暖かい春がやってきました
2月は寒く、膝に通風症状も出て難儀したけれど、3月は気温も上がってさっさと桜も開きました。暖かくなって膝の調子も良好、隔日鍛錬は皆勤賞に16回、体調は悪くないけれど花粉症に痰が絡んで途中覚醒睡眠不如意は続いて、一番の難問は体重増傾向、すっかりリバウンド状態。これをなんとかするのが最大の宿題でしょう。3年前より+3kgほどは最悪。
前月上旬の健康診断はお仕事引退後初、先週ようやく結果が出て、予想通り尿酸値は高く、それ以外はすべて基準内、コレステロール、肝臓も標準値、問題なし。但し、脂肪肝は改善していないとのこと。これが内臓脂肪蓄積の証拠でしょう。検便結果ですべて大腸がんの疑いがクリアされるワケはないらしいけれど、毎朝快便、食物繊維を意識して摂取+ヨーグルト+適度な運動にその辺りは大丈夫と信じております。胃底部のポリープは様子見で大丈夫とは近所の内科医のお墨付きをいただきました。尿検査腎臓、心電図も問題なし。
痛風発作は3年に一回ほど起こして、ひさびさ20年ぶり?服薬を再開いたしました。これは体質だからずっと続けないとあかんのかも。ジェネリック後発薬が安くて助かります。一人息子はずっと九州にいると思って、やがて将来折を見て福岡に転居しようと夢見ていたら寝耳に水、転職して熊本→明石に転居とのこと。転勤のない職場に上手いこと定着できれば、ずっと関西、この先身の振り方を再考必須となりました。今月末には引っ越してきます。孫が近所になるのは嬉しいもの。適度な距離感も悪くない。向こうの爺婆はガッカリでしょう。ご近所の転居のトラックも毎日のように見掛けるシーズンに至っております。
無粋な自分は花の知識はさっぱり、三色すみれくらいかな、ご近所に咲いているのを認識でききるのは。最近、ブログのランダム表示にムスカリという存在を知りました。市立体育館途中にけっこう見掛けます。小さな紫の可愛い花です。あいかわらず料理と洗濯以外なにもしない、社会に貢献しない日々が続いております。
● 毎度の前月恒例ヴェリ・ベスト。
■Schubert 交響曲第8番ロ短調「未完成」 D.759+Allegro (fragment)〜ミヒ・ガイック/オルフェオ・バロック管弦楽団(2018年)・・・現在では第7番と呼ぶそうな。ド・シロウト耳にもあきらかにピッチが低い古楽器演奏。Michi Gaigg (1957-墺太利)は期待の女流、Schubertはフラグメントも含めて全集録音となっております。この間、浪漫派音源点検整理にちょろ聴き続けて食傷気味、とうとう劇的に粗野な音色、大胆なな表現に出会って溜飲を下げました。第1楽章「Allegro moderato」冒頭のコントラバスは人数少なく、響き薄く小さく、それはやがて全奏の力強い絶叫に成長して表情も豊か、迫力に不足はありません。第2楽章「Andante con moto」は淡々としてリズミカルな風情、途中の爆発は充分な力強さ、ホルンの牧歌的な音色は魅力でしょう。第3楽章「Allegro」はスコアが完成された20小節目迄の演奏。明るいBrucknerみたいな金管から、ちょろりと木管が出動した時点で終了いたしました。14:33-10:41-0:36。Schubertの管弦楽作品も自分の嗜好は古楽器系と自覚いたしました。音質も極上。
■Mussorgsky/Ravel編 組曲「展覧会の絵」/交響詩「禿山の一夜」〜コリン・デイヴィス/コンセルトヘボウ管弦楽団(1979年)・・・前日ピアノ版を聴いた流れ、LP時代ハイティンクによる「展覧会の絵」を所有していたと記憶するけれど、最近とんと見掛けません。ディジタル最初期にコリン・デイヴィスがコンセルトヘボウに録音をしてたとは意外、これが予想通りというか期待通りの完成度。ややオフ・マイクに充分空間を感じさせる極上音質、露西亜風泥臭さや力強い爆発、派手さとは無縁、穏健に落ち着いた風情が粛々淡々と広がるオトナの演奏でした。ハイティンク時代のコンセルトヘボウはマイルドに厚みがあって極上の余裕、テンポはやや遅めに慌てない。微妙に揺れてニュアンスもたっぷり細部解像度クリア、ゴリゴリ低音や打楽器を強調することもありません。粗野に泥臭い露西亜風旋律は美しく、抑制も効いてラスト「キーウの大門」はたっぷりテンポを倍にとって輝かしいクライマックスを迎えました。1:38-2:27-1:02-4:55-0:32-1:11-2:49-2:01-2:14-3:47-2:07-8:56。「禿山」は重厚にスケールの大きな演奏。11:39。
■ Bruckner 交響曲第5番 変ロ長調(1878年版)〜マリオ・ヴェンツァーゴ/タピオラ・シンフォニエッタ(2014年)・・・前回拝聴は2021年。この作品は全交響曲中屈指のスケールを誇るもの、
ムダを削ぎ落として断捨離行き着く果てミニマリスト、風スリムな痩せたサウンド。”大きさ雄大さ”旨としない演奏、ようやくこれもひとつの行き方、聴手に安易な先入観許さぬ新鮮と受け止めましたやや奥歯になにか挟まったような?言い種。芬蘭土のタピオラ・シンフォニエッタのメンバーは41名とか、管楽器に応援を得たとしても通常よりかなり小編成。第1楽章「Introduktion: Adagio - Allegro」からすっきりクリアに薄く軽快な響き、速めのテンポ、雄渾なるスケールとかタメ、強烈な爆発とは無縁の表現でした。アンサンブルは整って、後半に向けてそれなりの緊張感は高まって、作品の骨組みはよく理解できました。(15:56)第2楽章「Adagio. Sehr langsam」は深遠なる緩徐楽章。ここも淡々と急ぎ足に過ぎ去ります。「非常にゆっくりと」という指示には沿っていないけれど、流れるように歌う高揚にさほどの違和感もありません。(12:14)第3楽章「Scherzo. Molt vivace, Schnell - Trio. Im gleichen Tempo」ここの躍動に一番違和感が少ない?それとも耳慣れたのか金管の迫力もかなり、テンポ・アップの連続に緊張感はたっぷりでした。(13:12)第4楽章「Finale. Adagio - Allegro moderato」は漆黒の階段を手探りで降りるような第1楽章、第2楽章も回想され、早めのテンポに熱気と勢いを感じさます。相変わらずテンポはかなり速い。荘厳さとは無縁に素朴に軽快な躍動に好感を得ました。落ち着きはないけれど緊張感は維持して響きは濁らない、唯一無二の個性を誇って、これは貴重な存在でしょう。(18:37)■Paris-1900「旧と新」Debussy ラモー讃/ルーブルの思い出/金色の魚(アラン・プラネス(p))/Ravel 古風なメヌエット/ソナチネ(アレクサンドル・タロー(p))/Chausson 詩曲(イザベル・ファウスト(v)/マルコ・レトーニャ/ベルリン・ドイツ交響楽団)/Debussy 牧神の午後への前奏曲(フィリップ・ベルノー(fl)/アリアーヌ・ジャコブ(p)/Ravel 歌曲集「シェヘラザード」より「魔法の笛」(ベルナルダ・フィンク(a)/ケント・ナガノ/ベルリン・ドイツ交響楽団)/Satie グノシエンヌ第3番(アレクサンドル・タロー(p))/Hahn 「私の詩に翼があったなら」(コンスタンティン・ヴォルフ(bbr)/トルング・サム(p))/Satie シテール島への船出(イザベル・ファウスト(v)/アレクサンドル・タロー(p))(1997-2013年)・・・1900年にはパリ万博、そしてオリンピック開催、現在の三番煎じ風まんねり万博とか、金満汚職五輪とは違う、ほんまの先進社会の希望として爛熟していた時期なのでしょう。寄せ集め音源、オーケストラはベルリンでも全曲通して演奏の質、音質とも違和感なし。至福の妖しくもアンニュイな旋律が続いて、当時花開いた文化を追体験できる企画ものであります。6:58-5:08-5:54-3:45-2:55-4:03-14:55-8:54-3:03-4:06-2:22-2:27-3:28。
■Bach ヴァイオリン協奏曲イ短調BWV1041/Johann Christoph Bach アリア「友よ、あなたは美しい」/ヴァイオリン協奏曲ト短調BWV1956R/Mozart ファゴット協奏曲変ロ長調K.191/Bach 管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067/カンタータ第209番「哀しみを知らぬ者」/ヴァイオリン協奏曲ホ長調BWV1042〜イザベル・ファウスト(v)/ペーター・ウェラン(fg)/アンナ・ルチア・リヒター(ms)/レイチェル・ブラウン(fl)/ジョナサン・コーエン/アルカンジェロ(2016年ロンドン・ウィグモア・ホール・ライヴ)・・・ Isabelle Faust(1972ー独逸)は現役最高の古楽器ヴァイオリニストの一人。このライヴ音源は音質極上、練り上げられた現代の古楽器演奏最良の姿を捉えております。通奏低音はテオルボ?馴染みの旋律名曲は思いっきり表情豊かにノリノリ、陰影豊かに技巧の切れ味も最高。Johann Christophのアリアは初耳、途中ユーモラスに闊達なMozartも入って、Anna Lucia Richter(1990-独逸)の声質もしっとりと華やかでした。過激なリズムやテンポ設定を嫌う方もいらっしゃるようだけど、並のモダーン楽器とは較べられぬ魅力のサウンド手応えたっぷりいただきました。13:04-10:26-9:25-17:09-19:11-19:54-16:31(拍手込)。
■Debussy 夜想曲/交響組曲「春」/クラリネットと管弦楽のためのラプソディ第1番〜ピエール・ブーレーズ/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団/ジェルヴェース・ド・ペイエ(cl)(1968年)・・・LP時代から馴染みの演奏。当時の印象はオン・マイクな音質に尖った明晰表現だったと記憶する けれど、こうして半世紀以上経過するとかなり受け取り方は変わりました。Pierre Boulez(1925ー2016仏蘭西)は洗練され細部迄曖昧さのないクリアな響き、クールに整ったバランスのなかに明るい、熱気みたいなものを感じさせる当時43歳。それは「春」第2楽章「Modere」に顕著、湧き上がるような風情に顕著。陰影とか情念、アンニュイ?みたいなものとは無縁、クレンペラー時代の英国のオーケストラを駆使してアンサンブルは優秀、馴染みの作品は常に明るい日差しがあたって思いっきり新鮮に響きます。名手Gervase de Peyer(1926ー2017英国)も同世代だったんやな、微笑みの音色にわずかなヴィヴラートに色気を感じました。7:04-6:40-11:05。9:55-6:13-8:38。8:38。
■Ravel ピアノ協奏曲ト長調/高雅で感傷的なワルツ/左手のためのピアノ協奏曲/ラ・ヴァルス〜フィリップ・フォーク(p)/セルジュ・ボド /ロンドン・フィル(1988年)・・・Philip Fowke(1950ー英国)とは初耳、Serge Baudo(1927ー仏蘭西)は驚き、未だご存命らしい。この音源の出目やら情報をネット求めて、けっこう苦戦いたしました。忘れられた存在とはもったいない!ほどの雰囲気あるふくよかな音質、そして演奏、「高雅で感傷的」はピアノ・ソロ、ラ・ヴァルスは管弦楽版。剽軽に繊細なト長調協奏曲、重厚なる「左手」、いずれピアニスト泣かせの難曲とか、もちろんバリバリ弾けばよろしい作品じゃないでしょう。繊細かつ小粋な風情に正確な技巧、二種のワルツも含め英国のピアニスト・オーケストラとは思えぬ(←勝手な思い込み)馥郁たる香りが漂いました。
■Shostakovich 交響曲第5番ニ短調/Berlioz 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」より「愛の情景」〜スタニスラフ・クロヴァチェフスキ/読売日本交響楽団(2013年)・・・これは3種目の録音?なんと90歳の記録は音質極上。ゆったり目のテンポに恐るべき緻密な統率、誰でも知っている著名な”戦う交響曲”はクールに冷徹なアンサンブルの仕上げ。オーケストラにパワー不足も感じさせぬ立派な第1楽章「Moderato-Allegro non troppo」、第2楽章「Allegretto」はけっして慌てず、低音の響きに余裕を感じさせてクリアな切れ味、入念な味付け。第3楽章「Largo」は繊細な哀しみが静謐に広がって、最大盛り上げ部分にオーケストラに非力を感じさせぬ迫力と洗練。第4楽章「Allegretto」も噛み締めるようなテンポに慌てない。常に冷静な佇まいを崩さず、そのまま徐々に熱気を増して、テンポは遅いままに悠々とクライマックスを迎えます。ラストの打楽器の低音はほんまにすごい。日本のオーケストラは上手くなりました。17:11-5:52-15:10-12:15(熱狂的な拍手入り)。「愛の情景」は静謐に極限のデリカシー。弱音に音楽の流れが行方不明になることない。18:07。
■Ravel ピアノ協奏曲ト長調(アリシア・デ・ラローチャ(p)/ローレンス・フォスター/ロンドン・フィル1973年)/Dohonanyi 童話の主題による変奏曲ハ長調(エルネー・ドホナーニ(p)/エイドリアン・ボウルト/ロイヤル・フィル1956年)・・・これはコンピレーションものLP復刻音源をネットより入手したもの。Ravelは誰でも知っている1923年のユーモラスに闊達な作品、これは思いっきり弾むように輝かしいテクニック、しっとり小粋な色気のある演奏。とくに第2楽章「Adagio assai」の微妙にフクザツはリズム、陶酔の静謐絶品。英DECCA録音は極上、細部Ravelの仕掛けを色々発見できる解像度。もしかして今まで聴いた演奏中のヴェリ・ベストかも。(8:24-9:57-4:06)Erno" Dohnanyi (1877-1960洪牙利)はたしかクリストフのお父さん、1913年の作品。ステレオ初期音質はまずまず良好。冒頭、御大ボウルトのいかついオーケストラに始まって、やがてキラキラ星の旋律を駆使した楽しい、変幻自在な作品でした。(22:35)
(2023年4月1日)
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