこと(コンセルトヘボウのメンバーも参加)。うっかりすると馴染の作品とは気づかぬほど、繰り返し律儀に実施は自分の好みでした。変ホ長調交響曲は冒頭からティンパニの強打に仰け反って、第3楽章「Menuetto」は優雅にリズミカルな揺れ、終楽章「Allegro」のアクセントのしっかりとした歩みも印象的。ラスト前曰くありげなタメもクセありまっせ。(10:15-8:07-4:39-8:07)ト短調交響曲は快速疾走雄弁な開始。微細な表情と思わぬテンポの変化。緩徐楽章の陰影、対比も驚き、第3楽章「Menuetto」は比較的力を抜いても、緊張と緩和は明晰、根性入ったタメもしっかり。終楽章「Allegro assai」は無慈悲に燃えるような快速疾走。ウェットな悲劇性と無縁な演奏と感じます。(7:15-15:15-4:20-8:45)ラストはハ長調交響曲。決然として叩きつけるような出足に、悠々と歌うように上機嫌な第1楽章「Allegro vivace」第2楽章「Andante cantabile」は表情は千変万化、木管が美しくリズミカル。天使が舞い降りる第3楽章「Menuetto」って、優雅な風情もじつは舞曲だったと妙な発見をさせるヴィヴィッドなリズム感、終楽章「Molt allegro」は力強い歩み、木管は丸っこい音色な装飾音も雄弁、圧巻のジュピター音型にスケール大きな結末を迎えました。(11:40-10:28-5:48-11:44)
■Mozart ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調K.271「ジュノーム」(1978年)/第12番イ長調K.414(1970年)/ロンド イ長調K.386〜アルフレッド・ブレンデル(p)/ネヴィル・マリナー/ジ・アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ・・・モダーン楽器、作品そのものを堪能するに最良のオーソドックス・バランス演奏。音質極上。いきなりの華やかなピアノ・ソロに始まる「ジュノーム」はしっとりとしたマリナーの伴奏に支えられて、なんの雑味不純物濁りも、要らぬ力みも感じさせないもの。(10:22-12:21-10:14)イ長調協奏曲は落ち着いた風情と陰影に溢れます。第2楽章「Andante」の床しい抑制には涙が出そうなほど。演奏者の恣意的な個性を表出させぬ、知的に淡々としたソロでしょう。(10:42-8:51-6:27)ロンドはどれも傑作揃いのMozart旋律中屈指の懐かしさ、名残惜しさと切なさを湛えた名曲中の名曲。これだけが録音情報を探せませんでした。今回初めて序奏からピアノが参加していることに気付きました。(8:42/録音情報が探せません)既にブレンデルは引退し、マリナーも鬼籍に入って妙に寂しく美しい遺産を拝聴いたしました。
■Respighi 交響詩「ローマの噴水」/交響詩「ローマの松」/交響詩「ローマの祭」〜山田一雄/東京都交響楽団(1989年サントリーホール・ライヴ)・・・昔馴染みなシャルル・ミュンシュ/ニュー・フィルハーモニア(1967年)の「松」を聴いて、いまいち腰が定まらぬようで期待外れ、久々エルネスト・アンセルメを聴きたくなったけれど音源は手許にないことに気付いて、慌ててネットを探っても出現せず残念・・・山田一雄さん(1912ー1991年日本)を取り出したもの。
これは音質、熱気、パワー、オーケストラの厚み低音、アンサンブル、いずれをとっても最高の演奏。ここ最近、日本の演奏を多く拝聴機会があってほとんどその高い水準に仰け反るばかリ、大正生まれのヴェテランの記録も例外にあらず、都響の金管は鳴り響く技量に驚かされました。「噴水」は未だ様子見、「松」に於けるタメと朗々たる歌、満を持して「祭り」の大爆発に痺れました。77歳亡くなる2年前の記録とは信じられない。17:00ー23:00ー26:30(歓声拍手込み)
■ここ最近凝っているEMIによる20世紀の音楽寄せ集めより。de Falla 交響的印象「スペインの庭の夜」(ゴンサロ・ソリアーノ(p)/ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス/パリ音楽院管弦楽団1963年)/Holst 組曲「惑星」(エイドリアン・ボウルト/ロンドン・フィル/ジェフリー・ミッチェル合唱団1978年)・・・Gonzalo Soriano(1913-1972西班牙)はこの作品ばかり、いくつか拝聴したのみ。驚いたのは鮮明リアルな音質、妖しい南欧の気怠くも濃密な熱気たっぷり感じさせて、官能的なキラキラとしたタッチを堪能させていただきました。10:14-5:43-9:14。
この作品を十八番としたAdrian Boult(1889ー1983英国)ラストの「惑星」録音は鉄板。ロンドン・フィル絶好調、89歳の爺の演奏とは思えぬ矍鑠とした貫禄と力強さ。堂々たる推進力の「火星」から、涙が出るほどタメ、間が絶妙にカッコ良い!オーディオ専門の方からの評価は知らぬけれど、これも音質鮮度極上かと。「金星」のデリケートな静謐、「水星」の剽軽軽快な躍動と切れ味、誰でも知っている「木星」は金管の渋い乱舞と掛け合いに新しい発見有、勇壮な中間部「Andante maestoso」はむしろ抑制が効いてじわじわ、締め括りも力みなく感動が押し寄せました。「土星」は暗い囁きから絶叫に至る盛り上げ、安寧へ至る語り口の上手さ。「天王星」もスケルツォ(「水星」に続く)地に足付けてしっかりとした歩みが圧巻のパワフル。「海王星」の弱音はオーディオの力量を問われるところ。消えゆくような女声と遠い星屑のような管弦楽がステキな音楽でした。痺れましたよ。8:07-7:27-3:48-7:59-8:23-6:27-6:26。
■Mozart セレナード第10番変ロ長調 K.361「グラン・パルティータ」/管楽器とピアノのための五重奏曲変ホ長調 K.452〜ハンスイェルク・アンゲラー/ザルツブルグ・モーツァルテウム管楽フィル/パーヴェル・ギリロフ(p)(2017年)・・・常設の団体ではないらしい、欧州の一流のメンバーを揃えた管楽作品全集録音とのこと。一部古楽器も使用とのこと。Hansjorg Angerer(1955-墺太利)はもともとホルン奏者らしくて、K.452にはアンサンブルに参加しております。これも名曲中の名曲、大好きな無条件幸福「グラン・パルティータ」にはコントラバスがはっきり聞こえます。およそこの作品を録音する人たちに技量の優劣などあるはずもなし、特異な個性を付加することもなかなか難しく、幾種も音源集めて、どれも聴いても必ず至福の時間は間違いない。第3楽章「Adagio」は映画「アマデウス」にてサリエリがあまりの陶酔に楽譜を取り落とす場面、最高(同じネタばかり使って恐縮)。第6楽章「主題と変奏曲」のユーモラスな風情も好きやなぁ。落ち着いたテンポにしっとり落ち着いた素直な響き、各パート完璧のバランスと洗練、どこまでも続く耳当たりのよろしいサウンドに心奪われました。9:41-8:46-5:27-4:26-6:40-9:53-3:34。親密なピアノ五重奏曲は11:13-9:52-6:05。
(2022年10月1日)
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